2009/10/11 - 2009/10/11
3170位(同エリア3401件中)
阿部和璧さん
少し前、大徳寺曝涼展で見た「牧谿(もっけい)がいかに凄かっ
たか」について書きましたが、この曝涼展、決して牧谿だけが凄
かった訳ではない。そこで今回は「今年行けなかった人、来年行
きたい人のための大徳寺曝涼展」を書きます。
10月第2週目の日曜日、晴れた日にしか見れない大徳寺本坊曝
涼展。この何が凄いかと言うと、約200点ほどの書画が掛けら
れたその下に見え隠れするのは、重要文化財の狩野探幽筆・山水
図襖絵。多くの人がこの日のために方丈に詰め掛けるが、誰一人
その下の襖絵には目を向けない。この日ばかりは探幽の襖絵も形
無しと思えるほど部屋中の寺宝は素晴らしい。
すでに紹介した牧谿を除いても、国内の絵師では明兆、等伯、探
幽らビッグネームの作品を手が届く距離で見ることができる。ま
た日頃は見る機会のない中国絵画の顔輝、日観の秀作、作者が明
らかでない良品、歴史的価値の高い書画などが一堂に会している。
優れた書画の数々が次々と現れるこの展示、見終わった後にはた
だ凄かったと感嘆する以外にない。
またこの日は本坊だけでなく、大徳寺内塔頭の高桐院でも曝涼展
が行われておりそちらも必見。探幽の普賢、文殊菩薩、永徳の維
摩図などから、応仁の乱で荒廃した大徳寺を復興した一休の墨蹟。
さらには李唐筆、国宝・山水図、秀吉が主催した北野大茶会で使
用された銭選の牡丹図双幅など寺宝というに相応しい書画の数々
を見ることができる。
日頃は美術館や博物館の展示ケースの中でしか見れないような傑
作の数々が、驚くほど無造作な感じを漂わせて部屋中に掲げられ
た2つの曝涼展。一体いつから始まったのかは分からないが、た
とえ年に一日でも、このような贅沢なも催しが当たり前のように
続いていることが、京都の奥深さなのだと思う。
(写真は李唐の山水図)
文化ブログよりhttp://abekaheki.blog72.fc2.com/
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