北京好秋天 ? ー 「東交民巷」を歩く

2008/10/15 - 2008/10/21

北京にはかつて19世紀から20世紀中頃まで、治外法権が認められた区域がありました。

各国大使館や出先機関があった所で、その名前は「東交民巷」といいます。現在もその名前の場所があります。かって大使館や銀行だった建物がそのまま残されています。この地域は昔のままで、北京の街の大改造とは無縁のところです。散歩をするには最適です。この表紙の写真は旧横浜正金銀行の建物です。

秋晴れの一日カメラを手に、散歩をしてみました（使用した写真には今年の2月に撮ったものも含まれています）。

エリア 北京(中国)

東交民巷は地下鉄2号線「崇文門駅」が一番近いです。
駅から３・４分歩くと、すぐこの通りに出られます。賑やかな王府井大街からさほど遠くないところに、こんな静かなところがあるのは驚きです。車も人もあまり通りません。

この通りは、崇文門大街と交差するところから天安門広場や毛主席紀念堂のあるところまでの、２ｋｍ程の距離です。
その間には、この写真のような建物や旧大使館の建物がたくさん連なり、清朝時代の列国の力の大きさをまざまざと思い知らされます。

崇文門駅からしばらく歩くと、すぐ教会の尖塔が見えてきます。

この日の東交民巷散策は、「東交民巷天主堂」からスタートしました。

教会堂の内部です。ゴシック様式の、なかなか豪華な雰囲気のある礼拝堂です。

この教会はフランス人神父によつて、1901年に建設が開始され3年後に完成したカトリック教会です。
最初はこの東交民巷に住む外国人のための教会でしたが、その後中国人信徒も増え、近辺の人々も礼拝に来るようになりました。

ちょうどこの日は日曜日だつたので、教会の中に入ることができました。

普段は門が閉まっていて、入ることができません。私が訪ねた時は礼拝が行われる時間帯で、たくさんの韓国人（中国人ではありません）の老若男女が次々とやってくるのには驚きました。

これは韓国人のグループが教会を借りて、礼拝を持っているのです。中国人たちはもっと早い時間帯(8時〜9時）に礼拝を守っているようです。

続々と人々がやって来ます。礼拝堂の中はおそらく300人はいたでしょう。立錐の余地もないほででした。

今年の2月にこの教会の前を通った時は、「東交民巷天主堂」と看板に書かれていました。しかし、今は名前が変わったようです。

教会の前にこのような洋館が建っています。かなり古いです。旧ベルギー大使館の建物だったかもしれません。

これも同じ教会前の建物ですが、緑の屋根が珍しいです。旧ベルギー大使館の裏側の部分のようです。

旧「フランス大使館」です。現在は中国政府の重要な関係機関が入っています。

旧フランス大使館のわきにある通用門です。中には広大な庭園があります。

通りにはこのような黒壁がずっと続いています。壁の内側にはかってのどこかの国の大使館があったものと想像します。

旧「フランス郵便局」です。今は四川料理のレストランとなっています。

旧フランス郵便局の窓がきれいだったので、撮ってみました。

この建物は元「美国花旗銀行」です。現在は北京警察博物館となっています。

東交民巷路口にある旧「横浜正金銀行」の建物です。

旧横浜正金銀行は中国国内に北京をはじめとして、上海、天津、大連等に支店がありました。

戦前の絵葉書に描かれた東交民巷と横浜正金銀行の建物（左側）です。現在の姿とほとんど変わりがありません。

旧「法国中法東方氾理銀行」(Sino-French Oriental Huili Bank)の建物です。

この建物は旧「日本公使館」です。

日本大使館はここではなく、別の場所にありました。

旧日本公使館前の外塀には、この建物が中国政府による「重点文物保護」であることをを示すプレートがはめ込まれています。

今では商店が入っていますが、この建物にはかっては何が入っていたのでしょうか。2階をのぞくいてみると、彫刻が刻まれた壁や階段があり、その豪華な造りに驚かされました。

２階の外壁にこのような飾りが施かされています。一体この建物は何だったのでしょうかs。

この塀に囲まれた建物は、旧「ロシア大使館」です。