2009/12/30 - 2009/12/30
663位(同エリア1526件中)
ぬいぬいさん
年末の旅、松山訪問の目的は道後温泉と松山城
そして、近代建築散策
あいにく朝から雨模様 どんより曇った空の下 松山城周辺の木子七郎の設計した萬翠荘と愛媛県庁舎本館を見てきました。
萬翠荘は、大正11年(1922年)旧松山藩主の子孫にあたる久松定謨伯爵が、別邸として建設したものです。
伯爵は、陸軍駐在武官としてフランス生活が長かったこともあり純フランス風洋館をここに建てました。
また、愛媛県庁舎本館はドーム屋根を乗せた重厚感ある建物で、数年前に話題になった「世界の中心で、愛をさけぶ」などのロケ地にもなったそうです。
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道後温泉本館で朝風呂を楽しんだ後は、ホテルに帰り食事をしてすぐにチェックアウト。
ホテルで自転車を借りて近代建築めぐり。
今日の予報はお昼から雨。
空は今にも降り出しそうにどんより曇っています。
まずは、目的の萬翠荘に。
入り口にあった坂の上の雲ミュージアム
司馬遼太郎原作のこの作品、11月にNHKでスペシャルドラマ化され放映されていましたが、あいにく見ていなかったので今日はスルー
ちなみに、この建物安藤忠雄の設計でした。 -
坂の途中にある門衛所
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建物はこんなフランスルネッサンス風の洋館
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9時開館まで、まだ10分以上ありますので、裏側の山の中腹にある愚陀仏庵を先に見ることに。
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愚陀仏庵は、夏目漱石が旧制松山中学に英語教師として赴任していた時の下宿先で、当時の建物は戦災で焼失し、これは復元されたもの。
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ここには俳人・正岡子規も居候した時期があるそうです。
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萬翠荘は、大正11年(1922年)旧松山藩主の末裔の久松定謨伯爵が、別邸として建設したものです。
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陸軍駐在武官としてフランス生活が長かった伯爵は、松山のこの地に、フランスルネサンス風の別邸をつくりました。
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当時は、松山の最高の社交の場として各界名士が集まり、皇族も松山に訪れた際には必ず立ち寄られたとか。
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設計を依頼したのは、東京帝国大学建築学科を卒業し、関西を中心として活躍した木子七郎。
後で紹介する愛媛県庁本館も彼の作品です。 -
こんな市松模様に石を貼った玄関を入ると
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正面には2階に上る階段があります。
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階段踊場には、波間に浮ぶ帆船のステンドグラス
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外がどんより曇り空で、中も照度が落ちているので内部はうまく撮れません。
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シャンデリアも古そうですが、元からついていたものではなさそうです。
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この洋館の主だった久松定謨伯爵は、華族であるとともに帝国陸軍の軍人でもあった人。
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歩兵第1旅団長・歩兵第5旅団長を歴任し、陸軍中将までつとめました。
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若きころ、フランス・サンシール陸軍士官学校へ留学し、フランスのエスプリに惹かれこんな洋館を、松山に造ったようです。
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ちなみにこのときの留学に同行したのが、家臣であった秋山好古。そうです、坂の上の雲の主人公でした。
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この留学で騎兵戦術を習得し、後に日本陸軍騎兵の父と言われるようになりました。
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玄関の車寄せの上は・・・
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こんなバルコニーになっています。
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このステンドグラスは、ハワイへ注文してつくらせたもので、描かれている波と帆船は、フランス陸軍士官学校に入校する際に渡った海原を思い起こしてのものだとか。
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ステンドグラスは各部屋のドアの欄間にもついています。
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部屋ごとにステンドグラスのデザインが違います。
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形は違えどシンプルなデザイン
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ステンドグラスを見ているだけでも楽しめますね。
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そしてもうひとつ、各室にあるのはこれ
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洋館に付き物は暖炉
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これも各部屋ごとにデザインが違うようです。
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ここからは、ズームアップしたパーツの紹介。
階段手摺の上の部分。 -
これは暖炉のフレーム部分
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これは何だったかな?
スフィンクスの前足のような形をしてますね。 -
一番の見所はやはりこの玄関奥の階段周りでしょうか。
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玄関内部よりより見る車寄せポーチ部分
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外観は白のタイル貼
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天然スレート葺の屋根は、昨年葺き替えたばかりのようです。
どうりできれいなはずですね。 -
三連アーチのバルコニー
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勾配のきつい緑色の屋根にはドーマーがのっています。
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避雷針の頭についているのは、松山藩の大判小判だとか
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洋館はシンメトリーになっているものが多いのですが、これは違いますね。
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そしてもうひとつの建物はこちら。
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1929年(昭和4年) に建築された愛媛県庁舎本館
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外壁は人造石洗い出し仕上げになっています。
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御影石張りの車寄せ なかなかの重厚感です。
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日本全国で近代建築に分類される古い庁舎で、現役の庁舎として知事が執務している建物がいくつもありますが、その中のベスト5に選ばれているようです。
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ちなみに他の4つは古い順から大正15年に建てられた大阪府庁舎、昭和3年の神奈川県庁庁舎、最近話題の昭和7年に建てられた宮崎県庁舎、そして昭和10年の富山県庁舎だそうです。
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夏から秋にかけて、愛媛県庁舎建設80周年のイベントとして、これら5つの庁舎を廻るスタンプラリーが行なわれたようですが、果たしてこんなにバラけた場所にある庁舎をすべて廻った人はいたのでしょうか?
そんな物好きで暇な人はいないだろうなあ・・・ -
年末で仕事納めも終わった後なので中は見れないものと思っていましたが・・・
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ラッキーなことに入口の守衛さんにお願いすると、目の届く範囲内であればと、快く見せてもらえました。
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玄関を入ってすぐ正面に見えるのは重厚感ある階段
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玄関ホールの床は、先ほど見た萬翠荘と同じ市松模様
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階段周り、なかなかいい感じです。
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こちらは階段側から見た玄関
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東西に長く伸びた廊下はこんなアーチが続いています。
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結局見学できたのは、玄関から階段までの狭いエリアだけでしたが、内部が見れてよかった。
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この愛媛県庁舎は、事前に予約を入れれば、職員の方が中を案内してくれるそうです。
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本館玄関 → 本館2階 県民総合相談プラザ → 本館3階 貴賓室 → 本館3階 知事会議室 → 本館4階 正庁 → 本館ドーム会議室 → 議事堂4階 県議会議場傍聴席
こんなルートで約1時間だそうです。
見てみたかったなあ。 -
最後にもう一度外観を。
中央のドームの乗っている部分は会議室になっているようです。
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