ビシュケク旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 ツィルクと呼ばれるサーカスの裏手に私がこの日宿泊する安ホテルアク・サイは位置する。このホテル周辺も三年前と比べ雰囲気が変わっていた。かつて通りを挟んだ隣には売春宿があり、夜になるとアク・サイ周辺には多くの売春婦がタムロし、昼夜を問わず彼女達を見かけたものだ。ところが現在その売春宿はアパートに様変わりし、少なくとも昼間に娼婦を見かけることはなくなっていた。またアク・サイ自体もボロボロだった外壁や入口を仕替えていた。<br /> <br /> 久しぶりにホテルに入ると、レセプションの奥の宿直室に横たわった中年女性の足が見えた。ハロー!と大きな声で呼びかけると、お客である自分に気づき、のっそりと起き上がり、面倒くさそうに現れた。3年前にもいた女性だった。やる気のなさそうなその表情と仕草は3年前と変わっていない。普通であればこのやる気のなさにあきれてしまうが、今回はとても懐かしく感じ、むしろ微笑ましくも感じた。尤も、彼女は以前宿泊したことのある私に「数多い宿泊客の中の一人」として気づくはずもない。<br /><br /> 私は彼女にロシア語で一泊だけ宿泊したいと伝えると、「たった一泊だけか!?」と大声を上げられてしまった。確かにビシュケクまで訪れて僅か一泊でチェックアウトする方が珍しいのかもしれない。<br /><br /> 一泊187COM(ソム)、約500円である。3年前より物価が高騰しているにもかかわらず、ホテルの宿泊代が据え置きになっていることに驚いた。貧乏旅行者のすばらしい味方だ。ただ安いがそれなりであることを認識して宿泊しなければならない。<br /><br /> レセプションの女性は大抵宿直室で横になっているため、ホテルへの部外者の出入りはほぼ自由な上、部屋の鍵は自分でもあけることができるのではないかと思うほどチャチなもので、鍵穴から部屋の中を覗くこともできる。その為不在であることが「泥棒」に簡単に見破られ、部屋が荒らされる可能性もあるので鍵穴には紙くずを詰めておく必要がある。<br /><br /> 部屋は本当に粗末なもので、窓の立て付けが悪い。11月に宿泊した際、日中の外気がマイナス8℃、立て付けが悪いために窓から部屋へドンドン冷気が入ってきた。それでもそれなりに暖房が効いているのであれば何とか耐えられるのだろうが、部屋の暖房は申し訳ない程度にしかスチームが設置されていない。しかもそのスチームも、触るとホンノリ暖かい程度、密閉された部屋であってもこの程度のスチームの暖かさでは到底まかなえない程度なのに、隙間風の入る部屋で快適に過ごせるはずもない。余りの寒さにコートを着たまま備え付けの薄い毛布に包まり、更に持参していた寝袋で寒さをしのいだ経験がある。因みにホテルで持参の寝袋を利用することは何度もあるが、ここほど寒いことはなかった。尤も現在どうなっているのか良くわからないが、少なくとも今回私が宿泊した部屋は窓の立て付けがお世辞にも良いとは言えなかった。<br /><br /> 設備に関してだが、シャワーは時間制がある上、別途お金を支払う必要がある。宿泊客の大半はシャワーを使うよりもむしろ、洗面所で水に浸したタオルなどで体を拭いているようだった。この洗面所とトイレは男女共用、しかもトイレは横との敷居はあるものの、扉は付いていないため入口側で用をしていると、男女問わずしゃがんでいる自分の前を通り過ぎていく。逆に自分が通り過ぎる場合もある。<br /> 現地のトイレットペーパーは、良くこれでお尻を拭けるな、と思うほど、わら半紙のような硬い紙質のものが多く、日本のそれのように、水に溶けない。その為便器の横には籠が置いてあり、お尻を拭いたトイレットペーパーは、その籠に捨てなければならない。もちろんトイレには紙など付いていないため、トイレに行く際にはトイレットペーパーを持参することを絶対に忘れてはならない。それも日本から持参した方がお尻に優しい。しゃがんでいるトイレの横に置かれた籠を見ると、地元の人は新聞紙でお尻を拭いている人もいるようだ。ナイーブな日本人にはとてもできる技ではない。<br /><br /> 洗面所とトイレは同じ部屋の中にあり、決して衛生的ではない。洗面所は当然ながら汚物の臭いで立ち込めているし、女性が用をしているその直ぐ2メートルくらいの壁の直ぐ裏側で、パンツ一丁で中年男性がタオルで体を拭いているその光景は、日本人には少々カルチャーショックを受けるかもしれない。それなりにタフな人でないとこのホテルでの宿泊は厳しいだろう。<br />

3年ぶりの中央アジア その7-ホテルアク・サイ

8いいね!

2006/08/12 - 2006/08/20

108位(同エリア230件中)

0

0

worldspan

worldspanさん

 ツィルクと呼ばれるサーカスの裏手に私がこの日宿泊する安ホテルアク・サイは位置する。このホテル周辺も三年前と比べ雰囲気が変わっていた。かつて通りを挟んだ隣には売春宿があり、夜になるとアク・サイ周辺には多くの売春婦がタムロし、昼夜を問わず彼女達を見かけたものだ。ところが現在その売春宿はアパートに様変わりし、少なくとも昼間に娼婦を見かけることはなくなっていた。またアク・サイ自体もボロボロだった外壁や入口を仕替えていた。
 
 久しぶりにホテルに入ると、レセプションの奥の宿直室に横たわった中年女性の足が見えた。ハロー!と大きな声で呼びかけると、お客である自分に気づき、のっそりと起き上がり、面倒くさそうに現れた。3年前にもいた女性だった。やる気のなさそうなその表情と仕草は3年前と変わっていない。普通であればこのやる気のなさにあきれてしまうが、今回はとても懐かしく感じ、むしろ微笑ましくも感じた。尤も、彼女は以前宿泊したことのある私に「数多い宿泊客の中の一人」として気づくはずもない。

 私は彼女にロシア語で一泊だけ宿泊したいと伝えると、「たった一泊だけか!?」と大声を上げられてしまった。確かにビシュケクまで訪れて僅か一泊でチェックアウトする方が珍しいのかもしれない。

 一泊187COM(ソム)、約500円である。3年前より物価が高騰しているにもかかわらず、ホテルの宿泊代が据え置きになっていることに驚いた。貧乏旅行者のすばらしい味方だ。ただ安いがそれなりであることを認識して宿泊しなければならない。

 レセプションの女性は大抵宿直室で横になっているため、ホテルへの部外者の出入りはほぼ自由な上、部屋の鍵は自分でもあけることができるのではないかと思うほどチャチなもので、鍵穴から部屋の中を覗くこともできる。その為不在であることが「泥棒」に簡単に見破られ、部屋が荒らされる可能性もあるので鍵穴には紙くずを詰めておく必要がある。

 部屋は本当に粗末なもので、窓の立て付けが悪い。11月に宿泊した際、日中の外気がマイナス8℃、立て付けが悪いために窓から部屋へドンドン冷気が入ってきた。それでもそれなりに暖房が効いているのであれば何とか耐えられるのだろうが、部屋の暖房は申し訳ない程度にしかスチームが設置されていない。しかもそのスチームも、触るとホンノリ暖かい程度、密閉された部屋であってもこの程度のスチームの暖かさでは到底まかなえない程度なのに、隙間風の入る部屋で快適に過ごせるはずもない。余りの寒さにコートを着たまま備え付けの薄い毛布に包まり、更に持参していた寝袋で寒さをしのいだ経験がある。因みにホテルで持参の寝袋を利用することは何度もあるが、ここほど寒いことはなかった。尤も現在どうなっているのか良くわからないが、少なくとも今回私が宿泊した部屋は窓の立て付けがお世辞にも良いとは言えなかった。

 設備に関してだが、シャワーは時間制がある上、別途お金を支払う必要がある。宿泊客の大半はシャワーを使うよりもむしろ、洗面所で水に浸したタオルなどで体を拭いているようだった。この洗面所とトイレは男女共用、しかもトイレは横との敷居はあるものの、扉は付いていないため入口側で用をしていると、男女問わずしゃがんでいる自分の前を通り過ぎていく。逆に自分が通り過ぎる場合もある。
 現地のトイレットペーパーは、良くこれでお尻を拭けるな、と思うほど、わら半紙のような硬い紙質のものが多く、日本のそれのように、水に溶けない。その為便器の横には籠が置いてあり、お尻を拭いたトイレットペーパーは、その籠に捨てなければならない。もちろんトイレには紙など付いていないため、トイレに行く際にはトイレットペーパーを持参することを絶対に忘れてはならない。それも日本から持参した方がお尻に優しい。しゃがんでいるトイレの横に置かれた籠を見ると、地元の人は新聞紙でお尻を拭いている人もいるようだ。ナイーブな日本人にはとてもできる技ではない。

 洗面所とトイレは同じ部屋の中にあり、決して衛生的ではない。洗面所は当然ながら汚物の臭いで立ち込めているし、女性が用をしているその直ぐ2メートルくらいの壁の直ぐ裏側で、パンツ一丁で中年男性がタオルで体を拭いているその光景は、日本人には少々カルチャーショックを受けるかもしれない。それなりにタフな人でないとこのホテルでの宿泊は厳しいだろう。

この旅行記のタグ

8いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

worldspanさんの関連旅行記

worldspanさんの旅行記一覧

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

キルギスで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
キルギス最安 1,150円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

キルギスの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP