2005/10/24 - 2005/10/24
221位(同エリア507件中)
春風さん
明日、陽関・玉門関・雅丹まで行く砂漠ツアーがあるという。敦煌の旅行会社に飛び込んで、「明天(ming tian みんてぃえん) 我想去(wo xian qu うをーしゃんちぅ) 莫高窟(Mo gao ku まーかおくー)、あした莫高窟に行きたいんだけど」と言ったら、おじさんに熱心に誘われた。
それどんなところ?いくら?などと聞いていたら英語の話せるお姉さんが来て説明してくれた。中国人旅行者が既に申し込んでいて、小型のワゴン車で行くと言う。120元。
「好!(hao はお)いいね。」
写真は青空に映える陽関。
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8時集合と言われたが、何かあると困るので、10分前に行った。我ながら時間に正確な日本人だ。昨日のおじさんが来て、朝御飯は食べたか?隣の超市(スーパー)で、水と何か食べるものを買って来い、と言う。昼御飯のないツアーで帰りは夕方になるそうだ。
おじさんが、日本人が来るよ、良かったね、とかなんとか言ってる。ん??と思っていると、相客のひとりは日本人男性だった。こんな遠い異国の地に一人でいると日本人に会えるのはなんだか嬉しい。さらに3人の中国人客が乗り込んで、おじさんが運転するミニバンが出発した。
写真は昼食用の菓子を買った店。 -
敦煌故城(20元):復元された敦煌の街。映画「敦煌」のために作られたそうだが、よくできている。洗濯物を干している家があった。街の一部に管理人さんの家があるらしい。城壁に登って上から見下ろしてみた。城壁に守られ外の過酷な環境から隔離された、ここだけが人の生きられる場所、街全体がひとつの運命共同体という気がする。
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中国のトイレ環境が悪いことは覚悟していたが、観光地のトイレは使用に十分耐えられる。たまにドアがないこともあるが、おおむね清潔だし、水洗トイレだ。備え付けの紙は無いのが普通。使用後の紙は流さないでゴミ箱に入れる。いつもの習慣でつい放り込んでしまって、あ、ごめんなさい、と思っても後の祭り。私のせいで詰まったりしないといいけど。
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陽関 yang guan やんかん(40元):「陽関文物旅游景区」は復元された関所・兵舎などがあり公園になっていた。「西のかた、陽関を出ずれば故人なからん」の時代から残る陽関遺址は狼煙台のみ。公園の端、写真左に黒い影のように見えているところ。かなり遠い。
ロバに乗らないかとおじさんが話しかけてきた。20元だという。「太貴了!(tai qui le たーくぁいらー)高いよ」と言ったら「不貴不貴(bu qui bu qui ぷーくぁい)高くないよ」。だって。でもね、私は自分の足で歩きたいの。 -
てくてく歩いて陽関遺址までたどり着いた。
今から2000年以上も昔、漢の武帝の時代に造られたという、日乾し煉瓦と泥でできた狼煙台。 -
陽関遺址から見渡すと、復元された見張り台がおもちゃのように見えた。「故人」どころか、この先に人なんているのか?と思うような風景だ。
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ミニバンは走る。道は悪い。車は古くてボロい。窓を閉めていても砂埃が入ってくる。短い潅木のある砂地を抜け、ごろごろとした岩場を通り、その中を永遠に続くかと思われるまっすぐな道。遠くに何か見えてきた。検票処。こんなところにも人がいて、入場料を取られる。30元。
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玉門関(Yu men guan ゆぅめんかん)
漢民族の土地はここまで、ここからは西域、異国の地。日本の関所は峻険な山の迫る一本道にあるものだが、ここは右も左も地平線まで見渡せる。身を隠す物は何もない。人の往来を止める関所というより、国境を監視する砦だ。 -
玉門関の周りは柵で囲まれていて、おばちゃんが鍵を持っていた。中に入るには一人5元払えと。「一人5元?高いよ。二人で5元ならいいけど」と言ってみた。「だめだ」「ん〜じゃあ一人3元で6元ならどう?」「いや、二人で8元ならいい」「じゃ、いいよ。やめた。帰る。」「わかった。ひとり3元でいい」数字だけ中国語、あとは日本語、でもちゃんと通じた。交渉は疲れるけど値切るのはお約束だからね。
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「春風渡らず玉門関」
と詞に詠われたところ。
春の便りさえ届かない地の果て。 -
漢長城(han chang cheng はんちゃんちょん)
玉門関の近くに、漢の時代に作られた長城跡が残っている。 -
茫漠とした砂と岩の大地の中に人間が定めた国境。二千有余年の時を経て崩れかかっている。
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空と大地しかない風景の中をひたすら走り、午後1時過ぎに雅丹(ya dan やーだん)地質公園に到着した。昼飯に運転手のおじさんがくれた饅頭をほおばりながら、地学博物館で解説のビデオを見た。解説は中国語だが、映像でなんとなく理解できた。
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ヤルダン地形 (yardang formation)という言葉は、堆積岩が風に浸食された地形を意味する地質学用語になっているそうだ。
海底に層状に積もった泥が岩になり、それが地上に出て風に削られ、いろいろな形になった。河川の水や海の波ではなく、風と砂嵐に削られたから、こんな奇妙な形。世界でも珍しいのだという。 -
小型バスに乗り換え、専門のガイドがついて公園内を廻り、獅子・孔雀・戦艦などいろいろなものに見立てた岩を順に見学した。ガイドは若い女性。いろいろ解説してくれていたのに、中国語がわからなかったのがとても残念だった。
写真は雅丹斜塔 -
ここはクンルン山脈から吹き降ろす風の通り道。一定の方向に吹く風に削られて、大地に巨大な皺のような地形が延々と続いている。
音を立てて通り抜ける砂混じりの風。こうして、岩は、砂になるのだ。 -
バスから降りて岩山の近くまで行った。地の果てまで来たという気がする。とても人の住む世界ではない。
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ここは「魔鬼城」。魔物と鬼の住むところ。
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圧倒的な自然の前に言葉を失う。自分が今ここにいることが不思議に感じられる。
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再び車に乗って大地を走り、玉門関まで戻った。ようやく人の住む世界へ戻って来たようだ。
まもなく日が暮れる。 -
無事に街まで帰ってきた。市場のある通りは夕方になると道端に即席のテーブルが出て屋台になる。
少女がナンを焼き、少年が煮込んだ羊肉を刻んでそれにはさんでくれた。おいしい!写真を撮るのも忘れてすぐに食べてしまった。 -
おばちゃんがしきりに「坐!坐!(Zuo つぉー)座れ」と客引きをしている。麺を頼むと、小麦粉を練った塊を持ってきて、パスタマシーンで麺を作って茹でてくれた。作りたての生めん、おいしいに決まってる!
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うどんのような麺の上に野菜と肉と豆腐を四角く切ったものが乗っていて香草とスパイスの香り。7元。これが今回の旅行で一番おいしかった!
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この旅行記へのコメント (4)
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- nao0880さん 2007/02/12 21:59:56
- 美味しそうですね
- 春風さん、こんにちは。
中国の一人旅では、面や餃子あるいは焼肉が増えてしまいます。
私は1人だと半分くらいがこのパターン。ビールは注文しますが。
中国のスープのない面、そしてきしめんタイプの面が好みです。
香菜は評価が別れてしまいますが、私は大好きです。
香菜と大蒜のたっぷり入った面が好みです。
1987年のシルクロードを興味深く拝見させていただきました。
市場の風景はどこであれ、私は好きです。
お邪魔しました。
- 春風さん からの返信 2007/02/13 20:01:57
- 書き込みありがとうございます。
- nao0880さん、ようこそお越しくださいました。昔の旅行記、喜んで頂けたようでありがとうございます。
香菜は大好きか苦手かどちらかの人が多いですね。私は中国で食べて以来大好きになりました。日本にいても、春菜と手打ち麺を買って来て、自己流で作って食べるようになったくらいです。
市場の雰囲気も好きになるとまた味わいたくなりますよね。私が日本で「この雰囲気、アジアの市場に似てるかも...」と思ったのは早朝の築地市場でした。機会があれば訪れてみてください。
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- 招き猫さん 2005/11/10 14:44:38
- 春風さん、初めまして
- 敦煌いいですね、どこか響きがいいですね?
砂漠の中の関所跡とか、見てみたいです。
中国はまだなんですが、チベットに昆明、麗江、桂林、西安、そして敦煌と
行きたい所が一杯です。
まあ中国は安全な国だから、多少歳とってからでも大丈夫かなと?
50代の元気な内に、衛生面のよくないインドやアフリカを回りたいと思ってます、ではまた宜しくお願いします。
招き猫
- 春風さん からの返信 2005/11/10 20:56:39
- RE: 春風さん、初めまして
- 招き猫さん、こんにちは。
おっしゃるとおり中国の治安は良かったです。
特に観光地では外国人は「金ヅル」ですから(笑)
お金を払えば本当に一生懸命サービスしてくれます。
衛生面はここ数年でかなり良くなったそうです。
これからもっと良くなり旅行者も増えるでしょう。
招き猫さんのインド旅行記、素敵です。
「人々」「動物」シリーズには癒されます。
そんな招き猫さんには、いつか敦煌の砂漠の関所を越えて
ぜひ「西域」に足を踏み入れて欲しいです。
シルクロードを旅する商人たちの街。砂漠の中のオアシス。
ウルムチ、トルファン、カシュガル、、、、
「西域という言葉の中には、もともと未知、夢、謎、冒険、
そういったものがいっぱい詰め込まれてある。」
井上靖「西域物語」より
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