2009/05/28 - 2009/05/29
110位(同エリア191件中)
極楽人さん
スイスの町『クール(CHUR)』から南ドイツの村『ホーエンシュバンガウ(HOHENSCHWANGAU)』ヘ、列車の旅は快調です。
スイスに入ったときから『ドイツ語圏』となって、地元の人たちとも多少は実のある会話が出来るようになりました。もちろん仏語や伊語、英語と比べての話です。旅行中に難しい会話などする筈もありませんが、それでもこのことがずいぶん気分を軽くしてくれています。
南ドイツ・バイエルン地方には、以前、ごく短い期間だけ訪れたことがあります。でも、40年も前のことなので記憶は断片的。カメラは兄貴のお下がりでしたが、フィルムがもったいなくて滅多にシャッターを切らず、写真もまともに残っていません。
今回はこの村の象徴である『ノイシュバンシュタイン城』に的を絞って、思う存分写真を撮ることにしました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
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09:22 クール駅出発。2度の乗り換えのあと、フュッセン(FUESSEN)駅には13:59の到着予定です。
料金の98CHF(スイスフラン)は、日本から調べていった値段58.6ユーロと比べて高い気がしますが、この場ではレートも分からず、ちょっと不平を言っただけで切符を受け取りました。 -
列車はガラガラ。
まず、スイス北部の都市ザンクト・ギャレン方面に向かいます。最初の乗り換えはその少し手前の、マルグレーテン(MARGRETHEN)駅、まずは1時間ちょっとの道のりです。 -
列車に同乗した車掌さん。間違えやすい乗り換えなので、時々気にして様子を見てくれます。まあ、他に乗客もいないことなので・・・
停車駅で、煙草を吸いにホームへ降りるたびに、「まだですよ」の合図を送ってくれました。 -
マルグレーテンの駅で14分の待ち合わせ。別のホームから、ミュンヘン行きの列車に乗り換えます。ここからドイツの車両になりました。
次の乗換えまで、約2時間です。 -
左の車窓に、ボーデン湖が見えました。このあたりはドイツ・スイス・オーストリアの国境です。
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ボーデン湖畔の町、リンダウの華麗な中央駅。
昔、ヒッチハイクで旅した時は都合のよい車が捕まらず、同じ国境を何度も行きつ戻りつして一日つぶしてしまった町です。国境警備の人も、最後は苦笑いしていまた。(今回は、パスポートチェック自体がありません。) -
ブーフロイ(BUCHLOE)で2度目の乗り換えです。ここの乗り換え時間は僅か3分。少し心配でしたが、列車はダイヤ通りの正確な運行で問題なし。一路フュッセンを目指します。
もっとも、間に合わなかったら次の便で行けばいいだけの、のんびり旅です。 -
フュッセンまでは1時間15分。
朝、クールを出てからは、アルプスの険しい山々からどんどん遠ざかる道のりでした。今、車窓には南ドイツらしい、ゆるやかな起伏の草原がつづきます。 -
名前も知らない湖、点在する美しい村々。
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やがてフュッセンが近づくと、もう一度アルプスが見えてきます。今度は、ドイツ・オーストリアアルプスです。
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フュッセン駅に到着。
乗ってきた電車はここが終点です。 -
フュッセンの町は後回しにして、駅前からバスで3kmほど離れた目的地『ホーエンシュバンガウ』に向かいます。一緒の列車から降りた旅行者たちも、バスへ。同じ目的のようです。ノイシュバンシュタイン城のふもとまで、約8分です。
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バスが停車する少し前から、山の中腹にお城が見えています。“神秘の城”の、実にあっけない登場です。
隣席の、おしゃべりに夢中のスペイン女性二人連れに指で教えましたが、「まさか、あれはきっとホテルよ。」「そうよそうよ。」という反応。う〜ん、あれは『目黒エンペラー』ですか? -
実際、このお城は出自からいっても「暗く深い森の小道をたどった果てに、霧の中に忽然と現われて」くれないとイメージが崩れます。スペインの二人も、きっと同じ思いだったのでしょう。
バス停から見える、明るい陽射しをいっぱいに受けた白亜の城は、どこか薄っぺらな観光名所の雰囲気に満ちています。悪いとは言いませんが、ここは自分のイメージに沿った撮影ポイントを探したいものです。 -
とりあえず、何をするにも邪魔になる荷物を置きにホテルへ向かいます。バス停から徒歩10分、シュバンガウに行く道の途中に『ホテル・マイヤー』はありました。
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大きな二人部屋ですが、半値ほどの「一人料金」が設定されていました。シーズン前だからでしょうか。
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寝室、シャワー室のほかに、狭いけれどもキッチン・ダイニングが。「アルペン・リゾートのメッカ」という土地柄、長期滞在する人向けのようです。食器類も完備。コンセントが抜いてありましたが、何度かコーヒーを沸かしました。便利です。
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大きな窓から身を乗り出すと、お城の“ホンの一部”が見えます。贅沢です。
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裏手は牧場。早朝から暗くなるまで、のんびりしたカウベルの音がたえず部屋まで届いてきます。
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出かける前に、ホテルで貰った地図を広げて、ノイシュバンシュタイン城のビュー・ポイントを把握しておきます。そのあと「実地調査」、という段取りにしました。ホテルのおばさんにも相談に乗ってもらいました。
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?のビューポイントは、村の中心付近。
降車したバス停のすぐ横に、観光の拠点『チケットセンター』があります。お城へのツアーチケットはここで購入、出発もここからです。
この地点からのお城はバス停から見えた姿と変わりなく、ほとんど真正面を下から。ツアー客はここで降りて、大半の写真を撮りまくることになります。 -
ホテル・ミュラー。多くのガイドブックに、「お城へはホテルミュラーの横から・・・」と書いてあります。そのホテルです。
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すぐ右手には、もうひとつのお城『ホーエンシュバンガウ城』があります。12世紀の廃墟を、のちの皇帝マクシミリアン2世がネオゴシック様式で改築し、狩の拠点として使ったそうです。
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道の突きあたりには、静かで神秘的なアルプ湖。ノイシュバンシュタイン城を後方上から見た写真では、背景に写りこんでくる湖です。
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?のビューポイントは、お城の入り口へ向かう坂道の途中にある『マリエン橋』。
ホテル・ミュラーから橋までは、バスで5分、徒歩で20〜30分です。
ツアー客必見の“絶景ポイント”ですが、狭い吊り橋の上で一度に10人づつ位が交替でチラッとお城を見ます。
現在、ここから見える「左側面」は全面改修中です。 -
それでも、ここから見下ろすアルプ湖周辺は調和のとれた美しい景観で、アルプスの峰々もくっきり眺望できます。
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ホーエンシュバンガウ城とアルプ湖のコラボレーションも、このポイントならではです。
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?のビューポイントは、なんとわがホテルの前。
お城は正面から右側面にかけての姿を見せます。道の片側は黄色い花畑が広がり、お城はその向こうの丘の上に望めます。道を少しだけ先(シュバンガウ方面)に移動するだけで、お城の角度が少しづつ変化してきます。 -
このあたりは牛の放牧がさかん。散策路としてもお薦めで、南ドイツの長閑で牧歌的な風景が満喫できます。
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?番目のビューポイントは、テーゲル山のふもと附近。
お城は、右横の側面を目いっぱい見せてくれます。
シュバンガウ村に近く、テーゲル山へのロープウエイ駅があります。バスの本数が少なく、中心部のバス停から歩くと30分ほどでしょうか。お天気が良ければ気になりません。 -
これがテーゲルベルクのロープウエイ駅。(ベルクは“山”です)
バス停の名は「タル・シュタツィオン」(TAL STATION)といいます。右手遠方に、小さくお城が見えています。 -
牧場には馬が多く、このときも若駒が飛び跳ねていました。
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そして最後。?番目のビュー・ポイントは、テーゲル山ロープウエイの「ゴンドラの中」です。窓の汚れが邪魔をしますが、ここからしか見られない絶景を目にすることができます。往復17ユーロは、無駄じゃありません。
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ロープウエイは、日中で10分毎の運行。ふもと駅から約8分で1720mの頂上に着きます。頂上からはいくつかのハイキングコースが出来ていて、子供連れのリュック姿も眼につきます。
ただ、頂上に上がってしまうと、もうお城は見えません。 -
頂上駅のすぐ横には、ハングライダーの出発基地が。
にわか観衆に促されて、覚悟を決めて飛び出した初心者に拍手が起こっていました。 -
とにかく、バイエルン一望。
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頂上附近の山小屋ですが、「???・・・」
スペイン・クエンカの『宙吊りの家』も真っ青です。 -
という訳で、以上の5つのビュー・ポントからお城を見てみましょう。
これは?の、わがホテル前から。
一泊した次の朝、願ってもない霧が。わずかな晴れ間に顔を出したお城です。
“狂気の王"ルートヴィヒ2世が偏愛した「美しすぎる城」は、やはりこうでなくてはいけません。 -
同じポイントから、今度はカメラを横位置で。
このブログ、写真の「横幅のサイズ」が固定されているので、縦長写真だけが大きく記載されます。
担当の方にお願いします、縦でも横でも、大きくしたい写真が大きくなるように、いつか改善してください。 -
?と?の中間地点から。
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?の、ロープウエイの中から。
とにかく、窓ガラスが汚れていてたまりません。
チャンスは数分なので、文句を言っている暇はなかったのですが・・・ -
これも同様。ちょっとした陽射しの加減で、写りに違いが出ます。
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同じく?
今回たずねたビューポイントでは、唯一お城の後方が、そしてアルプ湖との組み合わせが見られる場所でした。 -
望遠で、少し大きく。
この間にも、ロープウエイはかなりのスピードでどんどん移動して行きます。 -
『ノイシュバンシュタイン城』と『ホーエンシュバンガウ城』が、ちょうどひとつの構図に収まる好位置に来ました。
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これは?の復路。
ちょっとした空模様の変化が、色合いに差をつくります。今度は、背景にアルプスを入れて。 -
ビューポイント?から遠望。
強い陽射しに、白亜の城がゆらめいて見えました。 -
同じく、横位置。
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ふたたび?から。
今度は、下の花畑越しにお城を見ます。 -
いちめんの花畑。
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?のマリエン橋から。
景観を“台なし”にしない努力は買いますが、目下、地味なシートで満身創痍の包帯ぐるぐる巻き。 -
帰国後に新聞で見かけた旅行の広告、ノイシュバンシュタイン城の写真下に小さく 〜補修中のため、写真と同じ姿ではない可能性があります〜 旨の「添え書き」がありました。その可能性は、100%です。
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写真をじゅうぶん撮った2日目のお昼過ぎ、お城と別れてフュッセンの町に戻りました。
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明るい陽光、屋根の上のアルプス。ここも、いい旅でした。
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この町にもありました、観光客向けの機関車型周遊バス。
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“復活祭”なのでしょうか、ドイツの学校は今日からしばらくお休みのようです。そのせいか、金曜日というのに目抜きの『ライヒェン通り』には地元の人々も加わって、結構な人出で賑わっていました。
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突き当りには、町のシンボル『ホーエス城の時計塔』。
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食堂で出てきたビールの銘柄も、やっぱり『NEUSCHWANSTEIN』でした。
ノイシュバンシュタイン篇はこれで終わりです。
次は、ドイツ中部のネルトリンゲンに移動します。
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この旅行記へのコメント (1)
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- pocoさん 2009/07/11 13:04:18
- はじめまして〜!
- 極楽人さん!
本日の一枚からお邪魔しました。
とってもステキな写真ですね〜♪
私はNYから帰ったばかりで、まだ荷物で部屋がひっくり返ってる中4トラしたくて表紙だけ作成しましたが、ふと見せて頂いた極楽人さんの旅行記のあまりに綺麗なノイシュバンシュタイン城にうっとりしました。
行きたくなっちゃいました。
またゆっくり見せて頂きたいと思います。
有り難うございました。poco
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