2024/09/23 - 2024/10/03
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mirilinさん
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昨年の9月、フランクフルト経由でハンガリーに行ってきました。いつものアール・ヌーヴォーを中心とした美しい建物を求めての歩き倒し旅。
ハンガリーはなんと、世界で一番アール・ヌーヴォー建築が残っている国ということで、私にとっては行かない訳には行かない、訪問マストな国なのです。
ブダペストへは30年以上前、まだベルリンの壁があった頃に、唯一行ける東欧ということで、ウィーンから日帰りで有名観光スポットだけをちょこっと見て回ったことはあるのですが、もちろんその頃はアール・ヌーヴォーには興味もなく、ただ、すごい豪華な冷たい温泉に入ったなぁ…程度の記憶にとどまっていました。
今回は、1週間滞在して、ブダペストの市内はもちろん、列車で近郊の街にも足を延ばし、有名なアール・ヌーヴォー建築を堪能してきました。もちろん、ハンガリーといえば温泉ですから、歩き倒して疲れた体には何よりの温泉も2か所行ったりと、ハンガリー旅を満喫。
飛行機の乗り換えで立ち寄ったフランクフルトも、乗り換えだけではもったいないので、2泊ほどして、フランクフルト郊外のダルムシュタットにある「ユーゲントシュティール村」や、木組の家街道にあるかわいい街を訪れたりしました。
こんな楽しく充実した旅でしたが、ネットでアルバム作りをしたら、すっかり旅行記も書いた気分になっちゃって、4トラに旅行記をアップするのをすっかり忘れてしまっていました。
今年、ヒョンなことからハンガリーに再訪することになり、旅行記を確認しようと思ったら、表紙の写真を貼ったものだけが下書きに残っていました(笑)
昨年の旅行記は諦めて、先日行ってきた再訪のものだけを書こうかと思ったのですが、前回がないと続かない感じもしたので、今更の思い出し旅行記にはなりますが、サクッと書いておこうと思った次第です。
モチロン、先日行ってきたものも近いうちに書くつもりにしておりますが、まずは昨年のものから…
【4日目】
ブダペスト3日目は、ブダペストから地方都市への日帰り旅。あの「レヒネル・エデン」による美しい市庁舎があることで有名な「キシュクンフェーレジハーザ」と「ケチュケメート」へ向かいます。
本当は、アール・ヌーヴォー建築がいっぱいあるセゲドに行くつもりで色々調べ、駐日ハンガリー大使館の方にまでいっぱい情報をいただき、完璧な計画を立てていたのですが、出発の1か月ほど前に計画の最終確認をしていたら、列車が線路の工事のためセゲドまで行かず、手前の駅から代替バスに乗り換えが必要となり、なかなかハードルが上がってしまったのです。どうしたものかと悩んでいたところ、同じ路線上の手前にある「キシュクンフェーレジハーザ」と「ケチュケメート」にも素敵建築があることを思い出し、急遽計画を変更したのです。
「キシュクンフェーレジハーザ」(絶対覚えられない市名)の市庁舎は、「ハプスブルグ帝国のアールヌーヴォー建築」という「小谷匡宏」氏の本で見て興味を持っていたところ、この4トラで勝手に師匠とさせていただいている方の旅行記でもみつけて、いつか行きたいと思っていたところで、「ケチュケメート」の市庁舎は、あの「レヒネル・エデン」によるものであり、見逃せない街だと思っていたので、セゲド行きを変更しても全く遜色ないよねってことになりました。(ただ、今年リベンジでセゲドに行ってきましたが、セゲドは桁違いに素敵な建物がいっぱいありました 笑)
*************** 日 程 ***************
9/23(月) 羽田発→フランクルト着
9/24(火)フランクフルト発→ブタペスト着 セーチェニ温泉
9/25(水)AM 動物園、シペキ邸、ミレニアムハウス、音楽の家
PM セーチェニ鎖橋、国会議事堂
★9/26(木)ブダペスト西駅→キシュクンフェーレジハーザ→ケチュケメート
9/27(金)AM 聖ラースロー教会、郵便貯金局などホテル北側建物群
PM 中央市場、ゲレルト温泉
9/28(土)聖イシュトバーン大聖堂、ブタペスト地質学研究所、英雄広場周辺建築、
リストフェレンツ音楽院、ドナウ川ナイトクルーズ
9/29(日) 応用美術館、パリジパサージュ、オットーワーグナーシナゴーグ、
マーチャーシー教会、漁夫の砦、ブダ城、国立歌劇場、改革派教会
9/30(月)ヴァーチィ通り南アール・ヌーヴォ建築
ブタペスト発→フランクフルト着
10/1(火)フランクフルト→イトシュタイン→リンブルク→フランクフルト
10/2(水)ダルムシュタット、 マルクト広場
フランクフルト発 20:45→
10/3(木)羽田着 16:45着
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
なんとも閑散とした駅からのスタートです。
でもここは、ブダペストの交通の要所でもあるデアークフェレンツェ広場にある地下鉄駅。朝7時過ぎなんですが、人がいなさすぎですね。
列車の出発するブダペスト西駅へは、ここからM3で2駅です。 -
ブダペストの地下鉄は1号線(M1)から4号線(M4)の4路線ありますが、このM3が一番きれいな感じがします。
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朝のブダペスト西駅前。
大きな国鉄駅ですから、さすがに人がたくさん行きかっています。ブダペスト西駅 (ニュガティ パーイアウドゥヴァル) 駅
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ガラスと鉄骨で作られたアール・ヌーヴォー建築としても有名な駅です。
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大きな発着案内の電光掲示板。青が出発、緑が到着です。
この駅は奥に深くて、この屋根のある部分はほんの一部です。 -
私が乗るのはこの列車。7:50発のIC712です。ICとはインターシティーで特急列車なんですが、見た目は貨物列車みたいですね(笑)
基本的に出発するホームは出発の30分ぐらい前にならないと決まりません。でも、始発の場合は、ホームが決まるころには列車はホームに来ていて乗り込めます。 -
最初に行く「キシュクンフェーレジハーザ」までは1時間半ほど乗るので、1等車にしました。それに…これが驚きなんですが、ハンガリーでは外国人であっても65歳以上は鉄道の乗車料金が無料なんです。バスや地下鉄、トラムはもちろん、このような2時間、3時間乗るような長距離列車もです。1等車に乗る場合は、1等料金と座席指定料金だけかかります。2等車だったら全くの「タダ」。
見事に相方はこの恩恵にあずかったので、往復800円もかからず1時間半の特急旅でした。←ずるい -
ハンガリーは衛生観念が高いのか、比較的どこも清潔ですが、この列車のトイレもとてもきれいでした。
ビッフェコーナーもありました。 -
車内では液晶のモニターで、次の停車駅、到着予定時間などが表示されます。
何分遅れかもちゃんと出てます。絶対遅れますから(笑)
9分遅れで次の「キシュクンフェーレジハーザ」に着くと表示されていますが、9分しか遅れないなんて、もはや定刻です。 -
ということで、9分遅れの9:36に「キシュクンフェーレジハーザ」駅に到着しました。
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駅のホールはクリーム色の天井と壁で、柔らかな雰囲気です。
ここも人がいませんね。 -
駅から目的の市庁舎は歩いて15分ほど。駅前からまっすぐ伸びる、この大きなコブのある木が続く並木道「コシュート・ラヨン通り」を歩いて行きます。
この並木道は車道を挟んで2列平行にまっすぐ伸びていて、とても美しく印象的です。1912年から5年かけて整備されたとか。
このコブのある木はプラタナスで樹齢100年以上の木もあるそうです。 -
並木道の周りにも、美しい家や教会、公園などが次々と現れて、飽きる暇がありません。
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と、見えました~。憧れの美しい市庁舎です。早歩きで来たので、15分かからずに着いちゃいました。
首都ブダペストから特急で1時間半ちょっと、ハンガリー中部の人口3万弱の街には立派すぎる、華麗すぎる市庁舎ですよね。え?失礼? -
この市庁舎は、1909年から11年に「ヴァス・ヨージェフ」の設計で建てられたもので、コンペによりこの設計案を採用したのは、あの「レヒネル・エデン」だったそうです。建設中に「ヴァス・ヨージェフ」が戦死したことから、その後「モルヴィッツェル・ナーンダール」が指揮し、「メルプル・アーノルド」によって進められ完成させたそうです。
レヒネル様式またはマジャール様式と呼ばれる、ハンガリー独特の見事なアール・ヌーヴォー様式のこの建物は、その華やかさから「平原の花」と呼ばれ、象徴的な建物として市民の宝となっているそうです。 -
ここの市庁舎は事前に連絡しておくと、内部見学をさせてくれるということだったので、日本から事前にメールしたところ、「いらっしゃるのをお待ちしています。到着予定時間を教えて下さい」と、とても親切なお返事が届いてびっくり。
アニタさんというイタリア出身の担当者がご案内しますとのことでした。
と言われても…英語の理解力は中学生程度なので、あまり熱心に案内されてもと思い、英語もハンガリー語もできないけどと伝えると、「大丈夫!」と。ホンマかいな。ちなみにこのメールのやり取りはもちろんグーグル先生にお頼りしました。 -
この塔は45メートルあるそうで、市庁舎のアクセントになっていますが、当初の予定では計画されておらず、建築を引き継いだ「モルヴィッツェル・ナーンダール」の設計で加えられたものだそうです。ナイスジョブ!
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ファサードを飾る装飾は、マジャール様式のかわいらしい花柄。ハンガリーの代表的な伝統工芸のカロッチャ刺繍のようです。お土産屋さんに並ぶテーブルクロスやブラウスなどで見るあの美しい花柄の刺繍です。
そしてこの草花模様は、ハンガリーが誇る工房ジョルナイのセラミックでできています。屋根の美しいモザイク柄も、もちろんジョルナイ陶器です。 -
いや~窓のデザインも可愛いですね~ ←相変わらずの語彙力不足
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なんて愛らしいんでしょうか。
時計の周りも飾られているので、時計が目立ちませんね。 -
ファサードの最上部には、市の紋章がついています。
アーチ型の市門を守るクン族の戦士だそうです。 -
ファサードの装飾も、同じように見えて、微妙に違うデザインなんですよね。
最上部の市の紋章も、兵隊さんのデザインが違うんです。 -
エントランス前の石畳にも紋章がありました。
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市庁舎入り口です。
木の扉のデザインもいいですね。 -
扉を開け中に入ると、さらにかわいい空間が広がっています。期待を裏切りません。
写真には写っていないのですが、なんと中に入ると十数名の学生さんとともに、私たちの対応をするとメールをくれたアニタさんが待っていました。
どうやら、この学生のグループを私たちと一緒に案内することにしていたようなのです。そうとは知らない私たち、時間をきっちり約束したわけでもなかったので、のんびり外観の写真を撮ったりしてから行ってしまいました。
私たちは言葉もよくわからないから、個人で内部を見学して写真を撮れればよかったので、その旨伝えると、一応一緒に案内して回るけど、その後また自由に見学していいとのこと。なんて親切なの。 -
エントランスホールの天井には、かわいらしい装飾と照明器具がありました。
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学生のグループと一緒に階段を上がって2階へ。
この階段の手すりの装飾が、またまたキュートなんです。 -
踊り場の窓の装飾も手を抜いてません。美しい…。
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そしてこちらが2階の議場です。
もうそこはどこかのテーマパークですか?と聞きたくなるようなラブリーさ。
デコレーションケーキの飾りのような天井や壁にうっとり。
でも議場ですから、どっしりとしたオーク材の机といすが、威厳のある議長席を囲んで半円形に整然と並んでいます。この椅子は建設当時のままだそうで200席あるそうです。
アニタさんの説明を、学生が熱心に聞いてますね。おばちゃんは写真撮りまくってましたが…。 -
議長席の背のハンガリーの国章が、威厳を見せてます。
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議長席に座ると、議場がこんな感じに見えます。
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議場入り口の扉の装飾もマジャールしてます。
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こんなラブリーな装飾を、おじさんたちが考えたのかと思うとビックリです。
とにかく細部に至るまで、これでもかとラブリーに仕上げているんですよ。 -
まずは窓ガラス。何をモチーフにしているのかわかりませんが、美しく装飾されています。
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そして照明器具も、豪華なシャンデリアも小ぶりなペンダントライトも素敵。ライトを吊り下げる土台の装飾がまたきれいなんですわ。
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どうですか、このラブリーさ。まさに砂糖菓子。
今風でいえば、「キュン」です。 -
おとぎの国のお姫様のお部屋のようでしょ?
でも、ハンガリーのおじさんのデザインですから(笑) -
議場を見た後、市庁舎の塔に登りました。
細い木の階段を上っていくのですが、屋根組の様子が見えたりして、なかなか面白かったです。
そして、塔からの眺めがこちら。南側です。 -
そしてこちらはその反対側、北方向です。
屋根のジョルナイセラミックのモザイクが間近で見られるのが嬉しいです。 -
これは東側に広がる公園方向です。聖母被昇天教会の53メートルの塔が見えます。
この公園は、1848年に「ラヨシュ・コシュート」が有名な演説を行った場所とのことで、プレートが埋め込まれていました。
右下に見える白壁の建物は、1820年に建てられ、市場として使われていた後、今は公立図書館となっているそうです。壁に白鳥のレリーフがあるので、「スワンハウス」と呼ばれているそうです。 -
西側の窓から見たファサード上部の装飾です。
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塔から降りてきて、見学ツアーは解散となったのですが、そのあとアニタさんが特別にもう一度議場の鍵を開けて、ゆっくり中を見学させてくれた上に、正面のテラスにも出してくれたり議長席に座らせてくれたり…写真もいっぱい撮ってくれました。
そしたら、帰国後少ししてメールが届き、キシュクンフェーレジハーザのフェイスブックにお二人の訪問を載せたので見てくださいとのこと。びっくりして見てみたら、日本からカップルが見学に来たと、数枚の写真と共に載っていました。
顔出しはマネージャーを通してくれないとなんだけど、親切だったからOKです(笑)私このたび世界デビューを果たしました~ -
市庁舎のお向かいに立つこの建物は、1910年に「カルヴァリー・ジュラ」により建てられた「旧貯蓄銀行」の建物です。
今は、ドラッグストアーみたいです。 -
駅に戻る道で、面白い標識発見。
馬車の絵が描いてあるんですが、これは何の標識だと思いますか?
後で調べたら、「馬車・牛車通行止め」だそうです。日本では絶対ない標識ですよね。 -
次に向かう「ケチュケメート」への列車の時間まで1時間ほどあったので、ちょっと早めですがランチタイムにすることにしました。
道沿いにあるパン屋さんで、ハム卵サンドと紅茶です。
私のヨーロッパ旅行の定番のランチかな(笑) -
「ケチュケメート」へは12:15発の普通列車で向かいます。乗車時間は20分ほどなので、2等です。2等でも十分きれいで、乗り心地も悪くありません。若い青年が近くにいたりして、楽しいです(笑)
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いかにもヨーロッパの列車の駅といった感じですよね~
駅のホームから線路を普通に渡って駅舎に向かう感じ。結構好きです。
ただ、列車に乗るときに段差の大きなステップを3段くらい上がらなくちゃならないのが玉に瑕。スーツケースを持っての移動はちびっこにはつらいんですよね…。 -
ケチュケメートの街も駅からまっすぐ伸びる並木道「ラーコーツィ通り」を10分ほど歩くと、素敵な建物がたくさん立っている中心街に到着します。
これは中心街の「サバドジャーグ(自由)広場」に面して立つ「旧シナゴーグ」です。
1864年から1868年に、「ヤーノシュ・ジッターバート」の設計で建設されたムーア様式の美しい建物です。今は科学技術会館として使われているそうですが、かつてはケチュケメートの文化活動の中心的存在だったとか。 -
旧シナゴーグと道を挟んだ向かい側に立っているのが、ケチュケメートを代表する有名建築、その名も「Cifra Palace 装飾宮殿」です。
裕福なユダヤ人(商人)用のカジノとして1902年に「マールクシュ・ゲーザ」によって建てられました。
残念ながら改修中で、屋根以外は覆われていたのですが、その覆いはオリジナルのファサードを忠実に再現しているそうで、いかに観光の目玉にしているのかがわかります。実際、無味乾燥なシートで覆われてしまうよりも、建物の雰囲気は十分伝わりますよね。現在は「カトナ・ヨージェフ美術館」のギャラリーとなっているそうです。
改修が終わったら、美しくなった姿を是非見たいです。ケチケメート ギャラリー 博物館・美術館・ギャラリー
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この建物は、波打つ壁、植物や動物を描いた民族模様モチーフや、輝く屋根瓦などに使われているジョルナイセラミックの美しさが特徴的です。
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そして屋根の上の煙突?は、バルセロナのガウディ建築のキノコ型煙突に似ていて、めちゃくちゃかわいらしいです。
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足場で覆われた入り口です。中の展示会場はやっているみたいでしたが、中には入りませんでした。
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装飾宮殿の向かい側の「自由広場」に立つこのユニークな建物は、「カルビン派のギムナジウムと法学校」です。1913年に27歳の「メンデ・バレール」の設計によって建てられました。今も「カルビン派大学の初等・中等グラマースクール」として使われています。
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これは自由広場側から見た正面ですが、全長90m、3階建てのこの建物は、見る位置によって全く違う表情を見せてくれます。
この建物は「メンデ・バレール」の率いる「ヤング・グループ」の建築コンセプトの重要な要素の一つ民族建築の形態と素材、そしてロマネスク様式の簡素な形態を採用し、主にトランシルヴァニアの民族建築、ドイツ風ユーゲントシュティールそしてフィンランドの国民的ロマン主義の影響を融合させています。 -
そしてこちらは一番奥側から見た建物です。
茶色の石の台座、白い漆喰の壁そして赤い瓦屋根が、なんとも温かみのある美しい外観を醸し出しています。 -
建物のあちらこちらの装飾も見逃せません。
華やかな装飾などがないのがカルビン派ですが、ハンガリーのアール・ヌーヴォー建築の巨匠の設計ですから、窓や扉などにおとなしめでありながらの美しい装飾が施されています。 -
同じく自由広場に立つこの教会は、市内最古の建物とされる「聖ニコラス教会」です。13世紀後半から14世紀にかけてロマネスク様式で建てられたのち、幾度かの改築を経て、18世紀に現在のゴシック様式になっています。
街の守護聖人である聖ニコラスの祝日の日没時に、主祭壇を照らすという中世の慣習に従ったデザインになっているそうです。 -
「聖ニコラス教会」のお向かいに立っている立派な建物が、ケチュケメートの誇る「市庁舎」です。
市庁舎の前の自由広場には、ハプスブルク帝国からのハンガリーの独立を宣言したハンガリーの英雄「コシュート・ラヨシュ」の銅像が立っています。Kecskemeti Varoshaza(ケチケメート市庁舎) 建造物
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この市庁舎は、「レヒネル・エデン」と「パルトシュ・ギュラ」の設計によるもので、マジャール・アール・ヌーヴォーの真髄とされています。
1893年から2年半の年月をかけて作られ、面積5,534平方メートル、174の部屋を有する大きな建物は1895年に完成しましたが、式典ホールは1897年にようやく開館したそうです。建物の様式は、フランス・ルネサンス建築とハンガリーの民芸の要素が融合しています。 -
ファサード中央の最上部にはハンガリー建国の父アルパードの像があります。
そしてその下にはケチュケメートの市章の陶板が掲げられています。市章がヤギさんなのですが、市名の「ケチュケ」は「ヤギ」の意味だそうで「地区」の意味の「メット」と合わさって「ケチュケメート」となったそうです。
ファサードを飾るセラミックの美しい飾りは、もちろんジョルナイ。レヒネルの建物ですからね。建築開始年の1984の文字も時計の横に並ぶ陶器に刻まれています。 -
そして、この屋根瓦ももちろんジョルナイセラミックです。
レヒネルが装飾にセラミックを選んだのは、もちろんジョルナイセラミックの美しさあってですが、それに加えて、耐久性があり、汚れたら洗い流せるといったメンテナンスのし易さという実用面もあったそうです。 -
市章以外にも、壁面のあちらこちらにセラミック製の美しい飾りがちりばめられていました。
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事前に調べていた時には、市庁舎はピンク色をしていて目立つとのことだったのですが、2023年に完全修復が終わり、壁面はピンクというより落ち着いたベージュ色になっていました。
2階のバルコニーには、1983年から3オクターブの音域で鳴らされているカリヨンが設置されています。37個の鐘が12時5分にハンガリーの古典音楽(コダーイ、エルケル)、18時5分にヘンデル、ベートーベン、モーツァルト、20時にハンガリー民謡を奏でるそうです。 -
この市庁舎には、市庁舎に付き物の「塔」がありません。
レヒネルは、市庁舎の並びにマジャール平原最大の「ケチュケメート大聖堂」があり、その高さ73メートルの塔が隣にそびえていることから、市庁舎には塔は不要と考えたそうです。その代わりに、建物ファサード中央部を高く作ったとのこと。
さすがのセンスですよね。塔が乱立したら、お互いの良さを殺しちゃいますから。 -
こちらは、市庁舎を「レヒネルエデン通り」側から見た様子です。
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これも市庁舎です。あの華やかなファサードの裏側なんですが、一瞬ほかの宮殿かと思っちゃいました。
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市庁舎入り口のアーチ部分です。
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このアーチの天井部分は、とても色鮮やかで華やかでした。
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市庁舎の中から、美しいアイアンでできた扉越しに広場を見ると、まるでレースのカーテン越しに見ているかのようです。
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この1階のエントランスホールまでは普通に入れるのですが、この先は事前予約したグループの見学ツアー参加者以外は入れません。
「壮麗なフレスコ画が飾る豪華な大広間」が有名なんですが、残念ながら見られませんでした。
でも、このエントランスだけでも、とても素敵です。 -
扉全面を彩るステンドグラスは、外光を美しく変化させていました。
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大広間はこの階段の先にあるのかな…
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市庁舎の隣の「ケチュケメート大聖堂」は、絶賛修復中でした。
この73メートルの塔からは、ケチュケメート全体が見渡せるそうです。
修復後のオープンが待ち遠しいですね…。って行けるのか私? -
この建物は、「カルビン派のギムナジウムと法学校」の自由広場を挟んだ反対側に立っている「ルター宮殿」です。「カルビン派のギムナジウムと法学校」とよく似ていますが、それもそのはず同じ建築家の「メンデ・バレール」が同時期の1911年に手掛けたものなのです。ここはかつてルター派の集合住宅だったそうです。
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このピンクと白のラブリーな建物は「旧農業銀行」で、1909年に「コルブ・フローリシュ」と「ギエルグル・カールマーン」によって建てられたものだそうです。
ただこの建物、グーグルマップでは「Sajtóház-Dom štampe(プレスハウス)」と書かれているんですが??? -
エントランス扉のデザインの美しさ!大好物です。
「自由の家」と書かれていますが、自由広場に面して立っていますし、ハンガリー解放の象徴的な建物の一つなのかもしれません。←あくまでも個人的憶測 -
これも自由広場に面して「旧農業銀行」の隣に建つ「ハンガリー国庫株式会社」の建物です。色合いがお気に入りです。
-
これは「市民カジノ」として1911年に「ジャンスキン・ベーラ」と「ジベッシ―・ティボール」によって建てられた建物です。
ラーコーツィ通りの自由広場に面した角地にユダヤ人(商人)用のカジノ「装飾宮殿」が建てられましたが、裕福な商人のためのカジノだけでなく、一般市民のカジノも必要だとして、同じくラーコーツィ通りに建てられたとか。
でも…なんだか金持ちと庶民の格差を建物だけで感じちゃうのは私だけでしょうか。 -
ケチュケメートの建物巡りを終え、駅に戻ってきました。
実はまだいくつか見られなかったところもあるのですが、再訪できることを信じて、その時のお楽しみです。 -
このケチュケメート駅、実は地元の名士であり世界的な音楽家の「コダーイ」のお父様が駅長さんをしていたそうで、一家でここに住んでいたとか。なんと「コダーイ」もここで生まれたそうなんです。駅が生家の音楽家というのも面白いですね。
-
ケチュケメートからは14:48発のIC735でブダペストに戻ってきました。
今夜のディナーはホテル近くのトルコ料理のレストラン。←単に指差しで注文できるシステムだったから
新鮮な野菜サラダに惹かれました(笑)
量が多くて苦労しましたが、味は悪くなかったです。 -
いつもはホテルの窓から見ている「聖イシュトバーン大聖堂」のライトアップですが、今日は外食をしたので、じっくり全景眺めながらホテルに帰りました。
夜の静けさの中に輝く大聖堂は、また違った厳粛な雰囲気がありますね~。
今日は小旅行でしたから、明日は少しのんびりスケジュールにして温泉も行っちゃう予定です。楽しみだな~
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この旅行記へのコメント (2)
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- 尚美さん 2025/12/01 13:14:56
- 再訪したい気持ちが大きくなりました
- mirilin様、ブダペストから日帰りでケチケメートとキシュクンフェーレジハーザに行かれたんですね。丁寧に撮られた写真を見せていただき、懐かしい思いでいっぱいです。写真上手ですね。
私も同じですが、日帰りは駆け足見学になってしまいますよね。私など、キシュクンフェーレジハーザ駅から市庁舎往復爆走しました。
ゆっくり見学したいです。私の最後の旅はブダペスト2週間と決めているので、その時にそれぞれの街の見学に時間をかけて見学できたらなぁ。
乗られた列車は電気機関車で、電車とは違い先頭の車両のみの動力で引っ張る方式のようです。日本では旅客列車としての使用は終了しましたが、貨物列車としては生き残る可能性があるらしいですよ。
旅行記の続きも楽しみに待っています。この後今年もハンガリーに行かれたんですよね(カメラは無くされたようですが(:_;)次はどこに行かれるんでしょうか?ルーマニア?前の前のmirilinさんの旅行記にコメントさせてもらいましたが、私も来年GWに3度目のルーマニアです。今、旅程の細部を考えています。
では。
尚美
- mirilinさん からの返信 2025/12/01 20:47:52
- Re: 再訪したい気持ちが大きくなりました
- 尚美師匠!
またまたコメントいただき感謝です。
そして、ルーマニアの「ルーマニアトータルサービス」さんもさんも教えていただきありがとうございます。
ルーマニアは情報が少ないので、行きたくてもめちゃめちゃハードル高くて二の足も三の足も踏んでいたのですが、ちょっと希望の光が見えてきました。
あっちもこっちも行きたいので、結局駆け足、食事抜きの見学になっちゃうのが、悲しい性です(笑)
その反省から、今年はジョルナイ工房をゆっくり見たくてペーチに1泊で行ってきたのに、写真もいっぱい撮ったのに(泣)
私は今年2回も長期間の一人旅をしてしまったので、来年はおとなしくしておこうかと、今のところ明確な予定は立てていないのですが、旅の計画がないと息苦しくなるので(笑)、近いうちに計画始めちゃいそうです。
写真リベンジのハンガリーか、憧れのルーマニアか、今年せっかく行ったのに見られなかったナンシーの博物館か…迷いに迷います。
尚美さんの行動力、大尊敬です。GWのルーマニア…私をスーツケースに入れてってくださ~い。
これからも、いろいろ教えて下さいね。
では、旅行記の続き、頑張ります。←ちょいと息切れしてきました。。。
mirilin
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