2005/07/07 - 2005/07/07
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がまだす@熊本さん
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バイクタクシーの運転手シャンの実家は、
シェムリアップ周辺ではどこでもあるような「高床式造り」だった。
シャンの案内で訪ねてみると、
庭先に五十歳前だという母親と、二人の甥が迎えてくれた。
母親は色が浅黒く顔中シワだらけ。
一見、七十歳以上の老人と見間違うほどだ。
母親の話しでは、シャンには三人の姉弟がいる。
姉は近くの市場で、
二人の弟は市内の高級ホテルでそれぞれ働いているという。
暮らし向きは、テレビも電話も、水道もある。
カンボジアの国民一人当たり年間所得が三百?余、
生活面では農業に依存する周りの家と比べると、かなり恵まれている方なのだろう。
足を少しだけ引きずるのは、
1970年はじめからほぼ20年続いた戦争時に負った傷。
「当時は、自由の無い暗い毎日。炎天下の強制労働は辛く、疲労と栄養失調で、みんなばたばた死んでいった。兄と弟も。戦後しばらく生活は苦しかった。だけど、不幸だとは思わなかった」。
戦争の話はここまで。
同時に、
知識人らの虐殺で悪名高いポルポト政権や、その後のシアヌーク王政の評価を含め、政治向きの話題には一切触れまいとする、母親の姿が妙に印象的だった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス バイク
-
シェムリアップの朝のラッシュアワー。
国道6号線は、アンコールの補修工事や市場などへ通勤する車・バイク・自転車で込みあう。
国道沿線の住民はいたって裕福だと聞く。
市街地から約10キロ。
国道沿いから脇道へ入る。しばらく進むと電気も水道も無い集落が少なくない。
仕事に有り付けずやせた田畑を開墾する家庭では、その日暮らし。学校へ通えない子どもたちも珍しくはない。 -
バイタク運転手のシャンからガイドしてもらう。
この日は、シェムリの郊外を探索することにした。 -
ゲストハウス前の国道6号線を東へ進む。
交差点の信号を通り過ぎても、車輌はいっこうに減らない。 -
やがて右方向に市場が見えてきた。
バスターミナルもある。
中を覗いて見ることにした。 -
シャンのお姉さんが働いていた。
縫製の腕も良いらしく自前のミシン。
報酬は出来高払い、稼ぎは悪くはないという。 -
彫金をしていた青年。
カンボジアの市場内では、貴金属店が多い。
通貨リエルも銀行預金も、現体制もまったく信頼していないからだ。
で、貯金のほとんどは米ドルもしは貴金属としているのは、有事の際の自己防衛術。 -
市場内で物乞いする人。
彼たちも内戦の犠牲者。
右側の男性は、元兵士。
地雷を踏んだという右足は、つけ根から無い。
わずかばかりの退職金で軍から放り出されたという。
カンボジアの軍人は土地を持たない者が多いとか。
大怪我をすればお払い箱。
身体障害者となっても社会保障は皆無だと聞く。
強奪や観光客を襲ったりしていたのは、残兵が多かったらしい。
喰えなくなった残兵らは、
人里離れた痩せた地を開墾し、小集落を形成するする者もいれば、このように物乞いをして生き延びている。
カンボジアでは都会の富める者、地方の貧困者の格差が大きい。 -
市場から東へ少し進むと、長閑な田園風景がある。
広い敷地は区画され、
近代的なホテルが建設中だった。
もう数年したなら、ここら辺も観光客で賑わう地になるだろう。 -
シェムリアップからバイクで約5分。
国道脇から少し中へ進むとシャンが住む集落があった。
繁華街から離れた静かな農村地帯。
椰子が覆う小道は影となって、かなり涼しい。
人々の暮らし向きは、比較的に悪くは無い。
高床式の庭先に日本車が駐車している家もある。 -
シャンの家は、二世帯住宅。
敷地も広い。
庭先では子どもたちが、シャンの母親と遊んでいた。
停電時に使う水汲みポンプがあった。
「ここらでは平均的な家庭」と、シャン。 -
シャンの家を訪問し終えて、更に奥地へ進む。
小さな濁った川では、
網を仕掛けて、潜っては魚を追い込む青年の姿があった。
しなばらく眺めていたが、仕掛けも原始的で収獲は少ない。
「収入は日に1ドル未満、厳しい生活を送っている」とシャンは言葉少なげに話す。
この集落は、元兵士たちの開墾地らしい。
電気・水道はもちろんのこと、未学習なため識字が出来ない子どもたちも少なくはないとか。 -
話は変わるが、ここはプノンペンの宮殿。
白亜の殿堂は、黄金で輝いている。 -
プノンペンの繁華街。
華僑系の巨大なショッピングセンターもある
欧米の高級ブランド品以外は、ほぼ揃う。
6Fにはシネマコンプレックス。
いわばカンボジアの富める者の「お抱え店」ではなかろうか。 -
プノンペンの凱旋門近くの「憩いの広場」。
職も住む家も明日の希望さえも無く、物乞いで生きながらえている人々の姿がある。
右はガイドしてくれた、プノンペンのバイクタクシー運転手のマサル。
「地方で餓死する話もよく聞く。彼らだっていつそうなってもおかしくはない。やがてここから追い出されるだろう」。腕組みしながら話すマサルの表情は、いつになく曇っていた。
マサルはこうも話した。
「カンボジアは生まれた国、だから好き。正直言って現体制は庶民の暮らしは見えていないらしい。ただ戦争だけはまっぴら!」。 -
明日の見えない生活を送る物乞いの彼らが見せる笑顔は、なぜだか暗くは感じなかった。
むしろ貧困の世界から放たれた光景は、捨て猫でさえ放ることもなく、わずかばかり得た食い物を分け与え可愛がる、そんな彼らが眩しく見えた。
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この旅行記へのコメント (7)
-
- gamiさん 2006/10/18 13:27:03
- バイクタクシーの運転手シャンの実家・・・・
- んんんん・・・・??
ドーモ・・(^_^)”
確かに、カンボジアは単なる観光で行くには・・
重い土地ですね・・
- がまだす@熊本さん からの返信 2006/10/19 17:15:02
- RE: バイクタクシーの運転手シャンの実家・・・・
- gamigamiさん、書き込みありがとうございます。
私の旅は肩に力は全く入り込んではなく、どちらかといえば「風が吹くまま気が向くままあちこち欲張ってみて歩く」そんな感じです。
その土地の屋台なんかで人びとの肩と肩の間に体を割り込みながら、飲んだくれて、同じものを食する。と同時によく分からないけど会話に耳を立てる。相手はその国言葉、私は九州弁。それでも何となく通じる、そんなふうな旅をいつも続けています。
アルコールが入っていませんでしたから『シャンの家を訪ねて』は少し重かったかもしれません。が、彼らとは実際はそう逼迫した会話ではありませんでした。彼らの表情だって暗くはなくて、むしろ温もりさえ感じました。
映画「キリング・フィールド」を見終えてしばらくして書き込んだブログでしたから・・・そうなったかもしれません。
次回からは吉本劇場でも見てから書き込むことにします。
ハチャメチャになるでしょうね(爆
- gamiさん からの返信 2006/10/19 17:24:39
- RE: バイクタクシーの運転手シャンの実家・・・・
- キリング・フィールド・・
自分は映画は見てないのですが・・
実際のキリング・フィールドを見てきました・・
とてつもなく、悲しい・・
現実が・・
ガラスの搭に・・
詰め込まれていました・・
カンボジアを、肩のチカラを抜いて・・
歩けたら・・
イイですね・・(^_^)”
-
- 気楽トンボさん 2006/08/10 11:55:02
- がまだすしゃん、シャンの実家・・・初めて読みます。
- 今更ながら・・・文章の素晴らしさに感動。
写真の腕なんかあげんでもよかよ!!!
文章で引き立ってるけん。
熱が入っているね。素晴らしい旅行記です。
もちろん1票!これに要れずしてどれに???やぁです。
たかが旅行記だけど書くほうにすればされど旅行記。
自分らしい「旅」をして自分らしい「旅行記」にしたいと思う。
4トラで少ない国の旅行記は結構楽。
でも、タイ・カンボジアは旅行記は数多いし・・・
最初が書けないし悩む。
がまだすしゃんに触発されたみたい。
- がまだす@熊本さん からの返信 2006/08/10 14:03:46
- RE: がまだすしゃん、シャンの実家・・・初めて読みます。
- トンボちゃん、2通もの書き込みありがとう(^0^)
そっか、仕事終えたんだね。いよいよ北欧か!
くーっ、今頃の北欧は気候も良くて最高だろうな!
我が書斎の室温は冷房を効かせても29度、たぶん外気は37,8度ですよ。今、日本でいちばん暑い熊本です。
>ねぇ〜・・・どこかに・・・
「トンボしゃんも以下同文」「とんぼしゃんも同じ感動」
なんて書いて〜〜!!
思わず噴出しましたよ。
(爆)って感じで♪
言わずともトンボちゃんの旅行記は、僕もTOMIKENしゃんも、多くのトンボファンが認めていますって!
切り口の鋭さもさることながら、視点がボケていなくスマートな文脈は最後まで読ませます。
何よりも素敵なのは、ツーと言えばカーと応える掲示板の返事。
だからトンボちゃんには多くのファンがいると思います。
ほな、また。
- TOMIKENさん からの返信 2006/08/10 23:20:32
- でもさあ、最初の1節で悩むってわかるよねえ・・・
- 最初の1文さえ出てくれば後は流れですらすらと書けるんよねえ・・
私と同じ日に生まれた大好きなジョン・レノンは
「天国なんてないと思ってごらん」
と歌いはじめた。凄いよねえ!
「バイクタクシーの運転手シャンの実家は、シェムリアップ周辺ではどこでもあるような「高床式造り」だった。」
という冒頭の文章も凄いと思うよ。
シャンって誰?何で実家に行くの?なんて関係ない。
タイトルで「・・実家を訪ねて」と説明している故の冗長な説明の簡略化。
これぞ巧みの文章ですね。
写真もそうだけど、文章ももって生まれたセンスが全て。
がましゃんの文章のからはモーツアルトの名曲のような計算してはいないが
完成された絶妙なリズムを感じるね。
悔しかね!
- がまだす@熊本さん からの返信 2006/08/13 10:35:37
- RE: がまだすしゃん、シャンの実家・・・初めて読みます。
- TOMIKENしゃん、そんな褒め殺されては冷や汗だよん。
でも、嬉しいけど♪
実は、
熊日新聞の投稿記事をコピーしたもの。指定行数内に納まるよう苦肉な変哲の無い冒頭ですよ。
3ヶ月の東南アジアのを旅を11篇で、しかも400字前後に納めるのは正直言って辛かった。
極めつけは1ヶ月間のラオス縦断の旅、もっともファンキーな旅だったのですけどね。
3篇だけの指定とは、「チョイトばかし先細り?」。でもって、断片的過ぎて消化不良です。
次回の旅からノートパソコンとMP3を持参しょうかな、なんてもことも考えていますけど、バックパックに収納しきれるかな?
はたまた「000おじさん」みたいに置き引きされはしないか四六時中、ハラハラしどうしかも(爆)。
がまだす@の脳みその中心部は、ネパールの空を夢見ながらクルクルパーになって泳いでいますことよ。
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