1994/09/03 - 1994/09/10
5213位(同エリア6775件中)
まゆままさん
ローマの街は驚きと感動の劇的空間!そんな今日のローマを主に演出した人物はベルニーニに他ならないのだ。
ベルニーニの作品はローマのあちこちにあふれている。広場の噴水や街の教会、教会内部の装飾や彫刻。それらは見る者をあっと驚かせるような仕掛けや工夫がなされている。
ベルニーニは人を驚かせたり、楽しませたりするアイデアを考える天才であっただけでなく、与えられた悪条件を克服し、それを最大限に生かして美しい作品に転化するというすばらしい才能の持ち主であった。
そんなベルニーニの作品を一つ一つ丁寧に観て回ると彼の偉大さがひしひしと感じられ、そしてふと気づくと彼が仕掛けた罠にいつのまにかどっぷりつかっている自分がいる。
ボルゲーゼ美術館、サン・ピエトロ寺院にも彼の作品は数多くある。
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幼児ゼウスに乳を与えるやぎアマルテア(ボルゲーゼ美術館)
長い間誤って古代の作品と考えられていたが
ベルニーニの最初(10歳)の作品である。
とても10歳の少年が作ったとは思えぬような
作品だ。
想像していたより大きな作品でびっくり。 -
プロセルピナの略奪(ボルゲーゼ美術館)
物語のクライマックスの瞬間を捉えようとした絵画的な彫刻。
指がくいこむところの肌の表現は大理石とは思えない質感がある。 -
アポロとダフネ(ボルゲーゼ美術館)
ダフネの体は空中に浮遊しているかのようで独特な動感と浮遊感があり、ベルニーニの技巧は
彫刻の限界を超えているように見える。
すごく臨場感がある作品だった。 -
真実(ボルゲーゼ美術館)
ベルニーニが世間へ、自分が着せられたぬれぎぬを
はぐために作った私的な作品。自分の得意な彫刻で
自分の意思を表現した。
この作品からはベルニーニの強い意志が感じられる。 -
シピオーネ・ボルゲーゼの肖像(ボルゲーゼ美術館)
ベルニーニを育てたボルゲーゼ家の当主の肖像であり、肖像は生き生きしてベルニーニの親愛の情があふれている。
その他ボルゲーゼ美術館には以下のベルニーニの作品がある。
ダヴィデ
エネアとアンキーゼ
トロイアを逃れるアエアネス、アンキセスそしてアスカニウス
パウルス5世の肖像
ルイ14世の騎馬像(テラコッタのモデル)
自画像
モントーヤの肖像 -
バルダッキーノ(サン・ピエトロ大聖堂)
聖ペテロと主祭壇をおおうブロンズの天蓋。
広大なドームの空間に完璧に調和しながら独自の存在を主張している。バロックの精神を最も良く表わした最初の傑作である。 -
カテドラ・ペトリ(サン・ピエトロ大聖堂)
後陣の聖ペテロの司教座を中心とした装飾。
ベルニーニの制作活動の総決算ともいえる大作。
バルダッキーノがカテドラの額枠となるように
工夫されている。 -
スカラ・レージア(サン・ピエトロ大聖堂)
壁と壁の間隔が平行でなく、狭い不規則な空間であったが階段の両脇に円柱を立て、下の方は円柱を壁から離し、上に上るにしたがって壁少しずつつけてゆき同時に天井の高さも少しづつ低くするという解決策で階段をより立派に広く見せている。悪条件を克服したすばらしい作品。 -
ウルバヌス8世の墓(サン・ピエトロ大聖堂)
教皇の記念像と二体の寓意像から構成されそれぞれの像はドラマティックな動きがある。
死の象徴である棺や骸骨などはバロック的な趣向の演出。
その他サン・ピエトロ大聖堂には以下のベルニーニの作品がある。
アレクサンデル7世の墓
サクラメント礼拝堂
コンスタンティヌス帝の騎馬像
私の子羊を飼いなさい
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この旅行記へのコメント (2)
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- Luceさん 2008/09/11 00:34:41
- ベルニーニ!ベルニーニ!
- まゆままさん、こんばんは♪
ローマ旅行記を興奮しながら拝見しました!
私も「ベルニーニ〜バロック美術の巨星」持ってますよ〜
この作品集はいいですよね。
噴水をテーマにローマを巡るなんて面白いですね。
確かにローマには噴水がたくさんあったのが印象的でした。
日本ではあまり見かけないですもんね。
ティヴォリのヴィッラ・デステも行きましたよ〜
緑と水のコラボが素敵な場所だったのを覚えています。
まゆままさんはたくさんの教会にも行かれたんですね。
私はサン・ピエトロ大聖堂ばっかり通っちゃって
あまり他の教会は見なかったんです。
今思えばとーーっても残念なことをした・・・
美術館はお金を払わないと入れないけど
教会はフリーなのに美術品がザックザクですもんね。
ベルニーニ様の作品はやっぱりいつ見ても鼻血モノの素晴らしさですね!
本当に繊細で美しい・・・
「プロセルピナの略奪」の指が食い込む肌はすごい!
これホントに大理石?とじっと見つめてしまいました。
サン・ピエトロ大聖堂のカテドラ・ペトリも素晴らしいですよね。
神様はいるんだろうな〜と思わずにはいられない荘厳な雰囲気。
祈りを捧げたくなってしまいます。
興奮してまた長文になってしまいました(笑)
ごめんなさいね(^_^;)
すごく楽しい旅行記でした。
またお邪魔します!
Luce
- まゆままさん からの返信 2008/09/11 21:32:06
- RE: ベルニーニ!ベルニーニ!
- Luceさん、こんばんは〜!
ローマ旅行記見ていただき、書き込みうれしいです!
Luceさんも石鍋氏のベルニーニの本、お持ちなんですね!
この本はほんとにベルニーニの全作品網羅されてていいですよね。
当時はかなり活用させてもらいました〜
噴水は初めてローマへ行った時にすごく興味を持って、
噴水の装飾自体も興味深かったんですが、広場と噴水がローマの街のあちこちにあって、そこがみんなの憩いの場となってる光景にも感動しました。
それで二度目に行った時にはできる限りいろいろな噴水巡りをしたいな、と。
石鍋氏のおかげであまり知られていない噴水まで見ることが出来て感激しました。
教会はほんとに、彫刻や絵画などが建物と一体となって、ある意味、美術館よりよい環境で生かされた作品が見れるのが醍醐味ですよね。
Luceさんはサンピエトロ大聖堂へよく行かれてたんですね!
ベルニーニ作品も目白押しで見どころいっぱいなのでいくら行っても見足りないくらいですよね。
ほんとに天にも昇っていくようなカテドラペドリとバルダッキーノのコラボがまた素晴らしいです〜!
私が最も感動したのは与えられた悪条件を最大限に生かして、それを美しい作品に転化させること、困難を創造のバネにする、というベルニーニの建築や彫刻に対する姿勢です。
その中で見る人をあっと驚かせたり、楽しませたりする仕掛けが作られているサービス精神旺盛なベルニーニの作品とそんな仕掛けがあちこちにちりばめられてるローマの街が好きです。
ローマへの旅は私のこれまでの旅人生の中でも至福の頂点を極めた旅の一つと言っても過言ではない(大げさ?!笑)くらいで・・あの頃の熱い思いを再び思い起させてもらってありがとうございます〜
はっ・・・ちょっと熱くなりすぎたかも(汗)
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