東北テキトー旅（4）　内陸線と待ち鉄バカ一代：横手・秋田・大曲・角館・鷹ノ巣・大館

2009/08 - 2009/08

　前日夜の天気予報によれば、旅行三日目のこの日は東北全土で降水確率が90%から100%という完全アウトの日。ならお散歩は断念して一日車中で過ごすかなあ、と目をつけたのが内陸線であった。
　これで計画は万全と思いきや、東北は、北海道ほどではないにしろ元々鈍行の接続が悪い。さらに雨でダイヤも乱れ、結果として各乗り換え駅で合計5時間近くの列車待ちとなってしまった。内陸線に乗りたかっただけなのに。秋田県は暫くトラウマになるかもしれません。

エリア 秋田

　話前後して、今回の旅では二日目の横手の宿だけを事前に予約していた。山形近辺で初日の宿をネットで探していたところ、某天トラベルのページで金賞を受賞したビジネスホテルがあるというので一体どれほどのものかと、初日の宿予約も忘れてその金賞宿だけを予約したのである。

　で、これが横手駅前。本当に金賞宿あんのかよここに。

　場末のカラオケスナックが並ぶ。駅徒歩30秒という触れ込みだから、このすぐ向こうのはずである。なあ、本当にあんのかよ。

　どうやらここが目的のプラザアネックス横手。

　泉涸れてるやん。

　で、結論から申し上げます。金賞です。紛れもなく金賞です。
　温泉と朝食バイキング、そして生中一杯サービスがついてロクゴー。追加でカネを払えば様々なサービスがついてきます。朝食バイキングも一切手抜かりなし。あきたこまちに大きな具だくさんの朝カレーがあるだけで満足なのに、他にもイヤっちゅうほど選択肢あり。
　ただ展望風呂は、高い場所から展望できるだけで展望に値する景色ではありません。でもお湯が良くて人が少なくてサウナまであるんだからいいじゃないか。

　写真はホテル内の和食レストラン。無料の生中一杯で済ますはずが、あまりに雰囲気がいいので刺身に升酒などバカスカ追加注文。ちなみに食事代も10％引き。まあ元が高めなので割安感はないけれども。カップルの貧乏旅行におすすめです。

　大満足の横手を発ってまずは秋田へ。内陸線とは逆方向だけど、眼福秋田美人にもチョット期待しつつ、何となく来てみたかっただけ。どうせ雨だし。

　駅はめちゃめちゃ立派。これほどモダンで広々とした構内は、百万都市の中心駅以外ではちょっと記憶にない。

　謎の張り紙「頭上注意　一部天井が低いところがあります」
　そんな天井どこにも見当たらず。ヤオミンでもぶつからない。剥がし忘れか。

　次いで、花火で有名な大曲へ戻る。

　通常ダイヤなら角館でスムーズに乗換えができたのだが、雨のせいか大曲発の列車がこの日は10分遅れ。本来は5分接続だったので、10分の遅れは完全にアウト。おそらく内陸線との接続待ちなんてないだろうから角館での1時間オーバー待ちがこの時点で確定。

角館。ここだけは同日訪れた他の駅前と違い、歴史と伝統を重んじた街づくりがなされており、無機質なビジネスホテルは見当たらない。駅の隣のフォルクローロはホテルらしいがこれも蔵を模した造り。

　景観統一のためか、交番もこの気合の入りよう。
　雨の中、傘もささずに急いで撮っているので傾き方が尋常でない。

　駅に隣接している観光案内所。

　雨足がやや緩んだ隙を突いてちょっと歩いてみる。場違いな「バーゲンセール」の幟が見えたので、Tシャツでも買えないかなと近寄ってみると、雪用の長靴や雪駄の特売であった。さすが秋田。
　で、雨はすぐに強さを取り戻してしまったので慌てて戻る。

　戻りがてら駅近くの酒屋で、内陸線車内でのお供用の酒を購入。長丁場ゆえ。

　JR駅と隣接した内陸線角館駅。ここから、香ばしいローカル線のかほりプンプンの内陸線へ。

　てっきり角館駅担当の案内係だと思っていた女性がそのままアテンダントとして乗車し「こちらが空いております」と一人ワンボックス単位で案内していく。素晴らしい。

「お客様への歓迎の意を込めてわたしたちが作りました」
　と乗客に配られた紙製の箸置き。
　独りモンには全く無用の代物ながら、どうもこういうのを捨てられないのである。

　「明日へ走る内陸線」。悲壮感漂うフレーズ。応援したくなる。

　序盤はこのような田園風景。

　少ししたら川や渓谷が見えてくる。水はまんまと撮り損ねた。
　正直、ここより車窓が楽しいローカル線はいくらでもあるように思うが、何せ公認の一人ワンボックスでゆったりできる点がかなりポイント高い。

　途中でどどっと乗ってきて、車内で騒ぎまくった挙句にてどどっと降りていった大陸からの御一行。それでも内陸線の売り上げに貢献している愛すべき人々。

　終点。3時間を超える長時間乗車でこれほど飽きなかったのは只見線以来。
　次に来るときは阿仁マタギで下車してみようと決意する。だって駅名が職業名って。

　鷹巣駅。

　JRは鷹ノ巣駅。

　駅前。行き当たりばったりで鷹ノ巣駅での宿泊は期待しない方が無難か。あのホテルに泊まることになる。

　地方は車社会のせいか、繁華街が駅から離れているケースも多いが、ここは自分のお散歩スタイルに適した駅前直結商店街タイプである。「繁華街」という表現が適切かどうかは別にして。

　やばいこの商店街気に入った。

　あまりに気に入ったのでおやつ代わりに何か食べようと、このアーケード街から一本外れた路地にあるラーメン屋に入った。うまくもなく、まずくもなく。

　某コンビニをリスペクトした直売所。

　「やるべ」に敢えて英語っぽい綴りを当てているのがもの悲しい。

　株式会社という名の名物なのか、名物という名の会社なのか、いとややこしき社名。

　本日最後の待機駅、大館。なんかもう秋田を制覇した気分である。

　大館といえば鶏めし。本社は駅のまん前にレストラン併設でどどんと建っている。
　せっかくなので本社にて弁当を所望したが、本日は全て予約で新規受付は不可とのこと。残念。

　暫し駅前を散策して、鶏めしにありつけなかったことにがっかりしながら駅へ戻ると、ちょうど本社から駅のキオスクに弁当が配達されたところだった。「これ買えますか」と訊くとラス一は予約が入っていないのでOKだとのこと。ゲッツ。

　このエエ雰囲気の駅前は、雨でなければ1時間でも2時間でも散策したいところ。

　ダイヤはもはやしっちゃかめっちゃか。結局一日乗り鉄で弘前までしか行けず。というか弘前でギブアップ。

　弘前に着いてから宿でゆっくり食べる鶏めし。ところが配達してきたおばちゃんが忘れたのかキオスクのおばちゃんが忘れたのか、箸が入っていないことにここで気付く。ホテルに備え付けの歯ブラシと剃刀の柄で代用するも、あまりに食べづらくて味に全く集中できず。弘前にて箸の有難味を痛感することに。

この旅行記へのコメント （5）

• 旅猫さん 2009/12/05 19:06:53

  いい旅ですね〜

  shikiさん、こんばんは。
  
  いい旅してますね。
  内陸線はは八津までしか乗ったことが無く。。。
  以前、shioriさんのブログを読んで乗ってみたいと思っていたところです。
  3時間、まったく飽きませんでしたか！
  只見線もまだ乗っていないしなぁ。
  
  大館にも鶏めしがあるのですね。
  鶏めし好きなので、食べてみないと。
  箸が無かったのは悲しいですね。
  旅猫は、いつも持ち歩いています。
  
  プラザアネックス横手、これもメモしておかないと（笑）
  刈穂、昔よく飲んでいたなぁ。
  10日に、行きつけの居酒屋に、刈穂の限定蔵出し酒が入るので飲みに行く予定。
  
  旅猫

  shikiさん からの返信 2009/12/06 23:58:10

  RE: いい旅ですね〜

  旅猫さん
  
  毎度ありがとうございます。感謝です。
  内陸線はまだまだ攻略（？）の余地がありそうなので、また天気の良い日に訪れてみたいです。
  
  鶏めしは大館が本場、というか一番美味いと評判みたいですよ。
  しかし箸がないと味が格段に落ちますね。私もマイ箸を鞄に入れるようにしようかなあ。
  
  秋田の酒はマイルドさとは無縁で、酒飲みが好みそうな強烈なものが多いですね。刈穂は、今回の飲んだくれ紀行の中でもかなり気に入った酒のひとつです。
  
  

  旅猫さん からの返信 2009/12/07 00:50:07

  RE: RE: いい旅ですね〜

  こんばんは。
  
  > 鶏めしは大館が本場、というか一番美味いと評判みたいですよ。
  そうなのですか！
  個人的には、今のところ高崎が一番です。
  あと、野辺地かな。
  新宿のも素朴で好きかも。
  有名な鳥栖のもなかなかでしたよ。
  鶏めしではないですが、常陸大子の奥久慈しゃも弁当は最高でした！
  
  刈穂はかなりの辛口ですからね。
  酒好きじゃないと馴染めないでしょう。
  旅猫は、日本酒好きなので刈穂は好きです。
  秋田の酒は結構好きですよ。
  斎弥酒造店の「美酒の設計」、「雪の茅舎」など。
  おっと、酒のブログじゃなかったですね（笑）
  
  旅猫

• shioriさん 2009/08/28 23:59:53

  がんばれ秋田内陸線

  私も去年の１月に秋田内陸線乗りに行きましたよ。
  フリーパスで行ったり来たりするほど気に入りました、内陸線。
  急行もりよし号は、もっとゴージャス（？）な内装でしたよ。
  車内販売のお姉さんがまわってきたので、
  ポストカードを３セットも買って売上に貢献しちゃいました。
  冬の秋田内陸線もいいですよー。ぜひ冬も行ってみてください。
  米内沢駅近くの「あゆっこ温泉」は、宿泊もできてお勧めです。
  
  で、横手で泊まったホテルも同じです。
  私も紛れもなく金賞だと思いました。
  気が合いますねー！
  
  ラス一の鶏めし食べられて良かったですね。
  ちなみに、秋田駅の売店なら苦労せずに買えます。
  割り箸なくて苦労されたみたいですけど、
  shikiさんの旅行記らしいいいオチではないかと…（笑）
  続きも楽しみです！

  shikiさん からの返信 2009/08/30 20:54:38

  RE: がんばれ秋田内陸線

  こんばんは。コメントありがとうございます。
  宿まで同じとは怖いですね（笑）
  内陸線はもてなしの雰囲気が素晴らしいですね。
  またじっくり、今度は途中下車して堪能したいと思います。
  
  鶏めしは、大館本社での直売だとゴージャス版もあるようで
  ぜひ食べてみたかったです。
  それにしても箸は重要です。味の3割は占めると言って過言ではありません（笑）