露天神社(お初天神)

情死の現場が聖地とは・・・。

4.0
旅行時期：2021/03（約3年前）

by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん（非公開）

キタ（大阪駅・梅田）クチコミ：14件

大阪市北区曾根崎にある露天神社は〝お初天神〟という名で知られている。元禄時代に境内で起こった醤油屋平野屋手代の徳兵衛と幼馴染の堂島新地天満屋の遊女お初が、徳兵衛に平野屋主人の姪との婚姻話が持ち上がったことにより別れざるを得なくなったものの、どうしても別れることが出来なかった。最終的に徳兵衛は縁談を破棄し、主人から受け取った金を返そうとするが、その金を友人九平次に騙し取られてしまう。

世の中の不条理に幻滅した徳兵衛は、露天神社境内に於いてお初と心中した。

その史実を題材に近松門左衛門が浄瑠璃として劇化したものが当時の庶民に大評判となり、今なお曾根崎心中として語り継がれている。

勿論人と人との繋がりは、思ったようにいかないことも多々あるのは事実である。時の元禄文化の後押しもあり、劇化されたものが万人受けしたということだろうが、あくまでも人2人が命を落としているのは間違いないことである。

ピュアな恋愛が近年の若者受けしたのであろうが、恋人の聖地とするには如何なものかと思えて仕方がない。

そもそもあちらこちらの観光地が、景色を背景に〝恋人の聖地〟と称していることには、その理由を聞いてみたいといつも感じる。

そうするしかなかったために情死を選んだ二人に対し、冒涜しているようにしか思えない私であった。