長年の憧れだったオリエント急行にようやく乗車できました。年数本特別コースなどもありますが、初めてなので、ロンドンからパリ経...
続きを読む由でベネチアというベーシックなコースです。このコースではロンドンからフォークストンまではプルマン乗車になるので、人気の列車を一度に楽しめます。フォークストンでバスに乗り換え、ユーロトンネルを越えたら憧れのネイビーブルーの車両が待っています。プルマンでのブランチ、ハイライトのオリエント急行でのディナー、朝食も種類は限られているものの味は良く、降車前にサーブされるアフタヌーンティーのケーキも皆美味しかったのですが、残念だったのはアフタヌーンティーを除けば車内での最後の食事となるランチがひどかったこと。まずメインがラパン(うさぎ肉)とチキンのソテーの盛り合わせ。いくらフランスやイタリアなどヨーロッパではうさぎをよく食べるとは言え、まだまだ一般的とは言えず、グローバルな客を迎えるオリエント急行車内でのメニューとしてふさわしいチョイスとはとても言えません。かなりの人がチキンオンリーを希望されていまあしたが、私たちはチキンもあまり好きではなかったので、チキンが倍増するのは好ましくない、テレビの紹介で見たようなリゾットが食べたいと希望しましたが、リゾットは米がなくラビオリかスズキのソテーなら可能との回答でした。仕方なく、ラビオリとスズキをそれぞれオーダー。チキンとの組み合わせのはずなのに、出てきたのはそれぞれラビオリだけ、スズキだけという内容。隣の人のお皿と見比べても明らかにボリュームは半分以下でしたが、見るからに美味しくなさそうだったので、敢えて文句は言いませんでした。案の定、ラビオリは味は悪くないものの、冷めていて美味しさ半減、スズキは生臭い味がしました。そう言えば前菜のサーモンとタラも生臭かったねと言いながら何とか食べ終えて、デザートぐらいこましなものが出てくるかと期待して待ったのですが、出てきたのはパイ皮ならぬ餃子の皮のようなものでチョコレートを包んで揚げたものが二つに、べたべたに甘いマンダリンの砂糖漬けという内容でした。茶色い揚げ菓子は見た目の美しさにも欠け、第一揚げ菓子というの自体が高級感に欠けます。中の甘ったるいチョコレートフィリングと油っぽい外の皮がしつこさを増し、胸が悪くなるような味で、走る五つ星レストランという異名は返上すべきではと言いたい内容で、ランチだけを評価するなら、星一つも上げられない。0.5がいいところでした。ただ、このマイナス面を考慮しても高い評価を付けたのは、やはり全体としてこの列車の旅は素晴らしいものだからです。担当スチュワードのきめ細やかな、行き届いたサービス、優雅な車内、皆うきうきして、旅を楽しんでいるので、客同士もすぐ打ち解けられ楽しい会話もはずみます。車両はかなり揺れますので、車内の移動だけだからとあまり高いヒールなどはかなり疲れますので注意が必要ですが、本当に優雅な特別感の味わえる旅になること請け合いです。
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投稿日:2015/08/03