エルサレム旅行記(ブログ) 一覧に戻る
私がちょうど旅行をしている時、ガザとイスラエル軍の戦闘が行われていた。私がイスラエル滞在中はイスラエルが地上軍をガザに投入するかどうかというところだった。毎日のようにイギリスBBCやアメリカCNNは紛争について報道していたが、イスラエルによる情報の規制が行われていたため、実際に伝えたいことの半分も伝えきれていないのかもしれない。 <br /><br />しかし、イスラエルに住んでいるイスラム教徒は違う。彼らは中東のCNNといわれるカタール・アルジャジーラテレビをずっと見ていた。紛争中は報道が規制され、日本のテレビ局なんかも「外国人メディアはガザには入れない」と伝えていたが、アルジャジーラはガザ内部にも記者を送り込み情報を発信し続けていた。 <br /><br />エルサレムの土産物屋の親父(パレスチナ人)が私に語りかけた。私は大学の時半年間授業で中東政治論をとり、多少はパレスチナ問題に興味を持っていたので親父が話していること、つまりはイスラエルに対する怒りがどれくらい根深いものかを理解することが出来た。親父もアルジャジーラテレビに目をやり、「今モスクが攻撃され、多数の死傷者が出た。何で罪のない子供達が犠牲になるのか?エルサレムには多くの欧米人が観光で来ているが、誰一人としてこの問題に関心を示している人間がいない」と頭を抱えていた姿が印象的だった。 <br /><br />エルサレムの旧市街で土産物屋を営んでいる親父にもイスラエル政府からお金を出すからでていけといわれたこともあるらしい。その親父はその時、「他の場所にも家はあるが絶対に出て行かない。ここが私の家なんだから…」といって断ったとの事だった。 <br /><br />イスラエルでは今回の紛争で約90%の人々がガザ侵攻に賛成をしている。ユダヤ人は第2次世界大戦の時、ナチスによって自国を追われ自分の土地を失った。やっとのことで辿り着いたイスラエル。しかし、現在イスラエルの周りには、サウジアラビア、レバノン、シリア、イラン…と敵国に囲まれている。あまりにも弱腰な態度を取ってしまうと、周りの国から侵略される恐れがある。だから、見せしめという意味も含め今回ガザに侵攻したのかもしれない。 <br /><br />日本のような平和ボケをしている国にいてはなかなかわからないが、「自国を守る」ということがどれだけ大変で、エネルギーの要ることなのか?ということが、イスラエルに行って多少は理解することが出来た。 <br /><br />実際私自身はガザにも行ってないし、何ともいえない部分もあるが、ニュースの報道を見ていると、イスラエル軍の行き過ぎた行動が気になる。子供を含め戦争に関係のない多数の民間人が亡くなったんだから…。 <br /><br />このパレスチナ問題の解決の方法は「共存」くらいしかない。しかし、今のままでは絶対に両者が共存することはありえない。ガザ地区の人々は自分の親族が殺されているにもかかわらず、どうやってユダヤ人と仲良くできるのか?私たちが考えている以上に、両者の関係は深刻だし、問題が根深い。これからも恐らく、両者の戦争は繰り返されるように思う。 <br /><br />私は戦争を経験したことがない。しかし、チェコのナチス・テレジーン強制収容所、ベトナム戦争の最前線、1990年代紛争が起きたボスニア=ヘルツェゴビナの首都・サラエボなどなど、戦場になったところへ行ったことがある。どこも私にとっては強烈な場所だった。戦争は決してよくは無いが、宗教・民族の違いが有る以上、今後も必ず起こるように思う。しかしながら、私はただただ平和になることを祈るのみです。今回、イスラエルに行き久しぶりに戦争と平和について深く考えさせられた。 <br /><br />

中東旅行記8

6いいね!

2008/12/29 - 2009/01/05

330位(同エリア529件中)

0

0

SATORU

SATORUさん

私がちょうど旅行をしている時、ガザとイスラエル軍の戦闘が行われていた。私がイスラエル滞在中はイスラエルが地上軍をガザに投入するかどうかというところだった。毎日のようにイギリスBBCやアメリカCNNは紛争について報道していたが、イスラエルによる情報の規制が行われていたため、実際に伝えたいことの半分も伝えきれていないのかもしれない。

しかし、イスラエルに住んでいるイスラム教徒は違う。彼らは中東のCNNといわれるカタール・アルジャジーラテレビをずっと見ていた。紛争中は報道が規制され、日本のテレビ局なんかも「外国人メディアはガザには入れない」と伝えていたが、アルジャジーラはガザ内部にも記者を送り込み情報を発信し続けていた。

エルサレムの土産物屋の親父(パレスチナ人)が私に語りかけた。私は大学の時半年間授業で中東政治論をとり、多少はパレスチナ問題に興味を持っていたので親父が話していること、つまりはイスラエルに対する怒りがどれくらい根深いものかを理解することが出来た。親父もアルジャジーラテレビに目をやり、「今モスクが攻撃され、多数の死傷者が出た。何で罪のない子供達が犠牲になるのか?エルサレムには多くの欧米人が観光で来ているが、誰一人としてこの問題に関心を示している人間がいない」と頭を抱えていた姿が印象的だった。

エルサレムの旧市街で土産物屋を営んでいる親父にもイスラエル政府からお金を出すからでていけといわれたこともあるらしい。その親父はその時、「他の場所にも家はあるが絶対に出て行かない。ここが私の家なんだから…」といって断ったとの事だった。

イスラエルでは今回の紛争で約90%の人々がガザ侵攻に賛成をしている。ユダヤ人は第2次世界大戦の時、ナチスによって自国を追われ自分の土地を失った。やっとのことで辿り着いたイスラエル。しかし、現在イスラエルの周りには、サウジアラビア、レバノン、シリア、イラン…と敵国に囲まれている。あまりにも弱腰な態度を取ってしまうと、周りの国から侵略される恐れがある。だから、見せしめという意味も含め今回ガザに侵攻したのかもしれない。

日本のような平和ボケをしている国にいてはなかなかわからないが、「自国を守る」ということがどれだけ大変で、エネルギーの要ることなのか?ということが、イスラエルに行って多少は理解することが出来た。

実際私自身はガザにも行ってないし、何ともいえない部分もあるが、ニュースの報道を見ていると、イスラエル軍の行き過ぎた行動が気になる。子供を含め戦争に関係のない多数の民間人が亡くなったんだから…。

このパレスチナ問題の解決の方法は「共存」くらいしかない。しかし、今のままでは絶対に両者が共存することはありえない。ガザ地区の人々は自分の親族が殺されているにもかかわらず、どうやってユダヤ人と仲良くできるのか?私たちが考えている以上に、両者の関係は深刻だし、問題が根深い。これからも恐らく、両者の戦争は繰り返されるように思う。

私は戦争を経験したことがない。しかし、チェコのナチス・テレジーン強制収容所、ベトナム戦争の最前線、1990年代紛争が起きたボスニア=ヘルツェゴビナの首都・サラエボなどなど、戦場になったところへ行ったことがある。どこも私にとっては強烈な場所だった。戦争は決してよくは無いが、宗教・民族の違いが有る以上、今後も必ず起こるように思う。しかしながら、私はただただ平和になることを祈るのみです。今回、イスラエルに行き久しぶりに戦争と平和について深く考えさせられた。

PR

この旅行記のタグ

6いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

イスラエルで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
イスラエル最安 454円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

イスラエルの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP