写真で巡るスロヴァキア旅行記（10）　Slovensky Bethlehem編

2005/08/26 - 2005/09/02

Zilinaの南約30kmにあるRajecka Lesna、という人口約1300人の小さな村に素晴らしい博物館がある。スロヴァキアの信仰心、生活様式、仕事、地理、城、伝統などが木彫りの作品に凝縮して表現されている。幅8.5m,奥行き2.5m、高さ3mのスペースにぎっしり詰め込まれた作品は何とモーターを使用し見事に動きをも出している。スロヴァキアの内外を問わずこの作品は誰をも感動させずにはいないことでしょう。18年の歳月を情熱を込めて完成したこの芸術品には忍耐、技術、発明の想像力が見るものの心に感動を与えます。一日中見ていても飽きない歴史的教科書とも言える作品です。
館内でDVDやテキストが販売されています。自由に観覧できるのもこの国ならではと思います。裏手に廻って機械装置を見ていたらその苦労が伺えます。試行錯誤の連続でこうした作品が生まれたものと想像できます。油が切れたら大変、この作品を受け継ぐ全ての管理者に愛情が欠けたらこの装置は間違いなく停止します。夏場はモーターの過熱を防ぐためにも扇風機は不可欠です。駐車場の戻りかえろうとしたらこのおばあさんが歩いていました。何ともスロヴァキアらしいおばあちゃんでしょう。

エリア スロバキア

Rajecka Lesnaという小さな村にこの作品はあります。Zilinaから南に30kmのところです。入り口を見る限り「ここは何だろう、教会かな？」と思います。この日は私たち以外誰もいません。近所の子供たちが遊んでいました。

入り口正面に飾られている木彫りの少年少女、「スロヴァキアの明日を担う君たちに」なんてメッセージが聞こえてくるようです。

２階から眺める作品です。幅3.5ｍ、奥行き2.5ｍ、高さは3ｍあります。Jozef Pekaraが1980年に開始され１９９８年に完成しました。なんと18年もかかっています。

大きさを比較してください。大きさでは全く驚きません。ところが、ところがです・・・。

この一部を見てもお解かりの通り細かな作品で満ち溢れています。働く人々、家庭の様子、家畜、人々の服装、お城や森林、地理的にも位置は合致しています。

様々な職業や生活用品、信仰心、建物、しろ、遠くにはタトラ山地も見えます。働く人は実は動いています。人々も実際に動力仕掛けで歩きます。その動きを見ていると可愛らしくて触りたくなってしまいます。

これは木彫りの職人さんです。彼らの腕は当然機械仕掛けで動きます。このように細かな作品の集合でこの大作は構成されています。

ステージの裏手に入ることも出来ます。どんな仕掛けで動いているのか知りたくなりますよね。増設増設の連続だったのでしょう。モーターの容量も予想外だったことでしょう。扇風機で冷やしながら廻しています。
願わくば火災が起きませんように。祈るのみです。

私の大好きなOrava城も当然あります。何と味わい深い城なんでしょう。うっとり。

ワインの樽でしょうか、鍛冶屋の姿もあります。上の方にはBratislava城やTrencin、Bojnice、Modra、Trnava、Bojnice城も見えます。

木こりの様子やお祭りでしょうか、民族衣装の人、木材運搬、鉱山労働？でしょうか。皆必死に働いてこの国を支えてきたことを教える教科書にもなっています。地理の勉強と歴史の勉強にも役立ちます。もちろん美術や機械工学にも役立ちます。

もう一度機械仕掛けを覗いて見ましょう。
それにしても日本だったらこんなに自由に見せてもらえません、絶対に。危ないから、ダメダメの連発でしょうね。お礼にDVDの購入とお布施を少しばかりさせていただきました。

こちらは随分優雅さが出ています。Kosiceのような裕福な生活が様子も描かれています。一つ一つの作品が精巧に作られています。１８年の努力の跡です。これからも大切にしていきたいものです。

是非こんな所も見ていただきたいです。関連URLは下記で。

http://www.slovakije.com/slovak_beth/kerststal.html

http://www.slovakheritage.org/Churchescatholic/rajeckalesna.htm

http://www.verostko.com/misc/slov-beth/slov-beth.htm

帰りにこんな女性を見かけました。典型的なスロヴァキアの老人のスタイルです。この写真は８月末です。ちなみに私たちは暑くて半袖でした。

RAJECKA LESNA　という小さな村に行くには　ZILINA から南に30kmです。是非こんな所も訪ねてみたら如何でしょうか。

この旅行記へのコメント （4）

• fkさん 2006/04/30 09:34:06

  orava城

  oravaさん，
  
  oravaさんはorava城が大好きなのですね！！
  何か歴史を思わせる造り！！

  oravaさん からの返信 2006/04/30 13:11:48

  RE: orava城

  fkさん、脱帽です。
  
  「orava城大好きのoravaさんは感激屋さん」
  
  そう来ましたか、参りました、降参です。
  
  視野を広げるため他の城も見てきます。
  
  友情も確かに人生ですね。
  
  fkさんの言葉の深さを改めて味わっております。
  
  これからもご指導よろしくお願い申し上げます。　脱帽！

• パパスさん 2006/03/10 08:47:32

  素敵な博物館ですね！

  oravaさん、おはようございます！
  
  何と言う素晴しい木彫りの作品でしょう！
  これだけ精工に作られて機械仕掛けで動くなんて見たら感激しますね！
  
  それに舞台裏を見れるのも日本では考えられませんね。
  これは保存するにはかなりの労力とお金が必要になるでしょうね。
  これからもずーと頑張って保存して欲しいです！
  
  貴重な旅行記有難うございました！
  
  パパス。

  oravaさん からの返信 2006/03/11 08:35:58

  RE: 素敵な博物館ですね！

  おはようございます、パパスさん
  
  見学当初はこの博物館の印象はさほどでなかったのですが、先日改めて画像を整理していたらその素晴らしさに気付きました。地理、歴史、城、伝統、文化、生活、労働、憩い、酒･･･など様々なものをそこで見出せます。買ってきたCDを見ていたら更にその良さを感じました。
  華やかさのない国ですがこうした物もこの国らしい良さなんだろうと思います。舞台裏に入れるなんて本当に日本では考えられませんよね。モーターの熱とグリースの匂いが充満していましたが、きちんと整備されている様を見て安心しました。また、思った通り最初からこの構想が出来ていたのではなく、次々に継ぎ足された跡を見て一人喜んでいました。恐らく作者は次々に連想しながらその手を加えていったのでしょう。
  それにしても18年間もの永きに亘ってよく頑張り通したものだと感心させられます。信仰心、母親に対する恩、愛国の心、労働の美、情熱の魂、そして彼を理解し支援してくれる多くの賛同者･･･実に良いものを見せてもらいました。いつまでも大切に保存してもらいたいものです。
  
  パパスさん、きっとまだまだ私たちの知らないこの国の良さがあるのでしょうね。もっともっとガイドブックに掲載されない素晴らしいものを見つけようではありませんか。私はパパスさんのように多くの国を回れませんので、当分はスロヴァキア専門で行こうと思っています。随分気候も良くなりました。寒さの苦手な私に嬉しい季節がやってきます。今年も是非この国に行きたいと思っています。昼寝と魚釣りと川下り、そして小旅行をしたいと願っています。楽しみ、楽しみです。
  パパスさんの書き込みに大いに刺激されました。ありがとうございます。　orava