大田・石見銀山旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 松江城下にあった島根県立博物館が古代出雲歴史博物館として出雲大社脇に新装なった。行ってみたいと思っていたら石見銀山展をやるというので見に行くことにした。世界遺産登録は見送りかと思われていた石見銀山が急遽7月に世界遺産に登録されて間もない9月に石見銀山展をやるというのであるから、何とタイミングの良いことか。さぞ準備が大変だっただろうと思った。しかも、博物館から銀山行きのバスも出る。まさに渡りに船とはこのことだ。初日に博物館を見学し、翌日のバス予約を入れ、翌朝一番電車で出かけることにした。松江しんじ湖温泉駅前のホテル一畑に2泊お世話になるのだが、バス時刻には一畑電鉄の一番電車でないと間に合わない。ホテルで「明日朝の朝食はどうされますか?」と聞かれ、「博物館からのバスで石見銀山に行くので、7時からの朝食を食べていたら間に合わない。」と答えたら、「サンドウィッチをお作りしておきますから、お持ち下さい。」と言われた。翌朝、ホテルのサンドウィッチを持って出かけ、駅で半分食べて、残りをバックにしまった。これが後々助かった。<br /> 石見銀山龍源寺間歩へはマイクロバスが往復していた。天気がはかばかしくなく、観光客が前日の3割程度ということだがバスは満杯で途中からは乗車はできなかったくらいだ。道は狭く、車のすれ違いが中々できない。バスが路肩に寄ると乗客からワーという声が上がる。すれすれまで寄った路肩の下は崖なのだ。落ちたら一溜りもない。町の人はバスが来ると脇道に避け、バックして元の道に戻る。こんなに狭い道で足りていたところに世界遺産に登録されたからと言って観光客が大挙押しかける訳だから、地元の人の生活も一変する。世界遺産に登録されると観光客が1桁増えると言われるが、ここ石見銀山では登録初年度の観光客は前年の3倍に止まった。この道路事情がネックとなり、そうさせたのであろう。また、昼時はどのお店も満杯であった。元々街には飲食店はそれほど多くはないのだ。ここで朝のサンドウィッチの出番だ。大森の町に帰る道すがら、屋根の付いた東屋のベンチで雨宿りしながら残りのサンドウィッチを平らげた。途中、鐘楼のあるお寺(西本寺)に寄り、お寺の人と話していると、子供が、「お父さん、この人と知り合いなの?」と尋ねる。これまでは観光客も少なく、初めての人と話すことはほとんど無かったであろうが、これからはそうはいかなくなる。世界遺産に登録されて観光客が溢れ出すからだ。幼い子供でも理解できるようになるまでにはそう時間はかからないであろう。<br /> 大森の町は赤い石州瓦が綺麗な町であった。銀山飴をお土産に買った。客の少ない雨の日でも昼過ぎには飴は2袋か3袋しか残ってはいない。もうそろそろ開店休業になる。<br /> 石見銀山の佇まいよりも大森の町に暮す人たちのことが心に引っかかる旅でした。

石見銀山-急遽世界遺産登録に

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2007/09 - 2007/09

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 松江城下にあった島根県立博物館が古代出雲歴史博物館として出雲大社脇に新装なった。行ってみたいと思っていたら石見銀山展をやるというので見に行くことにした。世界遺産登録は見送りかと思われていた石見銀山が急遽7月に世界遺産に登録されて間もない9月に石見銀山展をやるというのであるから、何とタイミングの良いことか。さぞ準備が大変だっただろうと思った。しかも、博物館から銀山行きのバスも出る。まさに渡りに船とはこのことだ。初日に博物館を見学し、翌日のバス予約を入れ、翌朝一番電車で出かけることにした。松江しんじ湖温泉駅前のホテル一畑に2泊お世話になるのだが、バス時刻には一畑電鉄の一番電車でないと間に合わない。ホテルで「明日朝の朝食はどうされますか?」と聞かれ、「博物館からのバスで石見銀山に行くので、7時からの朝食を食べていたら間に合わない。」と答えたら、「サンドウィッチをお作りしておきますから、お持ち下さい。」と言われた。翌朝、ホテルのサンドウィッチを持って出かけ、駅で半分食べて、残りをバックにしまった。これが後々助かった。
 石見銀山龍源寺間歩へはマイクロバスが往復していた。天気がはかばかしくなく、観光客が前日の3割程度ということだがバスは満杯で途中からは乗車はできなかったくらいだ。道は狭く、車のすれ違いが中々できない。バスが路肩に寄ると乗客からワーという声が上がる。すれすれまで寄った路肩の下は崖なのだ。落ちたら一溜りもない。町の人はバスが来ると脇道に避け、バックして元の道に戻る。こんなに狭い道で足りていたところに世界遺産に登録されたからと言って観光客が大挙押しかける訳だから、地元の人の生活も一変する。世界遺産に登録されると観光客が1桁増えると言われるが、ここ石見銀山では登録初年度の観光客は前年の3倍に止まった。この道路事情がネックとなり、そうさせたのであろう。また、昼時はどのお店も満杯であった。元々街には飲食店はそれほど多くはないのだ。ここで朝のサンドウィッチの出番だ。大森の町に帰る道すがら、屋根の付いた東屋のベンチで雨宿りしながら残りのサンドウィッチを平らげた。途中、鐘楼のあるお寺(西本寺)に寄り、お寺の人と話していると、子供が、「お父さん、この人と知り合いなの?」と尋ねる。これまでは観光客も少なく、初めての人と話すことはほとんど無かったであろうが、これからはそうはいかなくなる。世界遺産に登録されて観光客が溢れ出すからだ。幼い子供でも理解できるようになるまでにはそう時間はかからないであろう。
 大森の町は赤い石州瓦が綺麗な町であった。銀山飴をお土産に買った。客の少ない雨の日でも昼過ぎには飴は2袋か3袋しか残ってはいない。もうそろそろ開店休業になる。
 石見銀山の佇まいよりも大森の町に暮す人たちのことが心に引っかかる旅でした。

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  • 降り出した雨に、傘を差しながら龍源寺間歩に入る観光客。

    降り出した雨に、傘を差しながら龍源寺間歩に入る観光客。

  • 雨にかすむ龍源寺間歩の説明看板。

    雨にかすむ龍源寺間歩の説明看板。

  • 山道。

    山道。

  • 山への登り道。

    山への登り道。

  • 佐毘売山神社の鳥居。

    佐毘売山神社の鳥居。

  • 佐毘売山神社の鳥居。

    佐毘売山神社の鳥居。

  • 佐毘売山神社。

    佐毘売山神社。

  • 佐毘売山神社の石段。

    佐毘売山神社の石段。

  • 山道の両脇の石垣はかつての集落跡か。

    山道の両脇の石垣はかつての集落跡か。

  • 道の傍らの小さな社。

    道の傍らの小さな社。

  • いたるところに間歩が。それぞれの間歩には番号が付けられていたが、700番程度はあった。

    いたるところに間歩が。それぞれの間歩には番号が付けられていたが、700番程度はあった。

  • 川を挟んで遊歩道が伸びる。左は細い舗装路。ここをバスが通る訳であるからすれ違いが出来ない。

    川を挟んで遊歩道が伸びる。左は細い舗装路。ここをバスが通る訳であるからすれ違いが出来ない。

  • 吉岡出雲墓への参道。

    吉岡出雲墓への参道。

  • 遊歩道に架かる木橋。

    遊歩道に架かる木橋。

  • 「史跡石見銀山遺跡 新切間歩」の石碑とその横の小さな間歩が新切間歩だ。

    「史跡石見銀山遺跡 新切間歩」の石碑とその横の小さな間歩が新切間歩だ。

  • 遊歩道に架かる木橋。<br />

    遊歩道に架かる木橋。

  • 川原の石には彫り物が。

    川原の石には彫り物が。

  • 清水寺の山門。家紋が描かれた格天井がある。これに似た格天井は川越喜多院本堂にも見られる。

    清水寺の山門。家紋が描かれた格天井がある。これに似た格天井は川越喜多院本堂にも見られる。

  • 清水谷精錬所跡へ続く道。

    清水谷精錬所跡へ続く道。

  • 清水谷精錬所跡。

    清水谷精錬所跡。

  • 清水谷精錬所跡。

    清水谷精錬所跡。

  • 清水谷精錬所跡。

    清水谷精錬所跡。

  • 清水谷精錬所跡。

    清水谷精錬所跡。

  • 清水谷精錬所跡。

    清水谷精錬所跡。

  • 清水谷精錬所跡。

    清水谷精錬所跡。

  • 安養寺。

    安養寺。

  • コスモスの咲く小道の向こうに安養寺本堂が。

    コスモスの咲く小道の向こうに安養寺本堂が。

  • 極楽寺跡参道。

    極楽寺跡参道。

  • 極楽寺跡に残る石仏。

    極楽寺跡に残る石仏。

  • 極楽寺跡参道付近。

    極楽寺跡参道付近。

  • 毛利元就を祭る豊栄神社。石見銀山は毛利元就により毛利支配になるが、関ヶ原の戦いによる敗戦により徳川支配になった経緯がある。明治維新では長州軍が怨念を晴らすべくいの一番に石見銀山を占拠した。荒廃した豊栄神社を目の当りにして石造物などを奉納して復興を果たした。

    毛利元就を祭る豊栄神社。石見銀山は毛利元就により毛利支配になるが、関ヶ原の戦いによる敗戦により徳川支配になった経緯がある。明治維新では長州軍が怨念を晴らすべくいの一番に石見銀山を占拠した。荒廃した豊栄神社を目の当りにして石造物などを奉納して復興を果たした。

  • 豊栄神社の(随身)門。

    豊栄神社の(随身)門。

  • 豊栄神社の(随身)門前の用水だめ(左)。

    豊栄神社の(随身)門前の用水だめ(左)。

  • 豊栄神社の(随身)門前の用水だめ(右)。

    豊栄神社の(随身)門前の用水だめ(右)。

  • 豊栄神社本殿前の長州軍が奉納した石造物。

    豊栄神社本殿前の長州軍が奉納した石造物。

  • 豊栄神社本殿。

    豊栄神社本殿。

  • 豊栄神社境内の石造物群。

    豊栄神社境内の石造物群。

  • 豊栄神社横。

    豊栄神社横。

  • 西本寺。昔の赤い郵便ポストが残っている。こうした昔の赤い郵便ポストは鎌倉の町でも見られる。

    西本寺。昔の赤い郵便ポストが残っている。こうした昔の赤い郵便ポストは鎌倉の町でも見られる。

  • 西本寺。

    西本寺。

  • 西本寺。山吹城城門の移築とされる山門。

    西本寺。山吹城城門の移築とされる山門。

  • 西本寺本堂。

    西本寺本堂。

  • 柱を反らせた鐘楼。

    柱を反らせた鐘楼。

  • 境内に設置された鬼瓦。

    境内に設置された鬼瓦。

  • 大久保石見守墓所碑前方空き地(下川原吹屋跡)。

    大久保石見守墓所碑前方空き地(下川原吹屋跡)。

  • 大森小学校・大森幼稚園。

    大森小学校・大森幼稚園。

  • 大森小学校・大森幼稚園。

    大森小学校・大森幼稚園。

  • 大久保石見守墓所案内石碑。

    大久保石見守墓所案内石碑。

  • 大安寺跡。

    大安寺跡。

  • 大安寺跡。

    大安寺跡。

  • 大久保石見守墓所への参道。

    大久保石見守墓所への参道。

  • 大久保石見守墓所。

    大久保石見守墓所。

  • 妙正寺跡入り口。

    妙正寺跡入り口。

  • 妙正寺跡。

    妙正寺跡。

  • 妙正寺跡。

    妙正寺跡。

  • 小川には鷺が。

    小川には鷺が。

  • 五百羅漢が祀られる羅漢寺。

    五百羅漢が祀られる羅漢寺。

  • 羅漢寺。

    羅漢寺。

  • 羅漢寺。

    羅漢寺。

  • 羅漢寺。

    羅漢寺。

  • 羅漢寺。

    羅漢寺。

  • 羅漢寺。

    羅漢寺。

  • 大森町民家の猫。

    大森町民家の猫。

  • 栄泉寺山門は水天門(竜宮門)。

    栄泉寺山門は水天門(竜宮門)。

  • 栄泉寺。

    栄泉寺。

  • 栄泉寺本堂。

    栄泉寺本堂。

  • 石見銀山代官所地役人遺宅の三宅家。

    石見銀山代官所地役人遺宅の三宅家。

  • 雨上がりの大森の町の散策風景。

    雨上がりの大森の町の散策風景。

  • 民家の玄関。

    民家の玄関。

  • 大きな切り妻の民家。

    大きな切り妻の民家。

  • 町並み交流センター(明治23年建築の大森区裁判所)。トイレを開放している。入場無料の張り紙も。

    町並み交流センター(明治23年建築の大森区裁判所)。トイレを開放している。入場無料の張り紙も。

  • 揃った垣根。

    揃った垣根。

  • 観世音寺山門。

    観世音寺山門。

  • 観世音寺本堂。

    観世音寺本堂。

  • 観世音寺から見下ろす大森の町。石州瓦が美しい。

    観世音寺から見下ろす大森の町。石州瓦が美しい。

  • 観世音寺から見た西性寺。白壁の経堂も見える。

    観世音寺から見た西性寺。白壁の経堂も見える。

  • 西性寺。

    西性寺。

  • 大森の町並み。

    大森の町並み。

  • 大森の町並み。

    大森の町並み。

  • 熊谷家二階から見下ろした屋敷内の建物。一階には立派な土間があった。

    熊谷家二階から見下ろした屋敷内の建物。一階には立派な土間があった。

  • 代官所跡(石見銀山資料館)の通り。

    代官所跡(石見銀山資料館)の通り。

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