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12月25日(水)     フェルメールの光を探して──オランダ10日間の旅(6)<br /><br /><br />オランダでは25・26日の両日、クリスマスの休日となる。レストランやショッ<br />プもクローズしているところが多い。美術館は開館しているので、終日“アート<br />散策”を楽しむことにする。<br /><br />アムステルダムでは、ミュージアム広場を中心に国立ミュージアム・ゴッホ美術<br />館・市立近代美術館という3つの美術館が並ぶ。このうち、市立近代美術館は改<br />装中のため、アムステルダム中央駅近くで仮オープンしている。<br /><br />駅の北側はアムステルダム港。運河で北海と結ばれているので、この時期は水面<br />を渡る風がひときわきびしい。市立近代美術館にたどり着くころには、身体がす<br />っかり凍りついてしまう・・・寒。<br /><br />コレクションは印象派から現代美術まで。しかし、入口でたずねると現在はウォ<br />ーホル作品のみを展示しているという。スペースの関係か・・・。しかも、入館<br />には「Museumkaart」利用でも&#8364;4.50もかかる。アムスでウォーホル? という<br />ことで、キャンセルして駅へもどる。<br /><br />市内の移動には、トラムが便利だ。「Strippenkaart」という回数券がある(15<br />枚&#8364;6.80、45枚&#8364;20.10)のだが、オランダ独特のゾーンという概念がわかりづ<br />らい。市内をゾーン分けし、乗車の際に移動するゾーンの数+1枚の回数券をパ<br />ンチする。しかし、目的地までいくつゾーンを通過するのか、運転手や車掌に訊<br />かないとわからない。<br /><br />そこで、終日観光をするのなら24時間乗り放題の「24 uurskaart」を購入した<br />ほうがよい。料金は8枚分と同じ&#8364;6.50、ゾーンを気にする必要がない。<br />48時間券・72時間券もある。バスやメトロにも乗れる。ちなみに、車内では<br />「Strippenkaart」や「24 uurskaart」は買えず、割高となるので注意。<br /><br />駅前のトラム・バス・メトロ案内所GVBで「24 uurskaart」を手に入れ、まず<br />は「シンゲルの花市」に行くことに決めた──。

オランダのトラムを乗りこなす。

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2007/12/20 - 2007/12/29

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23

四月の旅人

四月の旅人さん

12月25日(水)     フェルメールの光を探して──オランダ10日間の旅(6)


オランダでは25・26日の両日、クリスマスの休日となる。レストランやショッ
プもクローズしているところが多い。美術館は開館しているので、終日“アート
散策”を楽しむことにする。

アムステルダムでは、ミュージアム広場を中心に国立ミュージアム・ゴッホ美術
館・市立近代美術館という3つの美術館が並ぶ。このうち、市立近代美術館は改
装中のため、アムステルダム中央駅近くで仮オープンしている。

駅の北側はアムステルダム港。運河で北海と結ばれているので、この時期は水面
を渡る風がひときわきびしい。市立近代美術館にたどり着くころには、身体がす
っかり凍りついてしまう・・・寒。

コレクションは印象派から現代美術まで。しかし、入口でたずねると現在はウォ
ーホル作品のみを展示しているという。スペースの関係か・・・。しかも、入館
には「Museumkaart」利用でも€4.50もかかる。アムスでウォーホル? という
ことで、キャンセルして駅へもどる。

市内の移動には、トラムが便利だ。「Strippenkaart」という回数券がある(15
枚€6.80、45枚€20.10)のだが、オランダ独特のゾーンという概念がわかりづ
らい。市内をゾーン分けし、乗車の際に移動するゾーンの数+1枚の回数券をパ
ンチする。しかし、目的地までいくつゾーンを通過するのか、運転手や車掌に訊
かないとわからない。

そこで、終日観光をするのなら24時間乗り放題の「24 uurskaart」を購入した
ほうがよい。料金は8枚分と同じ€6.50、ゾーンを気にする必要がない。
48時間券・72時間券もある。バスやメトロにも乗れる。ちなみに、車内では
「Strippenkaart」や「24 uurskaart」は買えず、割高となるので注意。

駅前のトラム・バス・メトロ案内所GVBで「24 uurskaart」を手に入れ、まず
は「シンゲルの花市」に行くことに決めた──。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
鉄道

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  • Singel Bloemenmarkt<br /><br /><br />アムステルダム中央駅を扇の要として、街を半円状に走る5本<br />の運河のうち、いちばん内側にあるシンゲル。「シンゲルの花<br />市」はその運河沿いにムント広場から西側に連なる、フロート<br />上に設えられた10数店のフラワーショップからなる。<br /><br />各店にはさまざまな品種のチューリップを中心に、多彩な花の<br />種・球根・生花やガーデニング用品、スーベニアなどがところ<br />狭しと並べられている。花・花・花の店内は彩り豊かで、ある<br />意味では壮観でさえある。花が好きな方なら、たまらないだろ<br />う。<br /><br />価格はチューリップの種1袋&#8364;3、球根10個&#8364;2、生花50本&#8364;5程<br />度から。店頭には、ディスカウント品もある。ほかに、盆栽(笑)<br />の種&#8364;3、オランダらしく「CANNABIS Starters Kit」は&#8364;3〜。<br />もちろん、買って帰るわけにはいかないが・・・。<br /><br />最初に訪れた日はちょうどクリスマスの祝日(〜26日)で、2<br />店しか開いていなかった。人影もまばら。しかし、再び足を運<br />んだ28日はくもり空で寒い日だったにもかかわらず、“市場”に<br />ふさわしく活気にあふれていた。<br /><br />トラムで、Muntplein または Koninginplein 下車。

    Singel Bloemenmarkt


    アムステルダム中央駅を扇の要として、街を半円状に走る5本
    の運河のうち、いちばん内側にあるシンゲル。「シンゲルの花
    市」はその運河沿いにムント広場から西側に連なる、フロート
    上に設えられた10数店のフラワーショップからなる。

    各店にはさまざまな品種のチューリップを中心に、多彩な花の
    種・球根・生花やガーデニング用品、スーベニアなどがところ
    狭しと並べられている。花・花・花の店内は彩り豊かで、ある
    意味では壮観でさえある。花が好きな方なら、たまらないだろ
    う。

    価格はチューリップの種1袋€3、球根10個€2、生花50本€5程
    度から。店頭には、ディスカウント品もある。ほかに、盆栽(笑)
    の種€3、オランダらしく「CANNABIS Starters Kit」は€3〜。
    もちろん、買って帰るわけにはいかないが・・・。

    最初に訪れた日はちょうどクリスマスの祝日(〜26日)で、2
    店しか開いていなかった。人影もまばら。しかし、再び足を運
    んだ28日はくもり空で寒い日だったにもかかわらず、“市場”に
    ふさわしく活気にあふれていた。

    トラムで、Muntplein または Koninginplein 下車。

  • VAN GOGH MUSEUM<br /><br /><br />37年という短い生涯の中で、フィンセント・ファン・ゴッホが<br />画業に携わったのはわずか10年にすぎない。しかも後年、世界<br />的名画として知られることになる作品のほとんどはパリの喧噪<br />に心身をすりへらし、アルルへと去ってからの2年あまりの間<br />に描かれている。<br /><br />ゴッホ美術館は、アムステルダムのミュージアム広場に建つ。<br />彼のよき理解者にしてほとんど唯一の支援者であった弟テオド<br />ールが所有していた作品をもとに、1973年に国立美術館として<br />開館する。<br /><br />油彩200点、素描500点、書簡700点を所蔵する。ゴッホのコレ<br />クションとしては、もちろん世界最大。99年には大規模な改修<br />が施され、黒川紀章氏設計の新館とともにリニューアルオープ<br />ンしている。その前衛的なフォルムは、歴史的建造物を利用し<br />ていることの多い、欧州の著名美術館とは好対照を見せる。<br /><br />1年間有効の「Museumkaart」があれば、無料で入館できる。<br />セキュリティチェックがある。<br /><br />本館2階の広々としたフロア全体に、彼の作品が年代順に展示さ<br />れている。オランダ時代のものは、気が滅入るほどひたすら暗<br />い。こんなものを誰がほしがるだろう。生前にはたった1枚しか<br />売れなかったことに思い当たる。それがパリに出ると突然、色<br />彩豊かになる。アルル以降には、誰もが知る傑作が連なる。<br /><br />1888年製作の『Ploughed field』の前で脚がとまる。写真では<br />わからない。言葉にも尽くせない。この圧倒的な筆致は、実際<br />にご覧いただくしかない。このときの彼の激情が、キャンヴァ<br />スからあふれ出す。<br /><br />しかし、それは長続きしない。作品ごとにタッチが全く異なる。<br />ここにいたってもなお模写をしている。それらは、当時ほとん<br />ど顧みられることのなかったこの天才画家の怒り、悩み、諦め、<br />媚び──錯綜する心情をそのまま表出しているように思える。<br /><br />そして、最晩年の『Wheat Field with Crows』。彼の混沌とし<br />て悲劇的な生涯にとらえられ、涙を流す。が、その隣には再び<br />ただただ美しい風景画。いったいこの人は・・・。<br /><br />3階には、ゴッホとテオが収集した浮世絵も展示されている。私<br />たち日本人の多くよりも、ずっと造詣が深かったことだろう。<br />じっと見つめる欧米の方々を目にしながら、少しばかり誇らし<br />い気分にもなる。説明をもとめられたらなどとあらぬことを考<br />え・・・冷汗。

    VAN GOGH MUSEUM


    37年という短い生涯の中で、フィンセント・ファン・ゴッホが
    画業に携わったのはわずか10年にすぎない。しかも後年、世界
    的名画として知られることになる作品のほとんどはパリの喧噪
    に心身をすりへらし、アルルへと去ってからの2年あまりの間
    に描かれている。

    ゴッホ美術館は、アムステルダムのミュージアム広場に建つ。
    彼のよき理解者にしてほとんど唯一の支援者であった弟テオド
    ールが所有していた作品をもとに、1973年に国立美術館として
    開館する。

    油彩200点、素描500点、書簡700点を所蔵する。ゴッホのコレ
    クションとしては、もちろん世界最大。99年には大規模な改修
    が施され、黒川紀章氏設計の新館とともにリニューアルオープ
    ンしている。その前衛的なフォルムは、歴史的建造物を利用し
    ていることの多い、欧州の著名美術館とは好対照を見せる。

    1年間有効の「Museumkaart」があれば、無料で入館できる。
    セキュリティチェックがある。

    本館2階の広々としたフロア全体に、彼の作品が年代順に展示さ
    れている。オランダ時代のものは、気が滅入るほどひたすら暗
    い。こんなものを誰がほしがるだろう。生前にはたった1枚しか
    売れなかったことに思い当たる。それがパリに出ると突然、色
    彩豊かになる。アルル以降には、誰もが知る傑作が連なる。

    1888年製作の『Ploughed field』の前で脚がとまる。写真では
    わからない。言葉にも尽くせない。この圧倒的な筆致は、実際
    にご覧いただくしかない。このときの彼の激情が、キャンヴァ
    スからあふれ出す。

    しかし、それは長続きしない。作品ごとにタッチが全く異なる。
    ここにいたってもなお模写をしている。それらは、当時ほとん
    ど顧みられることのなかったこの天才画家の怒り、悩み、諦め、
    媚び──錯綜する心情をそのまま表出しているように思える。

    そして、最晩年の『Wheat Field with Crows』。彼の混沌とし
    て悲劇的な生涯にとらえられ、涙を流す。が、その隣には再び
    ただただ美しい風景画。いったいこの人は・・・。

    3階には、ゴッホとテオが収集した浮世絵も展示されている。私
    たち日本人の多くよりも、ずっと造詣が深かったことだろう。
    じっと見つめる欧米の方々を目にしながら、少しばかり誇らし
    い気分にもなる。説明をもとめられたらなどとあらぬことを考
    え・・・冷汗。

  • 『Ploughed field』(1888)

    『Ploughed field』(1888)

  • 『Ondergesneeuwd veld met een eg(naar Millet)』(1890)

    『Ondergesneeuwd veld met een eg(naar Millet)』(1890)

  • Rijksmuseum Amsterdam<br /><br /><br />「国立博物館アムステルダム」は、オランダ最大のミュージア<br />ムである。現在開館中のフィリップス棟の入口は、「ゴッホ美<br />術館」から向かって左手奥にある。<br /><br />セキュリティチェックを終えて館内に入ると、ここが“博物館”<br />であることを実感する。1階には、武具や民具など私があまり<br />得意でない民俗系の展示物がつづく。かなり前のことだが、学<br />生時代に「民博」の展示物整理のアルバイトをしていて体調を<br />崩した友人がいた──という話を聞いたことがある。<br /><br />これまで『地球の歩き方』にならって“国立ミュージアム”と表<br />記してきたが,このフロアに展示されているものはまさしく博<br />物館のものだ。ちなみに2007年、国立新美術館で開催された<br />「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」では、<br />“アムステルダム国立美術館”所蔵とされていた。市内には「ア<br />ムステルダム歴史博物館」というものもあってややこしい、っ<br />てほどでもないか。<br /><br />「国立博物館」は“美術館”としては、レンブラントやフェルメ<br />ールをはじめ17世紀オランダ“黄金時代”の絵画コレクションで<br />知られる。<br /><br />現在“史上最大”の改装工事中だという(〜2010年12月)。それ<br />で昨年、大挙して日本にやって来たわけだ。すでに改装を済ま<br />せたフィリップス棟2階フロアでは「マスターピース展」とし<br />て、所蔵絵画の代表作が壁を飾る。<br /><br />フェルメールでは、来日した『牛乳を注ぐ女』の左右に『小路』<br />と『手紙を読む女』、右手の壁に『恋文』の計4点が展示され<br />ていた。マウリッツハイス同様、ここにも“長蛇の列”などなく、<br />中央のソファに座ればいつまででも彼の精緻な表現にふれてい<br />ることができる。<br /><br />『牛乳を注ぐ女』の原題は「De keukenmeid」、英文でも<br />「TheKitchen Maid」と表記されている。“牛乳”や“Milk”とい<br />う語などどこにもないが、『台所女中』というタイトルよりは<br />ずっとよい。<br /><br />レンブラントの超大作『夜警』は、壁一面を占めていた。1階<br />の奥には、デルフト焼や銀製品、ドールハウスのコレクション<br />も展示されていた。しかし、「オランダ風俗画展」関連でこの<br />空間にもアップした『アムステルダムの孤児院の少女』と『窓<br />辺の少女』は見あたらなかった。

    Rijksmuseum Amsterdam


    「国立博物館アムステルダム」は、オランダ最大のミュージア
    ムである。現在開館中のフィリップス棟の入口は、「ゴッホ美
    術館」から向かって左手奥にある。

    セキュリティチェックを終えて館内に入ると、ここが“博物館”
    であることを実感する。1階には、武具や民具など私があまり
    得意でない民俗系の展示物がつづく。かなり前のことだが、学
    生時代に「民博」の展示物整理のアルバイトをしていて体調を
    崩した友人がいた──という話を聞いたことがある。

    これまで『地球の歩き方』にならって“国立ミュージアム”と表
    記してきたが,このフロアに展示されているものはまさしく博
    物館のものだ。ちなみに2007年、国立新美術館で開催された
    「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」では、
    “アムステルダム国立美術館”所蔵とされていた。市内には「ア
    ムステルダム歴史博物館」というものもあってややこしい、っ
    てほどでもないか。

    「国立博物館」は“美術館”としては、レンブラントやフェルメ
    ールをはじめ17世紀オランダ“黄金時代”の絵画コレクションで
    知られる。

    現在“史上最大”の改装工事中だという(〜2010年12月)。それ
    で昨年、大挙して日本にやって来たわけだ。すでに改装を済ま
    せたフィリップス棟2階フロアでは「マスターピース展」とし
    て、所蔵絵画の代表作が壁を飾る。

    フェルメールでは、来日した『牛乳を注ぐ女』の左右に『小路』
    と『手紙を読む女』、右手の壁に『恋文』の計4点が展示され
    ていた。マウリッツハイス同様、ここにも“長蛇の列”などなく、
    中央のソファに座ればいつまででも彼の精緻な表現にふれてい
    ることができる。

    『牛乳を注ぐ女』の原題は「De keukenmeid」、英文でも
    「TheKitchen Maid」と表記されている。“牛乳”や“Milk”とい
    う語などどこにもないが、『台所女中』というタイトルよりは
    ずっとよい。

    レンブラントの超大作『夜警』は、壁一面を占めていた。1階
    の奥には、デルフト焼や銀製品、ドールハウスのコレクション
    も展示されていた。しかし、「オランダ風俗画展」関連でこの
    空間にもアップした『アムステルダムの孤児院の少女』と『窓
    辺の少女』は見あたらなかった。

  • 『Het melkmeisje』(1658)

    『Het melkmeisje』(1658)

  • 『De liefdesbrief』(1667-70)

    『De liefdesbrief』(1667-70)

  • 『Het straatje』(1657-58)

    『Het straatje』(1657-58)

  • Nicolaas van der Waay: Amesterdam orphan girl<br /><br /><br />国立新美術館の「アムステルダム国立美術館所蔵 フェルメー<br />ル《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」を観た(2007年11<br />月)。<br /><br />会場の展示室Eは平日の午後にも関わらず、かなり混雑してい<br />る。とくにお目当ての(?)の『牛乳を注ぐ女』の前にはロープ<br />が張られ、順番待ちの列ができていた。40cm四方程度の小品<br />ながら、100点以上の作品の中でやはり圧倒的な輝きを放って<br />いる。<br /><br />しかし、フェルメール作品はこの1点のみ。これを観るためだ<br />けに30万人以上が足を運んだのか・・・と思っていたら、最後<br />の「19世紀後半のリアリズムの風俗画」のブースで、素敵な作<br />品を発見した。<br /><br />二コラース・ファン・デル・ヴァーイ作『アムステルダムの孤<br />児院の少女』。<br /><br />ファン・デル・ヴァーイは1855年、アムステルダム生まれ。<br />印象派の画家としての活動のほか、市立美術アカデミーでは30<br />年以上にわたって教壇に立っていた。“孤児”は当時人気のテー<br />マだったという。<br /><br />バルビゾン派の影響を受けたとされるこの時期の作品群は、や<br />さしいまなざしをもって庶民の日常生活を描いている。そこに<br />は、もちろんフェルメールに代表される17世紀オランダ風俗画<br />からのインスピレーションも色濃いのだろう。<br /><br />ショップでプリント(500円・・・嬉)を手に入れたので、額<br />装して壁にかけようと思う。ちなみに、『真珠の耳飾りの少女』<br />のリトグラフ(だったと思う)が68,000円で販売されていた。<br />手荷物になることさえいとわなければ、買ってしまうところだ<br />った・・・汗。

    Nicolaas van der Waay: Amesterdam orphan girl


    国立新美術館の「アムステルダム国立美術館所蔵 フェルメー
    ル《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」を観た(2007年11
    月)。

    会場の展示室Eは平日の午後にも関わらず、かなり混雑してい
    る。とくにお目当ての(?)の『牛乳を注ぐ女』の前にはロープ
    が張られ、順番待ちの列ができていた。40cm四方程度の小品
    ながら、100点以上の作品の中でやはり圧倒的な輝きを放って
    いる。

    しかし、フェルメール作品はこの1点のみ。これを観るためだ
    けに30万人以上が足を運んだのか・・・と思っていたら、最後
    の「19世紀後半のリアリズムの風俗画」のブースで、素敵な作
    品を発見した。

    二コラース・ファン・デル・ヴァーイ作『アムステルダムの孤
    児院の少女』。

    ファン・デル・ヴァーイは1855年、アムステルダム生まれ。
    印象派の画家としての活動のほか、市立美術アカデミーでは30
    年以上にわたって教壇に立っていた。“孤児”は当時人気のテー
    マだったという。

    バルビゾン派の影響を受けたとされるこの時期の作品群は、や
    さしいまなざしをもって庶民の日常生活を描いている。そこに
    は、もちろんフェルメールに代表される17世紀オランダ風俗画
    からのインスピレーションも色濃いのだろう。

    ショップでプリント(500円・・・嬉)を手に入れたので、額
    装して壁にかけようと思う。ちなみに、『真珠の耳飾りの少女』
    のリトグラフ(だったと思う)が68,000円で販売されていた。
    手荷物になることさえいとわなければ、買ってしまうところだ
    った・・・汗。

  • Jacob Maris: Girl at a window<br /><br /><br />「アムステルダム国立美術館所蔵 フェルメール《牛乳を注ぐ<br />女》とオランダ風俗画展」の「19世紀後半のリアリズムの風俗<br />画」のブースで気になった作品をもうひとつ──ヤーコブ・マ<br />リス『窓辺の少女』。<br /><br />マリスは1837年、ハーグ生まれ。65年から数年、パリに暮ら<br />す。ミレーやコローと交流があったかもしれない。彼らバルビ<br />ゾン派の影響のもと、オランダ独自の印象主義やレアリスムを<br />発展させたハーグ派とよばれるグループの中心人物とされてい<br />る。その作風は、ゴッホの初期の作品へと継承される。<br /><br />太い輪郭線をはじめ、粗いタッチはマリス独特のものだという。<br />窓辺の光の中に立ち尽くす少女の姿は、フェルメールを彷彿と<br />させる内面性にあふれている。<br /><br />ショップでは、フェルメールの33作品のポストカードを収めた<br />ボックス(3,500円)も購入した。これも今回の成果のひとつ<br />だ・・・嬉。<br /><br />2005年、ルーヴルを訪れたときフェルメールは横浜に来ていた。<br />この暮れにオランダを旅する際には、これらの作品があるべき場<br />所にかけられていることを切に願う。

    Jacob Maris: Girl at a window


    「アムステルダム国立美術館所蔵 フェルメール《牛乳を注ぐ
    女》とオランダ風俗画展」の「19世紀後半のリアリズムの風俗
    画」のブースで気になった作品をもうひとつ──ヤーコブ・マ
    リス『窓辺の少女』。

    マリスは1837年、ハーグ生まれ。65年から数年、パリに暮ら
    す。ミレーやコローと交流があったかもしれない。彼らバルビ
    ゾン派の影響のもと、オランダ独自の印象主義やレアリスムを
    発展させたハーグ派とよばれるグループの中心人物とされてい
    る。その作風は、ゴッホの初期の作品へと継承される。

    太い輪郭線をはじめ、粗いタッチはマリス独特のものだという。
    窓辺の光の中に立ち尽くす少女の姿は、フェルメールを彷彿と
    させる内面性にあふれている。

    ショップでは、フェルメールの33作品のポストカードを収めた
    ボックス(3,500円)も購入した。これも今回の成果のひとつ
    だ・・・嬉。

    2005年、ルーヴルを訪れたときフェルメールは横浜に来ていた。
    この暮れにオランダを旅する際には、これらの作品があるべき場
    所にかけられていることを切に願う。

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