2008/06/25 - 2008/07/02
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Alohamahaloさん
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いきなり『スペンサーのボストン』と言われても、ミステリに興味のない方なら「スペンサーってだぁれ?」ですよね。
スペンサーとは、小説家、ロバート・B・パーカーが描くところのボストンをフランチャイズとする私立探偵なのです。
1973年スタートのシリーズ物で、現在翻訳されているのは35作目まで。USで発表されているのは、36作目のRough Weatherまで。
スペンサーは毎回危険がてんこ盛りです。(だからこそマッチョな私立探偵とも言える)
同じボストンの探偵ドク・アダムズ(本職は売れっ子の口腔外科医/リック・ボイヤー著)や、ブレイディ・コイン(本職はお金持ち御用達の弁護士/ウィリアム・タプリー著)の探偵業は、まぁ趣味みたいなものなので比べるべくもないし、ジョン・カディ(元保険会社の賠償調査室のチーフ/ジェレマイア・ヒーリィ著)は、かなり頑張っているのですけど、ちょっとキャラに暗さを感じてしまいます。なので、やっぱりスペンサー!
とにかく、私は長年に渡ってのスペンセリアンですので、スペンサーに関連する場所をご紹介します。
表紙の画像は、1976年発表のシリーズ第4作目『約束の地』で、都市開発のために移転したスペンサーの2つめオフィスとされる、「マサチューセッツアベニューとボイルストン通りの角」(西南)です。
2階建ての丸い塔のような建物の2階で1階は煙草屋とのこと。
ここも第7作目の『初秋』で、都市開発のために引越しを余儀なくされているので、現存していない可能性が強く、4つある「マサチューセッツ大通りとボイルストン通りの角」のうち、西南はちがっているのかも知れません。しかしながら、お誂え向きに西南の角に丸い塔のような建物があったので、きっとこんな感じなのかな、と撮影してみました。
また、こちらが著者ロバート・B・パーカーご本人の公式ウェブサイトのようです。
お願いだから長生きしてほしいものです。
http://www.robertbparker.net/
スペンサーに興味をお持ちの方は、私のスペンサー系ブログ『Study of Spenser』にもお訪ねください。
URL: http://blog.goo.ne.jp/alohamahalo101
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ケンブリッジのハイアット・リージェンシー。
スペンサーの恋人スーザンがケンブリッジに住んでいるので、二人はケンブリッジでご飯を食べたりすることも多いのです。
スペンサーは、ハイアットへは9作目『儀式』の第29章で行っていますし、29作目『笑う未亡人』の第15章でマーティニを飲んでいます。
また、31作目『背信』は浮気の調査の尾行で行っています。
で、私も最初の2泊はここに泊まりました。
(ちょっと足の便は悪いです) -
ハイアット・ケンブリッジの内側です。
宿泊した12階から下を見たアングル。
ロビーはポートマンロビーというそうです。(『背信』の第4章)
チャールズ川を臨める最上階のバー『ゼファー』でスペンサーはビール、スーザンと相棒のホークはピニャ・コラーダを取っています。
私もゼファーで何か飲みたいと思ったのですが、2006年頃に最上階のゼファーはクローズされ、現在は2階に下がってアメリカンレストランになっています。(川景色は見えます)
Zephyr on the Charles
at Hyatt Regency, Cambridge
575 Memorial Dr. Cambridge, MA 02139
URL: http://cambridge.hyatt.com/hyatt/hotels/entertainment/index.jsp -
ケンブリッジ側とボストン側を結ぶ、ボストン・ユニバーシティ・ブリッジ。ここを渡るとボストン大学があります。
スペンサーはバックベイの自宅からよくボストン大学までジョギング(10分で走り切っているようです)をしているので、ここも走って渡ったことがあるのだろうと思います。 -
遅ればせながら最近(2009年6月)、35作目の『昔日』を読みました。ボストンを訪れた時にはまだ日本語訳が出てなかったのです。
13章で、CIAのアイブズと会うのがケンモア・スクエアのコーンウォールズです。
スペンサー曰く、約四千億種類の生ビールが置いてある店だそうです。四千ではなく四千億です。原文にも、approximately four hundred billion kinds of beer on draft と書いてありました。
で、スペンサーは、全部試すわけにいかないので、気に入っているブルー・ムーン・ベルジャン・ホワイトを取っています。
Cornwall's
654 Beacon St Boston, MA 02215-2099
URL: http://www.cornwalls.com/
下の画像はブルー・ムーン・ベルジャン・ホワイト。
これは瓶入りなので、生ではないのですが、こんなボトルです。
スペンサーはこの銘柄がお気に入りのようで、30作目の『真相』で、リニーアン通りのスーザンの家の前で、ブルームーン・ベルジャン・ホワイト・エールを飲んでいます。
ちなみにビール党でないホークとスーザンはアイアン・ホース・シャンパンです。 -
ブルックライン・アベニューとビーコン通りの角に近いマクドナルド。
スペンサーはマクドナルトのチーズバーガーが好きです。
1作目『ゴッドウルフの行方』の第19章では、尾行直前にマックのチーズバーガーを6個も買っていますし、3作目『失投』の第5章で、依頼人宅に行く前に、シンフォニー・ホール近くのマクドナルドでチーズバーガー2つとチョコレート・シェイクを食べています。
そして、「困るのは自分がチーズバーガーが好きな事だ」と言っています。 -
スペンサーはダンキンドーナツも大好きです。
このロケーションは上のマクドナルドの数軒先ですが、実際にはバックベイのボイルストン通りのお店を利用していることが多いと思われます。(後で登場)
ダンキンのコーヒー豆はUSのスーパーマーケットなどで買うことができます。もちろん私はオリジナルブレンドを買って自宅で飲んでいます。
スペンサーと同じコーヒーを飲んでいるのね。
割と美味しいです。
スペンサーはある時期からデキャフェ党です。どうやら健康を考えているらしい。 -
コモンウェルス・アベニューにあるハーバード・クラブ。
第20作目『ペイパー・ドール』の第9章で、依頼人ラウドン・トリップとランチをしています。クラブのメンバーなのはもちろんラウドンです。
ラウドンはマンハッタンとタラのお料理(Scrod )、スペンサーはクラブソーダとチキン・サンドウィッチをとっています。
ちなみにランチメニュのチキン・サラダ・サンドウィッチは13ドル95セント。Broiled Boston Scrod, Maitre d’ Hotel Butter Served with Jasmine Rice and Vegetables(ブロイルしたタラにメーテルドテルバター、ジャスミンライスと野菜を添えて)は、16ドル95セント。
(As of Apr. 2009)
Harvard Club of Boston
374 Commonwealth Ave Boston, MA 02215
URL: http://www.harvardclub.com/ -
そして、表紙でも書いた「マサチューセッツ・アベニューとボイルストン通りの角」です。
-
上の画像では「丸い塔のような建物」というのがわかりにくいので、寄ってみます。
1階は煙草屋ではなく、バンク・オブ・アメリカですね。 -
『儀式』の登場人物、マサチューセッツ教育局に勤務するミッチェル・ポイトラス宅を探してみることにしました。
第5章に、ビーコン通り沿いで、フェアフィールドかグローセスターの辺りという記述があるので、フェアフィールド側から入ってみます。
画像は、ビーコン通りとフェアフィールド通りの角。この建物は、クイーンアン・スタイルというところでしょうか。 -
どうやらこの建物のようです。ビーコン・コートという集合住宅になっていました。
まぁ、『儀式』が書かれたのは、1982年ですから。 -
鍵がかかっていないアイアンの柵を入ると小道があり、左右に住宅が並んでいます。
-
ここです。ビーコン通り360番地。
スペンサー曰く、この辺りは高級マンション街なのだそうです。
ここでミッチェル・ポイトラスは好からぬコトをやっていたようです。(いわゆる酒池肉林?) -
ボイルストン通りまで戻りました。
こちらの白い建物はボストン・パブリック・ライブラリ(新館の方です)。
7作目以降、スペンサーはオフィスをバックベイに移していることもあって、調べ物などに訪れています。
6作目の『レイチェル・ウォレスを捜せ』の第19章で、ベルモント自警委員会のことを調べるためにボストン・グローブ紙のマイクロフィルムを見に行っています。
また、この図書館から貸し出し期限切れ通知をもらったりもしています。
Boston Public Library
700 Boylston St., Boston MA 02116
URL: http://www.bpl.org/ -
そしてここが恐らくスペンサー行きつけのダンキン・ドーナツ。
ボイルストン通りのダンキン・ドーナツ、あるいはボイルストン通りとエクゼター通りの角とちゃんと明記してあることも少なくありません。
4作目『約束の地』の第8章で、テイクアウトしたドーナツをケイプコッドに向かいながら、5作目『ユダの山羊』第25章ではスーザンとプレイン・ドーナツを2個づつ(この頃のスーザンは食欲旺盛だったようね)、7作目『初秋』の第28章で、プレイン・ドーナツ、『儀式』の第8章で、出来立てのコーンマフィン1袋(いったい何個入りなんだか…)、10作目『拡がる環』の第11章でもコーンマフィン、13作目『海馬を馴らす』の第22章ではコーンマフィン2つとラージサイズのコーヒー、19作目『晩秋』の34章では、オールストンのダンキンドーナツの駐車場の車の中で、22作目『虚空』の第24章でもダンキンドーナツを2つ、24作目『悪党』の第16章でホークとダンキン・ドーナツ(コーヒーはスターバックスで買っている)、25作目『突然の災禍』の第15章でプレインドーナツ2つ、26作目『沈黙』の25章ではソーガスのダンキンで。
『背信』の26章ではヒーリィがシナモンドーナツを買って来て、スペンサーは「私が好きなシナモンだ」と言っています。
とまあ、枚挙にいとまがありません。
これではまるでスペンサーはダンキンドーナツの回し者のようです。
この他にも本人、あるいはホーク、クワーク、ポール、スーザンが買ってくる「ダンキン」と特定されないドーナツがぞろぞろ出てきます。
スペンサーの定番はプレインドーナツかコーン・マフィンとコーヒーですね。
715 Boylston St. Boston, MA 02116
URL: https://www.dunkindonuts.com/ -
レノックス・ホテルには以前に母と泊まった事があります。(プライスが上がっていて、今回はブックできませんでした)
お部屋からボイルストン通りを眺めおろすと、ほぼ真下にダンキンドーナツがあり、あぁスペンサーも足しげく通っているのだな、と感じ入りました。
The Lenox Hotel
710 Boylston Street, Boston, MA 02116
URL: http://www.lenoxhotel.com/ -
この住所、500 Boylston St。
単に私の想像なので、ちょっと信憑性に欠けるところもあるのですが、『レイチェル・ウォレスを捜せ』の第12章で、レイチェルがファースト・ミューチュアル保険会社の20階で女性従業員組織の幹部と会合を持つことになっています。
で、そのファースト・ミューチュアル保険会社からレイチェルの定宿リッツまで歩いて帰っているのです。
この住所からだとリッツまで約2ブロック。レイチェルでも車を出せとは言わなさそうです。
ジョン・ハンコックならリッツから車で行くでしょう。
もちろん小説の話ですから、ファースト・ミューチュアル保険会社というのは実在しません。
しかもこの作品が発表されたのは1980年ですから、保険会社も淘汰されたり統合されたりで様子は変わっているに違いありません。
さらにこの場所は比較的最近、大掛かりなビルの建てかえをやったようです。
でも、何となく30年近く前にこの場所にあったビルに入っていた保険会社がモデルになっているのではないかと思ってしまいました。
単なる思い込みかしらん?
このビルには、昔ニューベリー通りにあったマーシャルズが入っています。バックベイでありながら庶民の強い味方です。 -
ここは重要な交差点です。
スペンサーが例によって都市開発プロジェクトによる立ち退きの憂き目に遭い、『初秋』で3つ目のオフィスを構える場所です。
そして34作目までは引越しはしていません。(35作目はまだ読んでいないのでどうなったかわかりませんが)
『初秋』の第1章に、「ボイルストン通りとバークリー通りの角の建物の2階へ、1階は銀行で半ブロック先にブルックスブラザーズ、ボイルトン通りの向こう右手にボンウィットテラーが見える」という箇所があります。
また、32作目『冷たい銃声』にも「通りの向かいにFAOシュワルツ」があると書かれています。
しかしながらこのあたりはすっかり変わってしまい、ボイルストン通りの南側は新しいビルが建てられていました。 -
すべてのコーナーをご紹介しましょう。
まずはボイルストン通りとバークリー通りの東南のコーナー。
真新しいビルになっていて、スペンサーのオフィスらしくありません。
1階にはシティ・バンクが入っています。
もしやスペンサーと一時恋仲になるアートディレクターのオフィスがあった場所かもしれません。
スペンサーは引っ越してすぐの7作目で、この女性を認知し、11作目の『告別』でデートに誘い出しています。 -
こちらはボイルストン通りとバークリー通りの西南のコーナー。
この建物にFAOシュワルツが入っています。
アクアスキュータムもあります。(撮影当時は工事中でした)
自分のオフィスからFAOシュワルツが見えるということは、この角ではないようです。 -
北西のコーナーはアパレルの「ルイ」です。
元々は紳士服の専門店で、スペンサーは『初秋』でポール・ジャコミンのためにルイで洋服を誂えてやっています。
ポールが、あんたもここで衣類を買っているのかと尋ねるのですが、スペンサーは「いや、体つきが合わないんだ。ここは腰の細い痩せたタイプの人間を対象にしている。」と答えています。
ポールのためにチャコールの三つ揃えのスーツ、ローファー、ワイシャツ2枚、ソックス2足、黒の革ベルト、紺のブレザーにライトグレイのスラックス、ネクタイ2本、ポケットチーフ2枚で〆て750ドル。
1981年のお値段です。
上の画像のホンダCRVとおぼしき場所にスーザンのブロンコをパークして店に入っています。
下の画像は、ニューベリー通りの方の入り口です。
Louis Boston
234 Berkeley St. Boston, MA 02116
URL: http://www.louisboston.com/louisboston-home -
最後は北東のコーナー。
やっぱりここでしょう。
張り出した窓がスペンサー好みと思われます。
引っ越したときは、1階は銀行だとのことですが、25年以上も経てば銀行がスターバックスに乗っ取られても不思議ではありません。
でもこの場所ってスゴイんですよ。
この界隈って、日本で言えば銀座です。
しかもこのコーナーは地下鉄アーリントン駅の入り口もあります。
実際のアーリントン駅までは地下を1ブロック歩くことになるのですけど、ま、言ってみれば松屋のところから地下に入り、4丁目で銀座線に乗るようなものでしょう。 -
実はこのスターバックスの2階ですが、貸しに出されていました。
一体いくらくらいなのかと、看板をだしている仲介会社の The Drucker Company LLD のウェブサイトでは物件案内は見つからなかったのですけど、借りるアテもないわけで、さすがに電話まではしてみませんでした。
ともかくも、こんな立地条件では賃貸料はそうとういきそうです。
スペンサーはちゃんと払えているようなので、それなりには儲かっているのでしょうか。
シリーズ5作目の『ユダの山羊』では、銀行の預金残高は387ドルだと言っていますし、12作目『キャッツキルの鷲』にいたっては、サンフランシスコに行くスペンサーに金はあるのかと尋ねるヘンリー・シモリ(スポーツジムのオーナー兼トレイナー)に対して、「カードで200ドルおろした。口座にそれだけしかないんだ。」などと不安なことを言っているので、私はココロを痛めてしまいます。 -
スペンサーのオフィスから半ブロック先のブルックス・ ブラザーズ。
ブルックス信奉者のスペンサーは、ブルックスのボタンダウンのドレスシャツの襟のロールが気に入っているようです。
確かに襟元にいい感じのロールが出ます。
Brooks Brothers
46 Newbury St. Boston, MA 02116
URL: http://www.brooksbrothers.com/ -
雨が降っていてパッとしないのですが、24エーカーの広さを持つパブリックガーデン。
スペンサーは自宅から近いこともあって、よく来ています。
『失投』では、ガールフレンドのブレンダ・ローリングとピクニックランチをしています。
ブレンダはピクニックと言えども、テーブルセッティングにこだわっていて、地面に直接敷いたチェックのテーブルクロスの上に何とクリスタルの小瓶(!)にバラの花まで用意しています。
そしてはお皿はプラスチックプレートのようですが、ワインは大きなゴブレットでロゼ(しかも昼間から2本)です。
パブリックガーデンは、ナショナル・レジスター番号NRHP87000761で、1987年にアメリカのナショナル・ヒストリック・ランドマークに登録されています。
(実は以前はボストンン・コモンと同じ番号だったのですが、分割されました。) -
さて、問題のスペンサーのアパートメントです。
これが実にわかりにくい。
画像は、まずは間違いなくアパートメントがあるはずのマールバラ通りの風景です。
『ゴッドウルフの行方』の第3章で「住まいはパブリックガーデンから2ブロック上がったマールバラ通り」と書いてあります。 -
これだ!と思ったのですが、自信がなくなりました。
というのは、『失投』では「まだマールバラ通りの西南端に住んでいて」となっていましたが、『レイチェル・ウォレスを捜せ』ではタクシーの運転手に「アーリントンの側だ」と言っています。
またその後訪ねて来る警官が「アーリントンからマールバラに入り一方通行の逆方向に2軒の建物の前を通りすぎて私のアパートに達した」というわけです。
これだとマールバラ通りをバークリーの方から入って3軒目ということかしら?
そうするとこの画像はハズレです。
これはアーリントン側の方ですから。
あぁ、また撮影に行かなくっちゃ。
でも、この通りのアパートメントは大体こんな感じの建物です。
その後『背信』を読み直していたら、スペンサーの家の前を、別の私立探偵が張っているという箇所があり、それには「マールボロとアーリントンの角だ」とありました。それならば、位置的にこの建物でOKです。 -
ボイルストン通りにあるフォーシーズンズ。
実は今回、スペンサーが一番よく使っているリッツ・カールトンの画像を押さえるのを忘れていました。
でもフォーシーズンズもちょこちょこ使っています。
17作目『スターダスト』の第12章で、アメリカの恋人と呼ばれる人気女優ジル・ジョイスとスーザンとバーの近くのテーブルでクラブソーダを飲んでいます。
ジルが飲んでいるのはグラスの白ワイン。
『悪党』の第7章では、ホークと共にSaranac Black and Tan というビールを飲み、『突然の災禍』の第1章では”ボストンのリビングルーム”と呼ばれる(フォーシーズンズのウェブサイトに書いてあった)ブリストル・ラウンジでビール。スーザンは赤ワイン。
32作目『冷たい銃声』ではホークの恋人セシルと来ています。セシルはコスモポリタン、スペンサーはブルーレーベル(ジョニー・ウォーカー)のソーダ割りです。う〜む、スペンサーも出世したものです。大体シリーズが進むとブルーレーベルになる傾向があります。シカゴの探偵V.I.ウォーショースキーも、あれほどブラックレーベルに傾倒していたのに、今やブルーレーベル・チームです。
『笑う未亡人』の37章では、フレンチ・レストランのAujourd'hui(オジュルドウィ/日本語の意味は「今日」)で、サンドウィッチを食べています。
34作目『ドリーム・ガール』でもAujourd'huiでスーザンとバレンタインのディナーを取っています。
何を食べたかは書いてないのですが、飲み物はスーザンはコスモポリタン、スペンサーはマーティニ・オン・ザ・ロックスにレモン・トゥイスト。
Four Seasons Hotel Boston
200 Boylston St. Boston, MA 02116
URL: http://www.fourseasons.com/boston/ -
スペンサーの恋人、スーザンの住まい兼診療所を捜しにケンブリッジのリニーアン通り探索にやってきました。
-
またまたこれが問題です。
スーザンは、登場時(2作目『誘拐』)ではボストン郊外のスミスフィールド(実際にはリンフィールドに当てはまると言われている)に住んでいたのですが、ハーバードでPHDを取るためにケンブリッジのコンドに移っています(14作目『蒼ざめた王たち』)。
さらに開業するようになって、同じケンブリッジのリニーアン通りの大きなビクトリアンハウスを住まい兼診療所にしているのです(15作目『真紅の歓び』より)。
いったいどれがアタリなのかわからないので、リニーアン通りのビクトリアンハウスを全部撮ってきました。
でも、その後でリニーアン通りの北側で色はグレーだというような記述があったような記憶もあります。
それならば、この2つのどちらかという感じでしょうか。
ここでもまた事前調査の不十分さがでてしまいました。 -
リニーアン通りは1から100番地までしかない短い通りです。
100番地からのぼっていったのですけど、マサチューセッツ・アベニューまででてしまいました。 -
スペンサーが『レイチェル・ウォレスを捜せ』の第8章で、レイチェルとランチを食べたハーベスト。
ザガット2008/2009によると、ハーバードスクエアのアメリカンレストランとしてはトップクラスです。
スペンサーは、マスタード・フルーツ付きのエビフライを食べたようです。
ここは日をあらためて食事に行きましたので、2,3本先の旅行記に書きます。
Hervest
44 Brattle Street, Cambridge, MA 02138
URL: http://www.harvestcambridge.com/ -
画像はレッドソックスのFenwey Park 。
『失投』の第1章で、スタンドの屋上の席で大大きな紙コップでミラー・ハイ・ライフを飲み、ピーナッツを食べてNYヤンキーズとの試合を楽しんでいます。
また第3章では、レッドソックスの実況放送アナウンサーに事情を聞きに行った際に、ホットドッグとビールを買いに行くという記述があります。 -
地下鉄を乗り継いで、ファイナンシャル・ディストリクトのボウドンにやってきました。
-
『儀式』の第5章で、ミッチェル・ポイトラスの住所を調べるために、スペンサーが電話するのがこの New England Telephone & Telegraph Co.。
邦訳では連邦政府機関センターの電話相談所となっていますが、スペンサーに住所を聞かれて、
「ボウドン・スクエア6番地です」と言っているからここのことでしょう。
スペンサーはちょっとしたカマをかけて、ミッチェル・ポイトラスの住所を聞き出しています。 -
New England Telephone & Telegraph Co.の全景です。
第二次世界大戦前に設計されていたのですが、完成は大戦後の1947年。
高さは298フィートです。
現在はVerizonが所有しているようです。
ベライゾン、めちゃめちゃ儲かってそうですからね。
New England Telephone & Telegraph Co.
6 Bowdoin Square -
ビルの壁面は、アールデコの装飾がほどこされています。
-
ビルの前は、Cardinal Cushing Memorial Park という小さな公園になっていますが、ボウドン・スクエアの方が通り名としては一般的のようです。
公園の名前になっているカッシング枢機卿(1895 - 1970)は、ボストンの大司教だった人です。
ケネディ家の親しい友人でもあったので、1953年のJFKの結婚式を司り、1961年にケネディの就任式での祈りを捧げています。
そして1963年、D.C.でのJFKの追悼ミサも行っています。 -
トレモント通りとスチュアート通りのコーナーです。
エリア的にはチャイナタウン&シアターディストリクトってところ。
ボストンコモン(ボストニアンは The Common と呼ぶらしい)まで1ブロックかそこいらです。
このあたりにスペンサーの最初のオフィスがあったはずなのです。 -
『ゴッドウルフの行方』第8章で、
「オフィスはトレモント通りから半ブロック下がったスチュアート通りにあって、2階で通りに面している」とあります。
画像のこんな雰囲気でしょうか。
でも実際には都市開発プロジェクトで移転しているので、少々ボストンコモン寄りの大きなビルが建ったあたりが正解なのでしょう。 -
ボストンコモンの北側、チャールズ通りとマウントバーノン通りのコーナーです。
スペンサーは、『告別』の第21章で、ヴィニイ・モリス(ギャングの手下、でも気が合う)と朝食を取りに行っています。
ヴィニィが迎えに来て、チャールズとマウントバーノンの交差点でヴィニィがトランザム(ギャング的にわかりやすい車種!)を舗道に乗り上げて停め、二人でパラマウントに入っていった、という記述があります。 -
パラマウント・レストランで、スペンサーはホール・ホイートのトースト、ヴィニィはステーキと卵を食べています。
ヴィニィ曰く「朝食が大事で、コレステロールのレベルを高くしておく必要がある」んだそうです。
驚くなかれ、ザガットにも載っています。
『告別』は個人的にはシリーズ中ベスト5に入る作品です。
翻訳を読んでも英語版を読んでも、涙なくては読めないうるうる度ナンバーワン作品です。
(友人の評価は違うみたいですけど)
Paramount Restaurant
44 Charles St. Boston, 02114 MA
URL: http://www.paramountboston.com/pages/home.html -
マウントバーノン通りを上っています。
このあたりはヒストリカルなお金持ち地区。
スペンサーの登場人物にはこの界隈の住人も少なくありません。 -
『ペーパー・ドール』の第4章で、スペンサーがルイスバーグ・スクエアに住んでいる、依頼人ラウドン・トリップ宅を訪れるときのシーンに、「ルイスバーグ・スクエアはビーコンヒルの中心部にあって、マウントバーノン通りとピンクニー通りに挟まれている」というのがあります。
-
そしてルイスバーグ・スクエア。
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右側に少しだけ写っているのが黒い鉄の柵で囲まれたスクエアで、ラウドンの自宅はこの周りのどこかに違いありません。
-
また『告別』に戻ります。
第19章で、ブリーズという名前の改組贖罪教会の年度末財務報告書を手に入れるために、スペンサーは州会議事堂に行っています。
Massachusetts State House
24 Beacon St. Boston, MA 02133
URL: http://www.cityofboston.gov/freedomtrail/Massachusettshouse.asp -
州会議事堂からの続きです。
スペンサーは、プリントアウトしたコピーを持って州会議事堂を出ると、通りを渡り、
(画像1枚目のビーコン通り)
ビーコンヒルの頂上にある、ロバート・グールド・ショー記念碑のそばを通り、
(画像2枚目)
階段を降りて、
(画像3枚目)
ザ・コモンに入った。
(画像4枚目)
ロバート・グールド・ショー(Robert Gould Shaw、1837〜1863)とは、黒人志願兵によって結成された第54連隊を指揮した北軍将校です。亡くなったのは26歳くらいなのですね。
モニュメントは、オーガストゥス・セント・ゴーデンスというアイルランド生まれの彫刻家によって、馬に乗っているショー大佐が第54連隊を導く姿が表現されています。
モニュメントの完成までに14年かかったそうです。
1989年にリリースされた映画『グローリー』では、マシュー・ブロデリックがショー大佐役を演じています。
デンゼル・ワシントンがゴールデングローブとアカデミーの助演男優賞をダブル受賞。
モーガン・フリーマンも出演しています。 -
『レイチェル・ウォレスを捜せ』の第26章で、スペンサーはレイチェルの女性愛人ジェリイ・ウェルズ(レイチェルはいわゆるレズビアン)呼び出され、パーカー・ハウスのコーヒーショップに行っています。
スペンサーはホールホイートのトーストとコーヒー、ジェリイはオムレツを取っています。
また、『告別』から登場するリタ・フィオーリ(当時はノーフォーク郡地方検事局検事補)と、14作目の『蒼ざめた王たち』の第2章で、オムニ・パーカー・ハウスの地下のバーに行っています。
スペンサーはキリアン・レッド・エイル(スペンサーはビール党)、リタはグレンフィディックのオン・ザ・ロックス。
そこに、フィル・ファロンという麻取の捜査官が加わって、ファロンは「ビーフイーターのマーティニ」と、銘柄指定をしています。さらに「Very Dry、シェイクしないで掻き回してストレートアップで、オリーブを2つ」とのことです。
そんな注文の多いやつですが、結局「ヴェルモットが多すぎる、大文字のD-R-Y にしてくれ」と突っ返しています。
Omni Parker House
60 School St. Boston, MA 02108
URL: http://www.omnihotels.com/FindAHotel/BostonParkerHouse.aspx -
クインシー・マーケットは、スペンサーシリーズではよく使われているロケーションです。
『レイチェル・ウォレスを捜せ』の第14章では、スーザンとクインシーマーケットのスタンドでビールを飲みカキを食べています。
クインシー・マーケットの隣にある、Walrus & the Carpenterというレストランなのですが、「このバーではフォークは出さないカキかハマグリかエビとペイパーカップについだビールを出すだけだ。」とのこと。
その後、その後、屋台で生の果物とメロンの串刺しを食べながら歩いています。
Walrus & the Carpenter
200 Faneuil Hall Market Pl. Boston, MA 02109
また、『初秋』の第24章では、ポール・ジャコミンと広場(ロトンダ)で食事をしています。
ポールはタコスとロブスターロール、スペンサーはアボカド&チーズサンドウィッチ。
きっと下の画像のような場所で食べたのでしょう。
さらに、ポール・ジャコミンの家族のその後を描いた『晩秋』の第13章で、ホークと一緒にブルーベリー・パンケーキを食べています。
加えて、『悪党』の33章では、ボストン市警殺人課のクワーク警部(この巻で警部に昇進、それまでは警部補)、州警察のヒーリィ警部補と一緒に、卵とハムとトーストとコーヒーを取っています。 -
ファイナンシャル・ディストリクトのシティホール。
『失投』第9章で、ブレンダ・ローリングとシティ・ホール近くの野外カフェで、スペンサーはドラフトビール、ブレンダはスティンガー・オン・ザ・ロックスを飲んでいます。
スティンガーなるカクテルは、ブランディとホワイト・ペパーミントで作るみたいですよ。 -
『告別』の第1章で、スペンサーは恋人スーザンのハーバードでの臨床心理学の博士号授与式(コメンスメント)に行っています。
授与式は、ワイドナー図書館と、メモリアル・チャーチの間の広い芝生、ハーバードヤードで行われています。
ハーバードさんの銅像があるのはオールド・ヤードで、こちらはニュー・ヤードの方です。
上の画像は、ワイドナー図書館。
大学図書館では世界で最も大きく、本棚を長さに例えると、50マイル以上になり、蔵書数は320万冊を超えているのだそうです。
1907年の卒業生で、1912年のタイタニック号沈没で亡くなった息子ハリーの思い出のために、エレノア・エルキンズ・ワイドナーが1914年に寄贈、1915年6月24日にオープンしました。
Harvard Widener Library
1329 Massachusetts Ave. Cambridge, MA 02138
下の画像は、ワイドナー図書館とメモリアル・チャーチの間にあるシーヴァー・ホール。
1878年に建てられた赤レンガ造りのシーヴァー・ホールの建築スタイルは、リチャードソン・ロマネスクで、ボストンのトリニティ・チャーチやNYはアッパーウェストのウェスト・パーク・プレスビテリアン(長老派)・チャーチと同じ様式です。
シーヴァー・ホールは、ナショナル・レジスター番号NRHP70000732で、1970年にアメリカのナショナル・ヒストリック・ランドマークに登録されています。
Sever Hall 113, Harvard Yard
Oxford St. Cambridge, MA 02138 -
チャールズタウン・ブリッジを徒歩で渡りながら撮った、美しいケーブルスタイル(高さ約98メートル)のLeonard P. Zakim Bunker Hill Bridge。
単にバンカーヒル・ブリッジとも呼ばれています。
橋の全長は1,432フィートで、2004年に橋の取換え工事が始まり、コストは100ミリオン(ドル)。
どうしてここがスペンサーと関係があるかと言うと、『失投』の第17章で、スペンサーのガールフレンド、ブレンダをチャールズ・リバー・パークという場所にあるアパートメントに送って行って、その帰り道の説明で「川向こうがケンブリッジがあり、レヴァリット・サークルを通って、ストロー・ドライブを西に引き返した」としています。
レヴァリット・サークル(The Leverett Circle Connector Bridge 1999年完成 )というのは、このバンカーヒル・ブリッジと平行していたI-93に入るためのぐるぐる回る側道のことらしいのです。
つまりブレンダの住むチャールズ・リバー・パークは、実はチャールズタウンのことではないかと推測しています。
そんなわけでチャールズタウンの画像も1枚追加します。(画像下段)
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この旅行記へのコメント (2)
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- 伊藤克也さん 2018/06/04 20:11:18
- スペンサーファンのものです
- 検索してこのページに来ました。スペンサーが歩いているようですね。ほかの旅行記も拝見させていただきます。
- Alohamahaloさん からの返信 2018/06/04 22:10:44
- Re: スペンサーファンのものです
- 伊藤さま、ご覧いただいてありがとうございました。
最近4traへは投稿していないのですけど、スペンサーのは5本あります。
読み直すと、書き直したいところも多々ありますが。
エース・アトキンスのスペンサーシリーズが翻訳されればいいのになって思う今日この頃です。
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