アラゴンでひからびたい　２　アーモンドおやじとロアーレ城へ

2009/08/23 - 2009/08/23

一気にアラゴン地方のウエスカまで来てしまったカヌ隊。

ここからいよいよアラゴンの旅が始まります。

今日は、まずロアーレ城へ行き、
お昼過ぎには、今日の宿泊地へ入る予定です。
これから一仕事。
まずは、’アシ’の確保です。

エリア スペイン

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: タクシー

ウエスカ（Huesca）でバスを降りると日差しはぎんぎん熱気むんむん、
今日は暑くなりそうです。
　ウエスカのバス停はrenfe（スペイン国鉄)の駅の前にありました。
駅のタクシー乗り場にはタクシーが１台だけ停車中。
運転手のおじさんに合図すると、トランクを開けてくれるので、
荷物を入れ行き先を告げます。ここからが今回の旅の第1のハードル。
　
運転手さんに、ウエスカからロアーレ城（Castillo de Loarre）へ行き、
１時間ほど中を見ている間待っていてもらい、
そのあと今日の宿泊地マロス・デ・リグロス（Mallos de Riglos） の村にある
宿まで行ってもらうよう、正確に伝えねばなりません。

ここで秘密兵器の登場。
　この地方でタクシーの運転手に英語が通じる確率は果てしなくゼロなので、
スペイン語の達人、友人のリンダ姐さんにスペ語で作文をして頂いたのを、
大きな字で書き写し、模式ルートを書き加えたものを事前に用意しました。
これでお願いします、と見せますと、一行づつ読み上げて、うんうんと頷いて発車しました。
最後の宿の名前は知らないようでしたが、どうやら概ね理解して頂いたようです。
やったっ。リンダ姐さん、ありがとう！

タクシーのメーターが動いていないので指を刺してメーターメーターって言うと、
パウチっこされた料金表を出してきて『これで計算するねん』というジェスチャー。
どうやら長距離用の料金表があるようです。
　こじんまりして意外と雰囲気のいいウエスカの街を、あっというまに通り抜け、
車は乾いた荒野へどんどん進んでいきます。
窓を開けると乾いた風が気持ちがいい〜♪

やがて右手の方向に大きな岩が二つ見えてきました。
運転手さんが指差して何か言っています。言っていることは正確にはわかりませんが、
どうやら、地獄の門を思わせるその姿、ウエスカのＨＰで見覚えのある
『ローランの裂け目』の説明をしてくれているようです。
電子辞書で『2つ』『大きい』『岩』を引いて『どす・ぐらんで・ろか』というと、
運転手さんはシー・シーと頷いていました。


写真は、サラゴサからウエスカへ向かうバスの中から
ローランを撮ったものです。
かなり霞んでボケでいますねぇ。
目をよーく見開いてみてください。。

これではないです。

ただの砂山

　車はまっすぐな道を快適に飛ばし

Esquedasの集落を過ぎ、
羊の群れがいる交差点を右折して、
丘陵地帯に入ります。

車はさらにスピードを上げて
山がどんどん近くなってきます。

道の両側には中木の林が見えるようになります。
運転手さんの説明から想像すると、
実が付いているこれらの木々はアーモンドのようです。

右手に、小高い山とその上に見える教会が見えてきました。
指をさしてイグレシア・イグレシアと説明してくれます。

古い大きな建物が、まるで要塞のように見えます。
Boleaの村にあるボレア協会（Colegiata de Bolea）のようです。
石垣がすごい大きい。建物も体育館のようです。

素通りするのがすこし残念。

やがて、はるか彼方に岩山が見えてきました。いや岩山と、同化してしまっていますが石造りの城です。

少しづつ近づくにつれ巨大で威圧的な城の全容が見えてきました。
こんな枯れた丘陵地にまったくもって、なぜこんな巨大な建造物があるんでしょうか。
その姿は感動の領域を超え、その執念にも似た存在感に戦慄をも感じてしまいます。


目的地はあのお城、
ロアーレ城です。

山裾をアップダウンしながら進みます。

青い空が気持ちいい。

お城が正面に見えてきました。

ロアーレの集落を見下ろす小高い丘のところで、
運転手さんが何かぶつぶつ言ったと思うと、
アーモンド林の横で突然車を止めました。

おっちゃん車外へ出ます。

まわりはアーモンドの木がいっぱいです。

何をおもったのかアーモンドの木から実をいくつもムシりだしました。
ここは、おっちゃんの畑なのか！？　
いやいや、そんなはずはあるまい。

おっちゃんはムシってきた実を落ちている石でかんかんたたき割り、
中から茶色の実をとりだします。茶色い皮をむくと、真っ白な実がでてきます。
大きさは違いますが、梅干の種とおんなじ構造ですねぇ。
食べてみな、と渡されたのを食べてみると、みずみずしいなかにも、香ばしいあの味。
私たちが普通食べるのはこんがりローストしお塩がふられたカラカラの状態とはちがい、
ちょっとしっとりしていますが、たべたことのあるアーモンドの味がします。
少し素朴な感じはではあります。

眼下にはロアーレの集落が見えます。

からからで暑いです。

ありがたく頂戴したアーモンドの実をカバンにしまい、
再びロアーレに向け出発です。
　アーモンド畑の持ち主の方、お許しを。

ロアーレ城が圧倒的な
存在感で迫ってきます。

朽ちてもなお
威圧感がありますね。

どう表現していいのか
言葉ではうまく言い表せません。

車は岩山を見上げ岩山を左方向に巻きながら、ロアーレ城に向けてどんどん登っていきます。

城をはるか上に見上げいるうち、

意外とあっけなく山側につくられた駐車場に到着したのでした。

さあ、城へと向かいましょう。

この旅行記へのコメント （6）

• ショコラさん 2009/09/08 20:33:40

  お帰りなさ〜い！

  カヌ太郎さん、お久しぶりです。
  
  アラゴン旅行記が始まりましたね。順調な滑り出しのようで♪　きっと今回も素敵な旅をされてきたのでしょうね。
  
  もぎたてのアーモンドおいしそうだ〜。続きも楽しませいただきまーす。
  
  わたしのピレネー旅行記、大変お待たせしております(^^;)。今週中にはアップを始めたいと思ってます。
  
  ショコラ＠やっと引越しの片付けが終った。。。

  カヌ太郎さん からの返信 2009/09/08 22:00:04

  RE: お帰りなさ〜い！

  ショコラさん
  
  ただいまです。
  おひさしぶりです。
  今回もデープな旅をしました。
  いつもは歩きまくるんですが
  今回は控えめです。
  山の中の村ですごした２日が
  とりわけ印象に残りました。
  おたのしみに。
  
  ショコラさんのピレネーも楽しみです♪
  
  カヌ太郎
  
  

• MILFLORESさん 2009/09/05 15:07:54

  面白い「あし」がつかまりましたね！

  カヌ太郎さん
  
  アーモンドおやじさん、最高！
  おじちゃん遠距離のお客さんにすっごく気を良くしたんでしょうね。
  
  サラゴサ＝ウエスカ間のバス移動は１時間くらいですか？
  ハイウェーが通っているので速く行けそうですね。
  
  ウエスカ＝ロアレ間、途中エスケダスとボレアの位置も地図で確認して、なるほどなるほど・・・と将来のためにお勉強させていただきました。
  
  ＬＯＡＲＲＥ城の遠景に私も興奮！
  次の旅行記を楽しみにしていまーす♪

  カヌ太郎さん からの返信 2009/09/05 16:12:21

  いいおやじでした！

  MILFLORESさん
  
  
  カヌ太郎さん
  
  このおじさん、ほんとにいい人でした。
  そのいいひとぶりは、後ほど触れます。
  おかげで楽しい時間を過ごすことができました。
  
  おっしゃるようにサラゴサ＝ウエスカ間の
  バス移動は１時間で、頻繁に出ているので
  大変便利です。
  待合室のスクリーンには空港と同じように
  バスの便と出発レーンが表示されています。
  また券売機も行き先、そして時間と表示されるので
  指でタッチして買えるようになっています。
  ヨーロッパの近隣の国をいくつも旅しましたが
  スペインは実に合理的で感心しました。
  
  ロアーレ城、すばらしいの一言です。
  日本で有名でないのが不思議ですねぇ
  
  カヌ太郎

  ツーリスト今中さん からの返信 2009/09/06 16:12:11

  お邪魔します

  MILFLORESさんとかぬさんのお話なら
  これは是非ともお邪魔しなくっちゃの今中でございます。
  
  アラゴンでひからびられましたか？
  
  さて何やら素敵な城郭が！
  日本で有名でない（日本国内でも然り）
  けれど素敵な場所ってたくさんありますよねぇ。
  
  日本人として何だか悲しいけれど
  自分でよしあしを判断しない？出来ない？
  旅の醍醐味を知らない人達が多すぎるように思う、、、。
  
  いつの日かピレネー越えてスペインに行くんだ！と
  かぬさんとMILFLORESさんのお蔭で密かに燃える今中です。
  
  ではでは〜っ！続きを楽しみにしています。
  

  カヌ太郎さん からの返信 2009/09/06 18:36:37

  RE: お邪魔します

  今中さん
  
  いらっしゃいませ。
  これからいよいよ
  アラゴンの田舎に突入です。
  乞うご期待。
  
  いつも自分なりに調べてみて
  その場所が有名か有名でないかにかかわらず
  心に響いた場所に行くようにしています。
  そしてそのための努力は惜しみません。
  
  ほんの一部しかしらない私がいうのも
  おこがましいんですが、
  ピレネーは素晴らしいところです。
  料理の味でたとえれば、おいしいというより
  深い、という感じでしょうか。
  （う〜ん、わかりにくい）
  
  スペイン語が話せたらもっともっと
  楽しめるんだけどなぁ
  
  カヌ太郎