1970/06/16 - 1970/06/16
13457位(同エリア17113件中)
片瀬貴文さん
ミュノスさんは、厳格なスペイン館の玄関を取り仕切る、しっかりじいさん。
このおじいさんと、大の仲良しになった話。
「スペイン館は、館長の許可だけで入れるよ」
こんな耳寄りの情報を聞いたのでさっそく館長に面会を申し込み、面接の末、無事入館許可となった。
修道院風のガッシリした建物は、まさにこの館の堅苦しい気風を表わしており、二階以上は女人禁制なのも、大学都市では珍しい。
若者から不人気なのが理解できる。
おまけにここは玄関受付の守衛がしっかりしていて、四六時中目を光らせてくれている。
だが私にとっては何よりも静かなのが有難い。真昼間でも、ピアノ練習の音が遠くから聞こえるだけで、ひっそりしている。
部屋の出入りが自由な館ならば訪問者が多く、夜遅くまで騒々しいだろう。
門限は24時で、それ以降は玄関のドアに鍵が掛けられる。鍵を開けるには呼び鈴を鳴らして、眠っている守衛さんを起こさなければならない。
私は日本からの客とのつきあいなどで門限を超えることが多く、その都度守衛のミュノスさんをわずらわせ、タバコを一本差し上げているうちに、すっかり親しくなってしまった。
毎日数分間だが、通りすがりには必ず立ち話をする。
そろそろ60歳近く独身の彼も孤独らしく、私との会話が楽しみらしい。
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