2009/05/28 - 2009/05/29
67位(同エリア112件中)
極楽人さん
フュッセンから列車で移動して、ロマンチック街道の二つの町『ネルトリンゲン』(NOERDLINGEN)と『ディンケルスビュール』(DINKELSBUEHL)をたずねました。ミュンヘンやアウグスブルグなどの大きな街には立ち寄らず、小さな“中世の町”へ直行です。
ロマンチック街道を一日かけて走破する有名な『ツアーバス(EUROPA BUS)』は、毎朝8時に街道の両端の街(北はフランクフルト、南はフュッセン)を出発し、夕方7時過ぎに反対側の街に到着します。この2台のバスがすれ違うのが、ネルトリンゲン附近(13:30〜45)です。二つの町は、全長350kmにおよぶロマンチック街道のほぼ中間に位置することになります。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
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15:07 フュッセン発。3回の乗り換えでネルトリンゲンまで、28.1ユーロ。
手持ちの地図には全駅が記載されていません。小さな乗換駅では停車時間も短いので、車内放送を聞き逃すと乗り越してしまいます。ここは慎重に行かなくては・・・ -
アルプスを離れ、車窓には緩やかな斜面の草原が。ドイツでは、ここから北には高い山はありません。
鉄道旅行では、列車は『RE(リージョナル・エクスプレス)の2等』をよく利用します。長距離特急と違って別料金がかからず、地元の人たちと一緒にのんびり旅が楽しめます。停車や乗換えが頻繁で、「喫煙タイム」にも困ることはありません。 -
途中駅から、隣の車両に好奇心旺盛な女の子が乗ってきました。家族で移動中でしたが、この子はずっとこっちを気にしたまま。ヒゲ面で、子供好きでもないのに、一体どこに興味を持ったのか。それにしても、お目が高い!(?)
そろそろ一回目の乗り換えを、と準備をしているところへ、察知した彼女が勇気を出して“あいさつ”に来てくれました。お母さんに促されたようです。 -
名産の“びわ”を貰って、ちょっとだけおしゃべり。こちらは何もあげるものがありません。写真を撮って、その場で見せたり、脳がないですね。
あらら、この間に列車が下車駅(KAUFBEUREN)を過ぎてしまいました。なんとなんと。
次の駅(BUCHLOE)で降りて、どうにか「軌道修正」できました。でもこれは“奇跡のような幸運”の賜物、ドイツ鉄道は実にいいダイヤを組んでくれていました。 -
予定通りアウグスブルグ駅(AUGUSBURG)で2度目の乗り換え。更にドナウヴェース(DONAUWOERTH・・・発音が困難)で3度目の乗り換えをして、これでネルトリンゲンへ一直線です。
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途中、絵画のようなきれいな風景に出会いました。
車窓から見えた、多分『ハールブルク(HARBURG)城』でしょう。
時間があれば、是非訪ねたいものです。 -
18:33 ネルトリンゲン駅到着。3時間半の旅でした。
列車の本数が少ないのか、駅はすでに無人。事務室には鍵がかかり、閑散としていました。 -
ホテルは駅の真正面。探す手間も要りません。
ここは旧市街の外側ですが、荷物移動を考えて「駅近」を選びました。 -
チェックインを済ませて、まずは一番近い旧市街の入口『ダイニンガー門』をめざします。歩いて5分もかかりません。
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ネルトリンゲンは、1500万年前に隕石が落ちで出来た盆地に建つ町だそうです。町はきれいな円形をしており、その直径は約1km。小さいけれど、広場や道路に至るまで中世都市の「原型」をとどめています。
ただ、とり立てて目を惹く記念物や大型の観光施設がないため、宿泊客は両隣の人気都市ローテンブルグやアウグスブルグに流れてしますようです。夕暮れは「いつも閑散としている」とのことでした。こちらは、そこが“狙い目”でした。
中世の町は、どの門から入っても真っすぐ行けば必ず町の中心の広場に行き着きます。 -
メルヘンの世界が広がりました。家々は昔のままの造りですが、意外と汚れがなくきれいです。
19:30 陽はまだ高いのですが、人がほとんどいないので「閉園後のテーマパーク」にいるような気分です。 -
どの家も同じように見えますが、一軒一軒がそれぞれの特徴を持ち、同じ造りは二つとありません。
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このあたりが町の中心。
右側の真ん中、塔を持った建物が市庁舎です。長距離バスはみな、市庁舎前に停まります。
左側の木組みの建物はタンツハウス、かつての町の隆盛をしのばせる宴会場です。 -
市庁舎の裏側。本体は再建されていますが、階段は昔のままの凝った装飾が残されています。
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市庁舎裏側と向かい合う、INFO(旅行案内所)が入る建物。
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高い塔を持つのは『聖ゲオルグ協会』。
“ダニエル”の愛称で呼ばれる町のシンボルです。 -
横道も、端正そのもの。
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シックで落ち着いた露地が、次から次へと現われます。
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ときどき、目だって大きな家が出現します。交易や織物で栄えた、かつての豪商の屋敷だったのでしょう。
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今は、レストランや何かのお店として使われているようです。
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これはなんだか忘れましたが、立派です。
少し物足りなく感じられるのは「現在の生活の匂い」が希薄な点です。きれいに保存された「昔」ばかりで、「今」の暮らしが見えません。すっかり観光地に“特化”してしまったからでしょうか。
ぜいたくな観光客ですね。 -
町をぐるりととり囲む壁、外側には緑が広がっています。
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市壁への、ひとつの上り口。
随所に階段があります。 -
壁の上は幅1mくらいの道が作られていて、40分ほどで町の外周をひと回りできます。
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高低差のあるところは屋根つきの階段が・・・
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疲れたらちょっとしたカフェで休憩もできます。
壁の上からは、どこからも“ダニエル”の尖塔が見えます。 -
午後9時すぎ。この日はここまでにしてホテルに戻りました。夜10時前に、空がようやくたそがれの色を帯びてきます。いつも“早寝”なので、これが唯一の「夕暮れ写真」。ホテルの窓から撮りました。
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宿泊したホテルは「いいレストラン」でもあるようです。お客は他に、近郊から来たという2組。一人で食事していると、気遣っていろいろ声を掛けてくれます。
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注文したのは、旬の白アスパラガス(Spargel)。「日本でも食べるの?」と聞かれ、「緑をね。白は殆んど缶詰めですよ。」 やわらかくて薄味、美味でした。
ビールはもちろん、よく冷えたヴァイスビヤー(Weissen Bier)をいただきました。 -
部屋はツインを占領。
「一人部屋」で申し込んだので、半額に価格設定してありました。 -
ぐっすり寝て(どこでもよく眠れます)、翌朝は恒例の早朝散策。パン屋さんは6時開店で町一番の早起き、近くに来ただけで香ばしい匂いに包まれます。
ヨーロッパは何処もパンが美味しいのですが、好みから言うと、ドイツのパンが一番です。表面がパリッとして、密度が高くて、味わいが深くて・・・
ホテルの朝食は7時からなので、お店の端のテーブルでコーヒーだけいただきます。「ドイツはコーヒーも世界一」と聞いたことがあります。世界中の“一番いい豆”を買い集めるそうで、その気で味わってみるとなるほどと頷けます。
よく「不味い料理の代表国」のように言われるドイツですが、美味しいものはたくさんあります。 -
朝食後、もう一度町に来ると、“ダニエル”前広場には市場が。地元の人で賑わっていて、昨日はどこにいたんだ、と言いたいくらいです。
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人気の花屋さん。
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八百屋さん。手前に「白アスパラガス」も並んでいます。
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これはドイツ名物「ソーセージの屋台」です。
焼きたてに酸味の強い辛子をつけて、歩きながら食べます。 -
今朝の主な目標は、“ダニエル”の塔に登ること。
19:00時までなので、昨日はもう閉まっていました。 -
まずは、教会内部へ。15世紀のゴシック建築で、建材には「隕石」も使われているそうです。
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裏手に回って、塔の入口へ。
有料の筈ですが誰もいなくて、インターフォンを押してみました。「どうぞ、そのまま上へ。」の返答に、階段を登ります。 -
塔の高さは89.9m、350段の階段です。
いい景色は、いつも苦労の果てにしか現われません。 -
てっぺんに到着すると、「ようこそ!」。2ユーロの料金はここで払います。頑張ってもたどり着けなかった人は払う必要がなく、合理的です。
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バルコニーに出ると、直径25kmのクレーター跡『リース盆地』が一望できます。
これが見たくて、ここまで来ました。 -
ほぼ正円形の市壁、町の赤い屋根と外側の緑の対比が美しく見渡せます。
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バルコニーには先客がいましたが、幅が狭くてすれ違えません。みんなで合意して、“右廻り”します。
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壁の外側の、「新市街」でしょうか。
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まるで積木を置いたような町。歩いてきた街並みも、角度を変えると新鮮です。
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賑わう市場も、こんな風に見えます。
塔の上には30分くらい居て、5周くらいして、ようやく下に降りました。 -
お昼近くになり、軽く食事を採ってホテルに戻りました。チェックアウトをして、荷物を持って、市庁舎前に戻ります。時刻表で、バスの時間を確認します。
次の目的地『ローテンブルグ』まではツアーバス(ヨーロッパ・バス)で行くことにしました。電車では3度の乗り換え、料金も2倍です。 -
午後1時半過ぎ、まず反対方向の「フランクフルトからフュッセンに向かう」バスがタンツハウスの前に到着します。(タンツハウスは市庁舎の向かいです。)
フランクフルト行きは、時刻表では10分後の筈です。 -
「フランクフルト行き」は、なかなか現われません。
フュッセンからの長い道のりのせいでしょう。
強い陽射しを避けて、すぐ横のカフェでビールを飲みながら待ちました。
午後2時10分、30分遅れでようやく到着です。 -
ローテンブルグまで、片道16ユーロ。途中、『ディンケルスビュール』の町に立ち寄ってくれます。
乗客は8人、ほとんどがアメリカからのお年寄りでした。(このときはトイレ休憩中) -
バスは高速道路を避け、田舎の道を選んで走り抜けます。車窓を、緑に囲まれた小さな村や町がいくつも流れてゆきます。
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まもなくして、ディンケルスビュールに到着。しばらく休憩します。交通の便さえよければここに宿泊したかった、魅力ある中世都市です。
さっそく、西側のゼークリンガー門 から町に入ります。 -
町を取り囲む壁は、住居になっています。
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『ゼークリンガー通り』は目抜き通りのひとつ、市庁舎もこの通り沿いです。
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真っすぐ行けば、マルクト(市場)広場。ここも中世都市の基本どおりに出来ています。
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「ディンケルスビュールの番犬」は彫像のような端正さ。せっかくの挨拶も無視されました。
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今日はお祭りの最中、昔ながらの馬車や民族衣装が練り歩きます。
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ここにも。
観光客に媚びることなく自分たちの暮らしを楽しんでいる姿は、こちらにとっても「理想」です。これが普段の姿です。町の活気を感じます。 -
ここが町の中心『マルクト広場』です。
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シンボルは塔を持つ『ミュンスター・ゲオルグ寺院』。
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道を左手に折れます。
地図によると、この繁華街は『ワイン・マーケット』と名付けられています。 -
道は先に行くと「マルチン・ルター通り」と名前を変えます。このあたり一帯はもともとプロテスタントの町、三十年戦争でカトリック勢に攻め込まれた痛い歴史があります。
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大通りを離れて、露地へ。
趣があります。 -
休憩時間が終わり、バスへ戻りました。
駐車券の自動発行機は太陽電池パネル付き。自分のエネルギーを自分で供給します。ドイツは自然エネルギー利用が世界一。写真ではとくに写していませんが、町も村も新築の家も歴史的建造物も、いたるところで同様のパネルを目にします。 -
さて、次の目的地へ出発です。
予定では、もうひとつ小さな村を訪ねることになっていましたが、遅れが取り戻せないまま「通過」となりました。 -
バスは中部ドイツの肥沃な畑の道を、一路『ローテンブルグ』へ進みます。
ロマンチック街道?はこれで終了です。
?では、ローテンブルグとフランクフルトの予定です。
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