2009/07/12 - 2009/07/12
19位(同エリア46件中)
まみさん
2009/07/12日 クリミア半島4日目(現地英語ガイド&車付)
・改装が終わったばかりのヤルタのホテル・マリーノ内を見せてもらう
・ヤルタの聖アレクサンダー・ネフスキー寺院にてミサを見学(聖パウロ聖ペテロの日)
・マサンドラ宮殿
・ヤルタのチェーホフの家(外観と庭のみ)
・フォロス村(Foros)のイエス復活教会
・デスバレーのクリミア戦争記念碑
・バラクラバ湾
・セバストポリのナヒモフ広場と港
・ヘルソネス遺跡とウラジーミル教会
・シンフェロポリ駅の市場めぐり
【一等寝台泊:クリミア半島のシンフェロポリからオデッサまで】
マサンドラ宮殿は、入口までしばらく広い庭園の中の道を歩きます。
でも、ドライバーのビクターが運転する我らの車はVIP仕様。
政府御用達(?)というプレートをビクターが掲げると、車のために特別にゲートが大きく開かれ、他の観光客が徒歩で行くのを尻目に、宮殿のすぐそばの駐車場まで、車ですーっと走り抜けてしまいます。
そして、2日前に土砂降り雨で見学をあきらめたマサンドラ宮殿に到着です。
マサンドラ宮殿は、宮殿としては幸薄いです。
オーナーが存命中に完成せず、まともに人が住むことがなかった宮殿だというのですから。
いまの宮殿がある場所には、19世紀、クリミア開発に貢献したロシア人貴族のクリミア総督アレクセイ・ボロンツォフの家がありました。
彼の奥さんの母親が孫の誕生を祝ってプレゼントしたものです。
ちなみに、2日前に見学したアルプカ宮殿もアレクセイ・ボロンツォフの宮殿です。
彼の一家は主にそちらに住んでいたのでしょう。
でもその息子の時代に、祖母からもらったこの地にあった家は強風で屋根が吹き飛んでしまったので、新しく宮殿を建て直すことになりました。
ヤルタは実際、風が強くて、ドライブ中も、建物の脆弱性もあるでしょうけど、屋根が吹き飛んだりひしゃげた家屋を目にしました。
ボロンツォフ・ジュニアはわざわざフランスから建築家を呼び寄せ、ルイ18世様式の宮殿を造らせました。
それがいまのマサンドラ宮殿の基本です。
ところが、外観が整ったけど内装は未完状態のとき、オーナーのボロンツォフは亡くなり、続いて建築家も、完成を見る前に亡くなってしまいした。
ただ、完成前に、ボロンツォフ・ジュニアは、当時の皇帝ニコライ1世の母親をこの宮殿に招待していました。
そのときに、早世し兄の後を継いで皇帝となる、まだ子供だったアレクサンドル3世も母親と一緒に招待されました。
彼はこの宮殿を気に入り、ボロンツォフの死後、宮殿を買い取って、改装を加えることにしました。
そして改装のためにモスクワから建築家を呼んだとき、オリジナルの設計はできるだけ壊さないように指示しました。
アレクサンドル3世は背が高い人でしたが、天井の高い部屋は好まなかったので、天井を高くする改装はしませんでした。
でも、部屋は広くしたりスペースを追加したりしました。
残念ながら、宮殿は、アレクサンドル3世が亡くなる前には完成しませんでした。
ソ連時代、この宮殿はスターリンの別荘として使われまた。
もちろん、かのヤルタ会談のときも、スターリンはこの宮殿に滞在しました。
クリミア観光2日目でボロンツォフ・父についてだいぶなじみになった気がするせいか、ニーナが話してくれたこの宮殿の歴史は、すんなり頭に入ってきました。
なんだか自分が、その当時に客の一人として招待されているような、時を超えた臨場感を味わえました。
オーナーがまともに住むことのなかったという過去が、博物館として公開されている現在とかけ離れていないような気分になったからでしょうか。
オーナーたちはきっと、訪れた客達に、できかけの宮殿を博物館を案内するように見せびらかしたろうと思うんです。
マサンドラ宮殿はロケーションも抜群で、オーナーたちがこの宮殿を気に入ったのはそれもあるようですが、それは部屋や庭から海と山が眺められることくらいでしか実感できませんでした。
いや、それで十分すぎるくらい!?
庭園にはバラ園がありました。といっても、この時期では花はほとんど咲いていません。
かつてはこの宮殿でローズオイルが造られたそうです。
※2009年ウクライナ旅行の旅程一覧はこちら。
簡易版「2009年ウクライナ旅行プロローグ(旅程一覧)地図付」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10359084/
詳細版「2009年ウクライナ旅行の詳細旅程」(もう1つのブログ「まみ’s Travel Diary」より)
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/2009/07/2009-2271.html
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瀟洒なマサンドラ宮殿、入口前で撮影
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宮殿を囲む塀の一部
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最初に入った部屋
床を傷めないため、フェルト製のスリッパを靴の上から装着します。
どんな脚のサイズでも入るように非常に大きくできていて、ヒモで止めます。
すぐに脱げそうになってとても歩きづらいので、歩きながら床掃除でもするつもりで引きずってあるくとよいです(笑)。
ちなみにガイドのニーナはスリッパ免除。 -
アラブのハーレムを描いたようなエキゾチックな壁の絵と、白と水色の美しい天井
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ビリヤード・ルーム
ビリヤード台はありませんでしたけどネ。
暖炉がある、木のぬくもりが感じられる部屋です。 -
ビリヤード・ルームの窓際
奥はアレクサンドル3世が拡張させた部分です。 -
ビリヤード・ルームの窓際
こちらも、奥はアレクサンドル3世が拡張させた部分です。 -
いごこちが良さそうなダイニング・ルーム
庶民の私もこのくらいの規模の部屋なら、落ち着いて食事を味わえそうです@
いや、会食メンバーによるかな。 -
タイルとオーク材で飾られた珍しい暖炉
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ダイニング・ルーム、壁の食器棚に注目したアングルで
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最初の部屋に戻る
壁紙や壁・床のタイルが美しいです。
あの奥が玄関です。
あら、館員さんが写ってた……。 -
2階へ行く
階段の手すりは高価な木材、床部分は安い材料を使って、豪華にするところと節約するところにメリハリをつけているそうです。 -
階段から見下ろす
左から3番目の写真は、まさしくこのマサンドラ宮殿です。 -
ライブラリー
戸棚にはおいそれと触れない貴重な本の一部が展示されています。 -
ライブラリーの洋服ダンス……ではなくて
実は扉の向こうには、庭に直接出られる階段があります。
机に向かっての書類仕事に疲れて、庭に出て気分転換したいときに便利な設計@ -
ライブラリーとつながっている部屋
廊下と部屋と厳然に分かれた構造でなく、部屋から部屋への移動は部屋の中を通るようになっています。
ロシアの宮殿……たとえばエルミタージュとかエカテリーナ宮殿も、そういう構造ではなかったかしら。
もう10年近く前の2000年に訪れたので、うろ覚えですが。 -
アレクサンドル3世時代にこの部屋だけ内装が完成
新古典様式っぽいデザインの天井。 -
サロン
家族の写真や肖像画があります。 -
サロンの天井
明かりはシャンデリアというより、かなり近代的なデザインです。 -
サロンの暖炉
実際に使うためものではなく、あくまで装飾的なものでしょう。 -
サロンの一角
フランス式の内装に、イギリスから手に入れた家具。 -
サロンから続くテラス
アロクサンドル3世時代の拡張部分です。 -
夫人の部屋
確かに言われてみるとフェミニンなイメージがあります。
家具は新古典主義様式かな。 -
マリア・ヒョードロヴナ、アレクサンドル3世の母のイニシャルの「M」がデザインされた扉の上部
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夫人の部屋の天井
明かりはアールデコ風? -
夫人の部屋の隣、控えの間っぽかった部屋
玄関用の家具というところでしょうか。
バーで体を支えて靴を脱ぎ、脱いだ靴は下におきます。
バーの向こうに見える穴は傘立てになっています。
上には帽子をひっかけるところもあります。
内部の写真はここでおわりです。 -
外から見たマサンドラ宮殿の全貌
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観光客が使ったフェルトのスリップを集めて入口に戻す館員さん
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石造りのテラスから庭のローズガーデンと彼方のクリミア山脈を臨む
かつてはローズオイルが造られたというバラ園が広がっています。
でもいまはバラの季節ではないので、花はちょっとだけ。
※ちなみに、ここではにもこんな写真を撮っています。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/16649876/
関連の旅行記
「2009年ウクライナ・ハイライトその2:ウクライナでも植物に注目(前編)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10361799/
「2009年ウクライナ旅行第8日目(3)クリミア半島:ヤルタを出てフォロス村のロマンチックな教会へ」へと続く。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10401563/
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