遥かなるメコン（７０）メコン川の夕焼け。

2009/04/25 - 2009/05/10

日本に近江八景があるように、タイ・ラオス・カンボジアにも「メコン八景」があっても良い。４０００キロを越える長大な流域の中には息を飲むような絶景もあれば、南国の真っ赤な太陽が幅広の川面に落ちていく光景も良い。

最初にメコンの夕陽を見たのは、２年半前のこの町であった。それからメコンに引き付けられるように、ノンカイの夜、黄金三角地帯（Golden　Triangle)での夕暮れ、コンポンソム、ビエンチャン、それから今回のチェンコーン・フアサーイとルアンプラパン。どこもかしこも思い出に残る光景だ。

今又再びビエンチャンの夕暮れのメコンの川原に立ち、陽が沈んでいくの見る。＜赤々と　陽はつれなくも　沈み往く＞光景である。どこででも何度でも眺めても飽きない光景。西伊豆に生まれ育ち、子供の頃見た光景、西日が辺り一面を赤く染め、駿河湾に沈み往く太陽がトラウマの一つにでもなっているのだろうか。

川原で草を採る人、岸辺を散策する人、陸上の河岸からは早くも大音響の民族調音楽が流れてくる。辺りが暗くなり、川面の漁師の姿も朧になってくる。漸く対岸のタイの陸地が闇に沈み、家々の明かりがともされた頃、川原を後にした。

エリア ビエンチャン(ラオス)

太陽はようやく西に傾き、メコンの上流に落ちてゆく。

赤々と、空を真っ赤に染める夕陽。いつ見ても飽きない。

川を渡渉する人、漁をする人、漸くの夕暮れに先を急いでいる。

太陽に掛かる雲。

然し又雲の晴れ間から太陽は顔を出す。

もう今度こそ本当に太陽は雲の中に沈んでしまった。

岸辺のレストランもこれからの開業に準備をしている。

舞台（簡易ビヤガーデン）の設営にも忙しい。

精霊を祀る幟も川風に空しくなびいている。

真っ暗な中、対岸のタイの民家の明かりも灯ったころ、川原を後にした。