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今回のトラピックスは12月28日出国1月5日帰国の8泊9日の旅。これだけ聞けば大層な旅行に思えるが、実際は移動時間の方が多く、観光に費やされる時間は全体の三分の一も無い。今回の添乗員山上さんがこの旅行を称して「カミカゼ」のようだ、との表現をしていたので、僕の旅行記にもパクってしまった。<br /><br />全く日本人的、忙しさを絵に描いたような旅行だが、それでもより多くの場所を見たいという日本人のHungry精神というのか、貧乏性というのか、気持ちにぴったりだから、今回も35名の参加者を募り、成田出発となった。あ、そうそう、このツアーは出発日設定が30日(回)分あるので、その都度の参加者が30名前後いるとすれば、合計では900人前後の日本人が、このコースを廻ることになる。<br /><br />さて初めて乗るルフトハンザ機。機は定刻10時20分、成田空港を飛び立つと、直ぐにも右手に筑波山の山並が見え、その後日本上空を縦断するように高崎から福島、宮城の脊梁上を飛行し、青森で一旦海上に出て、直ぐにも又北海道上空を飛行し、北海道沖日本海に出る。<br /><br />機窓より遥か先、海上に浮かぶ豆粒のような利尻富士を眺め、いよいよこれで日本とのお別れ、この先はシベリア上空を一挙に飛んで、フランクフルト空港へひた走る。いや、ひとっ飛び。<br /><br />機は太陽の進む方向、西に向ってすすむのだから、太陽を追っかけて行くのか、或いは太陽に先んじて進むのか、いずれにしても常に太陽が頭上にあるかと思いきや、窓外の景色が段々薄暗くなり、しまいにはお月様まで現れてくる。<br /><br />ひょっと窓の下を眺めると、そこはもう荒涼とした雪原の台地で、背の低い台地が幾重にも波打ち、遥か先地平線の彼方まで続いている。「荒涼とした」という表現がピッタリの人跡未踏と言うか、人間を寄せ付けることのない、無言の台地が広がっていた。<br /><br />今機はシベリア上空を飛んでいる。もう北極圏に近い位置だ。それで昼間なのに太陽が沈み、外は夕方のように薄暗く、眼下には人の息吹は全く感じられない、黄泉の国のような景観が続いていたのだ。この台地の遥か先、氷に閉ざされた氷河の海がどことなく見えるように感じられた。<br /><br />巨竜が雪の下に横たわる。波打つ台地はそのあばら骨のようだ。シベリア沿海州(カムチャッカ)から入った機は凡そ4−5時間の間、この荒涼とした雪と氷に閉ざされた台地を飛行し続ける。<br /><br />地球の果て、最果ての地。眼下を飽かず眺め、嘗てこの地に散った日本捕虜兵のこと、若かりし頃乗ったシベリア鉄道のこと、或いはバイコヌールの発射基地などなど、あらゆるものを飲み込んでしまいそうな、黄泉の台地に魅入られた。<br />

ドイツ・スイス・イタリア・フランス・カミカゼ旅行記(2)シベリア上空・大圏空路。

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2009/12/28 - 2010/01/05

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ちゃお

ちゃおさん

今回のトラピックスは12月28日出国1月5日帰国の8泊9日の旅。これだけ聞けば大層な旅行に思えるが、実際は移動時間の方が多く、観光に費やされる時間は全体の三分の一も無い。今回の添乗員山上さんがこの旅行を称して「カミカゼ」のようだ、との表現をしていたので、僕の旅行記にもパクってしまった。

全く日本人的、忙しさを絵に描いたような旅行だが、それでもより多くの場所を見たいという日本人のHungry精神というのか、貧乏性というのか、気持ちにぴったりだから、今回も35名の参加者を募り、成田出発となった。あ、そうそう、このツアーは出発日設定が30日(回)分あるので、その都度の参加者が30名前後いるとすれば、合計では900人前後の日本人が、このコースを廻ることになる。

さて初めて乗るルフトハンザ機。機は定刻10時20分、成田空港を飛び立つと、直ぐにも右手に筑波山の山並が見え、その後日本上空を縦断するように高崎から福島、宮城の脊梁上を飛行し、青森で一旦海上に出て、直ぐにも又北海道上空を飛行し、北海道沖日本海に出る。

機窓より遥か先、海上に浮かぶ豆粒のような利尻富士を眺め、いよいよこれで日本とのお別れ、この先はシベリア上空を一挙に飛んで、フランクフルト空港へひた走る。いや、ひとっ飛び。

機は太陽の進む方向、西に向ってすすむのだから、太陽を追っかけて行くのか、或いは太陽に先んじて進むのか、いずれにしても常に太陽が頭上にあるかと思いきや、窓外の景色が段々薄暗くなり、しまいにはお月様まで現れてくる。

ひょっと窓の下を眺めると、そこはもう荒涼とした雪原の台地で、背の低い台地が幾重にも波打ち、遥か先地平線の彼方まで続いている。「荒涼とした」という表現がピッタリの人跡未踏と言うか、人間を寄せ付けることのない、無言の台地が広がっていた。

今機はシベリア上空を飛んでいる。もう北極圏に近い位置だ。それで昼間なのに太陽が沈み、外は夕方のように薄暗く、眼下には人の息吹は全く感じられない、黄泉の国のような景観が続いていたのだ。この台地の遥か先、氷に閉ざされた氷河の海がどことなく見えるように感じられた。

巨竜が雪の下に横たわる。波打つ台地はそのあばら骨のようだ。シベリア沿海州(カムチャッカ)から入った機は凡そ4−5時間の間、この荒涼とした雪と氷に閉ざされた台地を飛行し続ける。

地球の果て、最果ての地。眼下を飽かず眺め、嘗てこの地に散った日本捕虜兵のこと、若かりし頃乗ったシベリア鉄道のこと、或いはバイコヌールの発射基地などなど、あらゆるものを飲み込んでしまいそうな、黄泉の台地に魅入られた。

  • ルフトハンザLH−711便は、定刻10時20分成田を出発し、フランクフルトには現地時間2時5分に到着する。時差は8時間。

    ルフトハンザLH−711便は、定刻10時20分成田を出発し、フランクフルトには現地時間2時5分に到着する。時差は8時間。

  • 成田空港、搭乗口に向かう人々。

    成田空港、搭乗口に向かう人々。

  • Tax−freeに入るお客も数少ない。

    Tax−freeに入るお客も数少ない。

  • 機は離陸すると直ぐにも右手に筑波山が見えてくる。

    機は離陸すると直ぐにも右手に筑波山が見えてくる。

  • 雲の下に雪を被った北海道の台地も見えてくる。

    雲の下に雪を被った北海道の台地も見えてくる。

  • 遥か下に利尻富士を眺め、日本を後にする。

    遥か下に利尻富士を眺め、日本を後にする。

  • 直ぐにもシベリア沿海州の陸地が見えてくる。

    直ぐにもシベリア沿海州の陸地が見えてくる。

  • ひょっと見ると上空にはお月様が浮かんでいた。

    ひょっと見ると上空にはお月様が浮かんでいた。

  • 眼下には雪に覆われた荒涼たるシベリアの台地が続いている。

    眼下には雪に覆われた荒涼たるシベリアの台地が続いている。

  • 果てしない台地の連なり。

    果てしない台地の連なり。

  • 台地を切り裂くように流れるシベリアの大河。

    台地を切り裂くように流れるシベリアの大河。

  • この川は遥か先、北極海まで流れ込んでいる。

    この川は遥か先、北極海まで流れ込んでいる。

  • いつまでも見飽きない、恐竜のような脊梁。

    いつまでも見飽きない、恐竜のような脊梁。

  • 人跡未踏の果てしない連なり。

    人跡未踏の果てしない連なり。

  • 再び中空に浮かぶ月。漸く機に光りが差してきた。

    再び中空に浮かぶ月。漸く機に光りが差してきた。

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