2008/08/26 - 2008/08/26
2位(同エリア473件中)
ももであさん
- ももであさんTOP
- 旅行記130冊
- クチコミ0件
- Q&A回答11件
- 617,192アクセス
- フォロワー1792人
2008/08/22~8/31:5日目(8/26)
「フランスの最も美しい村」は、現在152村が認定されている。
しかしこの“最も”とは、どうにもこそばゆい。
“最も”と言うからには152村の頂点があるはず。そう考えたくなるのが人情。
果たしてフランスの最も美しい村の中で、最も美しい村はどこか?
。。公式な答えはない。もちろん敢えて無い。
がしかし、ゴルド、サン・シル・ラポピーあたりと共に、必ず有力候補に挙がるのが、
コンク(Conques)ではなかろうか。
フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路、ル・ピュイ道で1,000年も前
から最要所と位置付けられたコンク その存在は新興村とは明らかに別格
単なる美しい村の域を超え、神聖な尊い独特な空気が漂う。
ならば行ってみよう、そんな村 聖地コンクへ♪
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- 中国国際航空
-
村の入り口付近の駐車場
辛うじてこの便利な場所に置けた。
村の高台には別に150台収容できる駐車場
本来ならば3ユーロなのに料金を徴収される
こともなかった。 -
村へと続く小道
多くの人がコンク(Conques)への期待を胸にここ
を通り村へ入ることになる。
村の起源は、8世紀末に修道士ダドンがこの地に、
小さな修道院を建てたことに始まる。
その後も多くの修道士が住み着くようになるが、
866年に聖女フォワの聖遺物がアジャンからコンクに
持ち込まれるとコンクは大きく繁栄する。 -
彫刻のアトリエ
どの店舗もコンクの景観を損ねることなく調和
している。それポイント -
これはフランス版合掌造りか?
そう思うほど古く急角度の屋根
チュレンヌとはまた違った雰囲気の黒っぽい村 -
教会が見えて来た。
ロカマドゥールもそうだったが、ここコンクも
中世からいったいどれだけの巡礼者を招いて来た
のだろう。
車で来るのも結構大変な山間の村
厳しい巡礼の旅だったに違いない -
サント・フォアの奇蹟を求めて
小さな村の教会がこれ程人を惹きつけるのは
救いを求める人への奇蹟の噂
ルルドもロカマドゥールもいずれにも共通する -
鴨肉専門店
ソーセージやコンフィ
アメリカのビーフジャーキーみたいに噛めば
噛むほど旨い -
サンジャックの名を冠したレストラン
日本流にいくと食堂「弘法大師」?
味はどうなのだろう?
宿泊施設も兼ねる。 -
サント・フォワ修道院付属教会 (L'abbatiale)
11〜12世紀にかけて建てられたロマネスク様式教会
ドーム頂部は高さ22m
ハイライトは「最後の審判」をモチーフにしたタンパン -
さほど大きくはないが、その素晴らしさで多くの
人を惹きつける教会
タンパンは見事な彫刻技術。未だに色彩が残る。 -
1000年も前に作られたタンパン
ロマネスク芸術の最高傑作とされる。
文字を読めなかった民衆にも、観ることで道徳を説く。
一見分かりやすいが、知れば知るほど極めて奥が深い。 -
光輪の中のキリスト
右手で天国へ行く者達、左手で地獄へ堕ちる者達
を示し、最後の審判を行っている。
主の足下では2人の天使がロウソクを抱え、頭上では
2人の無重力天使が十字架を抱える。 -
地獄側
中央はルシフェル(サタン)
悪魔の報告聴き、地獄へ堕ちた者への処遇を指示
する。
隣では守銭奴が吊るし上げられ、誘惑するヘビに
巻き付かれている。 -
天国の如きエルサレム
天国の神の家の中心には人の父アブラハムが座す。
その周囲には、選ばれし者や預言者 -
聖フォワが神の手の前に平伏し、横たわる。
わずか12歳で殉教した聖女フォワ
アジャンで網焼きにされた上、首をはねられた。
その聖遺物が盲者の目を治し、その奇跡が伝え
られると、コンクはサンティアゴ・デ・コンポス
テーラ巡礼路の最要所と変わる。
AD CELI GAUDIA(天国での喜び)と書かれる。 -
選ばれし者たちの行進
キリストへより近づこうと、聖人達が行進する。
最初に聖母マリア、続いて十二使徒の聖ペテロ、
三人目はコンクの初期礼拝堂の創設者ダドン -
聖ミカエルと悪魔が、魂の善悪を天秤でを計る。
悪が強いと地獄へ堕ち、怪物リヴァイアサンに喰わ
れる。
善者は天国へ、悪者は地獄へ。
千年も前から続く「最後の審判」
人類は進歩してるだろうか? -
サント・フォア修道院付属教会内部
光の傑作!
ピエール・スーラージュが7年以上の月日をかけ
制作したステンドグラス
幻想的な雰囲気 -
煌びやかなサント・フォワ教会の祭壇
教会内には250もの柱頭彫刻の数々 -
宝物館のある教会中庭
ケチケチ旅行団だから宝物館に入ることはない。
と、言うより時間がない。 -
教会は宗教戦争で新教徒に焼かれ、フランス革命後
荒廃しきった。1830年にはついに取り壊しが始まる。
救ったのは作家プロスペル・メリメ
オペラ「カルメン」の原作者
政府に強く働きかけ、彼の熱意がこの貴重な文化財
を守った。
彼こそが13人目の使徒 -
青空にそびえ立つ教会
村自体の規模を考えると非常に大きい
過去の繁栄を物語る -
サント・フォワ教会のチャペル
シンプルで心静かな祈りの場 -
教会裏側にひっそりと並ぶ棺桶
教会の僧侶、修道士は火葬されることなくここに
眠ってきた。
思えば凄い光景である。 -
教会すぐ隣に建つ、巡礼者のためのサント・フォワ
修道院宿泊施設
日本の遍路宿と同じくシンプルだが安い -
聖サン・ジャック
999年、1999年
ヨハネ黙示録に示される世紀末の世界の終焉は訪れ
ていない。
神のご加護に感謝する人々の巡礼の旅は終わらない。 -
中世の雰囲気が色濃く残る小道
村内は車が殆ど走らないから、路面が傷むのも
ごくゆっくり -
巡礼する足長おじさん
皆さん何を思って巡礼するのだろう。 -
繁栄が続いたコンクもペストの流行、百年戦争、
宗教戦争、フランス革命などで次第に荒廃する。
負けるなコンク、その結末は。 -
暑い中、一時の涼しさをもたらす水場
ひんやりして気持ち良かった。 -
小さな土産物屋付近
やはりフランスの最も美しい村の中では人出が
多い。
かと言って観光地化されてはいないので興醒め
することはない。 -
教会裏側は丸い屋根を持つ
フランスの最も美しい村の中でも最も古く
中世そのままの佇まいを残す -
最盛期には3000人ほどが住んだとされるコンク
現在は約300名の小さな村
しかし、巡礼者、観光客が絶えることはない。 -
黒い石屋根が特徴の街並み
遠くから見るとチュレンヌと同じように全体的に
黒っぽい村に見える -
上空から観ると、十字架の形をした教会
高い尖塔は村のどこからでも見ることができる。 -
もちろんここにもフランスの最も美しい村の
シンボルマーク
コンクならば認定されなくとも訪れる人の数は
変わらないだろう。 -
宝物館に安置される聖女フォア(Sainte Foy)の
聖遺物像
実はこれ、コンクの修道士が南西300キロにある
アジャンから盗んできた物。
超目玉品を得たコンクは、お陰でその後大繁栄
アジャンは?
因みにニューメキシコ州“Santa Fe”はSainte Foy
に由来する。
宮沢りえもびっくり -
村を見下ろす高台へと続く道
どれだけの人がここを歩いただろう。 -
ここにも巡礼宿
巡礼者に限らず多くの観光客が泊まる -
軽装備の巡礼者
車を使っての巡礼の旅か?
現代版巡礼の旅スタイルは実に様々 -
嵐が来るとすぐにでも壊れそうな風見鶏
でもここは霊験あらたかな教会のすぐそば
何が来ようと耐え抜くか -
こちらはなかなか重装備の巡礼者
巡礼のシンボルマーク: コキーユ・サン・ジャック
(ホタテ貝)をぶら下げていた。 -
石造りの古びた建物
一見すぐに壊れそうな石葺き屋根だが、地元で
採れるこの石は相当丈夫らしい。
何より村の鄙びた景観に大貢献 -
フランスのロマネスク様式教会として、ベスト5
とも言われる教会
3つの尖塔がどこから見ても美しい -
コンクの民家
古い村の家の中はどうなっているのだろう?
いつも気になる。
村内LANとかで情報共有してたりして。 -
村名はラテン語のコンカ(貝殻)に由来する。
高台から見ると村は貝殻の中に佇むように見える
という。 -
巡礼の途中でホッと一息
リタイアしてからでもいいからサンティアゴ・デ
コンポステーラを巡礼してみたい。
ずっと先の夢。それまで元気でいなければ。 -
村の郵便局
日本と違ってシンボルカラーは黄色
AMEXのT/Cなら手数料無料で現金化出来る -
いつの日かまた来る予感のするコンク
Do not miss Conques!
最後にコンクになかなか行けない人でも行った
気分になれる驚異的なサイト
http://www.lejourduseigneur.com/conques/hd/index.html -
フランス革命時には、押し寄せた暴徒がフォワの
聖遺物を略奪しようとする。
しかし間一髪村人は聖遺物を山中に隠し難を逃れる。
そんな思いこそが後世まで村を存続させる原動力
これから1000年後も同じ姿であって欲しい。
フランスの最も美しい村は、最も後世まで残せる
村なのかも知れない。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (10)
-
- kuritchiさん 2014/10/24 14:43:31
- コンク
- 再々度、こんにちは。。
このコンクもとても印象に残っている「美しい村」のひとつです…。
特に教会のタンバン。。
ここも外せないなぁ〜♪と思いつつ、、はぁ、、、
kuritchi
- ももであさん からの返信 2014/10/26 20:01:13
- RE: コンク
- コンクの人気は、現在156ある「美しい村」の中でも、
おそらくベスト3に入るのではないでしょうか。
タンパンは実に見事です。非識字者に神の教えを
伝えるため、見た目通りとても分かりやすいです。
良い行いをした者は天国へ、悪いことをすれば
閻魔大王の責めに遭うぞ…
重要な巡礼地でもあるコンク
他の「美しい村」と違って、別格本山の風格さえ
漂います。アクセスは一番厄介だと思いますが、
一考の価値はありますね。
-
- kuritchiさん 2011/01/16 18:29:17
- 重厚な、最も美しい村 コンク
- ももであさん、こんばんは^^
ようやくコンクの旅行記に到達しました^^
約1000年も前に作られたコンクのサント・フォワ修道院付属教会のタンパンは見ごたえがありますねぇ〜♪
ももであさんの丁寧な解説を拝見しながら、じっくり鑑賞させていただきました。
天国と地獄。イエス・キリストと聖人たちとルシフェル(サタン)。
対比が見事な芸術です♪
高い塔の中の光があふれる教会内…。
それにサント・フォワ教会裏の古びた棺桶の存在感…。
大きな荷物を背負った巡礼者たち…。
なるほど、それまでの「最も美しい村」の様相とは、明らかに違いますね…。
フランスの合掌造り?の家にも感心してしまいました(笑)
kuritchi
- ももであさん からの返信 2011/01/18 23:02:28
- 是非、いつかご覧下さい。 コンク
- kuritchiさん
返事が遅くなりスミマセン。。
コンクまでお越しいただきましたか。
サント・フォワ教会のタンパンは、実に見事でした。
当時文字が読めない人にとっては、見ただけで直感的に分かる
素晴らしい道徳の教材だったのでしょうね。
人里離れたロケーションも含めて、別格本山の村です。
「最も美しい村」に登録されるということは、ある意味様々な
制限のある、不自由な生活を強いられることにもなります。
それでも村の人達みんなでそうしようと決めたんでしょうね。
「最も美しい村」は登録取り消しもあり得ますが、ここだけは
永遠に残りそうな気がしました。
ももであ
-
- smilepopoさん 2009/03/08 21:52:25
- この屋根
- 気になる気になる。
一見、日本のかやぶき屋根を連想させる趣をもっているけれど、どこかモダンで人目を気にする個性が見受けられます。文化と芸術の進み具合の違いかな。
でもこの写真とても貴重な一枚のような気がします。
ぜひぜひ大切にしてください。
- ももであさん からの返信 2009/03/09 22:30:22
- RE: この屋根
- smilepopoさん こんばんは
サント・フォワ修道院付属教会は、1,000年も前に建造された歴史ある
建物です。ロマネスク調の柔らかさが感じられ、僕も好きです。
戦乱や革命に翻弄され荒廃し、取り壊しすら決まっていた教会を救った
のもまた人の心。世界遺産の一部としてますます大切にしないといけま
せんね。
フランスは石造り、日本は木造ですが、相通じるところはありますね。
サント・フォワ教会から数百年遡って造られた法隆寺
日本の英知も昔から決して負けてませんね。
物を大切にする心こそ大切にしたいものです。
ももであ
-
- mariさん 2008/11/21 13:28:25
- 頂点
- ももであさん
こんにちは!
『フランスの最も美しい村』という存在は、ももであさんの
旅行記を拝見して初めて知りました。
しかも152村もあるんですね!
たしかに「最も」と銘打たれると頂点を知りたくなるのが人情。
でも、その答えはないんですよね〜。
強いて言うなら、訪れた人それぞれの心の中に・・、
というところなのでしょうか?
しかしながら152村もあれば、そのすべてを廻って見比べるのも
至難の業でしょうし、答えなんかない、でいいのでしょうね*^^*
(せめてイギリスのコッツウォルズ程度なら頑張れそうですが)
私もいつの日か、これらの村々のうち、ひとつでも
訪れることが出来ればいいな、と思います。
mari
- ももであさん からの返信 2008/11/22 10:08:34
- RE: 頂点
- mariさん
いつもコメント戴き、どうもありがとうございます。
フランスの最も美しい村を巡って、何より素晴らしいと思ったのは、
伝統ある美しい村を残そうとする取り組みです。
不便な生活を強いられることにもなるので、簡単なことではなかった
と思います。でもそれを選んだ。
きっかけこそ貧乏な村を何とか救おうとした、Ceyracお爺さんの呼び
かけから広がったものですが、実はこれ日本にも広がってきてます。
NPO法人「日本で最も美しい村」連合が、フランスでの取り組みを参考に、
既に18の美しい村を承認しています。例えば北海道であれば美瑛町、
赤井川村、鶴居村、京極町、標津町の5村町です。
嬉しい話しですね。どこか行かれたことはありますか?
ももであ
- mariさん からの返信 2008/11/22 17:57:35
- RE: RE: 頂点
- ももであさん
こんにちは。
日本にも「美しい村」運動がひろまってるんですね!
しかも北海道にも。知りませんでした。
美瑛町、赤井川村、京極町に行ったことがあります。
でも、赤井川は、ずっとずっと昔、通りがかっただけなので
あまり記憶にありません。
たしかにとってものどかな場所で、一緒にいた両親に
「ここ、どこ?」と尋ねたので、母が「赤井川だよ」と答えてくれて
それで記憶に残っています。
京極町は、噴出し公園という水を汲める公園(広場?)がとても有名で
羊蹄山がきれいに望め、きれいなお水を生かしたお豆腐屋さんなどもあります。
そして美瑛町!
美瑛は、ともすれば富良野の勢いにかすみがちですが、私は実は富良野より
素朴で穏やかな雰囲気の美瑛の方が好きだったりします。
いろとりどりのお花で飾られた富良野ももちろんいいのですが
緑の畑が山肌にパッチワーク状に広がる美瑛の雰囲気がとても好きです。
しかし「美しい村」の存在を知らなかったので、そのお話を聞くと
いままで何気なく見ていた景色も、少し違って見えるかもしれませんね。
よいことを教えていただいて、ありがとうございました!
mari
- ももであさん からの返信 2008/11/24 13:35:11
- RE: RE: RE: 頂点
- mariさん
そうですか、そうなんですね。
実は僕は、北海道には殆ど縁がありません。
だから、どの村にも行ったことが無いんです。
フランスの最も美しい村に始まり、北海道の美しい村の話が
伺えたのは不思議な感覚で、嬉しいです。
こちらこそ教えて戴きありがとうございます。
知り合いのお陰で、いつも北海道の美味しいものはご馳走に
なるんですが、旅したことが無いんですよね。
実に行ってみたくなります。
行きたいところだらけで困ってしまいますね。
ももであ
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ももであさんの関連旅行記
フランス の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
10
50