2009/09/23 - 2009/09/26
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Mark & Risbeauさん
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【http://4travel.jp/traveler/marktanaka/album/10385516/からつづく】
一夜明けて旅行三日目の早朝。ホテルの窓から見るルイーズ湖はまだ薄暗い。しかし、まるで眠っているかのような湖水には対岸のビクトリア氷河がくっきり映っている。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- エアカナダ
-
部屋から見た夜明け前の湖水
りす坊が起き出して身繕いするのを待って、一緒に湖畔に向かった。まだ日が昇らない朝は肌寒く、地面にはうっすら霜が降りていた。こんなに朝早いのに、もう結構多くの人影が例のホテルの真っ正面の湖の畔に集まってしきりとフラッシュを焚いている。聞こえる声から日本からの観光客のみなさんらしい。朝早くからご苦労さまです。(僕らも。)少し暁光が差し始めたルイーズ湖畔を四分の一周ほど歩く。今回りす以外遭遇していない野生動物にあえることを期待しながら。 -
日の出が近いホテル方面を振り返る
残念ながら、今朝もすばしっこい小さなりす以外は出てこなかった。イエロウストンでは毎朝鹿だけは見られただけに、せめて鹿でも出てきて欲しいところだ。ただし、いまは交尾期なので気が立っている雄の大きな角には要注意とのこと。さて、ホテルの前まで戻ったころ、対岸の氷河に今日初めての陽の光が遂に差し、世界に色彩が蘇った瞬間を目撃した。 -
朝の光が差したルイーズ湖
この光景には、ふたりとも一瞬言葉を失った。こういうのを、神々しい、というのだろうか。このホテルに宿をとった自分を褒めてやりたくなった。ホテルのデリで買ったコーヒーを啜りながら部屋に戻り、今朝もサンドイッチの朝食である。こんな景色を眺めながらなら、何を食べるかかはさほど重要ではない。 -
ホテルの中庭に咲き乱れる朝顔(?)
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さよなら〜
さて、今日は氷原道路(アイスフィールズ・パークウエイ)を越えて250キロ北のジャスパーに向かわないといけないので、後ろ髪を引かれる思いで9時半にホテルをチェックアウトした。ホテルを去る前に名残を惜しんで撮った一枚。 -
左奥がクロウフット氷河
未練を払って、車を出した。レイク・ルイーズまで僕らを連れてきてくれたカナダ国道1号線とはここで別れて93号線通称Icefields Parkwayに乗り換え、まだ車がまばらな高原の一本道をひたすら走る。りす坊は動物を目撃しようと隣で目を皿にしていたが、こんな朝遅くまでうろうろしている野生動物はいない。一時間ほど走った道路脇の展望所で風景を見上げている人々を見かけ、僕らも立ち寄った。そこにあった看板によると、クロウフット氷河Crowfoot Glacierという名所らしい。 -
ボウ湖
氷河が溶けて二本指になってしまった、と看板に書いてあったが、僕には、元々の写真を見てもカラスの足には見えなかった。星座にせよ、ロールシャッハ検査にせよ、僕には隠された形を認識する能力が欠けているのかも知れない。それより、手前に広がる鏡のようなボウ湖Bow Lakeの方がずっとわかりやすく、少なくともインパクトは絶大だった。まったく、朝から極上の天気である。 -
ペイトウ湖
ボウ湖から15分ほどで今日の第一目的地、ペイトウ・レイクPeyto Lakeの駐車場に到着する。短いトレイルを登る前に駐車場のトイレに向うと、前に待っていたネイティブ・カナディアン(カナダ先住民)らしいとても愛想のいいおばさんが僕らがどこから来たかと話しかけてきた。彼女自身は800キロ東北のマニトバ州からキャンパーに乗って家族で旅行中だそうで、ロサンゼルスから暑い気候を連れてきてくれてありがとうね、と感謝された。そろそろ汗ばむほどの温度になっていたのである。
10分ほどの登りの傾斜を登ると、いきなり視野が広がり、ペイトウ湖が眼下に現れるボウ山頂の展望台が現れる。この湖も氷河が削った岩の微粉が湖水に漂って、湖面を鮮明な青緑色に見せるそうだ。出逢う湖それぞれ微妙に異なる色合いが印象的である。僕らが風景を堪能して引き上げるころ周りが急に賑やかになった。この峠まで登ってこれる観光バスが何台か着いたようだった。 -
コロンビア氷原が先方に現れる
ペイトウ湖から1時間ほど先に進むと、道路前方の山頂を覆う氷原が見えてくる。コロンビア氷原Columbia Icefieldだ。コロンビア氷原から伸びている氷河の一つがアサバスカ氷河Athabasca Glacierで、その上を歩くツアーがこの地域の主な観光アトラクションになっている。車から降りると、さすがに氷原から吹き下りてくる風は冷たい。 -
アサバスカ氷河
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ミネワンカ湖クルーズ割引券付き♪もういらないけど
氷河ツアーを運営しているブルースターBrewster社のウエブサイトには事前予約は不要と書いてあったので、飛び込みで切符を買う。なんのことはない、ツアーは30分ごとに出ているのでたいていその場で次のツアーの切符が手に入る。1時間半のツアーは一人49ドルなり。カナダは何でも高い。
これ以外にプロのガイドの案内で氷河を3時間程度ハイクするツアーを運営している会社もあるが、人一倍寒がりの妻を持つ場合検討すら不可である。ガイドなしで氷河に入って歩こうとする人もいるらしいが、クレバスと呼ばれる氷河の深い割れ目は素人には分かりづらく、踏んでしまえば数十メートルの氷の穴の中に転落してしまう。転落で命をとりとめても急激に体温を奪われ結局は助からないそうなので、やめた方がいい。 -
最初はこんなバスで
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それからこんな雪上車に乗り換える
案内センターから普通のバスに乗り込んで氷河の麓まで移動し、その先でタイヤが120センチもある6輪駆動の雪上車に乗り換える。この雪上車がど迫力なのである。
もの凄くトルクの強い車で、土の表面でも氷でも20度くらいあるような傾斜をへっちゃらで登り下りしていた。運転手兼ガイドさんは、一台百万ドルするんだよと自慢げだったが、このツアー料金ならあっという間に回収できるに違いない。 -
雪上車内部。あはは、ほとんど落下状態なんですけど
コメディアンも兼務のような面白可笑しい運転手さんの話を聞きながら、10分ぐらいで氷原に到着。今日は普通より10℃は高い好天気でみなさん大変ラッキーですよ、とやはり僕らの天気運強さを裏書きしてもらった。確かに寒さに強いアメリカ人観光客たちが半袖Tシャツでうろうろするほどの陽気だった。しかし、今頃は体感温度がマイナス10度くらいまで下がっているらしい。ぶるる。 -
氷河ひとりじめ〜
氷の上に降りると、上の方の氷原から吹き下ろしてくる強い風はさらに冷たかった。安全確認済みで歩行が許されている区域を歩ける時間は20分ほどあったが、寒がりの人は10分ほどで次々と暖かい雪上車に戻っていった。歩行区域のはずれを流れる数百万年?前の雪解け水を掬ってちょっと飲んでみる。ふつうの水だった。太古のバイ菌が生きていないことを祈るのみである。ところで、昔アラスカの氷河クルーズで乗組員が海から拾い上げてくれた氷河のかけらをもらったことがあった。そのとき、絶対噛まないようにと言われたことを思い出した。何十万年もぎゅーぎゅー圧縮された氷河の氷は堅すぎて、歯が欠けてしまうらしい。 -
さて、雪上車のタイヤがどれ程大きいかというとこれほどでかい。
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ついでにトレッドはこんな感じ。踏まれると痛そう
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氷河収縮の変遷。下が山側、上が麓のセンター側
氷河は年々数メートルの速度で縮んでいるそうだ。車内で回覧のあった地図(下が山側、上が麓の案内センター側)には明かに氷河の後退の様子が現れていた。
19世紀半ばには氷河が案内センターまで伸びていたと聞けば、環境保護主義の人々はまた温暖化云々の論拠にするのだろうが、僕にはそこまでの確信は持てない。ただ、お金さえ払えば氷河ツアーができるうちに来られてよかったと思うだけである。
【http://4travel.jp/traveler/marktanaka/album/10391618/につづく】
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旅行記グループ
カナディアン・ロッキーの旅(2009)
この旅行記へのコメント (2)
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- Ted@CiscoTours comさん 2009/11/04 05:00:29
- ルイーズ湖
- こんにちは、Markさん
いつもLAの情報楽しみにしているTed@SFです。
カナディアン・ロッキー行かれたのですね。
レイク・ルイーズに映った朝焼けの氷河と山々、本当に神々しいですね。
私が行ったのはもう20年以上前ですが、今でも「また行きたい」と思うところです。
どの景色も、本当に引きこまれるようですね。
氷河ツアーも楽しまれたようでですね。私は友人に教えてもらったミニチュア・ウイスキーの便をもって行き、上でオンザロック飲んできました(^^)
早く再訪したいです(^^)
Ted
- Mark & Risbeauさん からの返信 2009/11/04 05:45:44
- RE: ルイーズ湖
- ≫Tedさん
大変ご無沙汰しております。コメントありがとうございました。
SFの質問コーナーではいつも的確で懇切丁寧なTedさんのコメントを参考にさせていただいています。
カナディアンロッキーでは、やはりルイーズ湖が圧巻ですね。この歳になると時間を忘れるほど見とれてしまう風景もそうざらにありません。
4travelのほうはしばらくご無沙汰しておりましたが、カナダ旅行を機にまたぼちぼち更新していこうと思います。
Tedさんのところにも足繁くお邪魔させていただきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします。
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