1997/09/21 - 1997/09/21
53位(同エリア70件中)
まみさん
9/21(日)ドゥーズ2日目
サハラ砂漠ラクダに乗ってベドウィン人ガイドと共に半日
* * * *
朝、起きてみたら、雨が降っていました。今日は一日、ベドウィン人ガイドによるサハラ砂漠ツアーの日ですが、雨が降った場合はどうなるのでしょう。
しかし、朝食がすむ頃、だいたい8時前には雨は既にやんでいたので、ほっとしました。
それより、少しばかり自分の体調が心配です。
チュニジア入りしてから9日目。初日からずっとお腹を壊しっぱなしで、日本から持参した正露丸が、あと1回分しか残っていないのです。
これまでせっせと正露丸を飲んでも治りませんでした。あと1回ではとても治らないでしょう。自然治癒をあてにするか、今日を含めた帰国までの残り5日間で悪化しないことを祈るしかないようです。
とにかく、トイレがないところで「もよおす」のだけが心配です。
もっとも、今までも、食事制限をして治そうという努力を全くしなかったので、ある意味、自業自得なのですが。
Kamelさんがホテルまで迎えに来てくれました。市内のBel-Habibというホテルで、手配したガイドとラクダを、どきどきしながら待ちます。
待っている間、ホテルの主人と少し会話をしました。所在なさそうな客の相手をしたってかんじでした。そのせいか、適度に愛想がよく、しつこくなく、ホッとできました。
ミントティーもごちそうになりました。
ちなみに、チュニジアで1度は飲んでみようかなと思っていた飲み物に「ボガ」というものがあります。メル友がインターネットからダウンロードしてくれた、日本人女性3人によるチュニジア旅日記で紹介されていたのです。
しかし、チュニジア……というよりアラブ圏らしい飲み物ということでは、もっぱらミントティーばかりいただいています。それも、今のところ一度も自腹を切らないで、おもてなしとして。
(私はコーヒー党なので、自腹を切っても飲むのは、ついついコーヒーばかりになってしまうのです@)
ラクダが来るのが遅いので、だんだん手持ち無沙汰になってきました。
そんなとき、Kamelさんが知り合いから、私と同じホテルにどうやら英国人女性ライターが滞在しているらしい、という情報を得てきました。
そして私に、一緒にラクダでベドウィン人ツアーに参加するよう、彼女を誘ってくれないか、といいます。
はじめは私は、人見知りする性格であるためと英語で彼女とぺらぺら話せる自信がないという気後れから断りました。それに、今からホテルに戻るのか、と、うんざりしたのも確かです。
しかし、Kamelさんはなんとか私を説得しようと必死です。彼女はガイドブックを書いてるので、自分のツアーの宣伝もしてくれるだろうから、それくらいの好意は返してくれてもよいのではないか、と。
まあ、確かに、Kamelさんには、心地よい時間を過ごせたと言い切れないとはいえ、昨日からさんざんお世話になっています。そんな風に頼まれてしまっては、イヤとは言えません。
それに考えてみたら、ベドウィン人ガイドと砂漠で2人っきりになるよりは、もう1人、それも女性の参加者がいると心強いです。
ただ、今からホテルに戻っても、その彼女とうまく落ち合えるものでしょうか。もう10時です。
旅先ではなるべくたくさん見てやろうと張り切る日本人の感覚からすると、こんな時間までホテルでゆっくりしているなんて、考えにくいかったのです。
Kamelさんとホテルに戻り、レセプションの人に、英国人の女性が一人で宿泊していないか、尋ねました。もしよかったら、一緒にサハラ砂漠ツアーに参加しないか、と誘うためだと説明しながら。
ところが、レセプションの一に話が通じさせるまで一苦労でした。自分にとって予想外のシチュエーションだと、そう得意でない言語ではなかなか理解できないのでしょうね。私もそうだからよくわかります。
それに、私の方も、レセプションの人が反応できないでいる間に、別の言い方をしたり補足すればわかってくれるだろうか、と、どんどん余計なことを言ったりしたので、ますます混乱させてしまった気がします。
なんとか通じたのですが、あいにくその女性は、昨日の私同様、ラクダに乗って1時間のサハラ・ツアーに出かけたばかりとのことでした。
なら彼女を待とう、ということになってしまいました。私はもうだいぶ待つのに飽き飽きしていたので気が進まなかったのですが、Kamelさんと時間の感覚が違うのでしょう。
ましてや、彼にとっては商売がかかっているのですから。
待っている間に、Kamelさんはホテルの従業員に、彼女についていろいろ聞いていたようです。このホテルは団体ツアーの利用が多く、それも1泊しかしないでさっさと引き上げる客が多い中、たった1人で3泊もするという外国人女性は確かにいるそうです。そう言ってKamelさんは、うんざり顔の私をなだめます。
しかし、レセプションの人は、前言を撤回しました。彼女は1時間のサハラ・ツアーに出かけたのではなく、今朝早く、とっくにチェックアウトしてしまったそうです。
なんだか怪しくなってきました。
私と同じように1人でこのホテルに3泊していて、昨日の私と同じ1時間のサハラ・ツアーに参加した外国人女性。
それって、それって……もしかしたら私のことではないでしょうか。
そういえば私も確か、昨日、誰かに職業を聞かれて、「作家だ」と答えた覚えがあります。
ひぇーっ!
だいたいレセプションの人の英語はだいぶ怪しいところがありました。私の話がどこまで通じていたか不明です。
本当にたった1人で滞在していた英国人女性ライターなんて、存在していたのかしら?
事の真偽を確認できないまま、結局、予定通り、私1人でベドウィン人ツアーに参加することになりました。
しかし、出発準備が整ったのは12時すぎです。
午前中は、ただ待っているだけで過ぎてしまいました。
その間、ホテルの従業員をはじめとして、ドゥーズの人とちょっとは会話を交わしたりしていたので、それはそれで有意義でしたが、一日めいいっぱいサハラ砂漠を満喫できると期待していただけに、むなしくなかったとは言えません。
-
ベドウィン人ガイドは21才のZoohairさんです。
私が発音しにくそうにしていたので、Zooさんと呼ぶことになりました。
手配してくれたKamelさんには20チュニジア・ディナール払いました。
Kamelさんの、友人だからこの値段にまけたのだ、という言葉を信じましょう。
Kamelさんは、ベドウィンはアラブ人の拝金主義とは違うことを強調していました。確かに、昨日のもてなしについては、特に何も請求しませんでした。
それに1泊旅行のアレンジなら相場は25チュニジア・ディナールだそうです。
Kamelさんは、自分と一緒にサハラに行くのならもっとまけると言ってくれましたが、昨日からのコミュニケーションギャップを考えると、2人きりで快適に過ごせる自信はなかったので断りました。
昨日は私もKamelさんを泣かせたり、自分でも少し薄情だったかもと思う点もありましたが、肩を抱いたりの接触はイヤだと言っても無視されたりして、私だって腹が立って当然ではないかと思える材料がなかったわけでもありませんでしたから。
もっとも、ベドウィン人の特徴として、放浪の民であるほかに(とはいえ、近年は定住する人も増えているようですが)、「接触文化」があることは、ずっと後で知りました。
Kamelさんにとって、肩を抱いたくらいでイヤそうにする私の方が不思議だったかもしれません。
ああ、でも、Kamelさんは、この別れ際に、自分が少しべたべたしたことは旦那に言わない方がいいよ、とクギをさしました。
旦那と今日の夕方に合流するという私のウソを信じさせて申し訳ないですが、Kamelさんもやっぱりある程度は確信犯だったとはいえないでしょうか。
私が乗ることになったラクダは、ムスタファくんといって、まだ3才の子供だそうです。
うーん、すでに3才にして、こんな風にミーハーな観光客のためにこき使われているのね。
Zooさんが砂漠で食事の仕度に必要なものをそろえる、というので、いったん、Zooさんの家のまで移動しました。
そのとき、私だけでは心もとないと思ったのでしょう。Zooさんは村の10才くらいの男の子にラクダの見張りを頼みました。
男の子は私の時計をほめて、欲しがりました。「ちょうだい」と言うのを、はじめ、「もらいもの?」と聞いているのだと解釈してしまって、肯定するところでした。あぶない、あぶない。
なにしろ、旅行者にとって時計は、ある意味、命綱です。特に、時間がわからなかったせいで代えのほとんどない公共交通手段を逃したりしたら、とりかえしがつきませんから。
じゃあ代わりにペンが欲しい、というので、昨日、Kamelさんにもらったボールペンを男の子にあげました。
ただ、私もそれほど予備があるわけではなかったので、それがなかったら、ボールペンすらも断ることになったかもしれません。
たかがボールペン、されどボールペン。
私にとって旅先の印象や感想をなるべくその場で日記として書き留めるのは、旅の重要な要素です。
なので、日記を書きたいとき、あるいは何かメモしたいときに書くものがないつらさは、写真を撮りたいときに撮れないときに匹敵します。
チュニスやローマなどような町に戻れば、筆記用具はいくらでも手に入るかもしれませんが、いま、ここで手放すわけにはいかないのです。
時計とボールペンではまるきり違いますが、男に子には随分、喜ばれました。今の私もそうですが、子供にとっても、書くものはとても貴重でしょう。
そういえば、今までのチュニジア旅行でも、ボールペンをねだられたのはこれが初めてではありません。
もっと多めに持ってきていたら、そのたびにあげることができて、喜ばれたでしょうに。
(写真は、昼食をとった付近のサハラ砂漠です。らくだの好物でもあり、燃えやすくて薪にちょうでいい草が至るところに生えています。) -
砂漠では、私はムスタファくんに乗り、Zooさんがムスタファくんのたずなをとって歩きます。
荷物も全部、ムスタファくんにくくりつけられています。私の荷物もZooさんがもってきた鍋だの食料だの、昼食に必要な荷物も。
それ、全部、ムスタファくんに背負わせるの?───と、見ていてちょっと驚きましたが(一番の荷物は私か……)、Zooさんは太い縄を使って、ひょいひょいとくくりつけました。
オアシスの生活では、動物をつないだり荷物をしばるための縄が必需品です。漁師など海辺の職業にとって必要なのと、同じかんじでしょうか。
といった想像はつきますが、都市生活に浸っていると、縄の大切さというのは忘れてしまいます。
昨日だけではサハラ砂漠は物足りませんでしたが、今日の半日のサハラ・ツアーで、刻々と変わるサハラの姿というものを、少しは見ることができたのではないかと思います。
ナツメヤシが視界から消え、人の高さほどある砂丘をいくつも超えて、そのうちラクダの好む草や薪にしやすい潅木が群生しているところにやってきました。2時間ほどたっていました。
ここで昼食です。
薪を集め、火をつけ、お湯を沸かします。半分枯れた木から集めた薪でしたが、本当によく燃えます。
Zooさんが小麦粉みたいなものをこねて、炭火で焼きました。これが主食で、ガレットというそうです。発酵させないパンみたいなものです。これを、香料入りのスープで煮たジャガイモや玉ねぎと一緒に食べるか、Zooさんちのオリジナルのオリーブオイルにつけて食べます。
ベドウィン人の典型的な食事というのがどういうもか、全く予備知識がなかったので、はじめは、そのあまりの質素さに、身につまされる思いがしました。
でも、素朴な料理ですが、わりと私の好みでした@
凝っていればいいというものでもないのだと、しみじみ実感。
ガイドのZoohaiorくん、ガレット(garette)を作る。発酵させないパンのようなもの。
直接直火であぶる。
Zoohaiorくんの発音はむずかしいので、Zooくんと愛称で。
Zooさんが食事の仕度をしているとき、私はただそれを見ているか、少し離れた場所でぼぉーっと1人で砂漠を眺めていました。
砂漠は、音の全くない世界でした。耳鳴りがキーンと聞えてきそうなほどでした。
ふつうに生活していると、音のない世界なんて縁がありません。ああ、これが砂漠なのかぁ、と感慨深いものがありました。
しかし、ロマンチックな思いに浸っていられたのは、しばらくの間だけでした。蚊がまとわりついてたまらないのです。うるさいの、なんのって!
私があまりに蚊をうるさがっているので、Zooさんがターバンを貸してくれました。それで目元以外を覆ってしまうと、すっかり怪しい人に……。
* * * *
写真は、私を乗せて来たムスタファくんです。まだ3歳の子供です。
実はこの写真は、「チュニジア・ハイライトその5:動物たち」にもあるのと同じです。URLは下記です。
http://redirect.4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10054688/
この表紙を飾るのが、ムスタファくんです。
この旅行記には他にもムスタファくんの写真を載せています。
この写真は、Zooさんが食事の仕度をしているときに撮りました。私を下ろした後、ムスタファくんも、休憩&昼食タイムとなりました。 -
サハラ砂漠に生えている草。ラクダの好物の草だそうです。ムスタファくんも食べていました。
あ! タバコの吸い殻が…。 -
オアシスの草でたき火です。
これで湯を沸かしたり、ガレットを炭火焼きします。 -
食事の仕度をするガイドのZooさん。
ガレットを作っています。 -
彼方にムスタファくん。
Zooさんが食事の仕度をしている間、私は何にも手伝いすらせず、ぼ〜っと砂漠を眺めていました。
その間、ムスタファくんは、好物の草を食べながら、どんどん移動していってしまいました。
でも、ムスタファが遠くに行きすぎないように、実は前脚がまるで手錠のように紐でつながれているのです。
ちょっと可哀想でしたが、確かにちょっと目を離している隙に、あっという間にあんなところに@
彼方のムスタファくん。ぼ〜っとしているように見えますが、たぶん、咀嚼中なでしょう。 -
食事中のムスタファくん。
再び首をぐっとのばして草を食べています。
それをぼーっと眺めながら写真を撮るだけの私@ -
炭火であぶり、ガレットの出来上がり。
お腹すいたよ〜。 -
完全に静寂、音のない世界……しつこい蚊の羽音を除いて。風の音もしません。
* * * *
天気は、少し風があって、全体的に曇りがちでした。
でも、おかげで日差しはそう強くなく、昨日の昼みたいに暑くてたまらないということはなく、過ごしやすい1日でした。
Zooさんも、同じベドウィンだけあって、砂漠で隣人愛を深めるやり方はKamelさんと同じでした。
ベドウィンは、砂漠では助け合って身を寄せて生きていかなければならないから、「町では他人でも、砂漠で食事を共にしたら友人、家族同然」ということのようです。
それは頭では理解できるのですが……そう簡単に自分の殻を捨てられるものではありません。
でも、食事の後、肩を抱いてきたり、マウス・トゥ・マウスを要求してきたのは、本当に家族愛……?
はじめのうちは、うーん、若い分、かえってやっかいだったかなぁ、と思いましたが、一度軽くほっぺにチュした後は、私が気乗りしないのを察したらしく、それ以上はしつこくしてきませんでした。
むしろZooさんは、21才と若いせいか、Kamelさんよりは若者らしい恥じらいや遠慮があるように感じられました。あるいは、単に性格の違いかしら。
昨日のKamelさんは、旦那のセックスライフに満足しているか、なんて話題もふってきましたから。
もっとも、Kamelさんは、私がイヤがると、そういう話題はすぐに引っ込めて、失礼をわびてくれました。ただし、肩を抱いたり、ベタッとくっついたりするのはやめてくれませんでしたけど。
食事の後は、歌って踊って過ごすことになりました。それが砂漠での過ごし方だそうです。でも……歌えって、踊れって、えっ、私1人で?!
Zooさんという見物人がいるとはいえ、たった一人。何が楽しくて歌ったり踊ったりできるでしょう。シャイな日本人の私、ことさら陽気な性格というわけでもないのに、そう簡単にテンションは上がるものですか。
こういうとき、1人参加はつらいです。
日本語の歌でもいいよ、というので、仕方がなく、子供の頃好きでなんとか歌詞を覚えていたアニメの歌を披露しました。
ただし、そんなに長い曲ではないので間が持たず、3番まで歌いました。
Zooさんが盛り上げるために、わーわー適当な言葉でメロディーを一緒に口ずさんでくれました。私も途中で歌詞を忘れてしまったので、3番に1番を混ぜたりなど、適当に歌いました。
町に戻る途中で、たった1人で歩いているベドウィンの子供を見かけました。学校帰りで、2時間かけて自分のテントに帰るのだそうです。
Zooさんもその子供も、道しるべらしい道しるべのないこんな砂漠で、めざす方向がよくわかるものです。
いやそれ以上に、学校に通うのに、砂漠を歩いて片道2時間!
日本を含め、教材にも不自由せず、学校だけでなく塾だの何だのと必要以上にそろっていて活用しきれない都会の子供たちと比べると、胸がつまる思いがしました。
町に着く少し前には、昨日とはまた違った日没のサハラを見ることができました。
薄い赤紫の雲が空に広がり、うっすら赤く染まった光が、白い砂丘に広がる風紋をくっきりと浮かび上がらせます。
その上を、私とZooさんとムスタファくんの影が、長く長く伸びていました。
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