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 中央アジアの民族は、ロシア系は別として、次のように言われている。カザフ人とキルギス人はどちらかと言えば、モンゴルや日本的な薄い顔、ウズベク人はカザフ人とトルコ人を足して2で割ったような顔立ち、そして中央アジアで唯一のペルシア系のタジク人はホリが深く、女性は大変美人な人が多いと。その中でもキルギス人というのは、何処となく田舎臭さが残っている。それがまたキルギス人に対する親近感を生んでいる。田舎臭さは町にも反映されている。アルマトイのように都会染みさがなく、高層建築も殆どない。キルギス人がカザフ人に近い存在であるせいか、ビシュケクは一国の首都というよりむしろカザフスタンの地方都市という感がある。<br /><br /> しかしながら高層建築がないお陰でビシュケクの市内中心から万年雪に覆われたアラ・トー山脈を望む事ができ、山脈は風光明媚な景色を演出している。特に町の北側のホテル・ドゥストク付近に位置する勝利広場から街の南を眺めると、景色を邪魔する建物が少なく、美しい山脈を望むことができる。<br /><br /> この勝利広場には無名戦士が弔われているのだろうか、炎が灯されており、絶える事なく花束が捧げられている。夏の日曜日ともなると勝利広場には、結婚式を終えた多くのカップルが友人・家族を連れ添って引っ切り無しにやってくる。彼らは広場の手前に何台にも渡ってクラクションを鳴らしながら車で乗りつける。キルギスはイスラム教のスンニー派の人達が大半を占めるにも拘わらず、女性はウェディングドレス、男性はタキシードもしくはスーツを身に纏っている。但し男性はキルギスの伝統文化に拘りがあるようで、大抵キルギスの民族衣装の一つカルパックという帽子を被っている。アンバランスな着こなしだが、皆何処かしらにキルギスの伝統への畏敬や強い拘りをかんじる。<br /><br /> 新郎と新婦が灯火のモニュメントに花束を捧げる光景を旧ソ連でよく見かけるが、家族や友人を従え、従うものは新婚のカップルが灯火に花束を捧げるまで静かに待つ。灯火に花束を捧げるその姿はとても神秘的で、その光景は結婚式とは全く関係のない自分が見てもとても感動的だ。<br /><br /> そして花束を捧げ終わると、誰からともなく歌が歌われ、南側のアラ・トー山脈を背景に記念撮影をする。撮影が終わると勝利広場から離れ、再び車に乗り込み、家族や友人達はクラクションを鳴らしながら幸せの門出を祝いながらその場から去っていく。夏の日曜日にビシュケクに訪れた旅人は、特に16時ごろ(涼しくなるので)、この勝利広場に訪れ、幸せな二人を影ながらでも祝福してあげて欲しい。キルギスの将来を支える若者たちの新たな門出なのだから。<br /><br /> ビシュケクの夏の日中はとても日差しが強く、気温も30℃を超える。チュイ大通りに面するアラ・トー広場の噴水では子供ばかりでなく、大人まで噴水の中で水浴び遊びに興じている。日本では衛生面から噴水の中で遊ぶことは大抵禁止されているが、キルギスではお構いなし。しかしそれが本当の姿なのかもしれない。暑いから避暑のために水に入る、しかも大人までもハシャイでいる姿をみると、自己責任で日本も解放するのも良いのでは?と思ってしまう。三年前に訪れた時は真冬だったせいもあり、キルギス人が日焼けをしている記憶になかったがキルギス人達は皆こんがりと日焼けして健康的だ。<br /> <br /> 気温が高くとも、日本や北京のようにジットリしたあの不快感な湿度がないぶん大変過ごしやすい。ビシュケクは5000メートル級の山々を頂くアラ・トー山脈の麓の町、万年雪のある山脈から吹き下ろすからだろうか、木陰で過ごすとその暑さも何処へやら、植樹された遊歩道のベンチに座っていると冷房に当たっているのかと錯覚を覚える程ヒンヤリとした風が木々の間を通り抜け、時に肌寒ささえ感じる。<br /><br /> 日中かなり暑い反面、夜中から明け方にかけては町中でさえ肌寒さを感じることがある。八月の晴れた朝でも気温が14℃まで下がることもある。ビシュケクでは八月だというのに、もう枯れ葉が舞い始め、植樹された遊歩道にはドングリが落ちている。ビシュケクの8月は大阪や東京での9月下旬から10月初旬に相当するのかもしれない。ビシュケクの夏は短く、そして秋は更にあっという間に過ぎていく。そして長く厳しい冬が訪れ、雪に覆われてしまう。何と儚い夏なのだろうか。日本では夏本番だという8月中旬だが、ビシュケクではもう冬が直ぐ迫っている。夏の出来事はキルギス人からすると一夜の夢のように過ぎ去っていくのかもしれない。

3年ぶりの中央アジア その9-儚い夏模様

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2006/08/12 - 2006/08/20

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worldspan

worldspanさん

 中央アジアの民族は、ロシア系は別として、次のように言われている。カザフ人とキルギス人はどちらかと言えば、モンゴルや日本的な薄い顔、ウズベク人はカザフ人とトルコ人を足して2で割ったような顔立ち、そして中央アジアで唯一のペルシア系のタジク人はホリが深く、女性は大変美人な人が多いと。その中でもキルギス人というのは、何処となく田舎臭さが残っている。それがまたキルギス人に対する親近感を生んでいる。田舎臭さは町にも反映されている。アルマトイのように都会染みさがなく、高層建築も殆どない。キルギス人がカザフ人に近い存在であるせいか、ビシュケクは一国の首都というよりむしろカザフスタンの地方都市という感がある。

 しかしながら高層建築がないお陰でビシュケクの市内中心から万年雪に覆われたアラ・トー山脈を望む事ができ、山脈は風光明媚な景色を演出している。特に町の北側のホテル・ドゥストク付近に位置する勝利広場から街の南を眺めると、景色を邪魔する建物が少なく、美しい山脈を望むことができる。

 この勝利広場には無名戦士が弔われているのだろうか、炎が灯されており、絶える事なく花束が捧げられている。夏の日曜日ともなると勝利広場には、結婚式を終えた多くのカップルが友人・家族を連れ添って引っ切り無しにやってくる。彼らは広場の手前に何台にも渡ってクラクションを鳴らしながら車で乗りつける。キルギスはイスラム教のスンニー派の人達が大半を占めるにも拘わらず、女性はウェディングドレス、男性はタキシードもしくはスーツを身に纏っている。但し男性はキルギスの伝統文化に拘りがあるようで、大抵キルギスの民族衣装の一つカルパックという帽子を被っている。アンバランスな着こなしだが、皆何処かしらにキルギスの伝統への畏敬や強い拘りをかんじる。

 新郎と新婦が灯火のモニュメントに花束を捧げる光景を旧ソ連でよく見かけるが、家族や友人を従え、従うものは新婚のカップルが灯火に花束を捧げるまで静かに待つ。灯火に花束を捧げるその姿はとても神秘的で、その光景は結婚式とは全く関係のない自分が見てもとても感動的だ。

 そして花束を捧げ終わると、誰からともなく歌が歌われ、南側のアラ・トー山脈を背景に記念撮影をする。撮影が終わると勝利広場から離れ、再び車に乗り込み、家族や友人達はクラクションを鳴らしながら幸せの門出を祝いながらその場から去っていく。夏の日曜日にビシュケクに訪れた旅人は、特に16時ごろ(涼しくなるので)、この勝利広場に訪れ、幸せな二人を影ながらでも祝福してあげて欲しい。キルギスの将来を支える若者たちの新たな門出なのだから。

 ビシュケクの夏の日中はとても日差しが強く、気温も30℃を超える。チュイ大通りに面するアラ・トー広場の噴水では子供ばかりでなく、大人まで噴水の中で水浴び遊びに興じている。日本では衛生面から噴水の中で遊ぶことは大抵禁止されているが、キルギスではお構いなし。しかしそれが本当の姿なのかもしれない。暑いから避暑のために水に入る、しかも大人までもハシャイでいる姿をみると、自己責任で日本も解放するのも良いのでは?と思ってしまう。三年前に訪れた時は真冬だったせいもあり、キルギス人が日焼けをしている記憶になかったがキルギス人達は皆こんがりと日焼けして健康的だ。
 
 気温が高くとも、日本や北京のようにジットリしたあの不快感な湿度がないぶん大変過ごしやすい。ビシュケクは5000メートル級の山々を頂くアラ・トー山脈の麓の町、万年雪のある山脈から吹き下ろすからだろうか、木陰で過ごすとその暑さも何処へやら、植樹された遊歩道のベンチに座っていると冷房に当たっているのかと錯覚を覚える程ヒンヤリとした風が木々の間を通り抜け、時に肌寒ささえ感じる。

 日中かなり暑い反面、夜中から明け方にかけては町中でさえ肌寒さを感じることがある。八月の晴れた朝でも気温が14℃まで下がることもある。ビシュケクでは八月だというのに、もう枯れ葉が舞い始め、植樹された遊歩道にはドングリが落ちている。ビシュケクの8月は大阪や東京での9月下旬から10月初旬に相当するのかもしれない。ビシュケクの夏は短く、そして秋は更にあっという間に過ぎていく。そして長く厳しい冬が訪れ、雪に覆われてしまう。何と儚い夏なのだろうか。日本では夏本番だという8月中旬だが、ビシュケクではもう冬が直ぐ迫っている。夏の出来事はキルギス人からすると一夜の夢のように過ぎ去っていくのかもしれない。

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交通手段
高速・路線バス
  • 勝利広場には絶えることなく花束が備えられています。勝利広場から町の南側には万年雪が残るアラ・トー山脈を望み、その美しさに見とれてしまいます。8月の中旬、気温は30度まで上がりますが、夜は15度まで冷え、15日を過ぎたあたりから最高気温もガクッと落ち、昼間でも影に入ると肌寒く感じます。枯葉も舞い、どんぐりも落ち、自然の中では8月はもう秋なのでしょう。

    勝利広場には絶えることなく花束が備えられています。勝利広場から町の南側には万年雪が残るアラ・トー山脈を望み、その美しさに見とれてしまいます。8月の中旬、気温は30度まで上がりますが、夜は15度まで冷え、15日を過ぎたあたりから最高気温もガクッと落ち、昼間でも影に入ると肌寒く感じます。枯葉も舞い、どんぐりも落ち、自然の中では8月はもう秋なのでしょう。

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