2010/01/01 - 2010/01/01
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ソフィさん
2009年12月31日(木)
バスを待つ間に、雪がドンドン降って来た。
寒さに凍えながら待っていると、松江駅前に、大根島行きのバスはやって来た。
1時間足らずの行程だが、雪は東に走るにつれ、深くなるばかりだった。
雪のため道が狭くなり、運転に苦労している。
懐かしい感じの田舎道を、右に大橋川を見ながら、やがて左右に中の海を見てバスは走り、やがて案内所で聞いた通り「八束町中央」終点に着く。
目指す「由志園」は「バスを降りたら5分もかかりません。すぐに見えますよ」ということだったが、何しろ横殴りの地吹雪が激しくて、何も見えない。
バスの運転士に道を訊ねたら「その下り坂をまっすぐに行ってください」と教えてくれた。
道さえ見えないので「エ、どこに下り坂があるの」と一瞬戸惑ったが、運転士の指差した方向にゆっくり進んだら、それらしき坂に出会った。
吹雪に対しては十分な服装をしてきたのだが、予想をはるかに上回った厳しさに「ここで命を落とすことだけは避けよう」と考える。
大東亜戦争敗戦直後の中学生時代、練兵場を横切りながら、このような地吹雪の中を、腰まで埋まりながら通学した。
あの時は社会全体が貧しく、中でも父を失い農地改革で土地を失ったわが家は貧しかった。
アンダーシャツ一枚の薄着だったし、履いている地下足袋はずぶ濡れ、お腹と背中がくっつくほど、何かを食べたかった。
しかし何故か不思議に、心の中に沸々とたぎるものがあって、「どんなに辛いことでもやって来てみろ。決して負けるものか」と、将来が明るく毎日が楽しかった。
逆境に立つ楽しさを、今の日本にどう伝えたらいいだろうか。
こんなことを考えながら、雪に足を滑らせないよう小さく歩を刻んで坂を下りてゆくと、かすかに看板らしきものが見えて来た。
「由志園」は、ボタンや朝鮮ニンジンの栽培をしながら、日本庭園を有料開放している、観光農園とでも言うべき存在だろうか。
4万平方メートルの規模を持ち、松江駅、玉造温泉、境港駅などから、毎日二便程度だが無料シャトルバスも運行している。
このバスを利用すれば、松江駅から25分と、私の乗って来た市営バスの半分くらいの時間で来ることが出来る。
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