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 初めてスペインへ旅行してその2年後に、再び足を向けました。スペインとポルトガルを廻るツァーに、単身で参加。一緒に行けそうな人がいなかったため。ポルトガルに関しては、ほとんど予備知識もなかったけれど、きっと好きになりますよ、とツァー会社の人に言われました。旅行時期は11月。前回の5月のスペインと、どう違って見えるか、楽しみでした。<br /><br />11月23日<br /> アンカレッジ経由でまずバルセロナ、それからマドリッド。そこで乗換えてリスボンへ向かった。機内で、今イベリア半島はかつてない異常気象で大雨に見舞われていると聞いて、不安になる。我々が着く頃には、なんとか回復してくれるといいが。<br /><br /> 午前9時過ぎ、リスボン空港着。リスボンの空は、不思議な様相を見せていた。雲がところどころピンクに染まりながら積み重なっていて、一番奥に青空が覗いている。薄いベールのような雲が、霧雨を降らせながら渡っていく・・。神秘的な宗教画のよう。<br /><br /> 雲が切れて、太陽が顔を出すと、バスの中は急に暑くなった。リスボンの町が見えてくる。郊外の家々は、あまり裕福そうな家ではないが、カラフルで独特の風情。道は、どんなに狭くても、どんなに複雑な起伏であっても、石のモザイクで埋め尽くされて、あちこちに、補修用の小石が積み上げてある。<br /><br /> リスボンは、18世紀半ばに震度8の大地震に襲われ、町の殆どが壊滅したとか。わずかに災害を免れたのがアルファマ地区。バスを降りて、濡れて光る細い石畳の坂道を上る。サン・ジョルジュ城からの眺めは素晴らしかった。赤い屋根の家々と港が眼下に広がっている。<br /><br /> また雨が落ちてきた。コートを頭から被って、馬車博物館へ。王侯貴族が乗った金ぴかの馬車がずらり。色あせたカーテンや座席のクッション、大きな車輪。これで石畳の道を走ったんだから、乗り心地は相当悪かったに違いない。<br /><br /> 次にジェロニモス修道院。バスコ・ダ・ガマの石棺があった。大地震にも耐えたという、石造りのアーチの交差する天井を見上げる。<br />テージョ川に浮かぶベレンの塔。ガイドブックで見たのは、川の上に浮かぶ白いケーキみたいな建物だったが、雨に濡れ、水かさの増した川に洗われたそれは、暗く陰気な感じ。1階は水牢だったとか。そこから少し下流のほうに行くと、「発見のモニュメント」<br /><br /> ここからお昼のレストランまで、結構遠かった。ちょっとバス酔いしてしまって、あまり食欲はなかったけど、とにかく「乾杯!これから、どうぞ宜しく。」テーブルの上には、オリーブの実や生ハムなどのオードブルが並んでいる。チーズは、筒の容器に一人分が入ったカッテージチーズ。豆腐みたい。それから魚のフライ。ちょっと油っこいので少し味見をした程度。<br /><br /> 歌声が流れてきた。見回すと、向こうの部屋には地元のお年寄りの団体。立ち上がって、情感込めて歌うおばあさん。これは、ポルトガルの演歌、ファドに違いない。歌い終わって、思いがけない日本人観光客から盛大な拍手をもらってびっくりした彼女は、今度はこっちを向いて、また歌いだした。単調なメロディーで、歌の感じはよくつかめないけど、終わるたび、拍手。レストランの中は、大いに盛り上がる。<br /><br /> バスはまた狭い山道を走り、やがてシントラ。優雅な町で、今まで抱いていたポルトガルのイメージが消え去ってしまった。イギリスの詩人バイロンが、「エデンの園」と呼んだという。赤い屋根のお屋敷が見え隠れしている。ひときわ高い岩山のてっぺんに、町を見下ろすかのようにムーア人の砦が聳えている。<br /><br /> バスを降りて、2本の大きなとっくり型の煙突がついたお城へ向かった。ここはかつての王家の夏の離宮とのこと。さっきの2本の煙突の下は、台所になっていて、見上げると空が覗けた。でも、当然雨もここから落ちてくるわけで、台所の中は湿っていた。<br /><br /> 絵タイルで覆われたアラブの間、かささぎの間など、美しい部屋が次々と現れる。見学に来ていた地元の子供たちと廊下ですれ違った。「チーノ(中国人)?」「ノー、ノー、ハポネサ!」どの子も大きな目で珍しそうに見つめる。「オラ!」声をかけたら、恥ずかしそうに「オラ・・」<br /><br /> やがて、またバスに乗り込む。細く、カーブだらけの道を、道端の木の枝に窓を擦られながら、バスは走る。きつい。ようやく着いたロカ岬。青い顔でバスを降りる。夕日がちょうど大西洋に沈むところ。風が冷たくて気持ちいい。ここはヨーロッパ大陸の最西端、文字通りの地の果て。こわごわ下を覗く。<br /><br /> 体が冷えているので、熱い飲み物を取ろうと、近くのバルに行ってみた。ぶつ切りの分厚いレモンが添えられた熱い紅茶。疲れ果てた体に染み込んでいくようだ。最西端到達証明書なるものを発行しているとかで、隣の事務所に受け取りに行った。飾り文字で、私の氏名を書き入れてくれた。<br /><br /> 帰りのバスでは、最前列に替えてもらって、少しは楽になったけど、疲労はピークに達し、帰路の美しい町の灯など、眺める余裕は無かった。やっとホテルに到着。夕食は下のレストラン。また魚のフライ。ポルトガルでは、魚のフライがメインなのだろうか。<br /><br /><br /><br />

光と影のイベリアを行く ?

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1989/11/23 - 1989/12/03

7615位(同エリア7849件中)

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10

アーマ

アーマさん

 初めてスペインへ旅行してその2年後に、再び足を向けました。スペインとポルトガルを廻るツァーに、単身で参加。一緒に行けそうな人がいなかったため。ポルトガルに関しては、ほとんど予備知識もなかったけれど、きっと好きになりますよ、とツァー会社の人に言われました。旅行時期は11月。前回の5月のスペインと、どう違って見えるか、楽しみでした。

11月23日
 アンカレッジ経由でまずバルセロナ、それからマドリッド。そこで乗換えてリスボンへ向かった。機内で、今イベリア半島はかつてない異常気象で大雨に見舞われていると聞いて、不安になる。我々が着く頃には、なんとか回復してくれるといいが。

 午前9時過ぎ、リスボン空港着。リスボンの空は、不思議な様相を見せていた。雲がところどころピンクに染まりながら積み重なっていて、一番奥に青空が覗いている。薄いベールのような雲が、霧雨を降らせながら渡っていく・・。神秘的な宗教画のよう。

 雲が切れて、太陽が顔を出すと、バスの中は急に暑くなった。リスボンの町が見えてくる。郊外の家々は、あまり裕福そうな家ではないが、カラフルで独特の風情。道は、どんなに狭くても、どんなに複雑な起伏であっても、石のモザイクで埋め尽くされて、あちこちに、補修用の小石が積み上げてある。

 リスボンは、18世紀半ばに震度8の大地震に襲われ、町の殆どが壊滅したとか。わずかに災害を免れたのがアルファマ地区。バスを降りて、濡れて光る細い石畳の坂道を上る。サン・ジョルジュ城からの眺めは素晴らしかった。赤い屋根の家々と港が眼下に広がっている。

 また雨が落ちてきた。コートを頭から被って、馬車博物館へ。王侯貴族が乗った金ぴかの馬車がずらり。色あせたカーテンや座席のクッション、大きな車輪。これで石畳の道を走ったんだから、乗り心地は相当悪かったに違いない。

 次にジェロニモス修道院。バスコ・ダ・ガマの石棺があった。大地震にも耐えたという、石造りのアーチの交差する天井を見上げる。
テージョ川に浮かぶベレンの塔。ガイドブックで見たのは、川の上に浮かぶ白いケーキみたいな建物だったが、雨に濡れ、水かさの増した川に洗われたそれは、暗く陰気な感じ。1階は水牢だったとか。そこから少し下流のほうに行くと、「発見のモニュメント」

 ここからお昼のレストランまで、結構遠かった。ちょっとバス酔いしてしまって、あまり食欲はなかったけど、とにかく「乾杯!これから、どうぞ宜しく。」テーブルの上には、オリーブの実や生ハムなどのオードブルが並んでいる。チーズは、筒の容器に一人分が入ったカッテージチーズ。豆腐みたい。それから魚のフライ。ちょっと油っこいので少し味見をした程度。

 歌声が流れてきた。見回すと、向こうの部屋には地元のお年寄りの団体。立ち上がって、情感込めて歌うおばあさん。これは、ポルトガルの演歌、ファドに違いない。歌い終わって、思いがけない日本人観光客から盛大な拍手をもらってびっくりした彼女は、今度はこっちを向いて、また歌いだした。単調なメロディーで、歌の感じはよくつかめないけど、終わるたび、拍手。レストランの中は、大いに盛り上がる。

 バスはまた狭い山道を走り、やがてシントラ。優雅な町で、今まで抱いていたポルトガルのイメージが消え去ってしまった。イギリスの詩人バイロンが、「エデンの園」と呼んだという。赤い屋根のお屋敷が見え隠れしている。ひときわ高い岩山のてっぺんに、町を見下ろすかのようにムーア人の砦が聳えている。

 バスを降りて、2本の大きなとっくり型の煙突がついたお城へ向かった。ここはかつての王家の夏の離宮とのこと。さっきの2本の煙突の下は、台所になっていて、見上げると空が覗けた。でも、当然雨もここから落ちてくるわけで、台所の中は湿っていた。

 絵タイルで覆われたアラブの間、かささぎの間など、美しい部屋が次々と現れる。見学に来ていた地元の子供たちと廊下ですれ違った。「チーノ(中国人)?」「ノー、ノー、ハポネサ!」どの子も大きな目で珍しそうに見つめる。「オラ!」声をかけたら、恥ずかしそうに「オラ・・」

 やがて、またバスに乗り込む。細く、カーブだらけの道を、道端の木の枝に窓を擦られながら、バスは走る。きつい。ようやく着いたロカ岬。青い顔でバスを降りる。夕日がちょうど大西洋に沈むところ。風が冷たくて気持ちいい。ここはヨーロッパ大陸の最西端、文字通りの地の果て。こわごわ下を覗く。

 体が冷えているので、熱い飲み物を取ろうと、近くのバルに行ってみた。ぶつ切りの分厚いレモンが添えられた熱い紅茶。疲れ果てた体に染み込んでいくようだ。最西端到達証明書なるものを発行しているとかで、隣の事務所に受け取りに行った。飾り文字で、私の氏名を書き入れてくれた。

 帰りのバスでは、最前列に替えてもらって、少しは楽になったけど、疲労はピークに達し、帰路の美しい町の灯など、眺める余裕は無かった。やっとホテルに到着。夕食は下のレストラン。また魚のフライ。ポルトガルでは、魚のフライがメインなのだろうか。



  • リスボンは坂の町<br /> 名物のケーブルカー<br /> 道路のモザイクの石畳が美しい

    リスボンは坂の町
     名物のケーブルカー
     道路のモザイクの石畳が美しい

  • 町の高台にあるサン・ジョルジュ城

    町の高台にあるサン・ジョルジュ城

  • リスボン<br /> アニメ「魔女の宅急便」の背景の町は絶対ここだと確信しています

    リスボン
     アニメ「魔女の宅急便」の背景の町は絶対ここだと確信しています

  • サン・ジョルジュ城の城壁の上

    サン・ジョルジュ城の城壁の上

  • レストランで、ファドを歌うお年寄りたち

    レストランで、ファドを歌うお年寄りたち

  • 川沿いに立つベレンの塔<br /> 雨に洗われて何となく不気味

    川沿いに立つベレンの塔
     雨に洗われて何となく不気味

  • 「今日は獲物なかったのねえ」

    「今日は獲物なかったのねえ」

  • 大陸最西端ロカ岬<br /> 「ここに地果て海始まる」

    大陸最西端ロカ岬
     「ここに地果て海始まる」

  • シントラの町

    シントラの町

  • 王家の夏の離宮<br /> とっくり型の煙突

    王家の夏の離宮
     とっくり型の煙突

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