1962/02/08 - 1962/02/08
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ソフィさん
1962年2月8日(木)
グリモーさんは、いつまでも私と話していたかったようだが、やがて夕暮れが近づき、私に自転車を一台用意してくれた。
この自転車は、これからの滞在期間中、ずっと私の自由に使えるらしい。
自転車の目線から見たフランスの田舎町からは、これまでに見ていた街とは違った、心の琴線に触れるような懐かしさを感じた。
それは、すっかり自分の生まれた町に戻ったような錯覚だった。
目指すホテルは、2キロほど離れたニウルにある。
ニウルとニオールは発音が似ていて、グリモーさんの口から発するとき、区別がつかないことがある。
正式な名前は、ニウル・シュール・ローティーズ(オーティズ川沿いのニウル)という。
道路をたどってゆくと、小さな村の真ん中に、石張りの道路が広くなっただけの、三角ベースが出来るほどの小さな広場があり、その傍らに11世紀に建てられた古い教会がある。
そして、それに向き合ってひっそりと、村人の集う場所であるホテル兼バー兼レストランの建物がある。
この建物はすっかり教会と同じ古さの色に染まっていて、両者の奏でるハーモニーがこの村のキャラクターを決めている。
村の戸数は、ざっと数えたところバラバラながら冬の夕暮れ時の薄暗さに境界を寄せ合って、100軒を超えていない。
街を歩く人は、誰もいない。
店が三軒見えるほか、塀をめぐらせた、大きな家が一軒あって、目立っている。
恐らく中心人物の住まいでシャトーと呼ばれていたのだろうが、すっかり寂れた感じだ。
今はどんな人が、暮らしているのだろうか。
何しろこの村は中世がそのまま缶詰めになった感じで、「フランスここにあり」と、頑固に主張しているように見える。
「頑固」はまさにこの地を示す合言葉のようだ。
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