2009/05/11 - 2009/05/12
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harihariさん
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丹後屈指の名旅館、茶六別館に泊まって二日目。
今日の予定は、西国三十三ヵ所の二十八番札所、成相山成相寺の本尊御開帳と、丹後国一宮、籠神社に行くこと。あとはいつものように、思いつきでブラブラと。
船の時間さえ間違えなければ、急ぐ旅でもないので、夕方まではのんびりと宮津探訪してみます。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 船 JR特急 JRローカル 私鉄
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早朝。
まだ静かなうちに起きだして、ちょっと旅館内を散策。 -
この日は、僕たちを合わせて三組しか泊まってないのですが、他のお客さんの邪魔にならないようにそっと二階へ。
中庭と一階廊下を見下ろして。 -
階段のちょっとしたあしらいにも感心してみたり。
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どこを切り取っても、一つの絵になります。
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本当は廊下だけじゃなくて、未宿泊の各部屋もこっそり見せていただいたのですが…
それぞれの部屋ごとに、異なったデザインが見事に施されているんです。
それも、遊び心に溢れたデザインが。
いろんな部屋に泊まってみたいなぁ… -
では、恒例となった朝の散歩。
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日本旅館のお手本のような玄関を出て…
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歩いて3分で海。
日の出を済ませたばっかりの、穏やかな宮津湾。
潮の香。
最高の朝。 -
ぐるっと宮津湾を取り囲むように集落があって、右隅に天橋立の端っこが見えます。
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対岸から延びる天橋立と、こちらの岸とをつなぐ大天橋も見えます。
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岸壁を覗き込むと、小魚の群れ、クラゲ、そして…ウミウシ!?
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こんなきれいな瞬間を見れてよかった。
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漁から帰る船。地元の釣り人。
生活の中に海があるって、いいなぁ。 -
散歩から帰って。
茶室の待合のような玄関。 -
1階廊下から中庭を望んで。
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なんて風流な手水。
実は男性用の手洗いなんです。 -
見事な数寄っぷり。
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こちらは女性用。
苔の緑が、鮮やかな彩りをさらに演出していますね。 -
部屋の縁側。
安楽椅子で寛いでみたり… -
朝日が庭にも差し込む時間となりました。
そろそろ朝食です。 -
朝食は食堂で庭を愛でながら。
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鯵の焼物、アサリのお味噌汁。
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出汁巻き、サラダ、香の物。
白ごはんかお粥かを選べるので、二人ともお粥を頂きました。 -
そして湯豆腐。
至福の時間。
僕にとって、朝食は旅館を評価する大きなポイントなので、本当に嬉しい限りです。 -
デザート2種も美味しく頂いて。
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チェックアウトまでの残された時間、館内のいいところを見逃したくないので、再び散策。
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そもそも日本人ですから、木のぬくもりを求めるようにできてるんですよ。DNAが。
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昨日から庭をチョロチョロしている飼いネコ。
お客さん慣れしているようで、いいお顔で「撮って」。
こちらも、しばらく遊び相手になってもらって。 -
値段は一番するけど、この部屋にしてよかった。
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両側が庭なので、5月の風と陽光が、開け放しにした引き戸から入ってきて気持ちいいし。
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隣の茶室まで侵入して、違う角度から庭を愛でることもできるし。
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もし次に宮津に来たら、茶六の本館に泊まろうか。それともまた別館にしようか。悩むだろうなぁ。
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そうか。冬に蟹を食べに来るってのもいいなぁ。
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雫が落ちるたびに、キラキラと波紋が広がって。
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面白いので、落ちる瞬間を何度か狙ってみたけど、なかなか上手くいかないものです。
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素人にはこんなものでしょうか。
自然を相手にする遊びは、いくらやっても飽きない。 -
お気に入りの場所なのかな。
「もう帰るね」って言うと、か細い声で「ニャー」って。 -
AM9:55 チェックアウト。
一晩お世話になった部屋。たっぷりと楽しんで、ゆっくりと繕いで。
堪能させていただきました。 -
宮津桟橋は旅館から徒歩5分。
このチケット1枚で、船、ケーブル、リフト、バスの全てが往復で乗れて1,900円。
バラで買うより、破格に安かったように思います。 -
宮津桟橋。
船に乗れると思うと、わくわくします。 -
向こうからやってきたのが、今から乗ることになる高速船、スーパーシーガル号。
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定員8人ぐらいの小さな船です。乗客は、僕たちを入れて6人。
もっと大勢いたらどうするつもりだったんだろう? -
岸から遠く見ていた天橋立がどんどん迫ってきます。
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すごい勢いで天橋立の松林をすり抜けて…
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一旦、対岸で船を降ります。
今度は比較的大きなフェリーに乗り換えました。
船内でもデッキでもどちらでもよいのですが、ほとんどの人がデッキにいます。
途中、貝を採る漁師さんたちの仕事を見ながら… -
松林の中にお社があるのが見えます。
今回の旅では、天橋立は見るだけ。 -
2.4?にも及ぶ砂州が作る見事な景観。
丹後国風土記によれば、イザナギが天上へ通うために一本の梯子を立てたが、神が居眠りしている間に梯子が倒れて天橋立になったとのことです。
天の岩戸といい、まったく日本の神々は、諸外国の神々と違ってたくさん過ちを犯している。そこに古来の日本人はリアリティを感じ、信仰心を募らせたのかもしれない。 -
山の上からもいいけど、海の上から見るのも面白い。
いろんな環境の変化があるだろうけど、ずっとこのままだといいのに。 -
やがて、向こう岸に一の宮駅(駅と言っても電車ではなく船の)が見えてきました。
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船を下りると、すぐに丹後国一宮、元伊勢大神宮、籠神社です。
元伊勢大神宮というのは、天照大神、豊受大神がここから伊勢に移されたとされているからです。
ちなみに社家(世襲で神職を生業としている家)の海部氏は、現在82代目。おそらく、日本で天皇家に次いで古い家系なのではないでしょうか。 -
籠神社狛犬。国重要文化財。鎌倉時代作。
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同じく狛犬。国重要文化財。
石造の狛犬として、日本一の名作との評価も。 -
本殿。
以前から訪れたかった神社なので、感慨もひとしおです。 -
籠神社の横を抜け、しばらく参道を歩くとケーブル乗り場に到着。
ケーブルでもリフトでもよいのですが、ケーブルは出発のタイミングが悪かったので、リフトで上の傘松公園まで上がることに。 -
傘松公園から見た天橋立。いいですねぇ。
大勢の人が股覗きしてました。 -
今度は、ゆっくりと天橋立を訪れよう。
その時は、端からずーっと歩けばいい。 -
ほとんどの人がそこまでで帰っていく中、僕たちを含めて僅かな人だけが成相寺行きのバスに乗って、さらに山を登っていきます。
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ついに到着。
西国28番札所、成相山成相寺。
本尊の公開は、原則として33年に一度。今回は特別に期間を定めた御開帳なのですが、次に公開されるのは30年後だとか。 -
鉄湯船。国重要文化財。
鎌倉時代の工芸品で、実際にこちらのお寺で使っていた湯船だとか。
珍しい。 -
お堂の周りには、五輪塔や地蔵菩薩、観音菩薩などの石像があります。
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今となっては、いつ、誰が作ったものか分からないのでしょうが…
何百年も前から、たくさんの人の思いや祈りが詰まっていることは間違いないと思います。それを感じるか、感じないか、で、何気ないものを目にしたときの感動も変わるのなら、常にそれを感じていたいですよね。 -
成相寺を後にして、帰りのバス停に向かいます。
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どちらかというと、紅葉よりも新緑のもみじの方が好きかな。
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成相山から、宮津市街を遠望して。
遠くに霞んで見えるのは、舞鶴の方の海です。 -
帰りは絶景を見ながら、ケーブルで降りていきました。
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今度は、籠神社から海沿いの道を歩きます。
近くの京都府立丹後郷土資料館で、国宝海部氏系図を公開していることを知ったので、急遽行くことに。 -
歩くこと25分。少し高台を登った場所に、丹後国国分寺跡を発見。
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礎石は古代のものではなく、再建時のものだそうです。
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それでも、奈良時代にこの場所に建てられたとは事実のようで、天橋立をこの地から見下ろすと、古代の情景までイメージできてしまいそう。
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この展示については全く知らなかったので、このような偶然は嬉しいです。
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京都府立丹後郷土資料館。
国宝・海部氏家系図を始め、籠神社の秘宝が数多く展示。
いろいろ知らないことを勉強できて、いい展覧会でした。 -
敷地の中には、江戸時代に建てられた、京都府指定文化財の永島家住宅が移築されていて、展覧会のチケットがあれば自由に見学可能。
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田植えを終えたばかりの田んぼ。海を見下ろして。
こういうところまでも、宅地開発とかされたら嫌だなぁ。
絶対に残してほしい。 -
帰りに少し違う道を通ってみると…
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海に突き出た部分を発見。
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端っこまでいってみて驚きました。
舟屋です。 -
舟屋というと、同じ丹後でも伊根が有名ですが、ここ宮津にも僅かながら舟屋が残っていました。
知らない場所も歩いてみるもんだ。 -
こうしてみると、伊根にも負けないロケーション。
なんといっても、目の前は日本三景の一つですから。
こんなにも旅情を誘う景色、なかなか見事です。 -
舟屋集落を抜けて、護岸された歩道を桟橋まで歩きます。
きっと、もとはこの辺りも全部舟屋だったのでしょうか。
寂しいですね。 -
一の宮駅から船で天橋立駅まで。
そこからさらに、乗り換えて宮津桟橋まで戻ります。
途中、回旋橋がゆっくりと船の通過のために回ります。 -
この橋、大正時代に架けられた当初は、人力で回してたらしいです。
それも凄いな…。 -
宮津に帰る船はほぼ貸し切り状態。
雨模様になりましたが、雨に打たれる海もそれはそれで旅情の一つ。 -
少し早めでしたが、晩御飯を食べにいきます。
初日に目をつけていた「精養軒」という洋食屋さん。 -
Bランチ。1300円。ボリュームたっぷり。
この手の洋食で、つけあわせのスパゲティにホワイトソースってのも珍しい。
海老フライも大きいし、ハンバーグも美味しい。
お味噌汁は「昼の残りでよかったら…」ってサービスしてくれました。
あと、コーヒーも本当はないのにサービスでいただきました。 -
店内。僕たちは2階で頂きました。
お店のお母さんが、古い話なんかしてくれて。
旅行客だからかな。でも、なんか温かいお店でした。 -
ちなみに創業は大正時代。東京の「精養軒」とは関係ありません。
宮津に行ったら、絶対に行きたくなるようなお店です。 -
精養軒を出て駅に向けて歩いていると、いかにも古そうな建築物があったので寄ってみると...。
「白ふじ屋」という和菓子屋さんでした。 -
吸い寄せられるように店内に入ってみると、内部は見事な数寄屋風に仕上げられていて、
これがまた面白い。またいい店を発見したようです。 -
宮津ではお茶会などがあると、こちらのお菓子を使うのでしょうね。
昭和初期の建築だそうですが、銘木を用いた柱もあるし、店内にお茶を立てられるような部屋もあるようです。
お土産に和菓子を買って帰りました。 -
PM18:00 宮津駅で帰りの切符を購入。
まだ少し時間があったので、駅前の「サイホン」という喫茶店で最後のお茶をします。 -
夕闇が迫る頃、宮津駅のホームで。
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京都行きの特急「はしだて」がやってきました。
2日間、動きまわったせいか、お腹が一杯だったせいか、帰りの電車では二人とも爆睡。
今回もいい旅だったな。
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この旅行記へのコメント (4)
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- なつ0905さん 2010/07/31 17:04:10
- 茶六別館さん素敵ですね
- harihariさま
はじめまして。なつ0905と申します。
この夏、丹後半島を旅しようと計画しておりまして予習で旅行記を訪ねさせていただきました。お宿素敵ですねぇ〜〜。どうしよう?今、悩んでいます。実は、今日今しがた眺望重視で玄妙庵さんに予約をしたんですけど、その後にこの旅行記を目に致しまして。。。非常に揺れています。茶六別館さんからも眺望良さそうですもんぇ。玄妙庵さんのお部屋も最後でケチってアッパーなお部屋にはしなかったからなぁ〜。茶六別館さんにしようか揺れています。う〜ん(^^;)。
お宿のお写真も綺麗ですね〜〜。これからもどうぞよろしくお願い致します。
- harihariさん からの返信 2010/08/10 20:46:55
- RE: 茶六別館さん素敵ですね
- なつ0906さま
はじめまして。返事が遅くなってすみません。
丹後半島への旅行はこれからでしょうか?
玄妙庵さんは、天橋立が一望できて抜群の眺望のようですね〜
茶六別館からは海が見えるわけではなく、綺麗に手入れされたお庭と、なにより和風建築の粋を極めた造りが見所です。
どちらも素敵ですが、建築フェチの自分としては茶六に一票でした...
もしこれから旅行に行かれるのであれば、自分で分かるようなことであれば何でもお答えしますよ。
なつ0906さんのブログと写真、これからも楽しみにしていますね。
harihari
-
- ゆうこママさん 2009/09/25 22:05:52
- 丹後
- 丹後の旅行記が目にとまって、また、おじゃましてます。
私も5月に西国観音の特別開帳が目的で行ったのですが、現地で京都府立丹後郷土資料館を知り急遽行ったことなど、懐かしく思い出しながら旅行記を拝見しました。
足の不自由な老親と一緒であったため、多くをまわることができなかったので、あなた様のお写真で楽しませていただきました。
数々の素敵な写真に1票入れさせていただきます。
再訪のチャンスがあったなら是非行きたいと思う写真満載ですね。
- harihariさん からの返信 2009/09/30 01:47:04
- またまたありがとうございます。
- ゆうこママさんも、西国特別開帳で成相寺に行かれたのですね。
しかも、京都府立丹後郷土資料館まで同じだなんてとても奇遇に思います。
僕のブログを見て、旅先で楽しかったことなどを思い出していただけたのなら光栄です。
僕たちも、成相寺や宮津市内は探訪しましたが、天橋立は山の上から見ただけなので、次はゆっくりと歩いてみたいな...と思ったりしています。
すぐ近くの文殊荘松露亭という宿が気になったりもしますし。
ところで、近々、五島列島の教会巡りをアップする予定です。よろしければそちらも見てくださいね。
では。
harihari
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