イースター島旅行記(ブログ) 一覧に戻る
20日(Tues)<br /><br />カーテンを開けると、なんと庭を二頭の親子の馬が歩いている。<br />この島には3,800人の人間と2,000頭の馬と2,000頭の牛がいる。しかし、馬も牛も所有者はいるが放りっぱなしということだ。牛はたまには食べるようだが、旅行者用は本土からの肉だそうだ。ウズベキスタンの牛やヒツジは荒野で放牧していたが、肉はとても美味しかったけど、野生動物のように生きられるなら、牛馬にとって、こんな幸せなことはない。<br /><br />おんまの親子は悠然と散歩している。わがエスコート犬もテラスから親子を見ている。洗濯をして外の椅子に掛ける。風で吹き飛ばされないように洗濯バサミでとめる。またシャワーが来ないといいんだが。<br /><br />朝食に行く。これで3回目、同じ席。今日は晴れている。昨日見たアフ・タハイのモアイたちが村の方を向いて立っている。ここからは背中が斜めに見える。<br /><br />今日はちゃんとポリ袋を用意してきたので、パンにハムやソーセージをはさんでポリ袋に入れている。私はジュースとスイカとパイナップルとお茶。水物ばかり。<br /><br />部屋に戻り、わんこにパンをやっている。美味しそうに食べる。<br />ううん?、なんかお腹の調子がわるい。トイレに飛び込む。どうしたんだろう。<br /><br />9時からはハンガロア村の見学だ。今日はワンボックス・カーだ。私たち3人だけ。先ずはイースター島博物館へ。昨日のモアイ、アフ・タハイの前を横切っていく。<br /><br />博物館で見たいものは、現存するただひとつのモアイの目と謎の文字と言われるとロンゴロンゴだ。<br />1770年、スペインがこの島の領有宣言をしたとき、島民は奇妙な文字でサインした。それがロンゴロンゴだった。ロンゴロンゴが刻まれた木片はたくさんあったのだが、宣教師によって邪教の悪魔の文字とレッテルを貼られ、焼却の憂き目にあってしまった。<br />現在世界に残っているロンゴロンゴ木片は26枚。島のこの博物館には2枚とサンチャゴ博物館にあるロンゴロンゴのレプリカが1枚ある。<br /><br />面白いことに、ロンゴロンゴは先ず木片は左下から右へ読む。こんどは180℃ひっくり返して左から右へとまるで判じ物みたいな読み方をする。文字のルーツも諸説あり、まだまだ解明されていない。<br /><br />ロンゴロンゴが読める最後の一人に読んでもらったことがる。この人は意味もわかっていたようだが、同じロンゴロンゴ板を何度か読ませてみたら、言い回し方、板を180度回転させるタイミング等が毎回違ったので、研究者はひとつひとつの文字が何を意味するか、というところまではわからなかったようだ。研究者としては貴重な機会を失ってしまったことになる。もったいないことをしたなぁ。<br /><br />余談だが、我が家のヒキガエルにロンゴロンゴと名前をつけたことがある。手塚治虫のマンガのせいである。<br /><br />ラノ・ララクの岩山で作られたモアイをどのように下まで運んできたのか。コロにのせてきたのか、ブランコのように石像を揺らしてきたのか、モアイは下向きに持ってきたのか、上向きにして持ってきたのか、それも謎である。アフの上に立たせるには下向きにして持ってきた方が自然である。そんな図も博物館にはある。わからないことだらけというのも、興味を惹かれる。<br /><br />モアイの目はたしかに切れ長の目だ。白珊瑚はうっすら色づいてはいるが、白かったことはわかる。大きな丸い黒い瞳。つくられた目より間抜け面ではない。もともとモアイには目があった。それがなくなってしまったのにはわけがある。モアイは村の守り神として村の方を向いて立てられていた。モアイの目にはマナ(神の力)があり、そのマナが村を見守っていたのだ。ところが、部族間の抗争が激しくなった。この原因には人口増加の食糧不足が指摘されている。それ以前に部族間でモアイをつくり競争があり、運搬のために島の木々を伐採してしまったことも、島の緑をなくし、食糧不足を引き起こしたようだ。<br /><br />1000体ものモアイが確認されている。これらが原因となって18世紀にフリ・モアイ(モアイ倒し)の戦が起こった。モアイのマナを封じるために、先ず目を壊し、粉々に砕いた。ということは、当時の人たちはモアイのマナを本当に信じていたことになる。<br /><br />モアイ修復に携わった人々はモアイの周りに粉々になったサンゴを見つけたが、はじめはモアイを磨くのに使ったのだろうと考えていた。そして砂の中に埋もれていた目を発見したのである。近くのモアイの目に入れてみるとぴったり。<br />「モアイには目があった」のだというニュースが世界に流れ、私もそれを見たのである。後世にそれを伝えるために、この目にはマケマケのマナが宿っていたのだろう。<br />偉大なる神マケマケよ!<br /><br />楽しんでみていたのだが、急にお腹が痛くなった。<br />慌てて、トイレに向かう。どうもお腹をこわしてしまったようだ。何がいけなかったんだろう。無茶な食べ方はしていないのに。<br /><br />博物館の石垣に小さなトカゲをみつけた。側面に模様のある可愛いトカゲだ。しかし、博物館は撮影禁止なので、残念だが、カメラは車の中。<br /><br />つづいてカトリック教会へ行った。白い石の建物。<br />元は木造だったのを、ヘイエルダールが寄贈して石造りに変えたのだという。木造の教会もムードがあったろうに、潮風が強いから木造はもたないのかな。中にマリアとイエスの彫像がある。モアイに共通する彫刻だ。いい感じ。<br /><br />カメラバッグを傍らにおいて、お祈りしようと手を組んだとき、がくっとひざをついてしまった。そして吐き気が襲ってきた。<br />あぁ〜、マリアさま、失態をお見せしてすみません。<br /><br />悪いけどホテルに帰る、といってもどってもらう。<br />「いいですよ、後はショッピングセンターで自由でしたから」。<br />街中にインターネットカフェがあったのを見つけたから、ほんとは寄ってみたかったんだけど。<br /><br />部屋に戻り、洗濯をして横になっている。わんこはちゃんとテラスにいる。娘はひとりで食事に行く。<br />うとうとしてると、瓜生君がサンドウィッチとジュースと果物をもってきてくれた。テーブルにおいていってもらう。<br />わんこがいるので、見るとサンドウィッチは野菜の炒めたもの。犬がこんなもの食べるかな、と思ったがやると、炒めてあるからだろう、コーンやグリンピース一粒まで拾って食べている。おお、えらい、えらい、無駄にしなくて良かった。残りの果物は冷蔵庫に入れた。<br /><br />戻ってきた娘が言うには、瓜生君が心配して食堂で待っていてくれた。食事はいらないと言ったんだけど、サンドウィッチでもっていうから、犬にやりたいだろうと頼んだのだと。<br />ご明察!わんこ、野菜も食べたよ。<br /><br />

モアイに会いに9

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2004/01/17 - 2004/01/23

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buchijoyce

buchijoyceさん

20日(Tues)

カーテンを開けると、なんと庭を二頭の親子の馬が歩いている。
この島には3,800人の人間と2,000頭の馬と2,000頭の牛がいる。しかし、馬も牛も所有者はいるが放りっぱなしということだ。牛はたまには食べるようだが、旅行者用は本土からの肉だそうだ。ウズベキスタンの牛やヒツジは荒野で放牧していたが、肉はとても美味しかったけど、野生動物のように生きられるなら、牛馬にとって、こんな幸せなことはない。

おんまの親子は悠然と散歩している。わがエスコート犬もテラスから親子を見ている。洗濯をして外の椅子に掛ける。風で吹き飛ばされないように洗濯バサミでとめる。またシャワーが来ないといいんだが。

朝食に行く。これで3回目、同じ席。今日は晴れている。昨日見たアフ・タハイのモアイたちが村の方を向いて立っている。ここからは背中が斜めに見える。

今日はちゃんとポリ袋を用意してきたので、パンにハムやソーセージをはさんでポリ袋に入れている。私はジュースとスイカとパイナップルとお茶。水物ばかり。

部屋に戻り、わんこにパンをやっている。美味しそうに食べる。
ううん?、なんかお腹の調子がわるい。トイレに飛び込む。どうしたんだろう。

9時からはハンガロア村の見学だ。今日はワンボックス・カーだ。私たち3人だけ。先ずはイースター島博物館へ。昨日のモアイ、アフ・タハイの前を横切っていく。

博物館で見たいものは、現存するただひとつのモアイの目と謎の文字と言われるとロンゴロンゴだ。
1770年、スペインがこの島の領有宣言をしたとき、島民は奇妙な文字でサインした。それがロンゴロンゴだった。ロンゴロンゴが刻まれた木片はたくさんあったのだが、宣教師によって邪教の悪魔の文字とレッテルを貼られ、焼却の憂き目にあってしまった。
現在世界に残っているロンゴロンゴ木片は26枚。島のこの博物館には2枚とサンチャゴ博物館にあるロンゴロンゴのレプリカが1枚ある。

面白いことに、ロンゴロンゴは先ず木片は左下から右へ読む。こんどは180℃ひっくり返して左から右へとまるで判じ物みたいな読み方をする。文字のルーツも諸説あり、まだまだ解明されていない。

ロンゴロンゴが読める最後の一人に読んでもらったことがる。この人は意味もわかっていたようだが、同じロンゴロンゴ板を何度か読ませてみたら、言い回し方、板を180度回転させるタイミング等が毎回違ったので、研究者はひとつひとつの文字が何を意味するか、というところまではわからなかったようだ。研究者としては貴重な機会を失ってしまったことになる。もったいないことをしたなぁ。

余談だが、我が家のヒキガエルにロンゴロンゴと名前をつけたことがある。手塚治虫のマンガのせいである。

ラノ・ララクの岩山で作られたモアイをどのように下まで運んできたのか。コロにのせてきたのか、ブランコのように石像を揺らしてきたのか、モアイは下向きに持ってきたのか、上向きにして持ってきたのか、それも謎である。アフの上に立たせるには下向きにして持ってきた方が自然である。そんな図も博物館にはある。わからないことだらけというのも、興味を惹かれる。

モアイの目はたしかに切れ長の目だ。白珊瑚はうっすら色づいてはいるが、白かったことはわかる。大きな丸い黒い瞳。つくられた目より間抜け面ではない。もともとモアイには目があった。それがなくなってしまったのにはわけがある。モアイは村の守り神として村の方を向いて立てられていた。モアイの目にはマナ(神の力)があり、そのマナが村を見守っていたのだ。ところが、部族間の抗争が激しくなった。この原因には人口増加の食糧不足が指摘されている。それ以前に部族間でモアイをつくり競争があり、運搬のために島の木々を伐採してしまったことも、島の緑をなくし、食糧不足を引き起こしたようだ。

1000体ものモアイが確認されている。これらが原因となって18世紀にフリ・モアイ(モアイ倒し)の戦が起こった。モアイのマナを封じるために、先ず目を壊し、粉々に砕いた。ということは、当時の人たちはモアイのマナを本当に信じていたことになる。

モアイ修復に携わった人々はモアイの周りに粉々になったサンゴを見つけたが、はじめはモアイを磨くのに使ったのだろうと考えていた。そして砂の中に埋もれていた目を発見したのである。近くのモアイの目に入れてみるとぴったり。
「モアイには目があった」のだというニュースが世界に流れ、私もそれを見たのである。後世にそれを伝えるために、この目にはマケマケのマナが宿っていたのだろう。
偉大なる神マケマケよ!

楽しんでみていたのだが、急にお腹が痛くなった。
慌てて、トイレに向かう。どうもお腹をこわしてしまったようだ。何がいけなかったんだろう。無茶な食べ方はしていないのに。

博物館の石垣に小さなトカゲをみつけた。側面に模様のある可愛いトカゲだ。しかし、博物館は撮影禁止なので、残念だが、カメラは車の中。

つづいてカトリック教会へ行った。白い石の建物。
元は木造だったのを、ヘイエルダールが寄贈して石造りに変えたのだという。木造の教会もムードがあったろうに、潮風が強いから木造はもたないのかな。中にマリアとイエスの彫像がある。モアイに共通する彫刻だ。いい感じ。

カメラバッグを傍らにおいて、お祈りしようと手を組んだとき、がくっとひざをついてしまった。そして吐き気が襲ってきた。
あぁ〜、マリアさま、失態をお見せしてすみません。

悪いけどホテルに帰る、といってもどってもらう。
「いいですよ、後はショッピングセンターで自由でしたから」。
街中にインターネットカフェがあったのを見つけたから、ほんとは寄ってみたかったんだけど。

部屋に戻り、洗濯をして横になっている。わんこはちゃんとテラスにいる。娘はひとりで食事に行く。
うとうとしてると、瓜生君がサンドウィッチとジュースと果物をもってきてくれた。テーブルにおいていってもらう。
わんこがいるので、見るとサンドウィッチは野菜の炒めたもの。犬がこんなもの食べるかな、と思ったがやると、炒めてあるからだろう、コーンやグリンピース一粒まで拾って食べている。おお、えらい、えらい、無駄にしなくて良かった。残りの果物は冷蔵庫に入れた。

戻ってきた娘が言うには、瓜生君が心配して食堂で待っていてくれた。食事はいらないと言ったんだけど、サンドウィッチでもっていうから、犬にやりたいだろうと頼んだのだと。
ご明察!わんこ、野菜も食べたよ。

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