京都にヴォーリズの足跡を求めて ?　―　御幸町教会＆その他

2009/05/24 - 2009/05/24

前回（東華菜館編）に続いて、京都にアメリカ人建築家 W.M.ヴォーリズが手がけた建築を求めて歩き回りました。京都には彼が建てた建築物がかなりたくさん残されています。全部制覇してみたいですが、まだまだそれは無理のようです。

そこで、今回は御幸町（ごこうまち）教会、大丸ヴィラ、大丸百貨店を訪ねてみました。

エリア 二条・烏丸・河原町(京都)

1913年（大正２）にヴォ−リズによって建てられた京都御町教会の全景です。建てられた当時は日本メソジスト京都中央教会の教会堂でした。

正面から見た御幸町教会です。当教会は1898年（明治31）に設立されたアメリカ南メソジスト教会神戸教区の京都講義所が起源です。

1941年（昭和16）にプロテスタント各派が合同して日本基督教団を設立したのを機に、翌年に京都御幸町教会となりました。

御幸町教会の正面入口です。

正面を飾るアーチ型の窓 ー 見事ですね。

教会堂内部です。

２階から会堂全体を見てみました。教会としてはそんなに大きくはありません。

立派なオルガンが備えつけられています。オルガンのわきのボードに書かれている数字は今日の礼拝で歌われた賛美歌の番号です。

天井部分をよく見てください。

地下鉄烏丸線の丸太町駅を出ると、烏丸通り沿いのすぐそばにレンガ造りの塀で囲まれた大きな屋敷が見えます。これが「大丸ヴィラ」です。1932年（昭和７）ヴォーリズによって建てられました。

大丸ヴィラは大丸の社主・下村正太郎が建てた英国趣味の、16世紀に遡るチューダー様式の邸宅で、「中道軒」と名付けられました。

構造は鉄筋コンクリートで、ラジエーター暖房の設備も備えられており、建物の周囲は変化のあるハーフティンバーで飾られています。
1970年代に一部が改造され、大丸ヴィラと改められましたが、我が国固有の西洋館に数えられています。

四条通りにある「大丸百貨店」は「大阪大丸」と共に、ヴォーリズによって建てられたビルディングです。建てられたのは1928年（昭和３）です。

四条通りに面した正面入口から入ると、すっかり改装されていて、ヴォーリズが建てた当時の面影は全くありません。しかし、別の入口を見ると、彼が関わったと思われる部分が見つかりました。

かろうじてヴォーリズの手が加わった思われる天井や壁の装飾を別の入口付近で一部見ることができます。

柱の装飾が一部剥落しているようです。