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大学1年の夏、ワンゲルに入って3回目の登山です。南アルプスの光岳から甲斐駒ケ岳まで9泊10日かけて縦走しました(テント泊、メンバー10人)。梅雨の時期ということもあり、とにかくきつい思い出の多い登山です。中高6年間陸上をやっていた私は体力には自信があったのですが、それがもろくも崩れ去りました。<br /><br />初日 易老渡〜光小屋<br />とてつもなく重いザックを背負い、光岳までほとんど登りっぱなしです。後半はバテ気味でした。光小屋のご主人から大量のゼリーをいただきました。ありがとうございました!<br /><br />2日目 光小屋〜茶臼小屋<br />雨でした。2日目にして早くもバテてしまい、チームの足を引っ張るはめになりました。バテた上に両かかとがえぐれ出血するひどい靴擦れにもなり、今後の長い道のりが思いやられました。この後はずっと毎日テントでかかとのガーゼを取替え取替えしていましたが、ひどくなる一方でした。<br /><br />3日目 茶臼小屋〜聖平小屋<br />ついに晴れました。上河内岳で快晴の中登頂を喜ぶ写真が残っています。私はというと、先輩からアドバイスをもらい、ザックの腰ベルトの位置を少し上にし、足への負担が軽減され大分楽になっていました。<br /><br />4日目 聖平小屋〜百間洞山ノ家<br />聖岳、奥聖岳と快晴で絶景で南アルプスの山々を見渡すことができました。兎岳、中盛丸山、大沢岳の連続アップダウンはこたえましたが、全行程の中でこの頃が最も調子よく歩けていたと思います。<br /><br />5日目 百間洞山ノ家〜荒川小屋<br />南アルプス、赤石山脈の赤石岳に登頂しました。快晴でした。百間平で周囲の山々が見渡せてとても美しかったのが印象的に残っています。<br /><br />6日目 荒川小屋〜三伏峠小屋<br />快晴の中空身で悪沢岳に登頂しました。絶景でした。しかし、もう体力が…靴擦れが…弱音が私の心を占めていました。当初幕営を予定していた高山裏避難小屋を超えて三伏峠小屋まで行こうという話になった時、すでに私の心は折れていました。案の定後半に完全にバテてしまいました。テント設営のためとラジオで気象情報を聞き取るために、リーダーともう1人バテていた女子のメンバーと私の3人を残して他のメンバーは先へ行ってもらいました。情けなくて涙が出そうになりました。<br /><br />7日目 三伏峠小屋〜熊ノ平小屋<br />岩々した塩見岳でも雨で展望はゼロでした。この頃になると、出だしの2、3時間は靴擦れの痛みにひたすら耐え、そうこうしているうちにあまりの痛みからか痛みはなくなるのですが、今度は体力がなくなりバテてしまうというパターンに陥っていました。本当に一歩一歩、1日1日がつらい毎日でした。<br /><br />8日目 熊ノ平小屋〜両俣小屋<br />雨でした。三峰岳を越え、主稜線を大きく外れて両俣小屋まで相当下りました。翌日の登り返しが不安になるほどの下りっぷりでした。両俣小屋では小屋のおばちゃんが野菜炒めをご馳走して下さいました。常に空腹の我々は絶叫!大喜びでした!ご馳走様でした!<br /><br />9日目 両俣小屋〜仙丈小屋<br />またもや雨でした。やはり両俣小屋からの登り返しは相当きつかったです。雨そして風の中の仙丈ケ岳でした。頂上ではあまりの寒さに、「手が震えてジップロックが開かねー」という声も聞こえました。山で雨風にさらされると夏とはいえ油断できないというのは本当でした。あまりの寒さで体力も著しく消耗しました。<br /><br />10日目 仙丈小屋〜横手<br />最後のピーク甲斐駒ケ岳は嬉しいことに快晴でした。空身で摩利支天も快調に往復しました。これにてついに終了!とはいきませんでした。最後にして最大の難関、黒戸尾根の下りが待っていました。標高3000m弱の山頂から容赦なく下り続け、足はガクガク、体力もほんとのほんとに限界にきていました。先輩の「おーい、進んでるのかー?」も声が胸にグサリ。横手のバス停に到着した時には涙が出そうになるくらい感激しました。<br /><br /><br />南アルプスの深遠で重層な山々はとても美しく印象に残っています。毎日のようにテントでみんなで集まってやったUNOも和気あいあいでとても楽しかった思い出です。<br />ですが、縦走中、縦走後もしばらくは、「長期登山がこんなにつらいなんて思ってもみなかった、もう絶対長期計画には参加しないぞ。」という決意でいっぱいでした。それがまさか1年後にこれよりもっと長い計画に参加することになろうとは夢にも思っていませんでした。<br />そしてまさか貧弱だった私がこんなことを言えるようになるとは<br />『長期最高ーーー!!』<br />

南アルプス縦走

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2003/07/13 - 2003/07/22

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大学1年の夏、ワンゲルに入って3回目の登山です。南アルプスの光岳から甲斐駒ケ岳まで9泊10日かけて縦走しました(テント泊、メンバー10人)。梅雨の時期ということもあり、とにかくきつい思い出の多い登山です。中高6年間陸上をやっていた私は体力には自信があったのですが、それがもろくも崩れ去りました。

初日 易老渡〜光小屋
とてつもなく重いザックを背負い、光岳までほとんど登りっぱなしです。後半はバテ気味でした。光小屋のご主人から大量のゼリーをいただきました。ありがとうございました!

2日目 光小屋〜茶臼小屋
雨でした。2日目にして早くもバテてしまい、チームの足を引っ張るはめになりました。バテた上に両かかとがえぐれ出血するひどい靴擦れにもなり、今後の長い道のりが思いやられました。この後はずっと毎日テントでかかとのガーゼを取替え取替えしていましたが、ひどくなる一方でした。

3日目 茶臼小屋〜聖平小屋
ついに晴れました。上河内岳で快晴の中登頂を喜ぶ写真が残っています。私はというと、先輩からアドバイスをもらい、ザックの腰ベルトの位置を少し上にし、足への負担が軽減され大分楽になっていました。

4日目 聖平小屋〜百間洞山ノ家
聖岳、奥聖岳と快晴で絶景で南アルプスの山々を見渡すことができました。兎岳、中盛丸山、大沢岳の連続アップダウンはこたえましたが、全行程の中でこの頃が最も調子よく歩けていたと思います。

5日目 百間洞山ノ家〜荒川小屋
南アルプス、赤石山脈の赤石岳に登頂しました。快晴でした。百間平で周囲の山々が見渡せてとても美しかったのが印象的に残っています。

6日目 荒川小屋〜三伏峠小屋
快晴の中空身で悪沢岳に登頂しました。絶景でした。しかし、もう体力が…靴擦れが…弱音が私の心を占めていました。当初幕営を予定していた高山裏避難小屋を超えて三伏峠小屋まで行こうという話になった時、すでに私の心は折れていました。案の定後半に完全にバテてしまいました。テント設営のためとラジオで気象情報を聞き取るために、リーダーともう1人バテていた女子のメンバーと私の3人を残して他のメンバーは先へ行ってもらいました。情けなくて涙が出そうになりました。

7日目 三伏峠小屋〜熊ノ平小屋
岩々した塩見岳でも雨で展望はゼロでした。この頃になると、出だしの2、3時間は靴擦れの痛みにひたすら耐え、そうこうしているうちにあまりの痛みからか痛みはなくなるのですが、今度は体力がなくなりバテてしまうというパターンに陥っていました。本当に一歩一歩、1日1日がつらい毎日でした。

8日目 熊ノ平小屋〜両俣小屋
雨でした。三峰岳を越え、主稜線を大きく外れて両俣小屋まで相当下りました。翌日の登り返しが不安になるほどの下りっぷりでした。両俣小屋では小屋のおばちゃんが野菜炒めをご馳走して下さいました。常に空腹の我々は絶叫!大喜びでした!ご馳走様でした!

9日目 両俣小屋〜仙丈小屋
またもや雨でした。やはり両俣小屋からの登り返しは相当きつかったです。雨そして風の中の仙丈ケ岳でした。頂上ではあまりの寒さに、「手が震えてジップロックが開かねー」という声も聞こえました。山で雨風にさらされると夏とはいえ油断できないというのは本当でした。あまりの寒さで体力も著しく消耗しました。

10日目 仙丈小屋〜横手
最後のピーク甲斐駒ケ岳は嬉しいことに快晴でした。空身で摩利支天も快調に往復しました。これにてついに終了!とはいきませんでした。最後にして最大の難関、黒戸尾根の下りが待っていました。標高3000m弱の山頂から容赦なく下り続け、足はガクガク、体力もほんとのほんとに限界にきていました。先輩の「おーい、進んでるのかー?」も声が胸にグサリ。横手のバス停に到着した時には涙が出そうになるくらい感激しました。


南アルプスの深遠で重層な山々はとても美しく印象に残っています。毎日のようにテントでみんなで集まってやったUNOも和気あいあいでとても楽しかった思い出です。
ですが、縦走中、縦走後もしばらくは、「長期登山がこんなにつらいなんて思ってもみなかった、もう絶対長期計画には参加しないぞ。」という決意でいっぱいでした。それがまさか1年後にこれよりもっと長い計画に参加することになろうとは夢にも思っていませんでした。
そしてまさか貧弱だった私がこんなことを言えるようになるとは
『長期最高ーーー!!』

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