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モーレア島<br /><br />2日目(18日 sun)<br /><br />ぐっすり眠ってしまったらしい。まぶしい光に目を覚ました。娘がカーテンを引いたのだ。「何時?」「7時半」「しまった〜。夜明けのラグーンを見たかったんだ」もうあたり一面、光り輝いている。テラスに出でると、少し先のコッテージに朝食を届けに行くカヌーが見える。望遠レンズを向けると、女性のひとりが手を振った。こちらも手を振りかえす。<br /><br />「じゃぁ、食事に行こうか」木道を歩くと、泊り客が戻ってくる。「Good morning.」と声をかけると、返ってくる挨拶に「Good morning.」「Bon jour.」中に「Morgen.」もある。<br /><br />先ずはフロントに夕べ書いた絵葉書を出しに行く。日本までは130CPFだが、ヨーロッパも130CPFでいいのか確かめるために。でも大丈夫だった。<br /><br />朝食もビュッフェ・スタイル。紅茶はティーバッグを入れてもって来てくれた。パインは小さいが美味しい。スイカの味はいまいちだが、日本人としては、この時期にはうれしい。また魚にやるため、パンを余分に持ってくる。ポートに遊覧船が止まっている。あれで島のまわりを回れるようだ。乗ろうかというと、船はいやだと娘が言うので、車で島巡りをすることにする。<br /><br />荷物をまとめ、フロントに行き、チェックアウトしてもらう。「いいところですね。昨日はとうとう一歩もここから出なかったんですよ。すっかりのんびりしました。飛行機の都合だから仕方ないけど、もう一日欲しかったですね。今度は夫と来ますよ。」荷物を預かってもらうと、「ずいぶんコンパクトですね」とユリさん。「えぇ、いつもこんなものです。今夜イースター島へ発つんですよ。」「私も行ったことがありますが、モアイ以外な〜んにもないところですよ。」<br /><br />タクシーを呼んでもらう。ワンボックス・カーが来た。二人ではもったいないくらいの大きさ。ドライバーは女性。「ベルベデールへ」というと、「その後は」と聞く。「ジュース工場へ」というと「今日はクローズ」「どうして?」「今日は日曜日」「あぁ、そうか。曜日の感覚がなかったな。残念。あそこでつくっているパインのリキュールを試飲して、よかったら買って帰ろうかと思っていたのに。」と残念がる。「3時間で島巡り、6,500CPFでどうか」「OK.」<br /><br />先ずはベルベデールへ向かう。展望台のあるところだ。登り口でドライバーが「バリハイ」と山を指した。「これがバリハイ?」角度によって山は様子が違う。バリハイは通称で、正しくはモウアロア山(880m)という。この島のシンボル的存在だ。結局島を一周したので、いろんなバリハイにお目にかかれた。<br /><br />赤い花の咲いている木を指差して「Very expensive tree」と教えた。「タパ?」と聞くとうなづいている。タパの原料の木ということか。その横を指してエビ(shrimp)の養殖場だと言った。「ブラック・タイガー?」と聞いたが通じなかった。どんなshrimpを養殖しているのだろう。海を汚さないといいんだが。<br /><br />ベルベデールはクック湾とオプノフ湾二つの湾、バリハイ、空に口をあけているロツイ山が見わたせる展望のいいところだ。蚊が多いから気をつけろと言われたが、蚊の集団に襲われることはなかった。ただ、車に戻ると、どこにいたのか車内にたくさん蚊が入り込んでいた。モスキトー叩きだなんて言いながら、つぶしている。<br /><br />ちょっと下ったところにティティロアのマラエがある。「聖なる所」だそうだ。ドライバーはtempleと説明したが、神殿といったほうがいいみたい。うっそうとした森。静かでなんとなく厳かな感じになる。板根(ばんこん)が目立つ。熱帯の土は栄養分が少ない。そこで木は地中に根をはらず、地上に張っていく。それが板根。日本では西表島のサキシマスオウが有名。<br /><br />そうそう、「タブー」とはポリネシア語の「聖なるところ」から来ている。神聖なところはやたらに入れない、よってタブーは禁忌。ついでに、刺青のtattooももとはポリネシア語だ。ビューポイントに止まっては説明してくれたが、きれいな海岸、青い海と同じような景色が続くと贅沢だがうつらうつらしてくる。代わりに娘が受け答えしている。<br /><br />カトリック教会の前でも止まった。たぶんpapasanとだったらミサに入ったろう。写真は撮ったがその後は、またしてもうつらうつら。眠りは足りているはずなのに。ショッピングセンター。レストランやらブティックやおみやげ物屋がならんでいる。シャワーもトイレもある。<br /><br />奥にスーパーがあった。暑いからなにか飲み物がほしいと、棚を見ていると、あった、あった、パインナップル・リキュールが。小さいけど実物のパイナップルがお酒の中に鎮座している。このパイナップルも小さいうちにガラスビンの中に入れて育てるんだろうなァ。なんでもリキュールは熟したパイナップルを1年かけて発酵させて作るもので、40度もあるそうだ。ところがリキュールの棚には鍵がかかっている。ぐるっとまわると、品物を並べている女性店員がいた。「パイナップル・リキュールがほしい」というと、「英語はわからない」と英語で言った。もう一度店内を探したがカウンター(とても忙しそう)以外は英語がわからないといったあの女性しかいない。こうなったら強引に、彼女の腕をとってリキュールの前に連れて来た。「あれがほしいが、鍵がかかっている。だしてくれ」と、英語とフランス語のちゃんぽんに、さらにジェスチャーをくわえて訴えた。女性もなにか言っているのだが、現地語なのでわからない。押し問答していると、お客の男性がやってきて、私たちの言い分を聞いてくれた。しかし、彼が英語で言うには「今日は日曜日だから、リキュールは買えない。リキュールが欲しければ、明日来なさい。もし今日飲みたければ、ビールかワインにしなさい」と。「え〜、日曜日はお酒の販売禁止なの。ワインやビールはお酒に入らないの?変なの」と言ってはみたが、決まりは決まり。Oh, my god!<br /><br />ジュースを買って、出ようとするとバニラに気がついた。そんなに安くはないが、ついでだから買っていこう。でもこのバニラはたしかにものはいい。車に戻り、ドライバーに「for you」とジュースを渡し、「リキュールが欲しかったんだけど、日曜日で買えなかった」といいつけると、「そうだ」と気の毒そうに答えた。<br /><br />やっと目が覚めた。一回りして、シェラトンに戻った。どうせだからお昼を食べていこう、と浜辺のランチハウスへ行く。昨日のウェイターが顔を覚えていて、こちらにどうぞとすすめてくれる。私はマヒマヒのグリル。マヒマヒがどんな魚か知らないが、さっぱりしていて美味しかった。キャッシュで払うと、二人で4200CPF。<br /><br />「註:マヒマヒはシイラ」<br /><br />迎えが来た。今回もあちこちホテルをまわって客を拾っていく。港に着いた。30分も早い。チケットを買い、暑いけれど、水際に行って小魚が泳ぐのを見ている。コバルトスズメに似た青い色の小魚が群れをなしている。まだパンが残っていたので、魚にやってしまう。<br /><br />乗船が始まった。船上へ行こうと思ったらロープが張られている。風が強くなったので、船上にはいれないらしい。仕方がないので、一番前に座って外を見ている。風のせいだろう、たしかにうねりがあり、船はゆれる。娘は気持ちが悪いといいだした。3時半に港に着いた。迎えが来ていて、ホテルまで連れて行ってくれた。<br /><br />ホテルは港からそんなに遠くはない。ホテルと言っても今夜はイースターに向けてフライトとしなければならないから休憩のようなものだ。夜遅い移動は好きじゃないが、これしか飛行機がないのだからわがままがいえない。いつもなら一台は小さなバッグに入れていくのだが、移動日でもあるし、鍵がかかっているバッグをあけて取り出すのも面倒、とカメラはむきだしのまま、ポケットにフィルムを詰め込んで、2台のカメラを肩に掛けて外に出る。<br /><br />ホテル マンダリンの前は市庁舎だ。商店街がマルシェまで続いている。しかし今日は日曜日、どの店もしまっている。人通りも全くない。十字路を渡ろうとしたとき、左から来たバイクの若者二人ずれとすれ違った。二人は私たちの周りを回りこむようにしてむきを変えた。いやな感じ。<br /><br />私は前方を見て歩いていると、娘が「変な人が来る!」と叫んだ。振り向くと、私のすぐ後ろにヘルメットを被ったさっきの若い男がいた。目があった。ヤバイと思った。次の瞬間、男の手がいきなり私のカメラをつかんだ。大事な大事なカメラ、盗られてなるものか、と私も力いっぱい引っ張った。握力には自信がある。大声で「HELP!」と叫んだ。日ごろから声は大きい。その声に怯んだのか男が手を離した。勢いあまって左足ひざをついた。<br /><br />しかしカメラを傷つけないようにレンズをお腹で抑える余裕はあった。私の声を聞きつけて、近くから女性が出てきてくれた。男たちがバイクで港の方に走っていくのが見える。「あの連中だ!」と指さしてから、礼を言うと「ケガはなかったか。何事もなくてよかった。悪い奴だとナイフで刺すこともある」と慰めてくれた。娘はブルっているし、店もしまっているので、見るものもなさそうだ。ホテルに戻ろう。部屋に戻ると、娘が「ママ、強いのね。恐くなかった?」という。不思議と恐くはなかった。<br /><br />「こんなことは初めて。この国は治安がいいと思っていたから、ちょっと油断したかな。年寄りだと思って甘くみたな」とむしろ腹を立てていた。「年寄りだからじゃなく、女二人連れだからねらわれたんじゃない。それに大きなカメラは目立つしね。いつもはパパがいるから、大丈夫だったのよ。」と。<br />まぁ、そうかもしれない。じゃぁ、いつもエスコートしてくれているpapasanに感謝しよう!<br /><br />部屋は殺風景だけどひろい。洗面所もひろい。バスタブもある。備え付けのココナツ石けんはいい香りだ。風呂に入り、洗濯をして、クーラーで乾かしている。もちろん、ときどき居眠り。(Even Homer sometimes snaps.使い方は違うけどね)窓のガラスに小さなクモを見つけた。急いでマクロ・レンズに代えて写真を撮ろうと近寄ると、クモはぴょんと消えた。「おやまぁ、恥ずかしがり屋のクモさん」と言いながら、ガラスから離れると、またぴょんと姿を現した。あわてて傍に寄るとまたぴょんと姿を消した。ガラス窓を開けて探したが、もうどこにもクモの姿はなかった。からかわれているみたいだ。「夕食はどうしよう。中華料理ならホテルにレストランがあるけど。」「ホテルでいい」というので、8時前にレストランへ行く。きれいなレストランだが、客はまだほとんどいない。飲み物はTHE(中国茶)を頼んだ。出てきたのはウーロン・ティ。私はここ特製の焼きそば。娘は野菜焼きそば。量はびっくりするくらい多い。失敗だったね。違うものを取ればよかったね。食べ残してしまった。でもデザートにアイスクリームをとった。これも量は多かったが、ココナッツのアイスはさっぱりしていて美味しかった。<br /><br />23時過ぎ、迎えが来た。チェックインの前に荷物検査がある。そのために列が出来ている。数人日本人観光客もいる。いっしょになってぺちゃぺちゃしゃべっている。ウィンドサイドは取れた。出発はジャスト1時のサンチャゴ行きだ。中に入るとすぐイミグレ。そしてまた手荷物チェック。そして待合室だ。<br /><br />Los Angeles経由のParis行きがある。鮮やかなグリーンの制服を着たスチュワーデスたちが入っていく。それにしてもポリネシアの人たちは背が高いし、大きい。イースター島へはチリの航空会社ランチリを利用する。飛行機はもう着いている。白いブラウスに海老茶のリボンを結んだスチュアデスたちが入っていく。たぶんあれがランチリのスタッフだろう。<br /><br />搭乗が始まった。待合室を出て、飛行機まで歩いていく。今回も窓際は私が取る。でも飛び立つや、すぐ真っ暗な海になってしまった。今夜は寝るぞ!でも飲み物のサービスで起こされた。「ヴィーノ チント」「そういう言葉はすぐ出るのね」と娘が笑う。サンドウィッチだといって、コルネ型したパンをくれたが、食べずに袋にいれてバッグの中に押し込んだ。とにかく寝るんだ。結局、またしても二日目は三日目へとずれこむこととなる。 <br /><br /><br />

モアイに会いに5

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2004/01/17 - 2004/01/23

137位(同エリア140件中)

0

2

buchijoyce

buchijoyceさん

モーレア島

2日目(18日 sun)

ぐっすり眠ってしまったらしい。まぶしい光に目を覚ました。娘がカーテンを引いたのだ。「何時?」「7時半」「しまった〜。夜明けのラグーンを見たかったんだ」もうあたり一面、光り輝いている。テラスに出でると、少し先のコッテージに朝食を届けに行くカヌーが見える。望遠レンズを向けると、女性のひとりが手を振った。こちらも手を振りかえす。

「じゃぁ、食事に行こうか」木道を歩くと、泊り客が戻ってくる。「Good morning.」と声をかけると、返ってくる挨拶に「Good morning.」「Bon jour.」中に「Morgen.」もある。

先ずはフロントに夕べ書いた絵葉書を出しに行く。日本までは130CPFだが、ヨーロッパも130CPFでいいのか確かめるために。でも大丈夫だった。

朝食もビュッフェ・スタイル。紅茶はティーバッグを入れてもって来てくれた。パインは小さいが美味しい。スイカの味はいまいちだが、日本人としては、この時期にはうれしい。また魚にやるため、パンを余分に持ってくる。ポートに遊覧船が止まっている。あれで島のまわりを回れるようだ。乗ろうかというと、船はいやだと娘が言うので、車で島巡りをすることにする。

荷物をまとめ、フロントに行き、チェックアウトしてもらう。「いいところですね。昨日はとうとう一歩もここから出なかったんですよ。すっかりのんびりしました。飛行機の都合だから仕方ないけど、もう一日欲しかったですね。今度は夫と来ますよ。」荷物を預かってもらうと、「ずいぶんコンパクトですね」とユリさん。「えぇ、いつもこんなものです。今夜イースター島へ発つんですよ。」「私も行ったことがありますが、モアイ以外な〜んにもないところですよ。」

タクシーを呼んでもらう。ワンボックス・カーが来た。二人ではもったいないくらいの大きさ。ドライバーは女性。「ベルベデールへ」というと、「その後は」と聞く。「ジュース工場へ」というと「今日はクローズ」「どうして?」「今日は日曜日」「あぁ、そうか。曜日の感覚がなかったな。残念。あそこでつくっているパインのリキュールを試飲して、よかったら買って帰ろうかと思っていたのに。」と残念がる。「3時間で島巡り、6,500CPFでどうか」「OK.」

先ずはベルベデールへ向かう。展望台のあるところだ。登り口でドライバーが「バリハイ」と山を指した。「これがバリハイ?」角度によって山は様子が違う。バリハイは通称で、正しくはモウアロア山(880m)という。この島のシンボル的存在だ。結局島を一周したので、いろんなバリハイにお目にかかれた。

赤い花の咲いている木を指差して「Very expensive tree」と教えた。「タパ?」と聞くとうなづいている。タパの原料の木ということか。その横を指してエビ(shrimp)の養殖場だと言った。「ブラック・タイガー?」と聞いたが通じなかった。どんなshrimpを養殖しているのだろう。海を汚さないといいんだが。

ベルベデールはクック湾とオプノフ湾二つの湾、バリハイ、空に口をあけているロツイ山が見わたせる展望のいいところだ。蚊が多いから気をつけろと言われたが、蚊の集団に襲われることはなかった。ただ、車に戻ると、どこにいたのか車内にたくさん蚊が入り込んでいた。モスキトー叩きだなんて言いながら、つぶしている。

ちょっと下ったところにティティロアのマラエがある。「聖なる所」だそうだ。ドライバーはtempleと説明したが、神殿といったほうがいいみたい。うっそうとした森。静かでなんとなく厳かな感じになる。板根(ばんこん)が目立つ。熱帯の土は栄養分が少ない。そこで木は地中に根をはらず、地上に張っていく。それが板根。日本では西表島のサキシマスオウが有名。

そうそう、「タブー」とはポリネシア語の「聖なるところ」から来ている。神聖なところはやたらに入れない、よってタブーは禁忌。ついでに、刺青のtattooももとはポリネシア語だ。ビューポイントに止まっては説明してくれたが、きれいな海岸、青い海と同じような景色が続くと贅沢だがうつらうつらしてくる。代わりに娘が受け答えしている。

カトリック教会の前でも止まった。たぶんpapasanとだったらミサに入ったろう。写真は撮ったがその後は、またしてもうつらうつら。眠りは足りているはずなのに。ショッピングセンター。レストランやらブティックやおみやげ物屋がならんでいる。シャワーもトイレもある。

奥にスーパーがあった。暑いからなにか飲み物がほしいと、棚を見ていると、あった、あった、パインナップル・リキュールが。小さいけど実物のパイナップルがお酒の中に鎮座している。このパイナップルも小さいうちにガラスビンの中に入れて育てるんだろうなァ。なんでもリキュールは熟したパイナップルを1年かけて発酵させて作るもので、40度もあるそうだ。ところがリキュールの棚には鍵がかかっている。ぐるっとまわると、品物を並べている女性店員がいた。「パイナップル・リキュールがほしい」というと、「英語はわからない」と英語で言った。もう一度店内を探したがカウンター(とても忙しそう)以外は英語がわからないといったあの女性しかいない。こうなったら強引に、彼女の腕をとってリキュールの前に連れて来た。「あれがほしいが、鍵がかかっている。だしてくれ」と、英語とフランス語のちゃんぽんに、さらにジェスチャーをくわえて訴えた。女性もなにか言っているのだが、現地語なのでわからない。押し問答していると、お客の男性がやってきて、私たちの言い分を聞いてくれた。しかし、彼が英語で言うには「今日は日曜日だから、リキュールは買えない。リキュールが欲しければ、明日来なさい。もし今日飲みたければ、ビールかワインにしなさい」と。「え〜、日曜日はお酒の販売禁止なの。ワインやビールはお酒に入らないの?変なの」と言ってはみたが、決まりは決まり。Oh, my god!

ジュースを買って、出ようとするとバニラに気がついた。そんなに安くはないが、ついでだから買っていこう。でもこのバニラはたしかにものはいい。車に戻り、ドライバーに「for you」とジュースを渡し、「リキュールが欲しかったんだけど、日曜日で買えなかった」といいつけると、「そうだ」と気の毒そうに答えた。

やっと目が覚めた。一回りして、シェラトンに戻った。どうせだからお昼を食べていこう、と浜辺のランチハウスへ行く。昨日のウェイターが顔を覚えていて、こちらにどうぞとすすめてくれる。私はマヒマヒのグリル。マヒマヒがどんな魚か知らないが、さっぱりしていて美味しかった。キャッシュで払うと、二人で4200CPF。

「註:マヒマヒはシイラ」

迎えが来た。今回もあちこちホテルをまわって客を拾っていく。港に着いた。30分も早い。チケットを買い、暑いけれど、水際に行って小魚が泳ぐのを見ている。コバルトスズメに似た青い色の小魚が群れをなしている。まだパンが残っていたので、魚にやってしまう。

乗船が始まった。船上へ行こうと思ったらロープが張られている。風が強くなったので、船上にはいれないらしい。仕方がないので、一番前に座って外を見ている。風のせいだろう、たしかにうねりがあり、船はゆれる。娘は気持ちが悪いといいだした。3時半に港に着いた。迎えが来ていて、ホテルまで連れて行ってくれた。

ホテルは港からそんなに遠くはない。ホテルと言っても今夜はイースターに向けてフライトとしなければならないから休憩のようなものだ。夜遅い移動は好きじゃないが、これしか飛行機がないのだからわがままがいえない。いつもなら一台は小さなバッグに入れていくのだが、移動日でもあるし、鍵がかかっているバッグをあけて取り出すのも面倒、とカメラはむきだしのまま、ポケットにフィルムを詰め込んで、2台のカメラを肩に掛けて外に出る。

ホテル マンダリンの前は市庁舎だ。商店街がマルシェまで続いている。しかし今日は日曜日、どの店もしまっている。人通りも全くない。十字路を渡ろうとしたとき、左から来たバイクの若者二人ずれとすれ違った。二人は私たちの周りを回りこむようにしてむきを変えた。いやな感じ。

私は前方を見て歩いていると、娘が「変な人が来る!」と叫んだ。振り向くと、私のすぐ後ろにヘルメットを被ったさっきの若い男がいた。目があった。ヤバイと思った。次の瞬間、男の手がいきなり私のカメラをつかんだ。大事な大事なカメラ、盗られてなるものか、と私も力いっぱい引っ張った。握力には自信がある。大声で「HELP!」と叫んだ。日ごろから声は大きい。その声に怯んだのか男が手を離した。勢いあまって左足ひざをついた。

しかしカメラを傷つけないようにレンズをお腹で抑える余裕はあった。私の声を聞きつけて、近くから女性が出てきてくれた。男たちがバイクで港の方に走っていくのが見える。「あの連中だ!」と指さしてから、礼を言うと「ケガはなかったか。何事もなくてよかった。悪い奴だとナイフで刺すこともある」と慰めてくれた。娘はブルっているし、店もしまっているので、見るものもなさそうだ。ホテルに戻ろう。部屋に戻ると、娘が「ママ、強いのね。恐くなかった?」という。不思議と恐くはなかった。

「こんなことは初めて。この国は治安がいいと思っていたから、ちょっと油断したかな。年寄りだと思って甘くみたな」とむしろ腹を立てていた。「年寄りだからじゃなく、女二人連れだからねらわれたんじゃない。それに大きなカメラは目立つしね。いつもはパパがいるから、大丈夫だったのよ。」と。
まぁ、そうかもしれない。じゃぁ、いつもエスコートしてくれているpapasanに感謝しよう!

部屋は殺風景だけどひろい。洗面所もひろい。バスタブもある。備え付けのココナツ石けんはいい香りだ。風呂に入り、洗濯をして、クーラーで乾かしている。もちろん、ときどき居眠り。(Even Homer sometimes snaps.使い方は違うけどね)窓のガラスに小さなクモを見つけた。急いでマクロ・レンズに代えて写真を撮ろうと近寄ると、クモはぴょんと消えた。「おやまぁ、恥ずかしがり屋のクモさん」と言いながら、ガラスから離れると、またぴょんと姿を現した。あわてて傍に寄るとまたぴょんと姿を消した。ガラス窓を開けて探したが、もうどこにもクモの姿はなかった。からかわれているみたいだ。「夕食はどうしよう。中華料理ならホテルにレストランがあるけど。」「ホテルでいい」というので、8時前にレストランへ行く。きれいなレストランだが、客はまだほとんどいない。飲み物はTHE(中国茶)を頼んだ。出てきたのはウーロン・ティ。私はここ特製の焼きそば。娘は野菜焼きそば。量はびっくりするくらい多い。失敗だったね。違うものを取ればよかったね。食べ残してしまった。でもデザートにアイスクリームをとった。これも量は多かったが、ココナッツのアイスはさっぱりしていて美味しかった。

23時過ぎ、迎えが来た。チェックインの前に荷物検査がある。そのために列が出来ている。数人日本人観光客もいる。いっしょになってぺちゃぺちゃしゃべっている。ウィンドサイドは取れた。出発はジャスト1時のサンチャゴ行きだ。中に入るとすぐイミグレ。そしてまた手荷物チェック。そして待合室だ。

Los Angeles経由のParis行きがある。鮮やかなグリーンの制服を着たスチュワーデスたちが入っていく。それにしてもポリネシアの人たちは背が高いし、大きい。イースター島へはチリの航空会社ランチリを利用する。飛行機はもう着いている。白いブラウスに海老茶のリボンを結んだスチュアデスたちが入っていく。たぶんあれがランチリのスタッフだろう。

搭乗が始まった。待合室を出て、飛行機まで歩いていく。今回も窓際は私が取る。でも飛び立つや、すぐ真っ暗な海になってしまった。今夜は寝るぞ!でも飲み物のサービスで起こされた。「ヴィーノ チント」「そういう言葉はすぐ出るのね」と娘が笑う。サンドウィッチだといって、コルネ型したパンをくれたが、食べずに袋にいれてバッグの中に押し込んだ。とにかく寝るんだ。結局、またしても二日目は三日目へとずれこむこととなる。


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