中東の旅【８】　シリア、中東の３Ｐ・パルミラ遺跡

2005/09/27 - 2005/10/08

パルミラはシリア砂漠のオアシス都市としての繁栄の歴史を持っている。約８万年前の旧石器時代には既に古代人が居住しており、紀元前１８世紀のメソポタミア文明（アッシリア、バビロニア文明）時にはアラビア半島やメソポタミアとの交易の要衝となっていた。２世紀に現ヨルダンのぺトラがローマ帝国に併合された後はペトラが持っていた通商権を獲得しパルミラの最盛期を迎えている。現在の１０平方キロに及ぶ壮大なパルミラ遺跡に残るベル神殿も７５０本もあったというコリント式の列柱も最盛期である２−３世紀に築かれたと考えられている。しかしパルミラの繁栄は長く続かなかった。　２７０年頃ローマ帝国の属州として東方の防衛を任されていたオダナイトの死後、妻でクレオパトラの末裔と名乗る美女で数カ国語に堪能な才女、ゼノビアが女王となり、小アジアやエジプトを支配下に独立宣言する。だが２７２年にゼノビアはアウレリアヌス皇帝率いるローマ軍との戦いに敗れてパルミラは破壊され、繁栄は終わっている。パルミラはその後脚光を浴びることは無く現在は約３万人の街になっている。クレオパトラは紀元前３０年にエジプト王朝の幕を閉じる最後の女王になったがゼノビアも野望をくじかれパルミラの繁栄の幕を閉じた悲運の女王、さぞ無念だったことだろう。
現在は２００本弱のコリント式の柱が並ぶ列柱道路はベル神殿から記念門、ナボ神殿、浴場、円形劇場、四面門、住宅地域を通りディオクレティアヌス城塞まで１キロ余り続きパルミラ最盛期の繁栄振りが想像できる。
パルミラ遺跡の西側に広がる谷は墓の谷と呼ばれ、エラベール家の塔墓と三兄弟の地下墓室を見学した。１-３世紀のパルミラ最盛期に貿易で富を築いた豪族の墓で墓の中は何段にも遺体安置用の棚や引出しが作られ、約３００人も収容できたそうだ。三兄弟の地下墓室は分譲・賃貸式の現代で言うお墓のマンション（ロッカー）で、２０００年前から墓の分譲・賃貸があったことに驚いた。地下墓が荒涼とした砂漠に並ぶ光景はエジプトの王家の谷を小規模にしたようなイメージだった。
（写真はパルミラ遺跡）

エリア パルミラ(シリア)

パルミラ遺跡のベル神殿。

パルミラ遺跡のベル神殿。

パルミラ遺跡のベル神殿。

パルミラ遺跡のベル神殿。

パルミラ遺跡のベル神殿内部。

パルミラ遺跡のベル神殿の２０００年前に使用していた鉄の楔。

パルミラ遺跡のベル神殿内部。

パルミラ遺跡のベル神殿の緻密な彫刻。

パルミラ遺跡のベル神殿の緻密な彫刻。

パルミラ遺跡のベル神殿。

パルミラ遺跡のベル神殿。

パルミラ遺跡のベル神殿の遠景。

パルミラ遺跡の列柱。

パルミラ遺跡のベル神殿。

パルミラ遺跡の記念門。

パルミラ遺跡の列柱道路と記念門。

パルミラ遺跡の全景。

パルミラ遺跡の記念門。ラクダがたくさん客を待っている。

パルミラ遺跡のローマ円形劇場。

パルミラ遺跡のローマ円形劇場。

パルミラ遺跡のローマ円形劇場。

パルミラ遺跡のローマ円形劇場。

パルミラ遺跡のアゴラ。

パルミラ遺跡のアゴラの門。

パルミラ遺跡のアゴラ。

パルミラ遺跡のアゴラから見る列柱道路。

パルミラ遺跡のアゴラ。

パルミラ遺跡のアゴラから見る列柱道路。

パルミラ遺跡のアゴラで出合った人。

パルミラ遺跡の列柱道路。

パルミラ遺跡の列柱道路。

パルミラ遺跡の列柱道路と記念門。

エラベール家の塔墓。

エラベール家の塔墓の豪華な内装。

エラベール家の塔墓の豪華な内装。

エラベール家の塔墓の豪華な内装。

エラベール家の塔墓の納棺場所。

パルミラ遺跡の西側に広がる墓の谷。

三兄弟の地下墓室の入口。１-３世紀のパルミラ最盛期に貿易で富を築いた豪族の墓で墓の中は何段にも遺体安置用の棚や引出しが作られ、約３００人も収容できたそうだ。三兄弟の地下墓室は分譲・賃貸式の現代で言うお墓のマンション（ロッカー）で、２０００年前から墓の分譲・賃貸があったことに驚いた。

墓の谷に多く見られる朽ちた塔墓