1998/09/10 - 1998/09/10
56位(同エリア92件中)
まみさん
朝一番に、ショックなことに気付きました。なんと、帰りの飛行機の予約が取れていなかったのです。
今回のイスラエル旅行は、一人からでも申し込める、3日間の現地ガイド付の8日間のツアーでした。往復航空券とホテル代と現地ガイド代が含まれています。正味5日間で、エルサレム滞在の2日は自由行動です。でもそれでは私には物足りなかったので、エルサレム滞在は3日、延ばしました。
3日間の現地ガイドが付いているといっても、到着翌日の今日は、テルアビブから死海への移動のみです。迎えの車は正午に来ます。それまで時間があるので、朝食後、ホテル近くの海岸を散歩しようと思いました。そのついでに帰国便のリコンファームをフロントに頼みました。
そうしたら、テルアビブからロンドンまではリコンファームできたけれど、なんと、ロンドンから成田間はキャンセル待ちと言われました。そんなはずはありません。私のチケットはFixで、帰りの便の予約もとれているはずなのです。
慌てて航空券をよく見てみたら、確かにロンドンから成田間はリクエスト中と書かれてありました! またか、やられたっ!というのが、正直な気持ちでした。
というのも、帰国便に関しては、出発前にちょっとトラブルがあったのです。出発5日前という間際になって、航空会社によって勝手に帰国便を一日繰り上げられてしまったのです。もともとの予約便はバンコク乗り継ぎでした。ただし、バンコクで12時間以上待たされることになっていました。でも、それならそれで、私はバンコク市内の半日観光を楽しむ予定でした。それで納得していたのです。
1日繰り上げられてしまったら、もともと短い旅程なので致命的です。それで、旅行代理店の担当者と相談し、急遽、帰国便をバンコク乗り継ぎからロンドン乗り継ぎに変更し、帰国日は同じになるようにしました。きちんと予約がとれていなかったのは、この急な変更のせいに違いありません。気分はまさしく、「やられたっ!」でした。
実は、私は、去年のイタリアとチュニジア旅行のときも、似たようなトラブルに遭っています。「またかっ!」と思ったのは、そのためです。そのときも、旅行会社に2ヶ月以上も前に打診して、往復便の予約が取れたことを確認してから申し込んだはずなのに、出発2週間前くらいになって、いきなり、帰りの便の予約が取れていないといわれました。どうしても最初に希望した日の予約がとることができず、短くなるよりは、と思い、4日、帰国を遅らせたのです。そのときは休暇がまだ残っていたので、それがなんとか可能でした。そして、その分、サハラ砂漠まで足をのばすことができたので、結果オーライでした。
今回は去年とは違う旅行会社、違う航空会社です。そして、この急な帰国便の変更ということで、慰謝料5千円の払戻しを受けました。それで解決したと思ったのに、肝心の予約が取れていなかったのでは、話になりません。
しかし、私は開き直りました。いや、開き直るしかありませんでした。ロンドンと成田間は全日空なのですが、イスラエルには全日空の支店がないので、ロンドンで確認するしかない、と言われたせいもあります。ロンドンに着くまで、何もできないのですから。それに、これが、出発前に帰国便の予約が取れていないことに気付いていたら、旅行自体も中止になっていたかもしれません。でも、少なくともイスラエルには、無事に到着しました。そして、これからも予定通りに観光日程をこなせるのだから、ずっとマシです。
だけど、帰国したら、絶対、旅行業協会に訴えてやろう、と思いました。もし帰国を延ばさなければならなくなったら、その間のホテル代くらい、旅行会社に出させよう、とも思いました。それで悔しさを紛らわせ、このことは帰国の日まで忘れることにしました。
結果から先に言うと、キャンセル待ちで予定の便に乗れることは乗れて、予定通りに帰国できました。とはいえ、キャンセル待ちであるため搭乗時間ぎりぎりまで待たされました。楽しみの一つだったロンドン・ヒースロー空港の免税店の前も走り過ぎなければなりませんでした。また、残っていたのは喫煙席で、食事のあとに周りの人が必ずタバコを吸うのはつらかったですし、座席も、窓側でも通路側でもない真ん中の席という不本意な席でした。
-
正午、予定通り、死海へ向かいました。昨日、テルアヴィブ空港まで迎えに来てくれたジャミーさんが、本日も私の個人運転手です。死海までは、車で約3時間でした。もっとも、途中、少々回り道して、エルサレム市内に入りました。私が初めてイスラエルに来たと知って、ジャミーさんが寄ってくれたのです。
エルサレムは、建物がみな、全体的にうっすら肌色がかった白に統一されています。市の条例で、建物は全て、郊外で採れる石灰石で建てなければならないと決められているためだそうです。なるほど、美しい街並みでした。
エルサレムの街中を走っているとき、ジャミーさんは、窓の外を指しました。頬髭を生やし、黒のシルクハット、長袖のフロックコートを着た人たちが歩いています。ジャミーさんは、「あれがアシュケナージだ」と教えてくれました。
アシュケナージ! 確か……と私は頭の中で、この旅行のために下調べしたときの本の知識を総動員させました。アシュケナージは、主に中東欧・ドイツ系ユダヤ人で、特に18世紀末から19世紀初頭にかけてロシアでユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れた時に大勢移住してきたユダヤ人の一派です。共通語としてイデッシュ語を話し、ユダヤ人の中でも敬謙なユダヤ教徒です。また、イスラエル建国の立役者の多くがアシュケナージだったために、建国後、経済的・社会的に有利な立場を占め、他のスペインや北アフリカからのユダヤ人である「セファルディム」や周辺のイスラム国から移住してきたアラブ系ユダヤ人たちとの格差が社会問題となっています。
ところが、どうやらアラブ系ユダヤ人と思われるジャミーさんによるアシュケナージとは、「くさい」! でした。……はっ?
ジャミーさん曰く、アシュケナージは肉と牛乳をよく口にするし、どんなに暑くてもあの格好で歩き回るし、それでいて毎日フロに入るわけじゃないから、近寄るとにおうのだそうです。 ───いやはや、なんたる忌憚のない説明でしょう。と同時に、本で得る知識と、実際に見聞きして知ることのギャップに改めて驚きました。ガイドブックLonely Planetには、ユダヤ人は出身地ごとで何系、何系と明確に分かれてしまっていて、「ユダヤ人という一つの民族が成り立つのは、周辺のアラブ諸国という共通の敵のおかげではないか」と皮肉たっぷりなコメントがありましたが、このことだけで納得してしまいそうです。
エルサレムの街中、よく見ると、「アシュケナージ」はあちこちにいました。それにしても、みんな申し合わせたように同じ格好です。いかにもユダヤ人の典型のような、くるくるカールの横髪をブラブラさせいます。そして、私たちなど車内でエアコンをガンガンきかせていても日射がきつくて暑いなぁと思ってるくらいなのに、全身黒ずくめできっちりと正装しています。中には、さすがに暑くて仕方がないのか、上着は羽織っているだけの人や、腕に抱えている人もいましたが。
写真は、死海沿岸のリゾート地エン・ボケックのLot Hotelの窓から見下ろした写真です。日本から予約してきただけあって、一流ホテルです。死海はプライベート・ビーチで楽しむことができます。ビーチのそばには、真水のシャワー、ベンチ、バスタオル、飲料水などが常備されていました。プールもあります。室内温泉もありました。写真を撮った午後3時ではまだまだ暑いので、まだあまり人がいません。 -
さて、いよいよ本日のメインの死海の浮遊体験です。
海外旅行においては、パスポートや航空券・現金のような貴重品は、たとえ一流のホテルのセキュリティ・ボックスでも信用せず、肌身離さずに持ち歩くことにしている私ですが、死海に浸かるためには方針を変えるしかありません。それにつき、大いに役立った旅の小道具は、鍵付きポーチと小物の入るリスト・バンドです。鍵付きポーチは、セキュリティ・ボックスに預けたものから現金だけ抜き取られたりするような万が一の犯罪を予防するのためです。そしてリスト・バンドには、スーツケースの鍵やセキュリティ・ボックスの鍵などを入れておけます。これで安心して、水着一枚になれます。
また、死海のビーチといっても滞在ホテルのプライベート・ビーチなので、原則として滞在客しかいません。公共のビーチよりはまだ、安心できます。そのうえ、ビーチパラソルにテーブルに椅子、真水のシャワーに更衣室といったビーチに必要なものが一そろい用意されてあったうえ、冷たいミネラル・ウォーターのサービスもあるし、渇いたバスタオルは使い放題です。滞在客はSpa(室内温泉)はフリーですし、お隣にはプールもあって、なかなか贅沢な気分を味わえそうです。今までいつも安ホテルばかり利用してきた私にとって、少し気がひけてしまうくらいです。
写真は、ビーチの様子と、滞在ホテルLot Hotelを撮ったものです。それも、死海で浮いた姿勢で撮影しています。ホテルの滞在客は、死海の塩分中のミネラルが皮膚病に効くということで、ドイツ人が多かったです。ドイツでは湯治にかかる費用は保険で国が負担してくれるのだそうです。
また、ホテルの背後には、ユダヤ沙漠が広がっています。死海が海抜マイナス400mの地にあるため、まるで山のように見えます。背後はヨルダンになりますが、ヨルダン川の岸辺は逆光だったため、写真を撮ることができませんでした。 -
早速、死海に入ります。そろそろと、静かに入るのがコツです。湖の底や岸辺の石や小岩には塩の結晶がびっしり張り付いています。素足で歩くと痛いので、ビーチサンダルは履いたままです。また、塩水が目に入ると非常に危険なので、顔は浸からないようにします。当然、水は飲んではいけません。そういった注意事項を思い出しながら、思い切って足の届かないところまで移動してみました。しかし、泳げる私には、勝手に浮くという感覚がピンと来ませんでした。そこで、いったん、真水のプールで泳ぐことにしました。
すると、なるほど、ふつうのプールでは、体が浮くにしても、かなり重く感じます。背泳をやれば、油断するとすぐに腰から下が沈むし、立ち泳ぎも、忙しく足を動かしてなければ浮かんでいられません。そこまで確かめてやっと、死海ではいかに楽に体が浮くか、実感できました。
それから、死海の水がかなり生温かいことは、入って初めてわかりました。ぬるま湯程度ですが、あっちへ行き、こっちへ行き……と動き回ったりすると、結構暑くなります。ただ、外は9月上旬でも湿気がすごく、更に更に暑いので、じっとしていれば気持ちがいいです。
それから、水の中なので思うように移動できないのは当たり前にしても、急ぐと、つんのめる感じで、お尻から浮いてしまいます。顔が浸からないよう、慌ててくるりと仰向けになって防ぎます。起き上がって再び前に進もうとするけれど、なかなか進まないのがじれったくて慌てるからバランスを崩し、またお尻が浮いてします。再び仰向けにくるり。そんなことを懲りずに、いや、半ば面白がって繰り返していた私。死海の水の成分が肌に良く皮膚病に効くということで、湯治目的できている人も多かったのですが、そういう人たちが温泉でも楽しむ感覚でゆったり浸かっていたのに対し、バシャバシャ暴れていたのは私だけだったかもしれません。
岸辺や土手の小岩にびっしり塩の結晶が張り付いた様子があまりにも面白かったので、途中、部屋までカメラを取りに戻って、好きなだけ写真を撮りました。その後は、死海に浮んだまま、しばらく寝てみました。水が入らないように耳を抑えて目をつぶれば、広々としたウォーター・ベッドに寝ているようです。
ところで、死海の宣伝パンフレットやガイドブックには、浮いたまま本を読んでいる人の写真がよく載せられていました。真似をしてみましたが、ずっと頭を起こしていなければならないので、相当キツイ姿勢です。周りの誰も、そんな酔狂なことはやっていません。
死海の水は飲料不向きですが、ちょっぴり水が口の中に入ってしまいました。塩辛いと思いきや、塩分濃度が高すぎるせいか、めちゃくちゃ苦かったです。 -
ちなみに、死海の塩分濃度は約30%です。普通の海水は約4%です。そんなにも塩分が高くなったのは、2万年前に起こった地殻変動により地中海から切り離され、ヨルダン川から流入する水が出口がなくて塞き止められてしまったためです。そこへ強力な太陽光線が降り注いで水をどんどん蒸発させてしまうので、塩分が濃縮されたのだそうです。
また、死海の水と、その泥の成分が肌に良い他に、海抜マイナス400mという世界で最も低い土地であるため、酸素濃度が地球上のどこよりも濃く、おかげで脳や内臓を休める効能もあるそうです。
実は、上記の説明の後半は、死海広報キャンペーン日本委員会のちらしからの受け売りです。そういえば、イスラエルといえば、聖書とイエス・キリストの国、というイメージしかなかった私は、イスラエル政府観光局に資料の請求をするために連絡をとった時、「ラ・セーヌ」や「グラン・マガザン」などの女性誌に特集が組まれていると教えられてびっくりした覚えがあります。へぇーっ、最近の奥さま雑誌は、学術的な記事も載せるようになったのか、すごい!───なんて。いやはや、私が単に知らなかっただけなのですが、イスラエルは、おしゃれに関心の高い人たちにとって、死海の泥パック・エステのメッカだったのです。
写真は、ビーチの岩に張りついている塩の結晶を撮ったものです。残念ながら、ゴミもありますね。近くで浮いていたロシア人婦人は、この岩の上のベンチにいるドイツ人集団がゴミを散らかしたに違いない!と言っていましたが、よく見ると、ヘブライ語の新聞です。 -
この写真も、死海の塩の結晶ぶりを撮ったものです。岩にびっしりと張りついています。岩に張りついた固い塩の結晶だけでなく、砂の上にはサラサラの塩がうっすら積もっています。
死海は、長さ78km、幅18kmの細長い湖です。北から3/4のあたりでくびれています。南部は水深6mほどです。浅いため、塩分濃度はより高くなっています。北部は水深400m以上の深さがあるところがあります。
死海の特異性は紀元前4世紀から知られていました。古代ローマのアリストテレスや博物誌を書いたプリニウスも記述を残しています。
近年は、ヨルダン川の給水設備のせいで、年々水位が落ちているそうです。 -
写真は、翌朝、ホテルの窓から撮った死海の夜明けです。逆光のせいで、日没に見えますね。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- さすらいおじさんさん 2006/02/24 08:53:09
- ホテルの窓からの死海の夜明けの写真、幻想的で美しいですね
- まみさん
荒川選手の金メダルの演技に勇気と元気をもらいました。素晴らしかったですね。
ホテルの窓からの死海の夜明けの写真、幻想的で美しいですね。朝日、夕日、大好き人間としまして撮ってみたい写真です。
私も長年の夢を果たした昨年の死海体験を思い出して嬉しくなりました。
- まみさん からの返信 2006/02/24 19:50:37
- RE: ホテルの窓からの死海の夜明けの写真、幻想的で美しいですね
- さすらいおじさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
荒川選手の金メダルはネットで結果だけをチェックしました。録画してあるので週末に見るのをとても楽しみにしています@
惜しく実力を発揮できなかった安藤選手も含め、彼女たちの日々の努力とプレッシャー、自分との闘いを思うと、頭が下がります。
死海の旅行記を見てくださってありがとうございます。
夜明けの写真、コンパクトカメラではこれが限界でこんなに暗くなってしまいましたが、ある種、写真のマジックといえるかもしれませんね。
今度デジカメを買ったら、もう少し鮮明な夜明けや夜景の写真が撮れるかもーって期待してます@
(デジカメを買うのは今年の抱負!の1つですが、まだ買ってない……。いや、いいんです、今年旅行できるのは、どうせ秋ですから。。。ってね。)
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
死海周辺(イスラエル側)(イスラエル) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
死海周辺(イスラエル側)(イスラエル) の人気ホテル
イスラエルで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
イスラエル最安
465円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
2
6