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音無橋

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建設にあたり渋沢栄一も支援していた橋梁です!

  • 4.0
  • 旅行時期:2022/10(約3年前)
hiroさん

by hiroさん(男性)

王子・十条 クチコミ:6件

『音無橋』は、明治期から昭和初期にかけて日本の近代化を支える重要な施設となる製紙工場(現:王子ホールディング)および印刷工場(現:国立印刷局)などが設置された王子エリアからさらに赤羽エリアに設置された火薬庫などをはじめとする旧日本陸軍の軍需施設など工業および軍事の拠点として交通網の整備が重視されていた中で、王子エリアを蛇行しながら流れていた「石神井川・旧流路」により武蔵野台地の突端(崖線)高台に位置する北西側の王子村(現:北区王子本町1丁目)および南東側の滝野川村(現:北区滝野川2丁目)において南西方向から北東方向に向かって渓谷のように分断されいた部分を1930年(昭和5年)に自動車で横断できるように現在の「本郷赤羽線・旧岩月街道(都道455号)」から「明治通り(国道122号)」に合流する「音無橋交差点」部分に架けられた橋長:約50メートル・幅員:約18メートルの橋梁(3径間連続鉄筋コンクリート固定アーチ橋)です。
また「石神井川」については、王子エリアにおいて江戸時代に「音無川」と呼ばれており、江戸時代後期の1836年(天保7年)に刊行された地誌「江戸名所図会・5巻(15冊)」の中でも「音無川」として景観図が紹介されているほか、「名所江戸百景」でも「王子音無川堰棣 世俗大瀧ト唱」として錦絵が描かれているなど風光明媚な江戸庶民の行楽地として人気を集めていたことが伺えます。
ちなみに王子エリアの「石神井川」が江戸時代に「音無川」と呼ばれていた由来は、この地に鎮座する江戸府内の北方守護を担う徳川将軍家の祈願所であった「王子権現社(現:王子神社)」が「熊野信仰」のもと紀伊国(現:和歌山県)の紀伊半島南部に鎮座する「熊野三山」(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)に祀られる祭神「熊野権現」を鎌倉時代末期となる1322年(元亨2年)に勧請したこととあわせて「熊野本宮大社(旧社地)」(現:田辺市本宮町)付近で「熊野川」に注ぐ「音無川」を模したものとされています。
一説によるとこの王子エリアが紀伊国とゆかりのある地であることから紀州徳川家から第8代将軍となった「徳川吉宗」が故郷である紀州「音無川」の渓谷にちなんで命名したと伝えられており、現在でも通称として「音無川」と呼ばれて『音無橋』の名称としても用いられています。
その後に『音無橋』の下部を流れていた「石神井川」は、1958年(昭和33年)に神奈川県に上陸して伊豆・関東地方に甚大な被害をもたらした「狩野川台風」において大きな被害がが発生するなどしており、水害などを解消するため蛇行していた流路を直線となるように西方向から東方向に「飛鳥山」の下部を2本のトンネルで流す延長:約380メートルの分水路が1968年(昭和43年)および1983年(昭和58年)の2期工事に分けて整備されています。
さらに『音無橋』については、老朽化にともない1988年(昭和63年)に大改修工事(鋼繊維コンクリー卜・補強鉄筋による床版増し厚など)が実施されており、あわせて『音無橋』の下部からJR王子駅方面に向かう「石神井川・旧流路」エリアについても『音無橋』の大改修工事と同時期に樹木に覆われた渓谷風の期間限定で水遊びができる「音無親水公園」として整備されることで「音無親水公園」との調和を図りながら、橋梁の歩行者スペース(橋梁中間部分)に新たな展望用バルコニーが新設されるなどさまざまな角度から見られる橋梁となることなどを意識した大改修工事となっています。
今回は王子エリアを訪れる際の平日の午後にJR王子駅周辺を散策して廻りながら橋上から「音無親水公園」などを写真撮影するために『音無橋』に立ち寄りました。
『音無橋』の建設には、”近代日本経済の父”または”日本資本主義の父”などと称される大実業家「渋沢栄一」も支援していたとされることからも日本の近代化を進める上で重要性の高い橋梁であったことが伺えるほか、現在も自動車の交通量が多く生活を支えている橋梁であることが実感できます。
意匠的にも魅力を感じる橋梁であり機会があれば時間をかけて細部までじっくりと見て廻りたいと思います・・・

施設の満足度

4.0

利用した際の同行者:
一人旅
アクセス:
4.5
JR王子駅・北口改札の西側駅前から音無親水公園の遊歩道を通って直ぐです。
人混みの少なさ:
4.0
駅からも近いので自動車の交通量も多く、歩行者はそれ歩でではないですが途絶えることはありませんでした。
バリアフリー:
4.0
特に気になる段差はありませんが、橋下の音無親水公園に降りる階段があります。
見ごたえ:
4.0
老朽化に伴いさまざまな角度から見られることなどを意識した大改修工事が実施されており、意匠的にも魅力を感じる橋梁です。

クチコミ投稿日:2023/08/06

いいね!:5

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