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 サイランバスターミナルはアルマトイを代表する長距離バスターミナルだ。アルマトイから約1000キロ以上も離れたシムケントなどに向かう大きなバスも並んでいるがビシュケクに向かうバスは「ミニブス」、「ミクロブス」と呼ばれる乗員15人位の小さな民営のバスである。その為バスターミナルのチケット売り場バスのチケットを購入するのではなく、広場に乱雑に停車している多くのバスの中から探し当て、運転手にお金を支払い乗車することになる。バスにはキリル文字で「ビシュケクБишкек」と表示されている上、運転手が大声で「ビシュケク、ビシュケク!」と叫んでいるのでバスを見つけ出すのは比較的容易だ。<br /><br /> バスを見つけると、運転手に値段を聞いて乗る事になるが、ここで必要なのはロシア語の会話力だ。旧ソ連には様々な言語が話され、彼らの意思疎通の言語としてはロシア語となる。まして旧ソ連を旅するのであれば尚更多少なりともロシア語を勉強していくぐらいのことは当然だ。「これいくら?」とか、お金の最低限の数の数え方位は少なくともロシア語を勉強していくべきだろう。もし数が分からなければ、紙とペンはすぐ出せるようにしておき、運賃を書いてもらえば良い。経験上、嫌々ながらでも必ず教えてくれるものだ。<br /><br /> 当時アルマトイからビシュケクまでは850テンゲ,約800円だった。お金は出発前に運転手が回収に来るが、お釣をごまかそうとする者もいるので、しっかり確認が必要だ。民営のこうしたミニバスは乗客を座席分だけ乗せねば、それだけ利益が下がるので、出発時間は決まっていない。人が集まり次第の出発だ。幸いビシュケク行きのミニバスは、自分が最後の乗客となりすぐの出発となった。<br /><br /> 出発後、バスは100万人の大都会アルマトイからあっという間に抜け、平原に一本だけのびる道をひたすら走る。その平原では遊牧が悠然と行われ、羊を放牧している馬に跨った少年や、羊が逸れぬように誘導する犬の姿も見かける。何とのんびりしている風景なのだろうか、と思う反面、ミニバスはまっすぐ伸びる道を猛スピードで駆け抜ける。片側一斜線の道なのだが、前方に少しでも遅い車があろうものなら、対面車が間じかに迫っていても、対向車線に出て抜いていく。時として迫り来る対向車が余りに近づき危険なため、パッシングをされたり、クラクションを思いっきり鳴らされることも頻繁にあり、まるで警察に追われている犯人のように、カーチェイスをしているかの如くの走行に、おちおちゆっくりもしていられない。<br /><br /> 平原を暫く走っていくと、峠にさしかかる。さすがに峠ではバスは減速を余儀なくされるが、再び平原が現れ、バスは勢いを取り戻す。そして家々が車窓に見え始めたら、いよいよカザフスタン‐キルギスの国境だ。<br /><br />

3年ぶりの中央アジア その4 -ビシュケク行きのミニバス

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2006/08/12 - 2006/08/20

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worldspan

worldspanさん

 サイランバスターミナルはアルマトイを代表する長距離バスターミナルだ。アルマトイから約1000キロ以上も離れたシムケントなどに向かう大きなバスも並んでいるがビシュケクに向かうバスは「ミニブス」、「ミクロブス」と呼ばれる乗員15人位の小さな民営のバスである。その為バスターミナルのチケット売り場バスのチケットを購入するのではなく、広場に乱雑に停車している多くのバスの中から探し当て、運転手にお金を支払い乗車することになる。バスにはキリル文字で「ビシュケクБишкек」と表示されている上、運転手が大声で「ビシュケク、ビシュケク!」と叫んでいるのでバスを見つけ出すのは比較的容易だ。

 バスを見つけると、運転手に値段を聞いて乗る事になるが、ここで必要なのはロシア語の会話力だ。旧ソ連には様々な言語が話され、彼らの意思疎通の言語としてはロシア語となる。まして旧ソ連を旅するのであれば尚更多少なりともロシア語を勉強していくぐらいのことは当然だ。「これいくら?」とか、お金の最低限の数の数え方位は少なくともロシア語を勉強していくべきだろう。もし数が分からなければ、紙とペンはすぐ出せるようにしておき、運賃を書いてもらえば良い。経験上、嫌々ながらでも必ず教えてくれるものだ。

 当時アルマトイからビシュケクまでは850テンゲ,約800円だった。お金は出発前に運転手が回収に来るが、お釣をごまかそうとする者もいるので、しっかり確認が必要だ。民営のこうしたミニバスは乗客を座席分だけ乗せねば、それだけ利益が下がるので、出発時間は決まっていない。人が集まり次第の出発だ。幸いビシュケク行きのミニバスは、自分が最後の乗客となりすぐの出発となった。

 出発後、バスは100万人の大都会アルマトイからあっという間に抜け、平原に一本だけのびる道をひたすら走る。その平原では遊牧が悠然と行われ、羊を放牧している馬に跨った少年や、羊が逸れぬように誘導する犬の姿も見かける。何とのんびりしている風景なのだろうか、と思う反面、ミニバスはまっすぐ伸びる道を猛スピードで駆け抜ける。片側一斜線の道なのだが、前方に少しでも遅い車があろうものなら、対面車が間じかに迫っていても、対向車線に出て抜いていく。時として迫り来る対向車が余りに近づき危険なため、パッシングをされたり、クラクションを思いっきり鳴らされることも頻繁にあり、まるで警察に追われている犯人のように、カーチェイスをしているかの如くの走行に、おちおちゆっくりもしていられない。

 平原を暫く走っていくと、峠にさしかかる。さすがに峠ではバスは減速を余儀なくされるが、再び平原が現れ、バスは勢いを取り戻す。そして家々が車窓に見え始めたら、いよいよカザフスタン‐キルギスの国境だ。

交通手段
高速・路線バス

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  • ホテルアルマティの目の前に位置するオペラハウス。立派な建物です。オペラシーズンであれば、ぜひ訪れてみたい場所のひとつです。<br />

    ホテルアルマティの目の前に位置するオペラハウス。立派な建物です。オペラシーズンであれば、ぜひ訪れてみたい場所のひとつです。

  • タクシードライバーはドゥンガン人。ドゥンガン人は中国のチベットやウイグルの和田(ホータン)からカザフスタン、キルギスタンにまたがって居住する民族で、ウイグル人同様国を持っていません。見た目は中国人にも見えますが、トゥルク系民族で、イスラム教を信仰しています。カザフ人やキルギス人同様に中国人やモンゴル人などと混血が進んだので、一見中国人に見えるのかもしれませんね。彼曰く、ドゥンガン語というのもあって、カザフ語やウイグル語に非常に近いのだそうです。もちろん中央アジアに居住するドゥンガン人はロシア語も流暢に話すことができます。

    タクシードライバーはドゥンガン人。ドゥンガン人は中国のチベットやウイグルの和田(ホータン)からカザフスタン、キルギスタンにまたがって居住する民族で、ウイグル人同様国を持っていません。見た目は中国人にも見えますが、トゥルク系民族で、イスラム教を信仰しています。カザフ人やキルギス人同様に中国人やモンゴル人などと混血が進んだので、一見中国人に見えるのかもしれませんね。彼曰く、ドゥンガン語というのもあって、カザフ語やウイグル語に非常に近いのだそうです。もちろん中央アジアに居住するドゥンガン人はロシア語も流暢に話すことができます。

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