2006/01/15 - 2006/01/15
568位(同エリア1433件中)
おぷさん
※この日記は旅行記ではありません。
※お葬式の話ですので、不適切な写真があるかもしれません。ご興味のない方はご遠慮いただいたほうがいいかもしれません。
※ただ、海外で家族のお葬式をやるというのも、今思えばよい経験でした、ご興味のある方はぜひどうぞ♪
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旅行中の父が旅先のミャンマーで急死したらしい(脳内出血)。
在ミャンマー日本大使館から深夜に電話があり、急遽、ミャンマーへ行くことになりました。
しかも、ヤンゴンではなく、片田舎のピィという町とのこと。
実は翌週に父とタイで落ち合うことになっていたので、青天の霹靂でした。
とにかく、すぐにミャンマーまで来いとのこと。
東京に住む弟と合流し、航空券とビザを取るところからスタート。
当初、ビザはなくても、大使館のほうでなんとかするからとにかく来てくれとのことでしたが、軍事政権との連携がうまくいかなかったらしく、やはり日本でビザを取得してからきてほしいとのこと。
なんとかセントレア発、バンコク経由のチケットを手に入れ、ビザは東京の在日ミャンマー大使館へ。
理由を話すと、即日ビザを発行してくれた(しかも無料だった!)。
バンコクで一日トランジットし、ミャンマー・ヤンゴンへ。
空港で日本大使館(領事)のSさんと合流し、大使館の用意してくれたワゴン車で一路、パゴー州のピィという町へ。
初めてのミャンマーでしたが、不安が多かったですが、ビルマ人の温かさと優しさにふれられました。
身元確認して、ミャンマーの地で荼毘に付し、遺骨を持ち帰ってきたときの、個人的な記録です。
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 航空会社
- タイ国際航空
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-
ミャンマー・ヤンゴンへ到着。
前日は、バンコクで1日トランジットが必要だったので、バンコクに住む義兄(嫁の兄さん)の家に一晩お世話になる。
とにかく不安いっぱいの夜をすごしました。
特に弟はアジア圏への訪問が初めてとのことで、父急死のショックとカルチャーショックのダブルパンチでかなりまいっていた。
私のほうはアジア旅行経験も何回かあったので(しかもドンムアン空港は勝手知ったるという感じだった)、なんとかミャンマーまではたどり着けました。 -
イミグレを通過すると(といってもしょぼい空港で、誰でも出入りできそうな木製の入国ゲート)、大使館の領事S氏と現地通訳の女性が待っていてくれた。
すぐに大使館の用意してくれていたワゴン車に乗り込み、ヤンゴン市街を見ずに、空港から一路、ピィを目指すことに。
アジアっぽい景色が楽しめそうでしたが、気分的にはそれどころじゃない感じでした。(今おもえばもったいない) -
途中、茶屋で休憩。
道路にはところどころに関所のようなゲートがあり、軍服を着たお役人が通過チェックをしていました。
こちらの車は大使館ナンバーの車なので、問題なくスルー。
やっぱり国の力はすごいなと思った。
ずっと一本道で、周りは水牛が田植えをしていたりしてかなりのんびりしている。
それにしても、いい天気。 -
車を飛ばすこと約6時間。
途中で茶屋に2、3回休憩をとりつつ、ピィという町に到着。
すでに時刻は夕方の3時か4時くらいでした。
父の遺体があるという町の病院(軍の管理している軍病院らしい)に到着。 -
さっそく、身元確認でもするかと思いきや、別室に案内される。
なんか、不安いっぱい。 -
別室に、軍服きた人がいっぱい。
警察と軍関係者から、いろいろ聞かれ、父の荷物に間違いないか、と確認される。 -
かばんの荷物などを確認。
どうも、間違いなく父のものです。
パスポートなどを確認。
(この時点でまだ遺体見てない)
間違いはないか、なくなっているものはないか、など聞かれたけど、そんなのわかるわけねー。と思いましたが、大使館の人は「ここは軍事政権なので、なにか問題があると地元の警察なども処罰を受けることになる、だから厳密にチェックをしようとしているのだ」とのこと。
なるほど。特に問題もなさそう(お金やトラベラーズチェックもちゃんとある)ので、OKと返事する。
いちおう、遺体解剖もされて、写真もみせてもらったが、死因は「ブラッド・ブリージング」と説明された。あとで調べると、脳内出血という意味だそうだ。 -
続いて、ようやく遺体の確認へ。
写真は省略させていただきますが、すでに棺に納められていました。
すでに葬儀の準備がされていた。
実は、日本で、大使館の人に「ささやかでよいので葬式のようなものをしたい」と申し伝えてあったので、地元の人が、準備をしていてくれたらしい。 -
すでに、人だかりが。
なんだかよくわからないが、町の人々らしい。
なんか、テレビカメラまであるけど、なに!?
という感じですが、どうもアジア特有の、野次馬根性的なものかなと思いつつ。 -
すでに、町のお坊さんもスタンバイしてて、身元確認がおわると、すぐに葬儀に突入の予感。
いやー、手際がいい!
真ん中に座っている偉い(と思われる)お坊さんにごあいさつ。 -
あとから思うと、まさに「ビルマの竪琴」の世界でしたな〜。
赤い袈裟を着たお坊さんはタイなどでもよく見かけるが、まさかお世話になるとは夢にも思わなかった(笑)
写真は、葬儀の前に、お坊さんにお菓子のセットのようなものを捧げて「よろしくお願いします」的な儀式をやっているところ。
現地の人がいろいろ教えてくれ、通訳経由で説明を受け、やってます。 -
さっそく、お経が読み上げられます。
ビルマは小乗仏教で、日本の大乗仏教とはやはり勝手が違います。 -
周りの人々が、そろってお経をあげ始める。
みんなお経を暗誦できるとは、さすが仏教の国! -
真ん中の偉いお坊さんだけ老人で、あとは若い僧侶が4人くらい。
-
ちなみに、ここは病院内の霊安室前のようなところです。
うしろにずらりと現地の人が。 -
右が父の棺です。
手作りの立派なやつ。
(町で一番いい棺を用意してくれたようだ)
ちなみにこの写真は葬儀中、大使館の人がぼくのデジカメでいろいろ撮ってくれていたやつです。 -
お経の途中に、水差しで、水をずっと注ぐ儀式をやっているところ。
何のためかよくわかりませんが。
写真左の、ぼくの隣にいる人はここの軍病院の院長先生。 -
お経が終わり、棺を霊柩車に乗せて、火葬場に向かいます。
霊柩車にも、日本語で父の名前を書いてくれていました。
ちなみに、このお名前に覚えのあるかたは、ぜひ息子のわたしまでご一報を(笑)。
この辺で、父との対面も果たし、父急死が現実的なものになり、ようやく落ち着いてきました。 -
火葬場へ移動するところ。
われわれは大使館のワゴン車であとをついていく。
が!地元民がわらわらとみんなついていくではないか!
なんかすごい人だぞ! -
みんな自分のバイクとかでついていって、町の中はすごい渋滞に!
霊柩車についているスピーカーで、街中になにかアナウンスしているので、どんどん人が集まってくる!
「葬式やってますよー」「日本からきたガイジンさんの葬式ですよー」的なアナウンスだろうか。 -
途中で、町にあるお寺にはすべて寄り、霊柩車を前につけて、車を前後させる儀式を行っていた。
その間も、スピーカーで何かしゃべっていた。
どうやらお寺のご本尊への報告とお経のような感じ。
なるほどー、パゴタはこのような役割もあるのだな、ただの観光用じゃないんだー(当たり前ですが)。 -
火葬場のある地域へ到着。
棺をみんなで担いで移動します。
やべー!すごい人だ〜。
ほとんど町中の人が集合しているような感じになってます。 -
ぞろぞろ歩いていく。
火葬場のある地域は、やはりあまり裕福ではない地域にあるらしく、貧民街のような感じで、生活観あふるる人々が大勢いました。 -
火葬場に到着。
さすがに、人が多すぎて、葬式をしきっている現地の人が「こらー見せもんじゃねーぞ!散れ、散れぇ〜〜!」みたいなことを言って、みんな追い返されていました(笑)
静かな町で、珍しいことが起きたから、みんな興味津々だったんだろうな〜。
しぶしぶ、みんな引き上げていきます。 -
で、火葬。
っていうか、ビルマは火葬なんですね。
聞くと、土葬もあるらしいが、衛生上あまりよくないらしい。ちなみに、お墓という概念はあまりないらしく、焼いたら骨はそのへんに撒いて大地に返すのが普通らしい。
(聞いた話なので違うかも)
火葬場の内部写真は割愛いたします。 -
で、焼けるまで近くの待合所で待機。
ところで、ここまでの葬儀ですが、実は、地元のボランティアの人が仕切ってくれていました。
ここで、初めて紹介をされました。
NPO法人のような団体で、現地の貧しい人など、今でもいわゆる「野垂れ死に」する人がいるので、その人のためにお葬式をあげてあげるボランティア団体とのこと。
まさにうちの父のためにあるような組織で、そのような組織があること自体に驚きでしたが、本当に助かりました。
さすがに、異国の地で自前で葬式あげるとなると、大変ですからね〜。すべて段取りしていただきました。
しかも、ボランティア団体なので、費用は無料です! -
ボランティアの人と記念撮影。
みなさん、本当に親切にしてくださいました。
やっぱり、同じ仏教徒なので、アジアのお葬式は落ち着きますね。
名もなき旅行者のために、無償でお葬式をしてくださいました。
日本でやったら、余裕で百万円単位。
ただ、棺だけでも7万チャットくらいしたとのことで、その話を聞いて、父の持っていたチャットをすべて寄付することにした。日本円で5千円程度でしたが、謹んで受け取っていただきました。
みなさんも、お葬式はぜひミャンマーで。 -
さーて、そろそろ焼けたかな?
なんか薪とかで焼いているようだったので、どきどきしましたが、日本の火葬とほぼ同じ状態できれいに焼きあがりました。
(見慣れていない方、不適切な写真で申し訳ありません)
ミャンマーでは焼いた跡に、ココナツの汁をかけると、骨が白くなってきれいになるとのことで、さっそくやっていただきました。
左のおっちゃんが焼き場の人。ココナツ汁をかけているのがボランティア団体の代表の人です。 -
焼き場の写真。
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焼き場の写真。
すっかり、野次馬もいなくなって、静かになりました。
遺骨を箸でひろって、骨壷に入れる(写真は割愛します)。
先述通り、遺骨を拾う習慣がないので、大使館の人がヤンゴンの中華街で茶壷を購入し、用意してくれていましたので、その中に骨を収めました。
骨を拾うのは自分のじーちゃんばーちゃんの葬式以来ですが、まさかミャンマーの地で骨を拾うことになるとは。。
一生に一度の体験ですね。
(二度もあったら困る!) -
遺骨を入れた茶壷は、これまた大使館の人が作ってくれたお手製の木箱に入れられて、先ほどの焼き場待機室に保管されることに。
これからホテルに向かうのですが、敬虔な仏教徒の多いこの国では、やはり遺骨などを家の中に持ち込むのはタブーだそうです。
(ちなみに、帰りにバンコクに寄ったときも、義兄の家に遺骨を持ってはいるのはだめだとタイ人の姑に断られた)
骨は一晩ここに置いて、ホテルに向かうことに。
誰かが番をしてくれるとのことでしたが、さすがに、寂しいです。 -
これは焼き場のスケジュール表です。
-
霊柩車についているスピーカー。
このスピーカーのせいで、野次馬がいっぱい集まってきたのだー。
でも、あとで聞くと、お葬式は大勢の人が集まれば集まるほど、その人の生前の徳が高かったことを表すらしいです。
また、うちの父の葬式代として、町の一番のお金持ちが功徳のために多額の寄付をしていたとのこと。
こういう喜捨の精神がやはりあるのだなぁ〜。
エセ仏教国の日本との違いを感じました。 -
すっかり、夜も更けてきました。
それでは、ホテルに向かいます。
長い一日だった・・・。 -
ホテルは大使館の人がとってくれていましたが、この町で一番豪華なホテル、「ミンガラー・ガーデン・リゾート」でした。
ホテルで大使館の人と一緒に夕食を食べて(ホテル内に人工池があり、そのほとりに屋外レストランがある)、コテージタイプの部屋で就寝。
さすがにホテルは自腹。
ツインルーム・トイレ・ホットシャワーつきで、たしか40〜50米ドルでした。
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この旅行記へのコメント (2)
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- hankaさん 2010/03/01 10:23:05
- お葬式
- 全く突然の事でビックリしたでしょうね。それも1月の半ばなんて。06年の1月は未だドンムアンだったんですね。私は10月に行ったんですがスワンナプームでした。それにしても大使館の人達はそういう時しか仕事しないとか言われてますが、良くやったようですね。小乗仏教すべてがそうなのかは分かりませんが、あの方面では皆墓を建てませんね。私もそうしてもらいたいと願ってます。尤も、先立つお金が有りませんしね。何はともあれ、お父さんの葬式を無事滞りなくミャンマーでされたことは良かったですね。遅きに失しますがご冥福を祈ります。
- おぷさん からの返信 2010/03/01 20:48:43
- RE: お葬式
- こんにちは!わざわざありがとうございます。
4年ほど前の出来事になりますが、当時は気が動転しておりましたが、今となってはよい思い出です。
むしろ、あのときのミャンマーの出会いが、私が旅に目覚めるきっかけともなりました。
大使館の人は、まあそれが仕事ですので、とてもよくしてくれました。特に、いってみれば僻地の大使館ですから、このようなこともそれほど頻繁には起こらないのでしょうね(サイクロン前でしたし。逆にミャンマーは政治がらみでいろいろありそうですが)。
続きもアップする予定ですので、お楽しみに(?)。
> 全く突然の事でビックリしたでしょうね。それも1月の半ばなんて。06年の1月は未だドンムアンだったんですね。私は10月に行ったんですがスワンナプームでした。それにしても大使館の人達はそういう時しか仕事しないとか言われてますが、良くやったようですね。小乗仏教すべてがそうなのかは分かりませんが、あの方面では皆墓を建てませんね。私もそうしてもらいたいと願ってます。尤も、先立つお金が有りませんしね。何はともあれ、お父さんの葬式を無事滞りなくミャンマーでされたことは良かったですね。遅きに失しますがご冥福を祈ります。
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