2006/10/22 - 2006/10/22
11位(同エリア17件中)
まみさん
2006/10/22(日)第15日目:ブダペストから日帰りでケチケメート再訪
ケチケメート・ギャラリー、素朴派美術館、おもちゃ博物館、自由広場とコシュート広場、古い教会、聖ミクローシュ教会、写真博物館とカントナ・ヨーゼフ劇場(どちらも外観だけ)
こういう素人っぽい絵も、マスターピースとして認められているんだ───素朴派と呼ばれる絵を、フランスの画家アンリ・ルソーで初めて見たとき、まず衝撃だったのはそのことだったと思います。
しかし、すぐに納得しました。
名画たるゆえんの一般説はともかく、素朴派とくくられる絵に惹かれるわけを。
素朴派といわれる絵は、たいてい、本格的に絵を学んだことがほとんどなく、絵で生計を立てているのではなく、大人になってから独学でなんとか描くようになった画家が描いた絵です。
どこか子供が描く絵のようでいながら、大人でなけれは描けない、素人ながらも緻密な計算のもとに描かれているといいます。
やはり大人が描くからこそ、余計に感じられるのでしょうね、子供のような夢を求める心。
生活を背負った大人だからこそ抱ける、身近な世界への愛おしさ。
あるいは、がむしゃらに前だけを見て生きてきて、ふと思い出す昔の生活や過去をなつかしむ気持ち。
それらに強烈な共感を覚えるからこそ、惹かれてやまないのかもしれません。
まさしくアートは、テクニックよりも心なのだと納得させられます。
だから、素朴派と呼ばれる絵には、はずれがないと確信していました。私の好みの絵や、心のやすらぎが得られる絵が、きっとあるに違いない、と。
ケチケメートの素朴派美術館は、その予測どおりでした。いや、はずれでないどころか、大当たりでした。
この小さな美術館で過ごした40分が、この1日の最大の収穫と言ってもいいくらいです。
しかも、写真も自由に撮らせてもらえたのですから@
写真としては、作品をそのまま撮っただけのひねりのないものです。照明の反射などに気をつけながら、きれいに撮ろうと苦心はしましたけれど。
でも、実物の方がいいといっても、後で何度でも眺められる写真が手に入るかと思うと───そしてこうしてたくさんの人に紹介できるかと思うと───わくわくしました。
そこには、ケチケメート観光ではハイライト扱いされてないけれど、こんなにステキな美術館に出会えたんだよ───という、隠れたる魅力を引き出した嬉しさを自慢したい気持ちも入っているかもしれませんね@
写真を撮ってもよいかと聞いて、むしろ嬉しそうな顔をしてくれた館員さん。
彼女に勇気づけられたせいと、なによりも気に入った作品がありすぎて、調子こいて何枚も写真を撮ってきました。
これでも半分近くは撮ってしまったのではないかと思います。
そう、ほんとに小さな美術館でした。
でも、ここを訪れるために、ケチケメートに再々訪問どころか何度でも通いたいくらいです。
-
素朴派美術館(Naiv Muveszek Muzeum)
ふつうの民家のような、可愛い建物です。
Lonely Planetによると、「コウノトリの家(Stork House)」1730年建築、だそうです。
こういう家の煙突に、よくコウノトリが巣を作っていたのでしょうか。
Lonely Planet によると、オリジナルの絵を、お得な値段で買うことができるギャラリーもあるようです。 -
素朴派美術館の前にある彫刻
長細くて、味のある彫刻です。そしてなんとなく微笑ましい@
これを見て、素朴派美術館への期待が膨らみました。
この後は、美術館の作品の写真です。
気に入った作品を中心に撮りました。
タイトルは英語も併記されていました。作者もメモしました。
あとでもう一度Lonely Planetをひっくりかえしたところ、とりわけ注目すべき作者として3名挙げていましたが、その中で写真を撮ったのは、ユハーズネー・アルベルト・ロザリア(Juhaszne Albert Rozalia)のみでした。
ちなみに後の2名は、モルキー・メーザーローシュ・デゼー(Morky-Meszaros Dezso)とシュリ・アンドラーシュ(Suli Andras)で、後者をハンガリー版アンリ・ルソーと呼んでいます。 -
「クリスマス・イブ」1978年
グバーニネー・グレスカ・エリジュベート(Gubanyine Greksa Erzsebet, 1920〜1988)作
エルジュベートとあるので、作者は女性ですね。
遠近法を無視したこういう描き方もすてき@ -
「市」1939年
ガイドーシュ・ヤーノシュ(Gajdos Janos, 1912〜1950)作
こういう絵って、隅々まで眺めないと気がすみません@
どこも見どころってかんじです。 -
「花嫁と花婿」
テレク・イシュトヴァーン(Torok Istvan, 1922〜2000)作
この寸胴ぶりが、たまりません@ -
「結婚行進」1992年
ラファニネ・ハイク・カタリン(Raffaine Hajik Katalin, 1949〜)作
結婚行進もいいけど、背景の家が気に入りました。 -
「馬車」(仮題)
ゴンバーシュ・ヤーノシュ(Gombas Janos, 1910〜1994)作
タイトルは見当たらなかったので、仮につけたものです。
ほんとに、素朴な作品ですねぇ。 -
「Csikでの結婚式」1991年
ユハーズネー・アルベルト・ロザリア(Juhaszne Albert Rozalia, 1928〜)作
Csikは、村の名前でしょうか。
いかにも村の結婚式というかんじです。 -
「楽隊」(仮題)
ジュルショー・パール(Gyurso Pal, 1934〜)作
タイトルは仮につけました。作品にハンガリー語で書かれてあったのですが、残念ながら意味はわかりませんでした。
テーブルの上に食べ物があるので、宴会の席でしょうか。
宴会というには、物足りないですが。
でも、全体的に、ほのぼのとします@ -
「山上の垂訓」
オモ・ヤーノシュ(Homo Janos, 1900〜1957)作
旧約聖書にある、「貧しい人は幸いなるかな」という有名なイエスの教訓ですね。
でも、パッと見たときは、ノアの箱船かと思いました@
全体的な形から、船に乗っているように見えたので。 -
「山上の垂訓」
オモ・ヤーノシュ(Homo Janos, 1900〜1957)作
イエスを中心に撮ってみました。
五頭身あるかないかの寸胴さが可愛いですが、ちっちゃいけれど、イエスの包容力を感じさせます。 -
「収穫期の作業」
キス・アンナ(Kiss Anna, 1915〜?)作
これは織物です。染めたのではなく、最初からこのような絵になるように編んだものでしょう。見事です。
収穫しているのはブドウですね。ワインづくりもしています。絞って樽詰めしているのがわかります。
馬かロバをひいている人が手にしているのも、ワインがなみなみと注がれたコップでしょうね。 -
「結婚行進」1981年
キス・アンナ(Kiss Anna, 1915〜?)作
とても楽しそうです@
先頭では、牛車の上の人がなにかをばらまきながら、先触れのように走っています。 -
「村」1989年
ホモナル・バール(Homonal Pal, 1922〜)作
いいですねぇ。山の稜線に沿って、家や木が子供の絵のように貼り付いているところがいいです。
牛の番をしている女の子たちも可愛い@
癒しの絵です。 -
「日曜日の休息」1980年
ボロズネー・エンドレス・テレーズ(Boroszne Endresz Terez, 1919〜2002)作
女性らしい作品です。モデルはひょっとしたら作者自身、というか、作者の日常生活、かもしれません。
これは絵ではなく、いろいろ貼付けてありました。
これは、子供を抱いた女性を中心に一部だけです。
室内の様子が興味深かったのですが、全体を撮ると散漫となるので。
ガラスに蛍光灯が反射するので、撮るのがむずかしかったです。 -
「昔、あるところに」1945年
コーディ・ラズロー(Koday Laszlo)作
この絵は特に気に入りました。
タイトルからすると、過去へのオマージュでしょう。あるいは童話の中の世界への憧憬かな。
ポストカードもあったので、買いました。一枚50フォーリントでした。
(2006年10月現在、1フォーリント=約0.6円) -
「赤い鳥」1982年
ゴンケテネー・トート・イロナ(Gombkotone Toth Ilona, 1933〜)作
思わずため息のでる、ファンタジックな絵@
童話の挿絵になりそうです。
お気に入りの作品がどれか、敢えて順番をつけるなら、これが二番目です。
イロナというのも女性の名前ですね。 -
「Kaszo の森林公園」1992年
ワグネルネー・ブコンクス・マグドルナ(Wagnerne Bukoncs Magdolna, 1953〜)作
静謐な空間です。
絵の中に入って散策したい気持ちになります。
黄色く染まった木にも惹かれます。外の世界ではようやく秋がやってきたところなので、なおさら。 -
「赤い木」1985年
ゴンケテネー・トート・イロナ(Gombkotone Toth Ilona, 1933〜)作
「赤い鳥」と同じ作者の作品です。作品の傾向が似ているのですぐに分かりました。
赤い木とは、桜ではないでしょうか。
これもファンタジックな絵で、ずっと眺めていても飽きません。 -
「四季」
パタキ・フェレンツ(Pataki Ferenc, 1944〜)作
おとぎの世界だなぁと思い、タイトルを見て、ちょっと首を傾げました。
でもよく見ると、確かに四季です。一つの世界の中に四季が同居している不思議な絵@
森は、花が咲き乱れる春と、収穫の秋にくっきり分かれ、そして巨大なひまわりの前には雪景色が広がっています。 -
「生命の話」1993年
コーディ・ラズロー(Koday Laszlo, 1945〜)作
一番のお気に入りの「昔、あるところに」と同じ作者の作品です。
物語をたくさん含んだ、意味深な絵です。
過去への礼賛も含まれているかもしれませんが、日常生活や身近な普通の人たちへの作者の愛情が感じられます。
あるいは、現実が辛く苦しいから、絵の世界で夢を求めているのでしょうか。 -
「麦の運搬」1979年
ウゾニー・イムレ(Uzonyi Imre, 1941〜1990)作
今でもこのようなやり方で麦を干しているのでしょうか。
てっぺんが白っぽいのはなにかしら。
このような景色は、むしろ、ルーマニアのトランシルヴァニア地方で見かけました。ただし干し草の山はこんなに大きくなく、人の高さくらいでしたけれど。
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この旅行記へのコメント (4)
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- あじみさん 2008/06/23 10:40:07
- ケチケメート行きたくなりました
- まみさん はじめまして。
今年の8月下旬に友人と3人でハンガリー自由旅行を予定し、
情報を集めていて辿り着きました。
大変為になる情報をありがとうございます。
雑貨や野外博物館、民族舞踊など、旅先で私たちが興味を持つポイントが
同じなのが多く、とても参考になります。
ケチケメートは訪問予定ではなかったのですが、早速友人にも知らせて計画練り直します。
私の旅行記のアップはとても遅いのですが、またご報告させてもらいますね。
- まみさん からの返信 2008/06/25 04:37:02
- RE: ケチケメート行きたくなりました
- あじみさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ケチケメートはお薦めですよ。
私の旅行記を見て、行きたい気分が盛り上がったときいて、私もとても嬉しいです。
8月のプランなら、まだ変更可能でしょうか。
素朴派美術館はほんとにステキですよ。
行かれるのなら、日曜日と月曜日は避けた方がよいですね。
博物館のお休みは月曜日に集中しています。
日曜日はお店がほとんどお休みでしたからね。
ブカレストも民芸品のお店がたくさんありますが、ケチケメートのように歩いて回れる町こそ、すてきな雑貨に出会えるかもしれません。
もしアルコールが大丈夫なら。
ケチケメートでぜひ、果実酒パーリンカもお楽しみください。
すごーくアルコール度数が強いので要注意。
あじみさんのブルガリア旅行記もとても参考になっています。
ちまたにブルガリア旅行会話集ってないですからね、あのひとことブルガリア語はとても役立ちそうです@
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- noriakiさん 2007/02/04 11:13:06
- 所蔵品が立派です・・・
- まみさん
この美術館の絵画は、この美術館の所蔵品ですか?
凄いですね!
もっと広く見てもらえるように、発表すればいいのにと思います。
僕も、まみさんが訪問していなければ、判りませんでしたから・・・
- まみさん からの返信 2007/02/07 00:23:13
- RE: 所蔵品が立派です・・・
- noriakiさん、こんにちは。いつも書き込みありがとうごさいます。とっても励みになります@
これらはこの美術館の展示です。
すばらしいでしょう!
ハンガリー政府観光局のHPのケチケメート情報でこの美術館のことは目をつけていたのですが、こんなに素敵な作品ぞろいとは思いませんでした。
私もぜひ、たくさんの人に知って欲しい気持ちでいっぱいです。
癒しの絵画です。
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