1970/08 - 1970/08
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片瀬貴文さん
日本からやって来る客の応対は、仕事だけで終わらない。
一生に一度の人も少なくなく、パリの案内がつき物となり、私は毎週一度ルーヴル美術館に通うなんてことになる。
ヨーロッパに来られた方は、フランスに用がなくても、週末パリ見物希望者は多い。、パリを見るにはフランス語が必要なので、案内の依頼が絶えない。
私も喜んでいただこうと、全力投球するのだが、グループが三つも重なれば、能力の限界を超える。
国鉄の二つの在外事務所は、本社と共に世界を三分して、それぞれ担当地域を決めていた。
パリ事務所の受持範囲は中近東、ヨーロッパ及びアフリカ。
しかしそんなに広範囲を見ることは不可能なので、実情としてヨーロッパ主体、特に英独仏とならざるを得ない。
私は技術全般とドイツ(任期の後半はイギリス)全般を担当する。
情報交流の多い地元フランスは全員でリカバーし、それに次ぐ英独二国は特に地域担当を指定していた。
もうひとつ、パリ事務所の大きな役割は、世界全体の潮流を読むことである。
パリにはUIC(万国鉄道連合)があり、鉄道に関する世界の情報が集まる。
1970年には、UIC主催で、日本で始めての世界鉄道シンポジウムが開かれる。
テーマは「鉄道におけるサイバネティクス」。
その準備も私の担当だった。
当時欧州にいる国鉄技術者は私一人、土木技術者も私一人。
その広い担当範囲をリカバーすることに、心が弾む。
たくさんの要請に応えながらも、早朝から深夜まで人と出会い、傍らで自分の興味ある課題に取り組む。
その充実感は、国内業務では経験できない貴重なものだった。
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