1989/11/23 - 1989/12/03
7615位(同エリア7849件中)
アーマさん
11月24日
ビュッフェスタイルの朝食。ポルトガルのパンも、固くて丸い。外は雨模様。1時間半バスに揺られて、オビドス到着。昔、王妃が城館を建てて住んだという、美しい小さな町。周りを城壁で囲まれてある。タイル飾りの門を入ると、白い町があった。スペインのとはちょっと違う。赤い屋根が可愛らしい。まっすぐ城館へ向かい、そこからの景色にみんな歓声を上げる。ここは現在はポウサーダ(国営ホテル)になっているとか。
30分ほど自由時間。迷路のような細い石畳の小道を歩いてみた。町はひっそり。「オラ!」通りかかった人々はみんな笑顔で挨拶を返してくれて、道端の家の中へ消える。急に雨が落ちてきた。近くの土産物屋に飛び込む。暗くて、まだ開いてないのかと思ったが、次のお店も真っ暗。やっと停電らしいと分かる。手編みのセーターや、織物を物色。ふいにぱっと電気がついて、店内の民芸品が色鮮やかに生き返った。
いつの間にか雨もあがり、日が差している。城壁の外で待っていたバスに乗り込み、オビドスを後にする。途中で朝市が開かれている広場があった。みんなで、一斉に身を乗り出す。添乗員のYさんが、「あ、お魚も売っていますよ。」とたんにあ〜っ!だめ〜!という声が。ポルトガルでサカナと言うと、なにか非常にまずい意味だそうな。バスの運転手もニヤニヤ。さっき、彼女がだからなるべく口にするなと言ったばかりだったのだ。放送禁止用語らしい。
アルコバサ。目の前に高々と聳えるのは修道院。中に一歩入ったとたん、天から響いてくるような、コーラスが流れてきた。でも、ミサをやっている様子は無い。修道院は、清楚で、ごてごてした装飾もなく、祭壇の左右に分かれて、石棺が置かれてある。右側のはペドロ王。左はその妻イネス。彼女はもともと王妃の侍女だったけれど、ペドロと恋仲になってしまって、子供を3人生み、すべて王妃と家臣に殺されたとか。ここまではよくある話。でも、その続きがすごい。ペドロ王は、王妃の死後、イネスの遺骸を掘り起こし、立派な衣装と王冠を着けさせ、神の前で正式に妻とし、家臣たちにその朽ち果てた彼女の手に接吻させたという・・。二人が蘇った時、お互いの顔が見れるよう、棺は左右に置かれてあった。
またコーラスが響く。なんと、歌っていたのは観光客らしい若い男女4人。アベ・マリアをソプラノとテノールで、なかなか素敵に歌っている。誰かが思わず拍手すると、照れたように笑った。私も、高い天井を見上げて、「あー♪」と声を出してみた。すごい!まるで大コーラスのように響くのだ。学生たちのコーラスに、そっと加わった。
ナザレ。海からは離れた、アパートや白いお洒落な家々が立ち並ぶ一角でバスを降り、レストランへ。ワインが美味しい。また白い豆腐みたいなカッテージチーズが出た。食後酒が出て、マスカットのお酒とか。香りがよく、甘い。でも、かなり強そう。
バスは坂道を上っていく。途中見かけた地元の女性たち、独特の民族衣装姿で、短めのカラフルなスカートを何枚も重ね、頭に大きな籠を載せ、裸足の人さえいる。お年寄りは黒ずくめ。
やがて到着したのは小さな広場。マリア様を祭るお堂が建っている。ここにかつて奇跡が起こり、本当にマリア様が現れたとか。展望台からの眺めは絶景。断崖絶壁に立っていることを知って、足がすくむ。下には海が光り、なだらかな斜面はマッチ箱のような家々をいっぱいくっつけて、海に向かって広がっている。
右手の岬の方に、行ってみることにした。立て札があって、何か書いてある。きっと何かあるに違いない。遺跡のようなものが見える。みんなてんでに散っていて、誰もいなかった。通りかかった老人に挨拶する。彼は、岬のほうを指差して、何か言った。「?」それが、立て札にあった名前と気がついて、「オブリガード(ありがとう)!」と返事をする。でも、時間はあまりなさそうで、途中まで行ったけれど諦めて引き返した。この先には何があったんだろう・・。
バスは、下の町に向かって、降りていった。カモメが舞い、浜辺では魚の開きを干すおばあさんたち。いずこも同じ風景。でも、浜辺に並んだカラフルな小舟は、ここがナザレであることを語っている。町に入って、細い路地を歩いてみた。紐が渡してあって、洗濯物が翻る。家々は清潔な感じで、壁面の所々に絵タイルがはめこんで飾られていた。
バスは再びリスボンに戻る。のどかな田舎町を見慣れた我々の眼に、この都会は奇異に映った。ここにだけ近代社会があるような・・。
夜はファドのディナー・ショー。案内された席は、畳6畳ほどのステージのすぐそば。隣の場所にどやどやと入ってきたのは、他の日本人団体で、全員男性。ギター弾きの男が二人と、全身銀のスパンコールに覆われた大柄な女性が現れ、歌が始まった。歌手は3方にいる客のため、せわしなく向きを変えながら、すごい声量で歌う。私の場所は、あまりにステージに近すぎた。彼女は私の頭上で吠えていた。
数曲ごとに歌い手は入れ替わり、黒マントの男はしっとりと歌い、なかなか良かった。サウダージ、哀愁という言葉が、ポルトガル人の好きな言葉という。
ショーが終わって外に出る。坂道の石畳がオレンジ色の街灯に照らされ、別世界のような美しさ。でも、治安があまり良くなく、「バッグに気をつけて、ほらあのお兄さん、かなり危なさそうですよ」との添乗員さんの言葉に、慌ててしっかり抱えなおしてバスに急いだ。明日は一日バス移動とのこと。国境を越えて、セビーリャまでなんと470Km・・。
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