モーレア島旅行記(ブログ) 一覧に戻る
しかし外は暑い。日差しも痛いくらいだ。娘が日焼け止めクリームは塗らないか、と聞くが、大丈夫だとつけずにいる。真っ白なビーチを歩くと、サングラスはかかせない。ショップで絵葉書と切手を買って、ランチを食べに行った。ランチハウスはビーチにテント張り。<br /><br />近くのヤシの木に海鳥がたくさんいる。この鳥、図鑑で見たことはあるんだけど、名前がわからない。望遠を部屋に置いてきたので、70mmで写している。すぐ傍までムクドリ(common myna)が来る。bulbul(ヒヨドリの仲間)もいる。ネパールでもよく見かけた鳥たちだ。<br /><br />食欲がなかったので、トマトジュースと生魚のココナッツ和えを頼む。娘はサンドウィッチ。<br /><br />ところが一天俄かにかきくもり、あっという間に雨が降りだした。しかも土砂降り。いそいでカメラに帽子をかぶせ、避難。降るのも早いが上がるのも早い。でも降雨量は多いので、他のテントの上はプール状態。こんなところにプールをつくってくれなくても、すぐ傍にプールはあるんだけどねぇ。<br /><br />ココヤシの殻に小口に切った生魚と野菜がココナツミルクで和えたのが入っている。付け合せはたっぷりのポテトのフライ。マイルドだが、私にはもう少し塩気と酸味がほしい。塩は機内から持ってきたのがある。機内の塩って、細かくて塩辛すぎるのが難点。<br /><br />家族連れがプールに入って、泳ぐでもなく、静かにしている。温泉なんだろうか。プールサイドに行って手を入れてみた。水だ。私が手を突っ込むのを見て、おじさんが何とか言って笑った。フランス語だったので、よくわからなかったけど。あっはっは、フランス旅行はまだ先だと思って、フランス語をやっていなかったけど、あのときからやっておけばよかったのだ、残念!(口先だけ)<br /><br />コッテージに戻ると、鍵が開けられない。二人でがちゃがちゃ試している。でも開かない。我が家には鍵はないし、papasanとの旅行では私が鍵をあけることはない。困っていると、といってもコッテージの前は共同のレストスポットだ。私は座ってのんびりと、やっぱりケセラセラ党首だと笑っている。娘がひとりでガチャガチャやっている。すると、奥のほうから家族連れがやってきた。もちろん助っ人を頼む。なんのことはない、鍵は反対にまわすのだった。<br /><br />中に入ると、あれ、さっきの通り雨で洗濯物はびしょびしょ。もう一度洗いなおして、今度は軒下の椅子に掛けた。娘は水中眼鏡とシュノーケルをつけてラグーンに入るという。この娘が小さい頃、磯によく連れて行った。タイドプールで海岸生物を捕まえては遊んだから、大きくなってもこういうのは興味があるんだろう。<br /><br />私はパンをちぎって魚たちに与えている。さんご礁の魚は見たことはあるが名前は知らない。いろんなのがたくさんやってくる。縞々のあるもの、カワハギみたいに口がすぼんだもの、ピンクと青のグラデーションのもの。いろとりどりできれいだ。水面が動いているので、水底は光が変化してキレイだが、魚を撮るには邪魔だ。まさか水の中にレンズをいれるわけにはいかないからやめた。珊瑚なのか、藻なのか、松ぼっくりをしたようなものがいくつも潮にただよっている。<br /><br />変なオバサンは床下を覗き込んで排水がどうなっているか探している。垂れ流しはしていない。休憩所になっているところで浄化しているようだ。そうだろうな、垂れ流しをしたら、元も子もなくなる。<br /><br />小型のハト(zebra dove)が様子を見ている。こんな小さなハトははじめて。このハトはパペーテの空港にもいたし、ここにもずいぶんいる。<br /><br />午後からジュース工場へ行こうと言っていたのだが、空模様が怪しいのでまたまた寝てしまう。今度は室内の長いすに寝転がって。リゾートでの時間の過ごし方はぼーっとしていいのだが、ぼ〜っとどころか居眠りしきり。覚えていることは、魚にパンをやったことぐらいだ。<br /><br />日が落ち始めたので夕日を見ようと木道を外れまで歩いて行く。ところどころにベンチが置いてある。ここを歩くだけでもいい散歩になる。ラグーンの中とはいえ、外海に近いところはリーフの先に砕ける波の音がよく聞こえる。<br /><br />薄明の中のバリハイはちょっとムードがある。近くのコッテージに泊まっているご夫妻が食事に出かけるのだろう、ベンチに座っている私に声をかけて行った。<br /><br />ポストに入っていたメッセージに今夜はディナーショーでタヒチアンダンスがあるから、希望者はフロントに申し込んで欲しいと書いてあった。「見たい?」って聞くと、「見なくてもいい」という返事。なら、アラカルトでワインを飲もうということになった。<br /><br />食事に行くと、持ってきたメニューは飲み物だけ。<br />ともかくワインはサンテミリオンの赤を頼んだ。<br />料理を聞くと、「オンリー・ブッフェ」だという。<br />おやまぁ、夕食のブッフェは嫌いなんだけどね、しかたないね、と取りに行く。<br /><br />「すみません」と日本語で声をかけられた。見ると、さっきの新婦さん。<br />「これ食べた分支払うんですか?」<br />「いえいえ、料金は同じだから、食べられたらいっぱい食べた方がいいのよ。はじめは少しずつ取ってきて、気に入ったらいっぱい持ってらっしゃい。何回取りにいってもいいのよ。ただし飲み物は別料金よ」<br />「そうなんですか。私、お腹ぺこぺこ」<br />「それは良かったわね。私たちはお腹が空いていないから、ブッフェはいやなんだけど、今夜はこれしかないみたい。あそこにロブスターもあったわよ」と知恵をつけている。<br />そして私は、すばやく氷の上に並んでいる生牡蠣をみつけた。ちょっとこぶりだが、ここで生牡蠣にあえるとは。ひとりで山のように皿にのせている。これとワインで十分。後は果物とケーキだ。おや、スイカがある。刺身も持ってきたのだが、これは残した。<br /><br />食事中、突然、太鼓の音が響くと、ダンサーたちが飛び込んできた。あれ、ディナーショーなんだ。客が少ないからみんなこれに組み込まれていたんだ。ならゆっくりと楽しむとしよう。と言いながらもカメラを持って前に出て写真を撮っている。これがあるとは思わなかったから、ストロボは内蔵のものだけど。小さな女の子が3人、腰をふりふり踊りだした。可愛い。<br />こんな小さなうちから踊り出せば上手になるよね。<br /><br />ダンサーも上手な人もいれば、下手な人もいる。横を見ながら踊っているのもいる。これはないよな〜。<br />終わり近く、観客を引っ張り出して踊らせる。どこも同じだ。出て行って踊ってもいいんだけど、タヒチアン・ダンスは腰を激しく振るからぎっくり腰になりそうだ、とやめる。<br />ショーが終ったので、デザートを取りに行くと、さっきの新婦さんが鍵の閉め方がわからないと聞きにきた。「お姉さんに聞いて」というと、娘に聞いている。<br /><br />さぁ、星が出始めた。南十字星はどこだろう。星座表を片手に星を眺めている。雲がかかるのでよくは見えない。オリオンが見える。だけどオリオン星雲のある<br />三ツ星が上にある。北半球とさかさま。偽十字は見つかった。<br />パトロールなんだろうか、車が来たので止めて<br />「La Croix du Sud(南十字星)はどこ?」と聞くと外洋のほうを指差した。でもそっちには雲がかかっている。これでは満天の星空は無理だろうなァ。<br />しかし、オリオンの後ろに天の川が流れていることは見て取れる。ということは私が若い頃の日本の空もこのくらい澄んでいたのだ。<br /><br />ビーチの灯りも消えた。コテージの下に電気がつき、<br />ガラスの下の海底が見えるようになっている。<br />眠ってしまったらしく魚たちの姿はない。真っ黒な長いナマコが岩のようにごろごろしているのが見える。あれは食べられないのかな、沖縄の砂地にもごろんごろんしてた。どこかで、ゴムぞうりの代わりにナマコの粘液を使っていたのを思い出した。<br />あのナマコは役に立たないのかな。<br /><br />さっき買ってきた絵葉書を書いている。きれいな青い海の絵葉書でベラルーシにも書いた。ときおり思い出したように、何回も部屋を抜け出し、空を仰いだが状況はかわらなかった。<br />かくして長い一日目は終った。<br /><br />

モアイに会いに4

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2004/01/17 - 2004/01/23

99位(同エリア140件中)

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5

buchijoyce

buchijoyceさん

しかし外は暑い。日差しも痛いくらいだ。娘が日焼け止めクリームは塗らないか、と聞くが、大丈夫だとつけずにいる。真っ白なビーチを歩くと、サングラスはかかせない。ショップで絵葉書と切手を買って、ランチを食べに行った。ランチハウスはビーチにテント張り。

近くのヤシの木に海鳥がたくさんいる。この鳥、図鑑で見たことはあるんだけど、名前がわからない。望遠を部屋に置いてきたので、70mmで写している。すぐ傍までムクドリ(common myna)が来る。bulbul(ヒヨドリの仲間)もいる。ネパールでもよく見かけた鳥たちだ。

食欲がなかったので、トマトジュースと生魚のココナッツ和えを頼む。娘はサンドウィッチ。

ところが一天俄かにかきくもり、あっという間に雨が降りだした。しかも土砂降り。いそいでカメラに帽子をかぶせ、避難。降るのも早いが上がるのも早い。でも降雨量は多いので、他のテントの上はプール状態。こんなところにプールをつくってくれなくても、すぐ傍にプールはあるんだけどねぇ。

ココヤシの殻に小口に切った生魚と野菜がココナツミルクで和えたのが入っている。付け合せはたっぷりのポテトのフライ。マイルドだが、私にはもう少し塩気と酸味がほしい。塩は機内から持ってきたのがある。機内の塩って、細かくて塩辛すぎるのが難点。

家族連れがプールに入って、泳ぐでもなく、静かにしている。温泉なんだろうか。プールサイドに行って手を入れてみた。水だ。私が手を突っ込むのを見て、おじさんが何とか言って笑った。フランス語だったので、よくわからなかったけど。あっはっは、フランス旅行はまだ先だと思って、フランス語をやっていなかったけど、あのときからやっておけばよかったのだ、残念!(口先だけ)

コッテージに戻ると、鍵が開けられない。二人でがちゃがちゃ試している。でも開かない。我が家には鍵はないし、papasanとの旅行では私が鍵をあけることはない。困っていると、といってもコッテージの前は共同のレストスポットだ。私は座ってのんびりと、やっぱりケセラセラ党首だと笑っている。娘がひとりでガチャガチャやっている。すると、奥のほうから家族連れがやってきた。もちろん助っ人を頼む。なんのことはない、鍵は反対にまわすのだった。

中に入ると、あれ、さっきの通り雨で洗濯物はびしょびしょ。もう一度洗いなおして、今度は軒下の椅子に掛けた。娘は水中眼鏡とシュノーケルをつけてラグーンに入るという。この娘が小さい頃、磯によく連れて行った。タイドプールで海岸生物を捕まえては遊んだから、大きくなってもこういうのは興味があるんだろう。

私はパンをちぎって魚たちに与えている。さんご礁の魚は見たことはあるが名前は知らない。いろんなのがたくさんやってくる。縞々のあるもの、カワハギみたいに口がすぼんだもの、ピンクと青のグラデーションのもの。いろとりどりできれいだ。水面が動いているので、水底は光が変化してキレイだが、魚を撮るには邪魔だ。まさか水の中にレンズをいれるわけにはいかないからやめた。珊瑚なのか、藻なのか、松ぼっくりをしたようなものがいくつも潮にただよっている。

変なオバサンは床下を覗き込んで排水がどうなっているか探している。垂れ流しはしていない。休憩所になっているところで浄化しているようだ。そうだろうな、垂れ流しをしたら、元も子もなくなる。

小型のハト(zebra dove)が様子を見ている。こんな小さなハトははじめて。このハトはパペーテの空港にもいたし、ここにもずいぶんいる。

午後からジュース工場へ行こうと言っていたのだが、空模様が怪しいのでまたまた寝てしまう。今度は室内の長いすに寝転がって。リゾートでの時間の過ごし方はぼーっとしていいのだが、ぼ〜っとどころか居眠りしきり。覚えていることは、魚にパンをやったことぐらいだ。

日が落ち始めたので夕日を見ようと木道を外れまで歩いて行く。ところどころにベンチが置いてある。ここを歩くだけでもいい散歩になる。ラグーンの中とはいえ、外海に近いところはリーフの先に砕ける波の音がよく聞こえる。

薄明の中のバリハイはちょっとムードがある。近くのコッテージに泊まっているご夫妻が食事に出かけるのだろう、ベンチに座っている私に声をかけて行った。

ポストに入っていたメッセージに今夜はディナーショーでタヒチアンダンスがあるから、希望者はフロントに申し込んで欲しいと書いてあった。「見たい?」って聞くと、「見なくてもいい」という返事。なら、アラカルトでワインを飲もうということになった。

食事に行くと、持ってきたメニューは飲み物だけ。
ともかくワインはサンテミリオンの赤を頼んだ。
料理を聞くと、「オンリー・ブッフェ」だという。
おやまぁ、夕食のブッフェは嫌いなんだけどね、しかたないね、と取りに行く。

「すみません」と日本語で声をかけられた。見ると、さっきの新婦さん。
「これ食べた分支払うんですか?」
「いえいえ、料金は同じだから、食べられたらいっぱい食べた方がいいのよ。はじめは少しずつ取ってきて、気に入ったらいっぱい持ってらっしゃい。何回取りにいってもいいのよ。ただし飲み物は別料金よ」
「そうなんですか。私、お腹ぺこぺこ」
「それは良かったわね。私たちはお腹が空いていないから、ブッフェはいやなんだけど、今夜はこれしかないみたい。あそこにロブスターもあったわよ」と知恵をつけている。
そして私は、すばやく氷の上に並んでいる生牡蠣をみつけた。ちょっとこぶりだが、ここで生牡蠣にあえるとは。ひとりで山のように皿にのせている。これとワインで十分。後は果物とケーキだ。おや、スイカがある。刺身も持ってきたのだが、これは残した。

食事中、突然、太鼓の音が響くと、ダンサーたちが飛び込んできた。あれ、ディナーショーなんだ。客が少ないからみんなこれに組み込まれていたんだ。ならゆっくりと楽しむとしよう。と言いながらもカメラを持って前に出て写真を撮っている。これがあるとは思わなかったから、ストロボは内蔵のものだけど。小さな女の子が3人、腰をふりふり踊りだした。可愛い。
こんな小さなうちから踊り出せば上手になるよね。

ダンサーも上手な人もいれば、下手な人もいる。横を見ながら踊っているのもいる。これはないよな〜。
終わり近く、観客を引っ張り出して踊らせる。どこも同じだ。出て行って踊ってもいいんだけど、タヒチアン・ダンスは腰を激しく振るからぎっくり腰になりそうだ、とやめる。
ショーが終ったので、デザートを取りに行くと、さっきの新婦さんが鍵の閉め方がわからないと聞きにきた。「お姉さんに聞いて」というと、娘に聞いている。

さぁ、星が出始めた。南十字星はどこだろう。星座表を片手に星を眺めている。雲がかかるのでよくは見えない。オリオンが見える。だけどオリオン星雲のある
三ツ星が上にある。北半球とさかさま。偽十字は見つかった。
パトロールなんだろうか、車が来たので止めて
「La Croix du Sud(南十字星)はどこ?」と聞くと外洋のほうを指差した。でもそっちには雲がかかっている。これでは満天の星空は無理だろうなァ。
しかし、オリオンの後ろに天の川が流れていることは見て取れる。ということは私が若い頃の日本の空もこのくらい澄んでいたのだ。

ビーチの灯りも消えた。コテージの下に電気がつき、
ガラスの下の海底が見えるようになっている。
眠ってしまったらしく魚たちの姿はない。真っ黒な長いナマコが岩のようにごろごろしているのが見える。あれは食べられないのかな、沖縄の砂地にもごろんごろんしてた。どこかで、ゴムぞうりの代わりにナマコの粘液を使っていたのを思い出した。
あのナマコは役に立たないのかな。

さっき買ってきた絵葉書を書いている。きれいな青い海の絵葉書でベラルーシにも書いた。ときおり思い出したように、何回も部屋を抜け出し、空を仰いだが状況はかわらなかった。
かくして長い一日目は終った。

  • コッティジの間から

    コッティジの間から

  • 朝食を届けに

    朝食を届けに

  • クロアジサシ

    クロアジサシ

  • クロアジサシ

    クロアジサシ

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