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12月21日(土)     フェルメールの光を探して──オランダ10日間の旅(2)<br /><br /><br />朝10時をとうに過ぎて、ホテルを出るとこんな風景が広がっていた。雪、ではな<br />い。樹氷だ。<br /><br />寒さには強いと思っていた。自宅のある八王子も転居したばかりの20数年前には、<br />ときに明け方─10℃にもなったものだ。今年(2007年)1月のイタリア旅行など、<br />フィレンツェ・ローマでは私だけはコートさえ必要なかった。だが・・・オラン<br />ダをなめていた・・・。<br /><br />とりあえずは、「マウリッツハイス美術館」に。<br /><br />「Museumkaart」というものがある。『地球の歩き方』(2007〜08年版)によれ<br />ば「オランダ国内400以上の美術館や博物館に入場できるという便利なカード」、<br />&#8364;39.95。しかしマウリッツハイスで&#8364;3.00、ほかでも──。<br /><br />確かに「無料で」入場できるとは記載されていない。旅なれた皆さんなら「何を今<br />さら」と歯牙にもかけないのかもしれないが(もともと手にしていないか)、今回<br />ほど『地球の──』を疑った旅もない。<br /><br />午後はトラム利用の市立美術館をあきらめて、ホテルに近いエッシャー美術館(こ<br />こは、もともと「Museamkaart」を使えない。&#8364;7.50)にしよう。それにしても、<br />寒い。

真珠の耳飾りの少女に会いにいく。

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2007/12/20 - 2007/12/29

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四月の旅人

四月の旅人さん

12月21日(土)     フェルメールの光を探して──オランダ10日間の旅(2)


朝10時をとうに過ぎて、ホテルを出るとこんな風景が広がっていた。雪、ではな
い。樹氷だ。

寒さには強いと思っていた。自宅のある八王子も転居したばかりの20数年前には、
ときに明け方─10℃にもなったものだ。今年(2007年)1月のイタリア旅行など、
フィレンツェ・ローマでは私だけはコートさえ必要なかった。だが・・・オラン
ダをなめていた・・・。

とりあえずは、「マウリッツハイス美術館」に。

「Museumkaart」というものがある。『地球の歩き方』(2007〜08年版)によれ
ば「オランダ国内400以上の美術館や博物館に入場できるという便利なカード」、
€39.95。しかしマウリッツハイスで€3.00、ほかでも──。

確かに「無料で」入場できるとは記載されていない。旅なれた皆さんなら「何を今
さら」と歯牙にもかけないのかもしれないが(もともと手にしていないか)、今回
ほど『地球の──』を疑った旅もない。

午後はトラム利用の市立美術館をあきらめて、ホテルに近いエッシャー美術館(こ
こは、もともと「Museamkaart」を使えない。€7.50)にしよう。それにしても、
寒い。

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  • Mauritshuis<br /><br /><br />それがそこにあることを私は知っている。3階から観始めたマウ<br />リッツハイスのコレクションも、あと展示室ひとつを残すのみ。<br />オランダ絵画を代表する巨人“レンブラントの部屋”を過ぎ、北西<br />角の部屋に入る──。<br /><br />マウリッツハイス美術館はデン・ハーグ中央駅から徒歩数分、中<br />央官庁が集中するビネンホフに隣接する。17世紀に伯爵邸として<br />建造され、1882年に王立美術館として開館する。<br /><br />レンブラントやフェルメール、17世紀フランドル派のコレクショ<br />ンで知られる。その世界的な名称とは裏腹に、3フロアに小さな<br />展示室が15というこぢんまりとした美術館である。<br /><br />“フェルメールの部屋”に入る前から、目頭が熱くなる。こんな経<br />験は初めてだ。永くあこがれていた人に、初めて実際に会うとき<br />の心境といえば近いだろうか。<br /><br />その絵の前に立つ──『真珠の耳飾りの少女』。445mm × 390<br />mm、思い描いていたよりさらに小さい。一歩、近づいてみる。<br />周囲には誰もいない。もし日本に来ることがあったなら、『牛乳<br />を注ぐ女』同様に長蛇の列になることだろう。<br /><br />展示室の反対側には『デルフトの眺望』。右手に『ティアナとニ<br />ンフたち』がかかっている。わずか30数点といわれる彼の作品の<br />うち、3点がここに収蔵されていた。<br /><br />明日は、彼の故郷デルフトに行く──。

    Mauritshuis


    それがそこにあることを私は知っている。3階から観始めたマウ
    リッツハイスのコレクションも、あと展示室ひとつを残すのみ。
    オランダ絵画を代表する巨人“レンブラントの部屋”を過ぎ、北西
    角の部屋に入る──。

    マウリッツハイス美術館はデン・ハーグ中央駅から徒歩数分、中
    央官庁が集中するビネンホフに隣接する。17世紀に伯爵邸として
    建造され、1882年に王立美術館として開館する。

    レンブラントやフェルメール、17世紀フランドル派のコレクショ
    ンで知られる。その世界的な名称とは裏腹に、3フロアに小さな
    展示室が15というこぢんまりとした美術館である。

    “フェルメールの部屋”に入る前から、目頭が熱くなる。こんな経
    験は初めてだ。永くあこがれていた人に、初めて実際に会うとき
    の心境といえば近いだろうか。

    その絵の前に立つ──『真珠の耳飾りの少女』。445mm × 390
    mm、思い描いていたよりさらに小さい。一歩、近づいてみる。
    周囲には誰もいない。もし日本に来ることがあったなら、『牛乳
    を注ぐ女』同様に長蛇の列になることだろう。

    展示室の反対側には『デルフトの眺望』。右手に『ティアナとニ
    ンフたち』がかかっている。わずか30数点といわれる彼の作品の
    うち、3点がここに収蔵されていた。

    明日は、彼の故郷デルフトに行く──。

  • Escher in Her Paleis<br /><br /><br />「エッシャー美術館」は、デン・ハーグ中央駅から北へ5分ほど<br />歩いたランゲ・フォールハウト広場の一角にある。春から秋にか<br />けてのアンティーク市などさまざまなイベントの会場としてにぎ<br />わう空間らしいが、昨年(2007年)の暮れは改装中で資材置場<br />のような閑散とした風景が広がる。<br /><br />造物主のごとき執拗な熱情をもって構成されたH.C.エッシャーの<br />世界は、突然、観る者を奈落にまで連れ去る。それは、幼い頃に<br />親しんだテーブルゲームで見逃していた一手に気づいたときに眼<br />前に浮かぶ、崩壊していく勝利のイメージ(笑)に近いか、なぁ。<br /><br />エッシャー独特のトロンプ・ルイユが、スペインの──とくにア<br />ルハンブラ宮殿のモザイク模様に想を得たものであることはよく<br />知られている。そしてイタリア、スイスと移り住んだ彼がグラナ<br />ダまでの乗船代にあてるために、旅行中に製作した版画を船会社<br />に提供したこともまた逸話として伝えられている。<br /><br />「エッシャー美術館」は「ハーグ市立美術館」にあった収蔵品を<br />もとに、2002年11月オープンする。ここはもともと、現在のベ<br />アトリクス女王の曾祖母にあたるエンマの冬の宮殿「ランゲ・フ<br />ォールハウト宮殿」。最上階では、“だまし部屋”エッシャー・ル<br />ームも体験できる。<br /><br />Museumkaartは利用できない。カメラ撮影OK。

    Escher in Her Paleis


    「エッシャー美術館」は、デン・ハーグ中央駅から北へ5分ほど
    歩いたランゲ・フォールハウト広場の一角にある。春から秋にか
    けてのアンティーク市などさまざまなイベントの会場としてにぎ
    わう空間らしいが、昨年(2007年)の暮れは改装中で資材置場
    のような閑散とした風景が広がる。

    造物主のごとき執拗な熱情をもって構成されたH.C.エッシャーの
    世界は、突然、観る者を奈落にまで連れ去る。それは、幼い頃に
    親しんだテーブルゲームで見逃していた一手に気づいたときに眼
    前に浮かぶ、崩壊していく勝利のイメージ(笑)に近いか、なぁ。

    エッシャー独特のトロンプ・ルイユが、スペインの──とくにア
    ルハンブラ宮殿のモザイク模様に想を得たものであることはよく
    知られている。そしてイタリア、スイスと移り住んだ彼がグラナ
    ダまでの乗船代にあてるために、旅行中に製作した版画を船会社
    に提供したこともまた逸話として伝えられている。

    「エッシャー美術館」は「ハーグ市立美術館」にあった収蔵品を
    もとに、2002年11月オープンする。ここはもともと、現在のベ
    アトリクス女王の曾祖母にあたるエンマの冬の宮殿「ランゲ・フ
    ォールハウト宮殿」。最上階では、“だまし部屋”エッシャー・ル
    ームも体験できる。

    Museumkaartは利用できない。カメラ撮影OK。

  • Station Den Haag Centraal

    Station Den Haag Centraal

  • Binnenhof ビネンホフ

    Binnenhof ビネンホフ

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