2007/11/29 - 2007/11/29
225位(同エリア254件中)
ソフィさん
2007年11月29日(木)
奥美濃もみじ探訪の最後は、横蔵寺(よこくらじ)だった。
この寺は、谷汲さんから、一山越えたところにある。
山越えとは言っても、最近はトンネルが掘られていることが多く、その便利さに隔世の感を受ける。
その都度「日本は豊かになったものだ」と実感する。
そして「われわれもここに来るまでよく働いたものだなぁ」と思うのである。
それから「その結果便利さ以外に何を残したのだろうか」とも考える。
このような感覚は、中年以下の人には理解され難いだろう。
だが、皆が今の生活を「幸せ」と感じるためには、後世に伝えたい感覚である。
それにしても、ずいぶん山奥の寺だ。
これでも、もっと奥にあったものが、ここに引越ししたらしい。
この場所を、なぜ選んだのだろうか。
現在では理解されにくい、感覚かも知れない。
寺に残されているミイラは、天明元年(1781年)生まれの古野小市良と呼ばれたここの村民が、文化14年(1817年)断食修行の後、諸国を巡って仏道修行をし、山梨県で即身成仏したものと伝えられる。
当初は成仏した地の山梨県で保存されていたが、遺族らの要望により、明治23年(1890年)、本人の出身地の横蔵寺に移された。
苦しむことで人生の道を求めようとする、このような感覚も、現在では理解されにくい。
時の移り変わりとともに環境が変化し、世の中の感覚も変わって行く。
しかし人間は、良いものを残し伝えることが、大切なのではないだろうか。
戦争の後、過去を否定する時の流れに乗るばかりで、自らの価値観に自信を失い、若者たちの新しい価値観をリードしようとする気概が、失せていたのではと反省する。
このようなことを考えるのも、旅の楽しさの一つだろう。
店の多い谷汲山とは一味違い、ここは山村の面影を色濃く残している。
水が美しくて、夏にはホタルが舞うらしい。
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この旅行記へのコメント (3)
-
- maeさん 2007/12/23 06:27:57
- 考えさせられます。
- 即身成仏
さば街道の密教の仏陀寺を尋ねました。そこで、促進成仏された住職に祈りを捧げましたが、概念的には、軽薄な理解をしていたつもりでした。
、以下の記事を見つけました。
http://www.mikkyo21f.gr.jp/concept_key_joubutu01.html
宗教の真髄を知ることは、到底無理ですが先人は立派です。
ありがとうございました。
mae
- ソフィさん からの返信 2007/12/30 03:44:18
- RE: 考えさせられます。
- いろいろ教えていただき、ありがとうございます。
齢を重ねるに従い、判らぬことが増え、課題が重なりゆきます。
良いお年を迎えてください。
- maeさん からの返信 2007/12/30 17:19:32
- RE: 考えさせられます。
- ソフィさん 今年は大変多くの示唆を与えて厚くお礼申し上げます。
ありがとうございました。
来年も、お伺いいたしますのでよろしくお願い致します。
mae
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