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ランプーンのハリプンチャイ国立博物館前のバス停から乗ったチェンマイ行きの更にローカルなバスは、冷房設備が無いのはやむを得ないとしても、本当にオンボロで、窓ガラスの一部はあるのか無いのか、開けっ放しの状態で、出入り口のドアは取り外されて、元々付いていない。<br /><br />簡単に乗り降りできるのは良いが、入り口付近の乗客は危なくてしょうがないと思えるが、それでも地元民には慣れっこになっているのかも知れない。しかし時々襲ってくるスコールのような豪雨は防ぎようも無く、雨水が惜しげもなく入り込んでくるが、人々はクールに席を移動するだけ。<br /><br />いつでも真夏の国だから、少し位濡れても風邪を引くことも無いのだろう。大体がタイのお正月を祝う「ソンクラーン」(;yol:diko9N・:koxitgrIul:diko9N)など、日本語では「水掛け祭り」と訳されているが、お正月の3日間、通りを歩く誰彼構わず水を掛けあって新年を祝う、将に水濡れ、水浸しのお正月であるが、それがタイ人に取っては1年の罪業を洗い流すことであり、新年に身を清めることでもある。香しきタイ人達よ、祝福あれ。<br /><br /> < 人や仏 甘茶も浴びよ ソンクラーン(水掛け祭)><br /><br /><br />何百m置きかの停留所に停車し、乗客が乗り降りし、その都度車掌が車内を巡回して料金を徴収する、至ってのどかな田舎の光景だ。窓外は樹齢数百年の巨木の街道だ。チェンマイまでの数キロに亘って延々と続く並木道になっている。<br /><br />松柏の一種だと思うが、胴回り2−3mはありそうな巨木の連続だ。ランパーン−チェンマイを結ぶ昔の街道の名残に違いないが、日光の杉並木よりも立派な樹木と幅広の並木道が何キロにもわたって連続する。<br /><br />木陰で人々が団欒をしている、この光景を見ているだけでも飽きが来なかった。<br /><br />バスに乗って約30分、チェンマイ郊外を流れるピン川のほとりのバス停で下車し、赤土色をしたやや流れの速いピン川を眺め、この川がずっと1000キロも下流のバンコク市内を流れるチャオ・プラヤーまで達し、今渡っているこの大きな橋の下を流れる川がその源流になっているのかと思うと、多少の感慨もあった。<br /><br />日本で一番長い信濃川ですら400キロに満たず、今渡るこの橋の長さは信濃川に架かる長岡大橋には及ばずとも、京都三条は比ではなく、隅田川勝鬨橋の倍はあり、河口から1000キロの上流においておや、タイの河川がいかに長大且つ雄渾なるものか改めて思わざるを得なかった。<br /><br />ゆっくりと橋を渡り、更に歩いてチェンマイ駅まで出て、明日のピサヌローク行きの電車の出発時刻を確認し、440バーツを支払って明朝の切符を買っておく。<br /><br />一旦ホテルに戻り、誰もいないプールを一人で占領し、色々な種類の小鳥達が入れ替わりプール際までやってきては水を飲むのを眺め、部屋から煎餅のかけらを持ってきて小鳥に与えても無視され、中空を舞う小鳥と一緒に泳ぎつつ、自然と溶け合った郊外型ホテルの午後を満喫した。<br /><br />話す相手がいなくても、吾一人であっても、周りには豊かな自然がある。こんなのが何のこだわりも葛藤もない、心の平安かも知れないと思った。<br /><br />外の道路を歩いている小学生の一団が当方の裸姿を見てなのか、当職が毛色の違った人種と見て取ったのか、それぞれ手を振って、にこやかな挨拶を送ってくる。フレンドリーな国民性は、こんな小さな小学生にも浸透しているようだった。<br /><br />チェンマイ最後の夜、この地方の民族的な踊り、カントーク(&#3586;&#3633;&#3609;&#3650;&#3605;&#3585;)を観るため、夕方6時、ステップさんに再び迎いに来てもらい、夜の街に繰り出す。ガイドブックには幾つか有名店が案内されているが、ステップさんに聞いてもどの店が良いのか良く分らない。適当にその内の1軒を選び、運んでもらう。<br /><br />ステップさん、ただトムヤムクンとだけ言うので、料理はトムヤムクンが良いということだろう。案内された店は繁華街のターペー門に近い、ガイドブックにも出ている店(ファン・カー・チャオ)だと思うが、7時頃入った時にはお客さんはまだ誰も入っておらず、10数人のタイ人ボーイから一斉に挨拶された時には少し気恥ずかしい思いもしたが、しかしその後も客の入りはなく、オープンスペースの200人以上は座れる土間状のテーブル席はガランドウ。<br /><br />メニューを見ても分らないので運転手から言われたトムヤムクンを頼んだが、出てきたものは日本で食べるトムヤムクンの3倍位大きな鍋に入ったものだが、味は大体どこでも似たようなもの。<br /><br />7時半頃よりカントークショウが始まるが、お客さん一人では全く盛り上がらない。無視する訳にはいかないので、1曲終わる度に拍手はするが、夜空に虚しく響くだけ。煌びやかな衣装を纏った踊り子が入れ替わり歌舞を行うが、時代背景の良く分らない者には、その良さも分らない。<br /><br />2−3人分はありそうな大鍋のトムヤムクンを頑張って平らげ、更に追加のビールを飲んでいると、欧米人カップルが入ってきたので、丁度良い、それを潮に外に出る。昨夜のナイトバザールで、あれ程多くいた欧米人は一体どこに消えてしまったのだろう。<br /><br />ウエイター頭らしき人にいつもこんな状態なのか訊ねたら、今はオフシーズンで、「低調」との話しだった。それにしてもよくこんな状態でやって行けるものと感心した。それでも会計の方は、ショーを楽しみ、ビールも2本飲んだ割には350バーツで済み、意外な感もした。<br /><br />さて外で待っていたステップさん、どこかで食事はしたと思うが、これから1軒案内すると言う。話を聞くと日本で言う赤線で、1000バーツとのこと。真っ直ぐホテルに戻るにはまだ少し時間も早く、話の種に外の様子だけでも見るため、回ってもらう。<br /><br />それはどこの国のどこの街にもある売春宿で、人間のすることはどこでも似たようなもの。3000円から5000円と言うのも国際標準だ。大体の様子が分ったので、ステップさんにはホテルまで送ってもらい、明日の列車の出発時刻に合わせ、7時半に迎えに来るようお願いし、チェンマイ最後の夜に帳を下ろす。<br /><br />今回旅行の目的の一つに、老後の年金生活を物価の安いチェンマイで過ごすことも考え、その下見も兼ね3泊の日程を取ったが、どうもこの町は賑やか過ぎ、元々スモッグという悪印象があった処へ、街を走るバイク、ツクツクの多さに辟易し、心なしか空気の澱みを感じ、半恒久的な居住には適さないように感じられた。<br /><br />ドイ・ステープ背後の山にトレッキングに再訪することはあるとしても、終の棲家としての候補地としてはどうももう一つの感であった。それやこれや考えつつ、いつしか深い眠りについていた。

タイ・ラオス3000キロの旅(17)チェンマイのカントーク

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2007/04/25 - 2007/05/08

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ちゃお

ちゃおさん

ランプーンのハリプンチャイ国立博物館前のバス停から乗ったチェンマイ行きの更にローカルなバスは、冷房設備が無いのはやむを得ないとしても、本当にオンボロで、窓ガラスの一部はあるのか無いのか、開けっ放しの状態で、出入り口のドアは取り外されて、元々付いていない。

簡単に乗り降りできるのは良いが、入り口付近の乗客は危なくてしょうがないと思えるが、それでも地元民には慣れっこになっているのかも知れない。しかし時々襲ってくるスコールのような豪雨は防ぎようも無く、雨水が惜しげもなく入り込んでくるが、人々はクールに席を移動するだけ。

いつでも真夏の国だから、少し位濡れても風邪を引くことも無いのだろう。大体がタイのお正月を祝う「ソンクラーン」(;yol:diko9N・:koxitgrIul:diko9N)など、日本語では「水掛け祭り」と訳されているが、お正月の3日間、通りを歩く誰彼構わず水を掛けあって新年を祝う、将に水濡れ、水浸しのお正月であるが、それがタイ人に取っては1年の罪業を洗い流すことであり、新年に身を清めることでもある。香しきタイ人達よ、祝福あれ。

 < 人や仏 甘茶も浴びよ ソンクラーン(水掛け祭)>


何百m置きかの停留所に停車し、乗客が乗り降りし、その都度車掌が車内を巡回して料金を徴収する、至ってのどかな田舎の光景だ。窓外は樹齢数百年の巨木の街道だ。チェンマイまでの数キロに亘って延々と続く並木道になっている。

松柏の一種だと思うが、胴回り2−3mはありそうな巨木の連続だ。ランパーン−チェンマイを結ぶ昔の街道の名残に違いないが、日光の杉並木よりも立派な樹木と幅広の並木道が何キロにもわたって連続する。

木陰で人々が団欒をしている、この光景を見ているだけでも飽きが来なかった。

バスに乗って約30分、チェンマイ郊外を流れるピン川のほとりのバス停で下車し、赤土色をしたやや流れの速いピン川を眺め、この川がずっと1000キロも下流のバンコク市内を流れるチャオ・プラヤーまで達し、今渡っているこの大きな橋の下を流れる川がその源流になっているのかと思うと、多少の感慨もあった。

日本で一番長い信濃川ですら400キロに満たず、今渡るこの橋の長さは信濃川に架かる長岡大橋には及ばずとも、京都三条は比ではなく、隅田川勝鬨橋の倍はあり、河口から1000キロの上流においておや、タイの河川がいかに長大且つ雄渾なるものか改めて思わざるを得なかった。

ゆっくりと橋を渡り、更に歩いてチェンマイ駅まで出て、明日のピサヌローク行きの電車の出発時刻を確認し、440バーツを支払って明朝の切符を買っておく。

一旦ホテルに戻り、誰もいないプールを一人で占領し、色々な種類の小鳥達が入れ替わりプール際までやってきては水を飲むのを眺め、部屋から煎餅のかけらを持ってきて小鳥に与えても無視され、中空を舞う小鳥と一緒に泳ぎつつ、自然と溶け合った郊外型ホテルの午後を満喫した。

話す相手がいなくても、吾一人であっても、周りには豊かな自然がある。こんなのが何のこだわりも葛藤もない、心の平安かも知れないと思った。

外の道路を歩いている小学生の一団が当方の裸姿を見てなのか、当職が毛色の違った人種と見て取ったのか、それぞれ手を振って、にこやかな挨拶を送ってくる。フレンドリーな国民性は、こんな小さな小学生にも浸透しているようだった。

チェンマイ最後の夜、この地方の民族的な踊り、カントーク(ขันโตก)を観るため、夕方6時、ステップさんに再び迎いに来てもらい、夜の街に繰り出す。ガイドブックには幾つか有名店が案内されているが、ステップさんに聞いてもどの店が良いのか良く分らない。適当にその内の1軒を選び、運んでもらう。

ステップさん、ただトムヤムクンとだけ言うので、料理はトムヤムクンが良いということだろう。案内された店は繁華街のターペー門に近い、ガイドブックにも出ている店(ファン・カー・チャオ)だと思うが、7時頃入った時にはお客さんはまだ誰も入っておらず、10数人のタイ人ボーイから一斉に挨拶された時には少し気恥ずかしい思いもしたが、しかしその後も客の入りはなく、オープンスペースの200人以上は座れる土間状のテーブル席はガランドウ。

メニューを見ても分らないので運転手から言われたトムヤムクンを頼んだが、出てきたものは日本で食べるトムヤムクンの3倍位大きな鍋に入ったものだが、味は大体どこでも似たようなもの。

7時半頃よりカントークショウが始まるが、お客さん一人では全く盛り上がらない。無視する訳にはいかないので、1曲終わる度に拍手はするが、夜空に虚しく響くだけ。煌びやかな衣装を纏った踊り子が入れ替わり歌舞を行うが、時代背景の良く分らない者には、その良さも分らない。

2−3人分はありそうな大鍋のトムヤムクンを頑張って平らげ、更に追加のビールを飲んでいると、欧米人カップルが入ってきたので、丁度良い、それを潮に外に出る。昨夜のナイトバザールで、あれ程多くいた欧米人は一体どこに消えてしまったのだろう。

ウエイター頭らしき人にいつもこんな状態なのか訊ねたら、今はオフシーズンで、「低調」との話しだった。それにしてもよくこんな状態でやって行けるものと感心した。それでも会計の方は、ショーを楽しみ、ビールも2本飲んだ割には350バーツで済み、意外な感もした。

さて外で待っていたステップさん、どこかで食事はしたと思うが、これから1軒案内すると言う。話を聞くと日本で言う赤線で、1000バーツとのこと。真っ直ぐホテルに戻るにはまだ少し時間も早く、話の種に外の様子だけでも見るため、回ってもらう。

それはどこの国のどこの街にもある売春宿で、人間のすることはどこでも似たようなもの。3000円から5000円と言うのも国際標準だ。大体の様子が分ったので、ステップさんにはホテルまで送ってもらい、明日の列車の出発時刻に合わせ、7時半に迎えに来るようお願いし、チェンマイ最後の夜に帳を下ろす。

今回旅行の目的の一つに、老後の年金生活を物価の安いチェンマイで過ごすことも考え、その下見も兼ね3泊の日程を取ったが、どうもこの町は賑やか過ぎ、元々スモッグという悪印象があった処へ、街を走るバイク、ツクツクの多さに辟易し、心なしか空気の澱みを感じ、半恒久的な居住には適さないように感じられた。

ドイ・ステープ背後の山にトレッキングに再訪することはあるとしても、終の棲家としての候補地としてはどうももう一つの感であった。それやこれや考えつつ、いつしか深い眠りについていた。

  • チェンマイでのカントーク、デイナーショー。

    チェンマイでのカントーク、デイナーショー。

  • 大きなレストランシアターだが、今晩のお客は当方一人。貸切でショーを見ていた。

    大きなレストランシアターだが、今晩のお客は当方一人。貸切でショーを見ていた。

  • 煌びやかな踊りが際限なく繰り広げられるが、客が一人では盛り上がらない。

    煌びやかな踊りが際限なく繰り広げられるが、客が一人では盛り上がらない。

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