2006/10/10 - 2006/10/17
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morikensさん
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10月16日(月)
目覚まし代わりとなった蚊による献血で目が覚める。
カンボジア最終日の朝。
まだ午前6時だが、頭をすっきりさせたいので冷水しかでないシャワーを浴びる。
昨日会えなかった4トラベルのユーザーさんから、今日の午前8時にお会いしましょうというメッセージを受け取っていた。
そんなわけで早めに下に降りて日記を書いて待つことにした。
8時少し前に、ミツさんがどこからともなく自転車に乗って現れた。
どうやら近くで借りたらしい。
あの距離を自転車か・・・まあ道は舗装されてないからケツが痛くなりそうである。
そんな話をしていると、珍しく一台のセダンが駐車場に入ってきた。
後ろの席から二人の女性が降りてこちらに近づいてくる。
その二人には見覚えがあった。
そう、昨晩ここでミツさんとテーブルで話していた時に、そのミツさんの後ろで話していた女性達だった。
何度か視線が合って、まさかこの人たちじゃ・・・なんて思っていた。
あちきは確信して席を立って二人に近づいた。
こうして4トラベルのユーザーさんとこのタケオで初めて会うことができた。
あまり時間がないようだったので、お互いの旅の無事を願ってお別れとなる。
二人を見送った後に、飛行機の時間はまだ先なので、オールドマーケットに出かけることにした。
もちろんタケザンさんのトゥクトゥクで。
オールドマーケットに到着すると、朝から活気があるのは一目でわかる。
買い物に来ているのが9割女性というのはお国柄なのだろうか。
男性があちきくらいしか見当たらないので、少々場違いな感じがしてしまう。
特に買いたい物はないが、どんな物が売られているのか興味津々に見て周った。
一通りみて周ってもまだ時間が余っているので近くのバーストリートに行ってみた。
夜は車両の乗り入れ禁止だが、朝は通りに車両が入れるようにゲートは外されている。
まだ朝食を食べていなかったので、朝から営業していたスープドラゴンという名前のレストランでスープヌードルポークとパパイアジュースを注文して食べた。
そういえば、こちらに来て現地の甘味を何ひとつ食べていないことを思い出す。
オールドマーケットにカボチャプリンという甘味があるとガイドブックにあったので戻っていってみることにする。
途中、ガイドブックに出ていたアキラ・マインセンターという地雷を展示している個人運営の博物館というか資料館があるらしいので行ってみるが、見つけることができなかった。
まあ思いつきで行ってみようと考えたところなので、すんなり諦めてオールドマーケットに戻る。
オールドマーケット内でそれらしい食事ができる所があったので、カウンターの向こうにいる女性にカボチャプリンと一言言うと、うなづいて何やら作り出した。
てっきりかぼちゃの種をくり貫いたところにプリンをいれた物が出てくるだけだろうと思っていたら、上からカキ氷とコンデンスミルクがかけられて出てきた。
え?
写真と違うような・・・バージョンアップですか?
あちきが及び腰になったのは、この氷である。
つまり水である。
この水は・・・どこのお水ですか?と聞けない。
以前、旅仲間から聞いた話しがある。
カキ氷を食べてコレラになった・・・inバンコク。
あちきの両隣に座るカンボジアの女性も似たような物を美味しそうに食べている。
潜伏期間はどのくらいなのだろうか・・・とか帰国後の仕事のシフトを考えて不測の事態であちきが休んでも仕事が回るかを検証する。
そして考えること1分。
あちきはスプーンを手にして最初の一口を食べた。
やべーっ!
冷たくてうまーい!
かぼちゃの甘みが美味しい。
結局5分で食べてしまった。
食っちまったものはしょうがない。
だが消化される前にするべきことはある。
再びあちきは、バーストリートに戻った。
開いている店のテーブルに座り治療することにした。
アルコールで。
適度に消毒して良い気分になり、タケザンさんと合流してタケオに戻った。
荷物を整えてチェックアウト完了。
タケザンさんのトゥクトゥクでシェムリアップ空港に向かう。
国道6号線を西に15分ほど走ると空港が見えてくる。
このタケザンさんの背中を見ることもこれで終わりである。
空港に到着すると口数の少ないタケザンさんは、握手して笑顔で見送ってくれた。
シェムリアップ空港は、小さいが閑散としていてきれいな空港である。
まだ時間があるのでカフェでお茶でも飲もうとしたら、クメールデザートという名前の見なれない葉っぱにくるまれた甘味があったので食べることにした。
これもまた美味しい甘味でした。
空港で飛行機を待っていると、晴れているのだが雷特有の雷鳴が響きだす。
またスコールか・・・と軽く思っていたそのときだった。
ドオオォーン!
と建物が揺れた。
敷地内にいるすべての人達が騒然となり火災報知機が鳴り出した。
な、な、なに?
警備員が仲間と無線で連絡をしきりにとりあっていると、今度は空港内の売店のシャッターが自動的に降りはじめた。
これは・・・死ぬ?
とりあえず携帯電話のカメラを動画モードに切り替える。
しばらくすると館内放送がされて、落雷により火災報知機が誤作動したと説明があって騒ぎは収まった。
特にこの騒ぎで飛行機が遅れることはなく、あちきの乗る飛行機は定刻で飛び立った。
疲れもあり、すぐに寝てしまった。
次に気がつくともう着陸していて外は夜であった。
空港に着いたらしい。
だが何か変である。
あちきは行きと同じくシンガポールのチャンギ国際空港で乗換えか必要である。
外に見える空港は、チャンギ国際空港に見えない。
なんだかよくわからないが、荷物を持ってタラップを降りる。
滑走路に降り立って空港の建物を見る・・・。
「ここは・・・どこだ?」
あちきが呆然としていると、戦争映画で出てくる共産圏の軍人がよくかぶっているような軍帽をかぶった男が近寄ってわめき出した。
あちきはパニックになった。
「ここはどこだ?!」
とあちきは日本語で叫ぶ。
空港ターミナルをもう一度見るとアルファベットで文字が書かれていた。
「だ・・・な・・ん・・・?」
うわっちょっと。
ダナンってベトナムじゃん?!
ダナンって激戦地じゃねーか?!
↑
※注)戦争は終わってます。
軍帽の男はあちきの肩を力強くつかんだ。
「よせっ! 間違えだっ! シンガポールっ! オレはシンガポールに行くんだ!」
これもまた日本語で叫んだが最後のシンガポールは理解されたらしく、軍帽は大笑いして手を離した。
「ネクスト」
軍帽は一言そう言って並びの悪い歯を見せて笑った。
あちきは、半泣きになってタラップを駆け上がる。
客室乗務員の女の子が肩をすくめた。
その子に何か言おうと思ったが、可愛かったので許す。
再び滑走路に向かう飛行機の窓から外を見ると、軍帽があちきに手を向けていた。
手をピストルの形にして・・・。
ベトナム・・・絶対に行かねーよ!
最後まで気の抜けないカンボジア旅記、劇終。
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