2004/09/19 - 2004/09/19
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ゆっくり歩くさん
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この日は二年ぶり二度目の麻塘行きだった。まあまあの天気だったので,楽しいピクニックとなった。
麻塘はイ革家(Gejia)の人達が住む村だ。イ革家は未だ中央政府から正規の民族としては認められていない。しかし,周辺の苗族は彼らを自分達とは別の民族として付き合っているようだ。藍染めのデザインも全く異なっているし,始祖伝説もまた違うと言う。
この村は凱里市の龍場鎮の一部で,凱里市内からは龍場行きの乗合ミニバンで30-40分の麻塘口で降り,1.5キロ程の道をなだらかな坂道を10分から15分歩く。バスは5円くらい。ミニバンのフロントには,簡体字で,龍場と書いてある。
凱里の西門当たりから出ているが,分かりにくいので,バスで発電所まで行き,丁字路の所で待っていればやってくる。
麻塘は凱里から一番近いイ革家寨だ。そして,この人々の伝統的衣装に使われる藍染めと刺繍は日本でも愛好者が多い。又,指定観光地とも言うべき扱いを受けていて,観光バスが訪ねるコースの一つだ。そしてその都度,歌や踊りが手配され,それが終わるとその場はミニ土産バザールになる。
バスが帰った後にふらっと現れる旅人を民族衣装を着たまま待っていることが有る。入場料は取られないが,見つかると,手ぐすねひいて待っていたのだから離すものかと,取り囲まれる。
そして,いよいよ客が来ないと思うと普段着になって野良仕事などに精を出すことになる。
ただ,そういう時でも女の人は頭の冠り物を離さない。しかし,客を迎える時の,つまりお祭り用のはれの冠り物とはずっと簡素化されたものだ。
帰りは,麻塘口まで戻り,バスやバンを待つもよし,時間が有ればそのまま先に進み15分も歩けば龍場に着くので,そこのミニバンターミナルから乗るも良しだ。農村部の小さな鎮龍場をぶらぶらするのも楽しい。本当に小さな町だが,鶏や野菜を売る小さな小さな規模の市場が有る。
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麻塘口から緩やかな坂道を歩いていると,水牛を追う少女が。その先の水浴用の泥水の池まで,追い立てて行く途中。水牛は恐いように見えるけれど,大人しいらしい。
道路を車が入れるようになおした結果,道は歩きよくなったが,田舎道という印象が,なくなった。 -
池の上の草地には已に一人の女の子が水牛の番をし乍らお勉強。この辺りになると,いくら貧しい一帯とはいえ,就学率は良いらしい。山の奥の方になるとそういう地域の子供の修学支援である『希望工程』と呼ばれる資金による学校が建っているが,州政府所在の市の一部だけに,学校は従来から設置されている。
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水牛は,当地の様々な民族の藍染めにデザインとして採用されている。もっともその姿は,龍に変身している。漢族の龍と違い,権力の象徴ではなく,繁栄の象徴だ。
この麻塘の伝統的デザインには,具象的なものはなく,幾何学模様なので,苗やトンとは違う始祖伝説と,独自の美意識とが有る。それが,ここの伝統的藍染めの魅力で,日本でも人気だ。 -
更に歩けば,こんな花が。この一帯ではここで初めて見た。
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これはどこかで見た感じの花。
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これも。
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村から出て,畑やたんぼの有る山の方に行った所に植えてあるのか,生えているのか分らないベリーが有った。甘そうな感じはしたが,農薬がアルかも知れないと言う恐怖感で摘まなかった。きっと甘かったと思う。
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まめ科のなんとかいう木。
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赤ちゃんを背負った母親。普段着も民族衣装だ。頭の冠り物も。靴だけは近代化してしまった。
綺麗な人の目を捕らえる盛装はお祭りと観光用だ。旅行代理店が手配したバスで客が来ると歌と踊りを披露し,終わると土産物を売る。バスが帰った後も,暫くはふらっとやって来る客を期待してそのまま待つことも有るが,たいていは普段着に着換えて日常に戻る。 -
庭先で籾を干す老夫婦。
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村の入口で観光客を迎える格好をしていたのに,もう野良仕事だ。イ革家ばかりではなく農民は働き者だ。
私とこんな所で出会うとは思っていなかったので,驚いたと言っていた。こちらも,あっという間に着換えて野良に出てくるとは思わはかった。 -
農家の軒先きで。
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この辺り一体,トウガラシの世界だ。調味料はこれに,塩と酢。香り付けにいろいろな野菜。
トウガラシのダメな人には辛い世界かも知れないが,地元の人でもダメな人もいるから,ここまで来てしまえば,何とかなります。 -
コメの収穫。田に四角い箱のような入れ物に実ったコメを叩き落とす。これを袋に入れ,家に持ち帰り,庭先で干すのがここのやり方。
平らな道路が有る所だと,そこに干してあるのを見かけるが,ここは舗装道路がないし,村の道は坂だから庭での作業になる。 -
電力施設が破壊され盗難に合うことが多いと言う新聞記事を見た。そこで,そんなことをするなという電力会社のポスター。
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村の出口でフキの花に集まっていたちょうを見た。羽が傷んでいるのが多かった。
ちょうは,とまっている時は向きが悪い,飛んでいる時は動きが早い,そんなわけで旨く撮るのは難しい。 -
麻塘口に出て坂を下り乍ら10分も歩くと,龍場鎮にでる。
鎮=町なので,もう少し大きいと思っていたら意外に小さな町だった。
それでも郵便局や市場が有った。
市場には肉屋(豚肉を売る店),鳥屋(鶏を売る店),八百屋が有った。全部で5軒程が並んでいた。八百屋が有るのだからやはりここは町だ。 -
何処の市場に行ってもこれだけは,切り身になっているのを見かけない。羽をむしられていてもマルのままだ。ここでは羽をむしったのは無い。
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こういう所の店番は子供が多い。大きな声で客が来たことを告げると,親が現れる。それまでの値段交渉は,子供でさえやるのだから,日本人では対抗できないしっかりした子供が多い。
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この旅行記へのコメント (5)
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- 背包族さん 2005/03/18 19:55:18
- よさそうなところですね!
- いつもご訪問いただきありがとうございます。
Gejiaの人々の紹介は、どなたかイラストレーターさんのページで見たことがありましたが、実際の人々の写真は初めて見ました。
興味深いですね〜。
貴州はまだまだ開拓していないので、参考にさせていただいています。
カイリからの交通も便利そうなので、ここはぜひ行ってみたいです。
植物の写真も素敵ですね。
- ゆっくり歩くさん からの返信 2005/03/24 09:42:44
- RE: よさそうなところですね!
- 私も絵を見ました。ああいう能力が有れば,デジカメなんか持たずに行くのですが。
凱里辺りでも団体さんを見掛けます。また,HPで旅行記を発表されている方々も,団体旅行が多いようですが,バス路線沿いはもう一人でなんとも有りません。
ただ,一人で行くと所謂歓迎行事に始まる行事は全く有りませんから,日常の村の姿を見るだけです。そして,ちょっと話をして,相手が何かを売りたい場合は家に来いと言うお定まりのパターンになります。
旅行社の手配でなくとも,定められた額を払えばやるよと言う看板を掛けた村も有りますから,観光に頼れる村と,山奥の車が入らない村とは,経済格差が広がるようです。
貴州の山地は,観光をメインの産業にして発展させる意欲は有るようですが,後発組はよほど魅力有るものを持たないと難しそうですね。お役人達にソフトの重要性が認識されていないのも,足を引っ張っているのではないかと思います。
沢山歩き回って,新しい,素晴らしい所を見い出して下さい。
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- SUR SHANGHAIさん 2005/03/05 19:00:02
- ア、ここは!
- はじめまして、ではないですよね。(*^_^*)
ここのお宅には、私も麻塘に行った時に寄ってみました。
私が行った時には籾は干していなくて、おばあさんが織物をしていましたが。
この小さい村は貴州省の中でも印象に残っている所です。旅行記はまだアップしていませんけど…。
- ゆっくり歩くさん からの返信 2005/03/13 10:08:57
- RE: ア、ここは!
- 麻塘は凱里市内ですから手軽にゆけるので,一番お勧めです。でも,観光バスが入っていないときは,何にも有りません。従って,ゆっくりと村の中を,そして家の庭をちょいと覗かせてもらう訳です。
旨く目が合って,ちょっと寄ってけと言うことになると,ハッピーの半分が成就したことになるので,途中で出会った若いバックパッカーにも紹介することが有りますが,今や貨幣経済に充分に組み込まれている麻塘の人達も,外国人となると,何か買ってくれることを期待しますから,そのへんのバランス感が悪い人には向かないと思います。
自分が体験した途中の面白い話や日本の話をして来るだけでもよいのですが,何かそうでもない人も多いようです。
人の家に土足で入って自分だけ満足して帰って来ると言う訳には行かないと言うことが,若い人達には解らないようです。
そんなことお感じになりませんか?
- SUR SHANGHAIさん からの返信 2005/03/13 17:15:50
- RE: RE: ア、ここは!
- そうですね。麻塘は、限られた時間の中で貴州を訪れる方にはお勧めの所だと思います。
麻塘だけに限らず、外国の旅行者が行く所では『何か買ってくれることを期待』して寄って来るその土地の人たちがいます。この一面だけ見ると、確かに煩わしいとも言えますが、旅行者さんの中には「寄るな、触るな。見たい物だけ見させてもらえばいい。」的な人も無きにしも非ず。
これはその土地の人たちの個人としての面を無視しているとも言えて残念。
行きずりの旅行者としては、交流までは行かなくても、その土地の人たちと何か気持ちの触れ合いがほしいと思います。お邪魔させてもらっているのですから。
そういう私も、度を越した態度で寄って来る人には切れる事もあるので、偉そうな事は言えませんが。
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