2004/04/03 - 2004/04/10
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さすらいおじさんさん
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ハトシェプト女王は紀元前1500年頃、テーベ(ルクソール)に首都があった新王国時代第18王朝のエジプト史上初の女王と言われる。しかも非常に有能な国王で、王朝を繁栄させカルナック神殿の規模を拡大した。そしてアメン神、父トトメス1世と自分のために建造したのが「ハトシェプト女王葬祭殿」である。
「ハトシェプト女王葬祭殿」は歴史文化遺産としても有名だが、「ルクソール事件」(1997年11月に発生した、外国人観光客58名がイスラム原理主義者6名に殺害された事件で殺害された被害者のうち10名が日本人旅行者という悲惨な事件)発生の場所としてさらに知られるようになった。
私はこの事件は偶発的で現地で観光中の大半である58名が銃撃で亡くなった不幸な事件だと日本の報道から思っていた。ところが、外務省の危機管理情報を調べると単に日本人10名は運が悪かっただけではないことが解った。当時現場には被害者の約倍の数の外国人旅行者(スイス人、アメリカ人)が居合わせていたがスイス人の一部はハトシェプト女王葬儀殿の柵を越え約7メートル下に飛び降り、怪我をしながらも助かったものが大勢いた。また、アメリカ人には1人も死亡者はおらず、葬儀殿の奥に隠れ全員難を逃れていた。日本人は10名(この他1名が重傷)全員祭祭殿の真ん中で寄り添うように倒れ死亡していた。つまり日本人は1人も逃げなかったということだ。スイス人、アメリカ人は日頃から危険に遭遇した場合には即座に避難する訓練ができていたが日本人はそうでなかったということになる。日本人は外国での危機意識が薄いと良く言われる。特に私も良く利用するのだがツアーパッケージ旅行の場合は添乗員や現地ガイドの指示通りに行動する習慣ができてしまっており、「これはテロだ」と感じた瞬間に即座に安全な場所に逃げるという心の準備もない。旅行社もスリに注意とは良く言うが、恐ろしいテロの話はほとんどしない。恐ろしい話をするとお客が集まらないから言わないのかもしれない。しかし、同じようにテロに遭遇しながら、アメリカ人は全員助かり日本人は11人中10人死亡という実態を聞くと外国にいるときは常に危機が発生したときの心の備えを持っていなければならないということだろう。不幸な事件があった「ハトシェプト女王葬祭殿」はこのときは平穏で警備もしっかりしていたが、事件のあったテラスに立ちながら、心の備えの大切さを考えた。(写真は「ハトシェプト女王葬祭殿」)
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